10/01/08 09:14:52
?豪、世論・対日で板ばさみ
今回の船舶衝突について、豪州、ニュージーランド両政府は7日、それぞれの海上保
安当局に調査を命じたことを明らかにした。
ともに反捕鯨の立場を取る両国は、調査捕鯨の海域にも近く、SSの活動に重要な役
割を果たしてきた。特に豪州はSSの捕鯨妨害活動の事実上の出動拠点となっており、
今回の衝突に関する報道も「日本が故意にぶつけた」というSS側の主張に依拠した内
容が目立っている。
ギラード豪副首相はこの日の会見で、「死者が出なかったのは奇跡」と述べたうえで
、調査捕鯨問題を国際法廷に持ち込む可能性について改めて言及した。
ラッド首相率いる豪労働党は、07年総選挙で、与党との違いを示すために調査捕鯨
への厳しい態度を強調、反捕鯨世論の後押しもあって勝利を得た経緯がある。SSの妨
害行為の危険性が明白になっても、「自分たちがあおった世論に逆にしばられている状
態」(外交筋)で、厳しい対応が取りにくい状況だ。特に今年は総選挙を控えており、
今回の衝突で再び過熱しそうな反捕鯨世論と、対日関係との間で難しい対応を迫られる
ことになりそうだ。
一方、SSは今回の衝突後、「日本の攻撃を受けながらも、クジラのために戦う英雄
」のイメージをアピールする広報戦術を展開している。抗議船のダメージを強調すると
同時に妨害行為の継続を宣言、欧米メディアなどを通じて資金獲得につなげる狙いもあ
るとみられる。
また、乗組員に豪州人が含まれていることなどを理由に豪艦艇の出動を求めるなど、
世論に訴えて豪政府に揺さぶりをかけ、日本と反捕鯨国の対立を先鋭化させる意図もう
かがえる。
URLリンク(mainichi.jp)