08/06/04 00:05:23 XUklTXol
見上げると
ガーネット色の海面
頭上に、鏡の向こう側みたいな世界がある。
私たちは海の底へ沈むから、あなたも一緒に来て
陸の上に、誰かいるの
陸を歩き疲れてそのうち杖をつくようになる。
もうすぐこの身体が終わる。
私には死ぬところがある。
死ぬ体がある。
終わる夢もある。
互いの瞳孔がゆらぎ、
それきり離れ離れになってしまった。
生きていることは、楽しい?
もしそうじゃなかったら、沈んだ故郷へ戻ってきて
鏡の向こう側へ逃げた自分の影を追って
私が陸へ上がった時に
性別も姿も 考え方も 呼吸の仕方も変化してしまって
もう帰れない
しかし、
どこへも行くところがないと思っている自我が
自我のあるところに安らぐ。
風が吹くと、今でも声が聞こえる、また、
波に揺れる皮膚を思い出す。