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唐松岳2人滑落 天候不良で近づけず
北アルプス・唐松岳(2696メートル)で1日、滑落した愛知と大阪の女性2人は、いずれも
経験豊富な登山者で、雪山の危険を改めて示した。本県と長野の県境付近にある現場には
天候不良で近づけず、県警が長野県側に迂回(うかい)して2日から捜索に乗り出すことになった。
仲間らは不安な一夜を過ごした。
「早く救助してほしい」。事故当時、2人と一緒に登山していた仲間4人のうちの1人、
吉田喜一さん(73)(東京都)は1日午後、下山先の長野県白馬村「八方池山荘」で訴えた。
吉田さんによると、6人は1日午前7時頃、宿泊先の同山荘を出発し、午前11時頃に
唐松岳山頂に到着。昼食を取り、下山を始めた直後の午前11時25分頃、2人が滑落した。
現場は頂上から約2~3メートル下の岩場で、滑落した2人は凍った吹きだまりの雪に
足を滑らせた。積雪は約20~30センチだった。
一行は「アイゼン」を靴に装着、ピッケルも使い、慎重に下山していた。2人は登山経験が
豊富で、雪山に登ったこともあるという。
吉田さんはまた、本県側に委ねられた捜索態勢について、「なぜ長野側から救助が
来ないのか」と疑問を投げかけた。現場の唐松岳は、地上から近づく場合、長野県側から
入山した方が早いが、県警地域室は「長野県警の山岳遭難救助隊は装備と隊員を集めるのに
(富山県警より)時間がかかる。態勢が整った富山県警が向かった方が良いと判断した」と話している。
(2009年3月2日 読売新聞)
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