10/03/06 03:39:35 HYxGV62Z
今日こそ目覚めませんように
毎朝そう願ってこのボロアパートで眠る。
この祈りももはや日課になってしまった。
しかし、今日もまた目覚めてしまう。
毎日がこれの繰り返しだ。
何も食べる気はしない。もう三日も何も食べていない。
いっそこのまま死んでしまいたいが、いつもいざとなると生ゴミを漁ってでも食い繋いでいる自分がいる。
結局自分で命を断つ勇気が無いだけである。
もう何年にも渡ってこんな生活を送っていた。
しかしそんな私にもちっぽけな幸せがあった。
それは一年前に越して来た、ある三人家族だった。
仕事熱心の立派な父親、おしとやかで優しい母親、生意気だが明るい息子、そして飼い猫のポチ。
決して裕福ではないが仲のいい家族で部屋は笑い声が絶えなかった。
今日もみんな元気だ。
そんな様子を私は陰からこっそり見ているだけだったが、それだけでも楽しかった。そして羨ましかった。
私にはこんな生活は夢のまた夢であるし、なるべく人目につかないように生きてきた。
きっとこの家族も私を見れば避けてしまう。