10/06/29 17:36:20
>>312に続く
「え～こちゃ～ん、どうしたの？」アヤが近づいてくる声がする。
「やばぃ、アヤがくる。山本さん続きは街に戻ってからしよっ、ね」
と山本に耳打ちしながら、あわててズボンをはき直した。
山本はパンツ１枚の姿で動きが止まったままになっている。
その足元を見ながら栄子は小さくガッツポーズを決めた。
「むっちゃやばかった。けど三つめゲットぉ」
上洲は薪を拾いながら３日前の事を思い返していた。
栄子から「震災地老夫婦殺人事件」の概要を聞き、上洲は岩森県熊取村にいた。
そして老夫婦の庭にあったという焚き火跡を必死に探していた。
廃墟となった家ではどこが庭だか畑だか判別できないほど雑草が茂っていた。
ようやく焚き火跡を見つけ掘ってみた。
すでに灰や消し炭の多くは警察が持し去ったようだった。
さらに深く掘り進む。中から白いものが現れた。
「これは‥」
（続く）