09/01/04 07:17:51
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携帯の電池切れ覚悟 遭難男性、直後に救助ヘリ
平岩さんは登山歴十年のベテラン。秋に紅葉見物を兼ねて下見で二回訪れ、
冬山用の装備を完備し万全を期したつもりだった。
「ミスに悪天候が重なってしまった」。地図を車に忘れた上にコンパスを読み違え、
気付いた時には予定のコースから外れていた。途中で寄った小屋に戻ろうと
自分の足跡を探したが、猛烈な吹雪に覆われ跡形もなかった。野営を覚悟した。
幸い携帯電話が通じたため、米原署員と数回通話。目印になる標識を伝えることが
できた。風をしのぐために五〇-六〇センチほどの穴を掘り風上に雪を積み上げ、
寝袋に滑り込み救出を祈った。
二日は湖北消防本部の山岳救助隊員らが捜索に着手したが発見に至らず。
三日の午前七時半ごろ、ヘリの音が聞こえた。「名古屋市の平岩さんを探しています。
返事してください」と拡声器の声が続いたが、離れた場所を探しているようだった。
とうとう携帯電話の電池が切れた。
「ここまでか」。観念して寝袋に入った瞬間、ヘリが前方に姿を現した。
手を振ると、パイロットがうなずくのが見えた。「助かった」。収容されると乗組員らが
冷え切った手足をさすってくれた。
二、三の両日で捜索に当たったのは計二十九人。「こうして話していられるのも
皆さんのおかげ。足を向けて寝られません」。平岩さんの口から感謝の言葉があふれた。
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