08/12/17 01:14:36 OPJxYVbK
「前頭葉」
唐突にそれは始まった
私の脳に深く刻まれていく
ある日
少年Aは笑う事しかできなくなった
それからの日々は
実に味気なく
それでいてAは楽しそう
「ねぇ、君は幸せかい?」
「なにを焦っていたんだ僕は」
美しく燃える炎は今なお続いていく
13番目の細胞は言った
「あんまり、多すぎても仕方がない」
「僕らきっと今に死んでしまうよ」
「戦争しましょう戦争しましょう」
右脳はすぐさま撃たれて死んだ
彼を殺したのは 左脳でした
「ごめんね、でも君の事忘れない」
赤褐色の吹き溜まり 額の横は青面皰
前頭葉からの赤色の便り
それからは年が変わって
少年Aはある朝、恋をした
醜い女の乳房は輝き
狂いそうなほど 愛していた
しかしAの体内では
変わらない戦いが渦巻き続け
やがて精子たちはクーデターを起こした
「僕だって一つになりたい」
「あたしは生きてるわ、死ぬために生まれてきたんじゃないわ」
いかれた少女は水を被って
「悲しい辛い死にたいわ」 叫ぶ叫ぶ
「ねぇどうして君は幸せになれたの?」
僕のいったいどこに
幸せがあるというんだ!!
唐突にそれは始まった
少年Aはその日を境に
笑う事しかできなくなった