07/06/06 20:44:50 tnEj0laR
俺は詩人になりたいと思っている。
詩人でなければ死を選ぼうと思っている。
学校で貰った自由帳にそう書いたのは俺が10歳の時だ。
それは20歳になった今でも変わらない。
詩集を出して生計を立てようなどとは毛頭も思っていない。
乞食か物狂い同然の生活に身を浸して詩だけを書く生活がしたい。
かつて詩がもっとも美しく輝いた時代、
そこに息づいていた詩人たちのように純粋な生き方をしたい。
ところが俺の周囲にいた大人たちはみんな俺を問題児扱いした。
社会に適合できない、集団生活から剥離した存在と。
だが俺はそんな人間が一人くらい居ても良いと思っている。
誰とも寄り添わず、独り身で変人のような生涯を送ることが崇高とさえ思える。
それは俺だけが認め、唯一羨望に値する、人のあるべき一つの姿だと理解しているつもりだ。
ところがその事を親に話したら撲られた。
「そんなこは人間のすることじゃない」と怒鳴られた。
俺は獣のようになりたいと思っているし、是非そうしなければならないだろう。
こんな俺を誰か理解してくれるか?
俺のような生活を望んでいる人がいるならば言ってくれ、
文明も社会もかなぐり捨てて、畜生がペンを握るように生きろと。
でなければ俺がこの世に留まる理由は何一つ無いわけだから、
詩に火をつけて死ぬだけだ。