08/02/21 23:04:28 mJ3O7U4Z
人類はそれをすする
又はほおばる
又又食らい付く
蕎麦のように情緒的に
うどんのように快活に
味わえるというわけではない
足を伸ばせば麺屋だらけで
これが一番というものはないようだ
ラーメンを語るとき、それはあなたでなく
あなたの舌が喋っているのだろう
現に、語りながら唾液が出ぬわけがなく
足は麺になっている
塩が上手い、豚骨醤油が上手い、あそこに感動した
なんてものは僕にはない。胡椒もいらない。すりゴマもいらない。
真夏の暑い昼間に食べた、中華料理屋のランチに出るラーメン
薄い醤油味のどこにでもあるスタンダードな味
真冬の上野の寒い夜に食べた中華料理屋のラーメン
これも薄い醤油味の支那竹とナルトの入った
どこにでもあるスタンダードな味
単純に昔からあるそのどこで食べたとかでなく
その時々の体調による舌の状態で口にしたラーメンが
というか、それがそんな状態だったのか、どうかさえ忘れたが
名も覚えていないみすぼらしい中華料理屋で食べたラーメンが一番おいしかった
あなたの隣町にもある、向かいにもある。
そんな薄い醤油味のどこにでもある、
シンプルな具材しかない、スタンダードなラーメンが一番美味しいと思う
と僕の舌は喋る
何にせよ
それを人類は食うのだ
麺類のラーメンを
味が濃いわけでもなく、極端に薄くもない
ただ、口内に癒しを与え、胃腑に温かさをくれる
食した後、自然に口を広げていた、
その時のラーメンが、僕の感謝のアーメン