10/06/03 23:38:58
これは去年の夏、岳沢ヒュッテから千枚小屋まで縦走したときのことです。
日も暮れるころようやっと農鳥小屋に到着し、小屋の親父と和やかに挨拶してから
一風呂浴びようとゴアテックスの浴衣に着替えました。
湯船に浸かっているうちに天気が悪くなり、瓦を叩く雨音を聞きながらピッケルを洗っていると、
湯屋の戸口でアイゼンを外す音がしました。
「どうぞ」と声をかけたものの、入ってくる様子はありません。
外に出ても、あたりは白峰三山を覆う鬱蒼とした森が広がっているだけです。
首をかしげながらアンザイレンしてテントに戻り、
晩飯のカレーのために米を研いでじゃがいもを剥きました。