07/01/10 00:33:31
三角寛の人間的魅力を、実の娘、寛子が活写した本を読んだ。『父・三角寛 サンカ小説家の素顔』
この本と、三角寛自身が残した『選集』中の、『人世坐大騒動顛末記』を併せて読むと、彼の
興味深く憎めない人物像が浮かび上がって面白い。
ただ、同『選集』の他の作品『サンカ社会の研究』『資料編』などで彼が示した山窩に関する
データは、9割がた捏造だと思う。資料的価値は無いだろう。しかし、いわゆる被差別部落や
乞食などといった人たちとは別に、流浪の民が山中に存在したことは確かだと思っている。
つまり僕のスタンスは、『サンカの真実 三角寛の虚構』を書いた筒井巧に近いわけです。