10/05/01 22:16:49 BPvQmB+D
以下、URLリンク(plaza.rakuten.co.jp)より引用(改行引用者変更)
玉村豊男さんのエッセイ、『日常の極楽』(中公文庫)を読了しました。
ま、特になんてことない軽い読み物ではありますが、中に一つ、二つ、印象に残るエピソードが書いてありまして。
これは玉村さんの知り合いで、ヨーロッパでピアニストとして生計を立てているある日本人女性の話と
して出てくるのですが、たまたま彼女が赤ん坊を連れて飛行機に乗らざるを得ないことがあって、その時、
悪いことに赤ちゃんがぐずりだした、というのですね。そりゃ赤ん坊ですから、そういう時もあります。
が、シーンと静まり返った機内に彼女の赤ちゃんの泣き声が響き渡るにつれ、ピアニスト女史と
しては非常に居心地が悪くなってきた。このままこの子が泣き続けたら周囲の人たちにえらい
迷惑だろうなと、居ても立ってもいられなくなってきたんですね。
すると、隣の席に座っていた同年輩の女性からすっと手が伸びてきた、というのです。
そしてその手の中には白い錠剤が・・・。しかも、身振り手振りで「これ、飲ませてあげて」と言っているらしい。
で、そのピアニスト女史、切羽詰まって言われるままにそのクスリを自分の赤ん坊の口に入れてみた、と。すると・・・。
たちまち赤ちゃんはスヤスヤ寝てしまった、というのですな。渡されたのは幼児用の睡眠薬だったと。
で、そのピアニスト女史、どうしてヨーロッパで飛行機に乗って、乗客の中に赤ちゃん連れの人が
いても、その赤ちゃんが機内で泣き出すことがないのか、その理由がわかった、というのです。
つまり、ヨーロッパというのは「大人の国」であって、大人の事情を優先する。それを邪魔する
赤ん坊がいれば、眠らせてしまう。そのために幼児用の穏やかな睡眠薬を作り、子連れの
お母さんはそれを常に携帯するのが常識と、どうもそういうことらしい。
なるほどね。ヨーロッパというのは、そういうところなんだ。(終わり)
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┐(´∀`)┌ヤレヤレ