10/04/25 23:26:25
そのときは自分の事で一杯いっぱいであり初心者の私にできることは、ただ迷わず中岳のコルを目指すことです。
視界は相変わらず2mぐらいの最悪です。頂上から50mほど下った頃でしょうか、その「オーイオーイ」という
声はプツリと止み、稜線を吹き抜ける風の音だけでした。やがて中岳のコルへ着くと○者小屋山荘に続く膝までの
踏み跡をたどり、無事目的の赤岳○泉テント場つきました。
テント場のその夜、9時頃だったと思います。「ドスンドスン」という音で目を覚ましました。私はツエルトの隙間
から顔を出し回りを見ましたら、まだ明かりの点いているテントが幾張かあります。春に来たときもそうだったが、
まだ起きていて、誰かが小用をしているものと思い。またシュラフの中に戻りました。うとうとして次に目を覚ました
のもドスンドスン」という音です。しかもその音は何人かが私のツエルト周りを交互に歩き回っているような状態です。
あまりにも常識のない連中だなと思い、注意してやろうと外に出てランタンを照らし、まわりを見ましたが誰もいません
他のテントもみんな消灯しています。念にはと思い水場まで行きましたが、雪をかぶった沢からゴーゴーと水の流れる音
だけで人の気配は、まったくありません。その後も俺の眠りの邪魔をする奴に文句を言ってやろうとしましたが、やっぱ
り誰もいません。寒いのでさすがに三度目には、外に出ませんでしたが一晩中。「どすんどすん」「ズッー、ズッー」と
人の歩く気配で眠れませんでした。
無事八ヶ岳縦走から帰って、先輩に話したところ「ニコニコして」そうだろ、あそこの上の氷暴のかかる○○沢でな
若い女の遭難遺体が出てな! 下半身がまだ見つかってないだと笑っていました。 それから真顔で「山でオーイ」
と呼びかけら返事したら遭難するゾ・・・そういう時はヤッホーと応えるんだと言いました。
古い話しですが私の不思議な体験です。