08/12/06 22:40:22 dY3ACMHv
器を離れた小さな魂が空を駆け抜け
あの星の裏側に隠れる頃
乾いた井戸と瓦礫にまみれた
僕の知らないどこかの村の片隅で
1人の若い母親が
汚れたエプロンに顔を埋め
声も出さずに泣いていた
年老いた老人に安らぎはなく
生まれた赤ん坊に未来はなく
母親だったその人は明日には
ただの女になる
希望は過去の中にしかない暮らしを
白い金持ちたちは想像すらできず
今日もピカピカの靴で偉そうに歩き回る
ただただかわいかった
黒い瞳はもう何も映さない
貧しさが悲しみが憎しみが無知が浅はかさが
いったい何がこの魂を遠くへやった?
贅沢も傲慢さもずるさも裏切りも
どれも手にしたことはないのに
いったいどうしてこんなことが起きる?
僕は何も知らずに地球の裏側で
今日ものうのうと生きていた
だけどもしも今日この村にいたとしても
きっと母親の肩すらだけない
きっと子供の亡骸すら触れない
無能以外呼び名のないバカな男とばれるだろう
星の裏に隠れた小さな魂は
母親のことも僕のことも気にも留めず
静かな寝息をたてるのだろうか