10/02/19 12:39:50 qpjrvVx+
>>586
> ということで、>>574の問いに戻るんですが、プロファイリング的な推理を読者に試させ、それをゲームに取り込もうとすると
> 本格形式では難しいような気がするのですが、そういう問題を克服してる本格ミステリはあるんでしょうか?
寡聞にして知りません、というか真逆のケースならいくらも思い当たるんですが。
「彼はプロファイリングという手法を信用していません。『器用な人相見とどこが違うんだ?』と嗤っていたことがありますからね。(後略)」(有栖川有栖「絶叫城殺人事件」)
話は変わりますが、上掲作には、こんな台詞もあります。
「おかしな表現になるけれど、事件の全体を観察して彼が見抜くのは、犯罪のパターンというよりも……犯人が拠り所としたものやと思うんです。ある時は手の込んだ偽装工作であったり、またある時は見えにくい犯行動機であったり……」
つまり、彼(名探偵・火村準教授)は、推理の端緒として
「意図的な虚偽が含まれることを前提とした証言・証拠の群を基に、推理の方向性を定める」
という作業を行っています。
これは、うみねこにおける
「信憑性が明確でない白字を基に、推理の方向性を定める」
方法論に限りなく近いと考えます。
無論、これは本格ミステリのうち「作家アリスシリーズ」に限定された話なので、全ての本格ミステリに当てはまるとは限りませんが。