08/12/01 13:01:05 piOLSFlV
さめざめ泣く数え切れない車輪の元へ 魔術師がやって来た
魔術師は言った
過去を無駄にすることはない 過去が無駄じゃ無いなら 今は無駄じゃない 今が無駄じゃないなら 未来は無駄じゃない
魔術師は魔法をかけた
倒れた塔は 数え切れない車輪をくっつけ 列車になった
列車はヘルメスの速さで 雷の鳴る混乱と葛藤の暴風域を抜け 悲しみの降雨域を抜け 無気力の曇天を抜け 満天の星空が広がる平原へ
車輪は回り方を思い出し 車体が分解してもなお回る
地上には何の目印も無い 空の数え切れない星が 地上の数え切れない車輪達の目印 車輪達の希望 車輪達が希望
魔術師は言った
私がしてやれるのはここまでだ あとはあなた達と、あなた達の星が知っている
定められたレールも 星を遮る塔も無い
旅する車輪 旅する車輪 地上には 何の目印も無い 何の希望も無い
旅する車輪 旅する車輪 空には目印がある 胸は希望を知っている
END