08/12/20 01:11:39 Ld3ExrfJ
覚えていますか
暗い水の中にいるような闇
その闇を銃弾のように突き抜けていく雨水
車の窓をたたく雨音と それから君が漏らす嗚咽が重なっていた
私は君を失おうとしている その時に怯えた
暗闇が私たちの間に深い闇を作ろうとするのを
雨音が私たちの炎を消し去ろうとするのを
私は怯え 君のぬくもりを 涙の柔らかい暖かさを求め ただただ抱き寄せた
けれども私は知っていたのです
震える肩に しがみつく君の指先に 君という香りに
私たちの灯火が燃え尽きているのだと
私は言葉の鞴と この身に残る燃え煤で 一時でも長く君の中にある その火を感じようとした
雨は去り 暗闇は去り そして君も去っていった
消え去ることのない灼熱の刻印を残し 私はいつまでももがくのだろう