08/12/02 01:22:14 /PUHibn3
「白いデージー」
自転車が闇の中を漕いでいく。
少年は14歳で その白い服が
ヘッドライトに照らされたとき
彼のシャツに光が降りかかった。
あまりにも弱弱しいその背中。
その強烈な光は彼を飲み込んだ。
「太陽は人の生活に適度な光を
くれているとか言う話だけど
あんなのはこの世界の全部を
ただ示しているだけのことさ。」
そんな言葉を冷たい空気に残し
あの強烈な光へ彼は溶け込んだ。
歩道に供えられたデージーは
きっと誰の目にも留まらないよ。
アスファルトの隙間から伸びる
タンポポの脇に 横たわるだけ。
デージーの花は ただ真っ白で
タンポポの脇に 横たわるだけ。