【推理パズル 総合スレ】第16回モナギコ蜘蛛の会at MYSTERY
【推理パズル 総合スレ】第16回モナギコ蜘蛛の会 - 暇つぶし2ch2:名無しのオプ
09/04/24 00:10:46 wNK06QQM
関連スレ・サイトが殆ど落ちてる&消えてるのがここの歴史を感じる…

↓現在進行中の問題
スレリンク(mystery板:881-883番)

一応貼っておきます

「かなみさんと電車を巡る冒険」

「よし、解った」滝町 美里は眉をひそめたまま、金田一映画の警部みたいなことを言った。
「お姉さんがお小遣いをあげますから、君はそれで文庫本でも買って電車で読みなさい。
二時間もボケーッと電車に揺られてるからつまんないことが気になるんだよ。よくもまぁ
毎朝毎朝あんなド田舎から登校してくるよなアンタは」
 「お言葉ですけど、土井仲県はれっきとした関東圏内です。ちゃんとテレ東映るし」
 曽根川 加奈未は少々ムッとした様子で、美里に食ってかかる。
 「あそこが関東?ばーか言っちゃいけないよ」美里は苦笑した。「あそこが関東なら
北方領土だって関東だよ」
 「焼野原駅のそばにはマックもあるし、コンビニもあるし、ジャスコだってあるんですよ!」
 マック・コンビニ・ジャスコ。加奈未の思う、都会の三種の神器であった。
 ただ、その駅前にあるコンビニが、セブンやローソンといった全国チェーンでなく
『いそいちフレッシュマート』という、夜八時には閉まってしまう「自称」コンビニ
であることを美里は知っていたが、武士の情けで突っ込まなかった。
 「はいはい大都会大都会。…で、今回はなんなの?」
 美里が呆れ果てたように冷淡に言うと、加奈未はここぞとばかりに胸を張った。
 「実はワタクシ、列車テロを未遂に防いだのであります!」

3:名無しのオプ
09/04/24 00:11:39 wNK06QQM
  加奈未の話はこうだ。
彼女はいつものように自宅最寄りの焼野原駅で電車に乗った。昨日までの陽気が
嘘のように曇って肌寒い今朝、車内の暖かさが嬉しかった。
車内には四人の乗客が、ロングシートに向かい合って腰を下ろしていた。
 ファンデをぱふぱふやって、スキマ時間活用術に余念がない中年の女性。
 その隣は、高校生だろうか、難しい顔で英単語帳を見ているセーラー服の女の子。
 その向かいには、手帳になにやら書き込み、ペットボトルのお茶に口を付け、膝の上の
ノートパソコンを睨んでいるエリート風の男性と、脚を放り出し、グースカ鼾を掻いて
寝ているはげたおじさんという、まさに対照的なサラリーマンらしき二人。
お互いに距離を開けて座っているから、みんな一人客のようだ。
 加奈未は「エリート」の隣に座った。「グースカ」の隣は遠慮願いたかった。
 彼女の次に乗ってきた、小柄なジャンパー姿でロゴの入ったコンビニの袋を持った
中年男性もそれは同じだったようで、なおかつ「ぱふぱふ」の方を横目でちょっと
不快そうに見て、加奈未の隣に腰を下ろした。
 加奈未が言うには、「ジャンパー」は最初から少し挙動が怪しかったという。
 どう見てもたいした物も入っていなさそうなコンビニの袋を、抱きかかえるように
やけに大事そうに持っていたのだ。
 席についてからも、「ジャンパー」は落ち着かない様子だった。「セーラー」を
ちらりと見たと思えば、急に目を伏せ(加奈未は最初それが、「セーラー」が丈の
短いスカートを履いていたので、目のやり場に困っていたのだと思った)、それから
抱えていた袋を、どういう訳か背中に隠すように置いて本人はそれに体重を掛けない
ように浅く腰掛け、腋に挟んでいた週刊誌を読み始めた。
 が、ページをめくる手は止まっており、時折チラチラと車内を盗み見ているのは
隣に座る加奈未からも見て取れた。
 加奈未はだんだん、コンビニ袋が気になり始めた。あの中には「ジャンパー」にとって
そんなに大切で、なおかつ私たちの目に触れさせたくない物が入っているのだろうか。
 その時、加奈未の耳に「セーラー」の呟く声が聞こえた。
 「Explosion……爆発……」
 爆発?

4:名無しのオプ
09/04/24 00:12:32 wNK06QQM
 「すいません!」と慌てて「グースカ」を抱き起こす「エリート」。
しかし「グースカ」は首を振って、
「いや、はは。…んもう、すべってコケちまったよ」と「エリート」の肩を叩く。
意外と大人物だな。和やかな雰囲気に、「ぱふぱふ」も、
 「もう、笑っちゃって涙で化粧が落ちちゃいましたわ」
 などと笑っている。
 そんな中、「ジャンパー」は一人蒼白な表情できょろきょろ辺りを見回していた。
 「ちょっと、君なにを…」
 「ジャンパー」が眼を剥く。
 「既に発熱してるわ!!」加奈未は叫んだ。そして、列車の窓を押し上げると
「伏せて!」と叫びコンビニ袋を外に放り投げた。
 周りはまだ長閑な田園が広がっている。ここなら爆弾を捨てたとしても被害は少ないはずだ。
 加奈未の脳細胞は瞬時にそこまで計算していた。
 一仕事終え、加奈未は全員に向き直った。
 「みんな、グルだったんですね」
 「…何を言ってるんだ?」
 「エリート」が呆然とした様子で言った。
 「隠しても無駄ですよ。皆さんの計画は全てお見通しですからね」
 加奈未は「ジャンパー」と、その共犯者たちに向かって言い放った。
 「はぁ?それより君、」
 加奈未は怪訝な顔のジャンパーに「警察には通報しませんよ。これに懲りて、
こんなテロ計画など、二度と企まないことですね、留吉さん」と微笑みかけた。
 みんなポカーンとしている。演技が上手いなぁ、みんな。
 「あなた、一体…」
 「ぱふぱふ」が何が何だか、といった戸惑いの声を上げた。
 加奈未はびしっ、と格好良いポーズを決め、決め台詞を吐いた。
 「曽根川 加奈未、探偵さ!」
 電車は所沢を超え、やっと東京都に入ったところだった。

5:名無しのオプ
09/04/24 00:15:47 wNK06QQM

 加奈未が自分の手柄を熱く語っていく程に、美里の目にはげんなりした茫然の色が浮かぶ。
 やっと名探偵が全て話し終えたところで、美里は一言吐き捨てた。
 「君は馬鹿なのか」
 だが、加奈未はどこ吹く風で、得意げに笑ってこう言った。
 「美里先輩には分かんないでしょう?あの時電車内で何が起きていたのか」

Q、どういうことだったのでしょうか?「ジャンパー」の行動の意味は?


今まで出た推理(要約)

・コンビニで買って暖めて貰った食べ物をカイロ代わりにしていた
・作者は田舎者
・客は全員が共犯。「ぱふぱふ」がぱふぱふで指示していた
・留吉=TOMEYOUSEE?
・ずっとセーラーが英単語で指示してた
・まじテロ

6:名無しのオプ
09/04/24 07:50:26 JWCqNL7h
>>1-5
乙です。
前スレ容量使い切っちゃったんだな。



7:33レス探偵
09/04/24 11:49:29 92YH+Mzk
いいんですか?このスレ、このままじゃ即死しちゃいますよ。
この事件、俺が即死判定回避まで持たせてやる!

この爆弾テロ事件の犯人はもちろんジャンパー、お前や!
ただし、かなみさんの推理とは違い、彼は単独犯です。
爆弾はおそらく、犯人が降りた後、特定の駅…池袋駅で爆発するように
池袋駅のアナウンスと発車メロディの音楽に反応して起動するように
プログラムしてあったんです。
しかし、ここで悲劇が起こります。
この車両に乗っていた共通点、一見年齢も職業もバラバラに思えますが、
・英単語の発音
・ファンデーションのぱふぱふ
・いびき
・パソコンのキーを叩く音
この時、全員が何らかの「音」を発していたのです。
そしてその各自の生活音のハーモニーが、なんやかんやで偶然、
駅の発車メロディの音階を奏でてしまった。
これによって、発車メロディに反応する、爆弾の片方のスイッチが
起動してしまったのです。
犯人は偶然、絶対音感を持っていたのでそれに気づき、焦った。
そしてさらに、セーラーさんの「エクスプロゥション」の発音が偶然、
「池袋」っぽかったせいで、アナウンスに反応する方のスイッチも入ってしまった。
犯人は焦りに焦った。だから、水に浸けて壊そうと、水溜まりに爆弾を捨てるため
立ち上がったところをかなみさんに捕まってしまったのです!!

8:33レス探偵
09/04/24 13:27:16 92YH+Mzk
こうも考えられます。
ジャンパーは、英語に並々ならぬ嫌悪を抱いていた。
かつて、セルフプレジャーをナショナルトレジャーみたいな物と思い込み、
卒業文集に「将来の夢はセルフプレジャーです」と書いてしまったトラウマから、
彼は心の底から英語と言うものを憎んでいたのです。
和食しか食べず、エイプリルフールは正直を貫き、クリスマスを
天皇誕生日後夜祭と呼んで過ごす鬱屈した日々。
コンビニもセブンやローソンではなく、日本語だからと
新聞と肉まんしか置いていない「いそいち」に通う生活。
セーラーさんを直視出来なかったのは、手にしていた単語帳のせいです。
彼は単語帳の表紙の、例えば「英語ターゲット2000」←懐かしい
のような、「英語」という文字自体を怖がっていたのです。
では、そんな彼が突然、英語の飛び交う中に置かれたとしたらどうでしょう。


9:33レス探偵
09/04/24 13:28:21 92YH+Mzk
エリートさんがお茶をこぼしてからのくだり、かなみさんが聞いた会話が
もし、本当は日本語でなかったとしたら。
エリートさんたちは本当は、かつて欧米の植民地で英語を公用語とする
アジアらへんの国からの旅行者だったのです。
赤道周辺の熱帯に位置するその国は、みんな水泳が大好き。
だからお茶の水溜まりを見て、グースカさんは思わず飛び込んでしまったのです。
そしてお茶をこぼしたエリートさんは、
「すいません」
ではなく、水溜まりを指差して
「Swim assemble!」
(集まって泳ぎましょう!)
と言ったのです!
したがってグースカさんも
「いや、はは。…んもう」
ではなく、
「Yeah!HAHA!More!」
(イエー!もっと水をこぼせ!)
と。
「滑ってコケちまったよ」
ではなく、
「Sue bet take OK team at you!」
(もしアンタが競泳に出たら、スーは喜んでアンタの組に賭けるだろうな!)
と相手をヨイショしてたんです。スーとは、ぱふぱふさんの名前です。

10:33レス探偵
09/04/24 13:29:27 92YH+Mzk
そしてスーさんが、
「もう、笑っちゃって化粧が落ちちゃったわ」
ではなく、
「More war lack chat take it shock gat on cheap chater!」
(争いを重ねることは和やかな談笑を失い、悲しみを得るだけである。
そんな物より、下らない話し友達でも作る方がよほど良いだろう)
と深いことを言って二人を取りなした。
…文法がグダグダなのはなんやかんやです!
そしてその英語を聞いた瞬間、ジャンパーは彼らの抹殺を思い立った!
そして、たまたま持ち歩いていた高性能爆弾を起動させたのです!!

11:ダメ推理祭りのようなので
09/04/25 03:03:37 5HXPPRUp
加奈未以外の乗客が全員共犯なのは前スレ>>887の推理通りだが、おそらくは無差別なテロではなく、
「ジャンパー」を狙った暗殺というのが真相だろうね。実行犯は「エリート」と「グースカ」。
爆弾ではなく揮発性の毒ガスを使用するつもりだったんだろう。
>>885の言うとおり、普通飲食物を床に置くのは何となく抵抗があるものだ。
「エリート」はなぜお茶を床に置いていたのか?…そう、「こぼすため」に他ならないのだよ。
ペットボトルの中身は、おそらくある物質Aと化合するとガスが発生するような液体。
そして、「グースカ」が立ち上がった瞬間に、その水たまりに、靴にでも隠して置いた
粉末状の物質Aを投下した。
毒ガスは瞬く間に車内に充満し、数秒で、実は公安当局の潜入捜査員で、コンビニの袋に
組織の重要機密を持ち逃げしようとした「ジャンパー」を死に至らしめる。
その間、実行犯たちは頑張って息を止めているつもりだった。事が終われば、窓を
開ければ新鮮な空気を吸えるからね。
「グースカ」がわざとらしく足を投げ出して寝ていたのは、車内が混んでも、毒ガスを
発生させるスペースを確保しておくためさ。彼らにとっては、無差別テロと思わせることが出来、
真の動機から捜査の目をそらせるから、一般人が巻き添えになるのはむしろ好都合だったのだから。
しかし、毒ガスが発生した瞬間、加奈未が窓を開けて換気してしまったため、計画は
失敗に終わった。
おそらく、彼は当局に自分の得た情報を持って行くところだったのだろう。熱を持っていた
ことから考えると、ビデオカメラのような電子機器。
しかし、それも所沢のあぜ道に投げ捨てられ、全てパァ。
加奈未はその後、公安当局とカルト宗教団体、双方から命を狙われることになったのであった。


12:名無しのオプ
09/04/25 17:13:02 Ut9CGI8z
留吉と滝町が似てるのはぐうぜんだろうか?

13:名無しのオプ
09/04/25 18:23:43 wwiSR9RW
過疎ってるねぇ
みんなが来るまで解りやすいよう上げ進行で行きましょうよ。

って言っても今回も僕は何もわからんちん。

14:名無しのオプ
09/04/25 20:54:07 d+Vzr4tv
「ジャンパー」のコンビニ袋の中は、
小型カメラの盗撮画像を受信・録画するための機械、なんてのどう?
小型カメラの方は「エリート」のパソコンか・・・
脚を放り出して寝てた「グースカ」の靴も怪しい。
そういう形の盗撮手口があるかどうか詳しくないんだけど。


15:名無しのオプ
09/04/26 11:18:21 nygsIFuN
なるほど。
ではこうも考えられますね。すなわち、盗撮もの、または痴漢ものAVの撮影という説。
リアリティを出すため、そしてセットの経費を浮かせるために
彼らは実際に電車を使うことを思い付いた。もちろん鉄道会社の許可など降りないでしょうから、
利用者の少ないローカル線でのゲリラ撮影という形を取った。
セーラーが女優で、撮影がグースカ。カメラは彼の靴に仕掛けてあった。
そして、音響効果担当者がエリート。ぱふぱふは女優に一番近い位置にいたから、
監督だったのかも知れない。もちろん全員が役者兼任。
もう一人の撮影班だったジャンパーは、家が近所であることもあり、途中合流した。
おそらく、彼は撮影する作品について、「学生役の女優単体の盗撮もの」といった程度しか
聞いていなかった。だから彼は、その時車内に居合わせた二人の女性のうち、
どちらが女優なのかとっさに判断できなかった。彼の不審な挙動はそのためです。
そして、他のメンバーが彼にメールか何かで指示を送り、ジャンパーは
隣の一般客に撮影機材を見られないように隠した。

16:名無しのオプ
09/04/26 22:59:38 cdVSITYA
みんな解答ありがとう!
イマイチ盛り上がってないみたいだし、新スレ移行って事で早々に解答して
後発に譲りますよっと。

 「何も起こってないと思うけどなぁ」
 美里は困ったような笑みを浮かべ、すっかり氷で薄まったジンジャーエールに口を付けた。
 「そんなんじゃ私の腋の下は舐めさせられませんなぁ」
 加奈未は不敵に笑い、有りもしない胸を張った。
 「まぁ、あの場にいたのが私じゃなかったら、今頃東京は大パニックだったでしょうね」
 そう言って人差し指をぴん、と立てる。加奈未や美里のようなミステリ好きの女の子が
今、大注目しているイケメン名探偵・泥水林太郎お馴染みのポーズだった。
 「まず、注目すべき点は私が電車に乗ったとき、車内にいたのは知らない人ばかり
だったということです。ローカル線の客なんてある程度固定されていますから、普段なら
私だって他のお客さんの様子をジロジロ見たりしませんよ。こういうことが珍しかったから
注意を払っていたわけです」
 「そんなにおかしな事とは思えないけどな」と美里。
 「春は進学、就職やら転勤引越やらで電車内の顔ぶれが変わる季節だからね。それに、
誰が何両目に乗るかが大体固定されているからこそ、例えば遅刻しそうになって慌てて
飛び乗ったときとか、いつもと違う車両に乗れば周りが知らない人ばかり、ってことも
普通にあり得ると思うけど」
 「ふぅ。これだから頭が固い人は困るんですよ」
 加奈未は大げさに「やれやれ」とばかりに肩をすくめて両手を広げた。
 「はいはい。じゃあ貴方様の推理を、頭の固いわたくしめに教えて下さいな」
 美里は溜息を一つついて、おどけて言う。
 ふんっ!と鼻息荒く加奈未は胸を張った。
 「良いでしょう。…ただしっ!条件があります!」
 「条件?」
 「私も温泉に連れて行って下さい!聞きましたよー。酷いじゃないですかぁ、可愛い
後輩をハブいてラブラブ旅行だなんて。私だってしおリン先輩の浴衣姿見たい!」
 「だってアンタ連れてったら絶対めんどくさいコトになるじゃん」
 「いつめんどくさいコトになったんですか!?」
 今だよ今。美里は、息巻く加奈未に苦笑いを浮かべた。

17:名無しのオプ
09/04/26 23:00:54 cdVSITYA
 こほん、と一つ咳をして加奈未は話し始めた。
 「つまりは、あの車両にいた全員が共犯者だったんですよ!そして実行犯が『ジャンパー』氏
だった。当然、あの袋の中身は爆弾ですしかも!衝撃や熱に鈍感で扱いやすく、なおかつ
破壊力の高いTNT爆薬に他なりません。計画では、シートに起動させた爆弾を放置するか、
シートの下にでも隠しておくはずだったんでしょう。中身が爆弾だったから、彼もあそこまで
慎重に扱ったんですねハッハッハッハ!」
 「うん、病院行った方が良いんじゃないかな」
 美里は、この上なく暖かい微笑と共にそう言って加奈未の手を握る。
 その手を振り払い、加奈未はチェックスカートを翻し、颯爽とテーブルの上に飛び乗った。
 スイッチが入ったらしかった。
 「あの時の『グースカ』さんの言葉を聞いた瞬間ッ!私の頭脳は一瞬にして真相に
辿り着いたッ!すなわち!!あの喜劇めいた一幕も実は!恐怖のためかいつまで経っても
袋の中の爆弾をセットしようとしない『ジャンパー』氏に対してのメッセージだったッ!すなわち!!
まず『セーラー』が英単語で合図を送り!次に『エリート』がわざとこぼしたお茶で、
『グースカ』が転んでみせる!そして彼はこう言った、『いや、はは。…んもう、すべってコケちまったよ』とね!
この文章をアルファベットに直し、並べ替えるとッ!!」

IYA HAHA NMOU SUBETTE KOKECHIMATTAYO

MAYOU TOMEKICHI E HAYO TNT SEAT BAKUHA
(迷う留吉へ。早よTNT、シート爆破)

 「とめ、きち?」
 「『ジャンパー』氏の本名に決まっているでしょう!?」
 「『ぱふぱふ』さんは?今んとこ何にも絡んでないけど」
 「いいや!彼女こそ、この作戦の立案者でありリーダーだったんだ!何しろずっと、
ファンデーションを使ったモールス信号で全員に指示を与えていたんだからな!
そしてこのアナグラムを脳内で一瞬のうちに完成させた私は!」
 「……ジャンパー氏のコンビニ袋を窓の外に投げ捨てた、と」
 「その通り!私は今まで一度も間違ったことのない女だッ!何しろ知能指数ッ1300!!
これを英雄と呼ばずに何と呼ぶ!?」

18:名無しのオプ
09/04/26 23:01:51 cdVSITYA
 「そうだね。…とんでもない大犯罪には違いないね」
美里は大きく溜息をついた。「そんな気弱な罪のないおじさんから、朝ご飯を奪ったんだから」
「―はい?」
 加奈未はぽかんとして聞き返した。「どういう、ことですか?」
 「まぁ座りなさい」
 美里に言われ、加奈未は憑き物が落ちたように素直に椅子に座り直した。
 「いいかい?君も言っていたように、今朝は風が強くて肌寒かった。駅前のコンビニに
寄ったんなら、朝食代わりに何か温かい物…肉まんなんかに食指が伸びても不思議じゃない。
ジャンパー氏が袋を抱きかかえていたのは、大事に持っていた訳じゃなく、ただ袋で暖を
取っていただけだったんだ。そして、彼の不審な挙動の原因は…セーラーさんだよ」
 「セーラーが?」
 「そう。おそらく、二人は知り合いだったんだろうね。年齢差から言えば友達の娘さん、
と言ったところかな。当然、ジャンパー氏はセーラーさんの年も知っていただろう。
…彼女は英単語帳を開いていたと言ったね。おそらく彼女は高三、受験生なんじゃないかな。
だから、勉強している様子のセーラーさんに、ジャンパー氏は声を掛けなかった。電車内で
化粧しているおばさんを睨み付けるくらいの、少々潔癖で小市民的な倫理観を備えた人ならば
当然だろうね。セーラーさんの方はもちろんジャンパー氏には気付いていない。自分から
声を掛けるタイミングを逸した彼は、わざとらしく目をそらしたり、雑誌を読むふりをしたりと
『自分も相手に気付いてない』ポーズを取ることにした。セーラーさんの方が自分に
気付いてくれないかと期待しつつ、ね。グースカさんが転んだくだりで彼が真っ青に
なっていたのも無理はないよ。受験生の前で『滑る』だの『落ちる』だの大声で
騒ぎ立てていたんだから。立ち上がろうとしたのは、彼らを静かにさせたかったんだね」

19:名無しのオプ
09/04/26 23:02:47 cdVSITYA
 「―そこまで気を回したり、わざわざ隣に君がいるのに彼女の向かいに座ったところを
見ると、…少しグロい想像だけど、ジャンパー氏はセーラーさんのことが好きなのかも
知れないね。コンビニで朝ご飯を買っているということは、彼は多分独身だろうし」
 「えーでも、じゃあなんで袋を隠したんですか?爆弾が入ってたとしか考えられない
じゃないですか」
 加奈未が納得いかない…というより自分の華麗な推理を捨てたくない一心で食い下がる。
 「簡単なことだよ。ジャンパー氏が持っていたのは、『いそいちフレッシュマート』の
ロゴ入りの袋だよね?」
 美里の言葉に、加奈未は頷く。
 「ジャンパー氏はその袋を、セーラーさんに見せたくなかったのさ。…あの店のロゴって
どんなのだったっけ?」美里が重ねて聞いた。
 「どんな、って…普通に、店名が漢字で書いてあって、丸で囲んである超シンプルな奴ですけど」
 いそいちフレッシュマート。
 店名の「五十一」は、店主の苗字だ。ただの酒屋だった頃からの大時代なロゴである。
 美里はこめかみを人差し指と中指でぽんぽん、と叩き、微笑んだ。
 「ジャンパー氏のような小心で、考えすぎる性格の人にしてみれば、そんなロゴ、
受験生には見せたくなかったろうさ。五十一。『イチロー』の背番号じゃないか」

20:名無しのオプ
09/04/26 23:30:42 rQgAl9I+
支援?

21:名無しのオプ
09/04/27 04:44:10 vxebTdrZ
まさか、書き込みの途中に……
じゃないよね?

22:名無しのオプ
09/04/27 07:37:24 WxAy9+9b
作者不詳

執筆途中でご不幸が・・・

23:名無しのオプ
09/04/27 12:19:53 0TjABtmC
真相をばらされそうになったから始末されたんだな

24:名無しのオプ
09/04/27 12:48:53 A3XHLf6+

これで終わりじゃないの?作者死んだの?

25:名無しのオプ
09/04/27 17:11:16 ai20D9IW
ここからダイイングメッセージを読み解くメタフィクション、メタミステリに突入するんだな。

26:名無しのオプ
09/04/27 17:55:28 t8rk3qTZ
最後に加奈未ちゃんが喋りそうなイメージだけど、
これで終わりなのかな?
受験生は気づかんかった

27:名無しのオプ
09/04/27 18:37:24 rle4IQ0d
>>25
そんなメタメタな

28:名無しのオプ
09/04/27 22:34:36 Ipeacqa4
一度回線が切断しちゃった後、謎の規制に引っかかり「もう後は蛇足みたいなもんだし
いっかなー」と諦めてたら死亡説まで出てるみたいなので、一応ラスト貼っておきます。

 加奈未は、むむむむ…とひとしきりうなった後、大真面目な顔で言った。
 「まぁ、そっちも考えてました」
 「ああそうですか」
 美里はクスッと笑って、タンブラーを傾け氷をほおばると、伝票を手に立ち上がった。
 「ま、アタシの推理だって言ってみりゃ単なるこじつけと当てずっぽだからね。
日常の謎なんてそんなもんさ。……あーあ、小説みたいな事件に巻き込まれてみたい
もんだねぇ、密室殺人にでもさ」
 関節をポキポキ言わせながら、だるそうに首を回す美里に加奈未が口を尖らせる。
 「勝手に巻き込まれて下さいよ。温泉行くんだから紅葉にでも栄一郎にでも絡まれて
くりゃいいんですよ」
 だが美里は、意味深に微笑んで呟くように言っただけだった。
 「うーん。確かに事件は起こるかもね。ふふん」

 数日後。
 置いてきぼりを食った加奈未はこの朝、いつも通り泣きたいほど人の乗っていない電車に
揺られながら新聞を読んでいた。
 「焼野原動物園からオランウータンが脱走…ふぅん、そういやこの前も、キリンだか
ゾウだか逃げてたっけ、アレは捕まったのかなさすがに。しっかしウータンとは…
これはモルグ街の予感ですな…」加奈未はまだ、その下の記事に気付いていない。
美里の推理が当たっていたことを、最悪の形で証明する記事に。

土井仲市の女子高生殺し 知人の男を逮捕
土井仲県・土井仲市で5日夜、高校生の米良 優那さん(18)が、帰宅途中に刺殺された事件で
県警は6日午後、近所に住む無職の水坂 千春容疑者(41)を殺人容疑で逮捕した。
 水坂容疑者は米良さんの母親の知人で、米良さん本人とも面識があったと言い、「以前から
好きだった。交際を迫ったが断られ、かっとなって殺した」と容疑を認める供述を始めている。
 なお、この事件は手口から、渋谷で高校生を中心に若い女性ばかりを標的としたいわゆる
「切り裂きジョニー」事件との関連が一部で取りざたされていたが、警察では水坂容疑者が
一連の事件に関わっている可能性は低いとしている。

29:名無しのオプ
09/04/27 22:39:22 Ipeacqa4
はい、という訳でみなさんどうもでした。

出題者としてはみんながひとしきり真面目な解答をしてくれた上で
どうだー!なんじゃこりゃー!
みたいなのをやりたかったんですが、残念ながら皆さん、バカミスを
書く才能も出題者よりおありのようで…
一応元ネタがあって、友達の兄上が家庭教師のバイトしてて
高三の子のとこに行ったとき。彼がイチローのプリントTシャツ着てるの見て
「受験生の家に一浪Tシャツで上がり込むってどうなのよ」って
ツッコまれた的な話を聞いたというだけの話でありました。


では、バイ奈良!

30:名無しのオプ
09/04/28 10:38:50 JBvvBeTo
乙ベルと象

31:名無しのオプ
09/05/01 19:56:13 QC/qs0pG
遅くなりましたが、前スレ保存しました。

URLリンク(www.geocities.jp)

32:名無しのオプ
09/05/02 07:27:12 Hoythl3L
>>31
うぜえ

33:名無しのオプ
09/05/02 12:47:42 UyRj14tT
まだ保存してたことに驚いた


34:出題者ジョーカー
09/05/05 11:35:29 o9xT0v99
大金持ちの夜見 幻一郎(よみ・げんいちろう)が殺された!
死因はナイフのようなもので殺されていた。しかし、凶器は見つからなかった。
現場は屋敷で、捜査の結果、屋敷にいた人の中に犯人がいることが捜査によって解りました。

屋敷にいたのは
・紅霞 剣(あかがすみ・つるぎ)被害者から多額の金を借金していた。
・弐零 初音(にれ・はつね)被害者に父親の会社を潰された。
・咲奇 翡翠(さき・ひすい)被害者に家族をめちゃくちゃにされた。
・紫邑 鷹騎(しむら・たかき)執事。色々恨みを持っていた。
の4人がいた。
死亡推定時間のアリバイはみんななかった。
被害者の悲鳴を聞き付けて集まったと証言しているのであった。
それから、凶器は誰も隠してなかったし屋敷からも見つかりませんでした。
やって来た小鳥遊警部は頭を悩ませて、言った。
「これは完全犯罪かも知れない。名探偵を呼ぼう」
かくして、事件を解決すべく名探偵・麗神 死朗(れいじん・しろう)であった。

35:出題者ジョーカー
09/05/05 11:36:36 o9xT0v99
「皆さんが来たとき、被害者はまだ生きてたんですね」
麗神が言った。
「はい。私たちが近くに行くと、何か伝えるように、手の甲を私たちに向けたんです」
紫村が言った。
「そうですか。ダイングメッセージかも知れませんね」
麗神が言った。
麗神は死体に触った。
「傷口の周りが濡れていますね」
「本当だ、何故だろうな」
警部が頭をひねった。
それから、麗神は被害者が握っていた本を拾った。
本は外国のことわざについて書かれた本で500ページくらいの分厚い本だ。
死体の指が、本の後ろがわの方に挟んであった。
そのページを開くと載っていたのはことわざだった。
「全ての道はローマに通ず、か…警部、犯人が解決しましたよ!」

犯人とトリックはなんでしょう?
ヒントはことわざ。
正解は明後日はる。(たぶん解けない(笑))

36:名無しのオプ
09/05/05 15:45:17 /IOoYAv4
新作来たね。

37:名無しのオプ
09/05/05 21:30:39 Pxb9iVUq
しかし、こ、これは…w

なんで後半に行くに従って容疑者の動機どんどん適当になってくんだよw

38:ジョーカーからの手懸かり(ヒント)
09/05/05 21:54:06 o9xT0v99
解る人ゼロですか?
2ちゃんねるのミステリー板も大したことないですね(笑)
トリックも犯人もヒントは出てるのに。

じゃあヒントです。
全ての道はローマに…?メッセージとは言葉ですが…
被害者は本当に手の甲を見せたかったのが真実なのか?
なぜ手のひらじゃ駄目なんでしょう?
そして、どうして死体は濡れていたのかな?
俺を楽しませてくれ(笑)

39:名無しのオプ
09/05/05 22:33:08 fTixuRav
なんの冗談ですかな?

40:名無しのオプ
09/05/06 00:31:59 b7KOzLNC
こんなGW終了前夜に釣られてなるものか!

犯人は紫邑!理由は名前が一番好みだから!

41:名無しのオプ
09/05/06 01:20:02 MVYQe3FM
>>35
>紫村が言った。

紫村って何者?紫邑とは別人なのか?
どうでもいいけど氷で作った鋭利な・・・とかは勘弁してくれよ

42:名無しのオプ
09/05/06 01:28:23 W9X4bm2A
おいおい、この出題者氏に一般常識が通じると思ってるのか

43:名無しのオプ
09/05/06 01:29:27 8G1xcyvR
21世紀につらら殺人事件はありえん


と思う。多分。

44:名無しのオプ
09/05/06 01:31:47 V7Us5f4y
みかん汁に匹敵するか、それ以下です

45:蝙蝠男
09/05/06 03:48:06 Xq4gRXME
乙一

ですます調と、だである調の混在が、とりあえず気になった(w;
自殺とかいわないでね。

しかし,かかりうけが全体的におかしくて内容が頭に入ってこない。

46:名無しのオプ
09/05/06 08:19:09 se221kaN
問題「深夜公園全裸殺人事件」その1

その日は春先にしては、やけに蒸し暑い晩だった。
夜回りの警官が通りがかり、深夜の公園で全裸男性の死体が発見された。
時刻は午前三時をまわっていた。
10メートル先に男性のものと思われる衣服がまとめて置かれており
ジャケットの内ポケットに入っていた免許証から死体は草なき強氏34才と判明する。
死体脇の土の上には、指でなぞったような感じで「全裸になってなにが悪い」と書かれていた。

やがて鑑識が到着する。死因は絞殺とみられた。
深夜で目撃者もいないと思われたが、近くを歩いていた怪しそうな人物を呼び止め刑事が職務質問をする。
(その2へつづく)

47:名無しのオプ
09/05/06 08:20:01 se221kaN
問題「深夜公園全裸殺人事件」その2

刑事「近くで殺人事件があったもので、ちょっと質問をさせて下さい」
蚊取と名乗る人物は「殺人?俺はしてねえよー。1時間くらいブラブラ散歩してただけだよ(汗)」と答えた。

刑事は近所で、他の通りがかった人物にも同じ質問をしていく。
それぞれこういう返事が返ってきた。
喪利と名乗る人物「ナンのことですか?知りませんね・・まったくわかりませんね・・まったく」
奇村と名乗る人物「豚インフルエンザ予防のマスクを買いに出かけたんだけど売り切れだったんだ」
仲居と名乗る人物「俺は彼を殺しちゃいないッスよ、人違いッスよ」
稲柿と名乗る人物「ノーコメント!!!弁護士を呼んでくれ!!!」
まあ、そんな感じでいた。

さて、この事件の犯人は一体誰なのであろうか?その理由は?

48:公平(フェア)なジョーカー
09/05/06 08:24:52 cA2Y1auh
皆さん諸君の頭の悪さに呆れました(笑)
それともわざとか。
>>41
鋭利なってなんですか?
せっかく良いところついてるのに意味わからない。
解らないのに変な書き込み書き込まないでください
>>43
そうですつららではありません
昔ならつららを使えない他に方法はなかったですけど>>46
ふざけんなハゲ
俺の出題中だ

ダイングメッセージは一人も解答者ゼロですか?(笑)
しょうがない最期のヒントです。

「麗神君、また『眼』を使ったのか」
刑事は言った。
麗神は生まれながらにして物体に触れた瞬間、それに最後に宿った
人間の考えた感情を読み取れることができる能力・『真眼(サイコ・アイ)』を持っている。
これは生まれつきの能力で、だから今までいくつもの事件を解き明かし
どんな犯人も捕まえた麗神は名探偵と呼ばれるのはゆえんである。
「いや、使ったとしても今回は『答え合わせ(QED)』くらいだよ」
麗神は言った。
「被害者のメッセージは、手の甲じゃなくて爪を見せたかったのだ。
そして、このことわざはローマ、だからローマ字を表します」
「そうだったのか!なら犯人はこの人しかいないな」
警部は言った。

49:頭の切れるジョーカー
09/05/06 13:14:51 cA2Y1auh
なんですか?みんな>>46に遠慮してる系?それとも本当に解決がわかんないの?

>>46簡単すぎ
出直せハゲ

本来のダイングメッセージは「なかい」
それを見つけた仲居(草なぎとも知り合いだったんだろうは
消そうとするが、消した跡が残る=メッセージがあったことが解る
=被害者は犯人の名前などを知っていた=知人である自分が疑われる
ことを恐れて、彼と似た名前なのでよく仲間内でいじっていたあの事件(笑)に
なぞらえて文字を書き足し、服を脱がせて一種の見立て殺人に見せかけた。
しかし犯人は仲居じゃないなぜなら被害者は絞殺だったから。
倒れたのは首を絞められ絶命したあと。ダイングメッセージを残せるわけない。
犯人は仲居に罪を着せようとメッセージを残したのだ。
犯人は他の人間に罪を着せ自分は容疑者圏外にいると安心している。
一番落ち着いている奇村が怪しい、ってとこだろ

50:名無しのオプ
09/05/06 21:27:08 TCDOrft+
なんで回答者に回ればこれだけちゃんとした論理的思考の出来る人が…
えーと。推敲すると、

夜見 幻一郎という金持ちが何者かに鋭利な凶器で刺殺された。
被害者は死ぬ間際に、「爪」と「ローマ字」というメッセージを残していた。
外部犯の線はなく、犯人は屋敷内にいた人間と思われるが、凶器は
見つからなかった。なお、死体の傷口が濡れていたのが凶器特定の
鍵であると思われる。(すごく厭な予感がする)
容疑者は、
・紅霞 剣(あかがすみ・つるぎ)被害者から多額の金を借金していた。
・弐零 初音(にれ・はつね)被害者に父親の会社を潰された。
・咲奇 翡翠(さき・ひすい)被害者に家族をめちゃくちゃにされた。
・紫邑 鷹騎(しむら・たかき)執事。色々恨みを持っていた。
の四人で、全員にアリバイがない。
探偵は邪気眼を有している。

これで良いのかな?

51:名無しのオプ
09/05/06 21:32:23 TCDOrft+
ついでに自分の推理も一応、
と思ったけど…くっ、悔しい…けど…わからんちんだな。
「どうせおきまりの反転読みかシーザー暗号、それかキーボード入力ってとこだろw」
って高をくくってたらorz

52:46-47
09/05/07 00:14:43 4BTlYVMn
>>46-47の「深夜公園全裸殺人事件」解答です。
犯人は仲居でした。真相はこうです。
夜の公園で口論になった仲居は草なきの首を絞めて倒してしまうと、怖くなりその場を離れた。
草なきが死んだかどうかを確かめるために仲居は戻る。
そこには息を吹き返してゲホゲホと苦しんでいる草なきがいた。
仲居は、今度は確実に首を絞めて殺害した。
よく見ると土の上に、指で書いたであろう『な か い』という文字をみつける。
息を吹き返した草なきは土の上に指で『な か い』と記したのだった。
仲居は、とっさの思いつきで死体の衣服を脱がして全裸にし、
『・・・・・・な・か・い』の文字に書き加え、
『全裸になってなにが悪い』と、偽装したのだった。

刑事は「殺人事件があった」とは言ったが、死んだのが男か女かは言っていないのに
仲居は「“彼”を殺しちゃいない」と答えてしまい墓穴を掘ってしまった。

53:勝ち誇るジョーカー
09/05/07 00:24:19 WHc+NCqL
丸一日時間待ってもこのざまでは名探偵の距離はほど遠いですね。
じゃあ解答です。お前等は一生掛かっても解けなかったろうな(笑)

「犯人は弐零初音だな!?」
警部は言った。
「そうです。被害者のメッセージは爪。爪は英語でNailです。
これをローマ字で読むとナイルとなり、ナイル川のことになるのだろう。
そのナイル川を英語で書けばNileで、つまり弐零を示していたんです。
(そう言って不適に笑う)犯人がそばにいたから名前を言えなかったのでしょう。」
「でも、彼女は凶器は持っていなかったのは何故なんだぞ」
警部が頭をひねった。
「犯人は氷で短剣を作って刺したのです。氷はそのあととけます」
「そうか、そうだったのか!」

QED

つららはおしかったのに残念でした。じゃあ寝る。
又考えたらはる。

54:名無しのオプ
09/05/07 00:31:44 zmLVLF4Y
>>52 乙 シンプルですが面白かったです
>>53 あなたには敵いません。素晴らしい!天才だ!尊敬します!死ねばいいのに!

55:蝙蝠男
09/05/07 04:38:53 bIJLjE/k
いやあ、氷で凶器を作ったなんて一周回って斬新かもしれんね・・・

> 犯人がそばにいたから名前を言えなかったのでしょう。

・・・なんで?

56:名無しのオプ
09/05/07 07:48:37 h6yztLq3
つらら殺人事件といってる段階で、消える凶器→氷製凶器の総称だと思うんだが。
別に凍った羊肉でもかまわんが……

で、犯行当日の気温がどうかは分からんが被害者が息絶える前に融けるワケ?

57:名無しのオプ
09/05/07 08:22:57 6wIYFr9B
現場が屋敷の何処とは書いてないからな。
ミストサウナのような高温多湿で、すぐ氷が溶けなおかつ水が乾かない場所だった
可能性は否定できん。

いやーこれはみかん汁大先生以来の逸材だわ。
もう書かないで?(はぁと

58:名無しのオプ
09/05/07 11:02:30 xrcWxYWj
>>52
あるよ。
以上。
はい、次。

59:名無しのオプ
09/05/07 23:24:01 ICj2Yu9z
作中探偵は邪気眼設定だけど、作者は新本格以降によくいる嫌味な探偵みたいだ。

60:こんばんは
09/05/08 01:10:25 d46Yw1At
>>52さん
乙です!
>>53さん
…えーっと、乙です!

ということで、短い問題が続いていますが、一つ大長編問題にお付き合い頂けないでしょうか?
短めの小説くらいの長さになってしまいましたが、その分手がかりはしつこいまでに
てんこ盛りになっていると思います。
前スレ>>801の問題、>>2からのID:4TolpKA1さんの問題(滝町さんを活躍させてくれてありがとうございます!)
と同じ世界観の問題、ということで。…どうでもいいことですが。
次のレスから貼っていきます。よろしければ支援、お願いします。
言い訳から長々とごめんなさい…・。楽しんでいただければ幸いです。
これでも削りに削ったのですが、あまりに長いので便宜上、「事件編」と「捜査編」に分けてみました。

61:『星見館の殺人』事件編1/6
09/05/08 01:14:19 d46Yw1At

 ノックの音。有義が返事をするより、ドアが開く方が早かった。
 小説家は眼を細めて来室者を見る。非礼を責めて睨んだのではなく、強度の近視のためだ。
彼は眼鏡を掛け、柔和な笑みを浮かべた。
 「さっき来たあの子。あざみ君、と言ったか。面白い子だね」
 来室者は微笑んだ。「それで、あの」
 「ああ、君の小説ね。読ませてもらったよ」小説家は頷いた。「実に面白かった」
 「本当ですか!?なら…」
 「推理小説として読まねば、だよ」有義は相手に二の句を継がせずに言い棄てた。
 「ここまで酷いと笑えてくるな。甘ったるいストーリーに陳腐なトリック、分別ある
大人の書くモノとは思えん。よくこんなもん人に見せて恥ずかしくないもんだ」
 有義は来室者の顔が恥辱に赤らむのを愉快そうに見やった。
 そして、惨劇は起こった―



星見館。推理小説家の硲儀 有義(ハザマギ・アリヨシ)が三年前に建てたその山荘は、焼野原市郊外の
小高い丘陵の中腹にあり、呼び名の通り天体観測にうってつけの場所だという。
硲儀氏は、緻密な論理と幻想的なストーリーという二面の魅力で幅広い層から人気の作家で、
デビュー十周年を迎えた四年前には一流作家の証・三戸陣五賞も受賞した大家であり
(尤もここ一、二年の新刊はムード作りばかり先行し、ミステリ部分がお粗末だと評されているが)、
私のような駆け出しにとっては雲の上の人だ。
 今日、招待を受けたのは勿論ハンドルを握る私ではない。我がぽんこつローバーミニの
後部座席にふんぞり返る泥水林太郎だ。
 「『人類の罪悪の少なくとも半分は、退屈を恐れるあまり犯されるものである』。
ノーベル賞受賞者バートランド・ラッセル卿の言葉だよ。僕は今、酷く退屈している。
僕が罪悪を犯さぬ前に、もう少しスピードを上げて貰いたいものだ」
 「ダメダメ、これ以上スピード出したらこの車バラバラになっちゃうから。ねえ支倉くん」
 助手席の正親町 あざみ(オオギマチ)警部が、ブックマッチを手の中で弄びながら脳天気にケラケラ笑った。
 「オマケに期待しても無駄と言う訳か」
泥水が横柄を絵に描いたように言う。
「ふん。どうせ僕は名探偵の御陰でタダ飯にありつけるオマケですよ」私は吐き捨てた。

62:『星見館の殺人』事件編2/6
09/05/08 01:15:15 d46Yw1At
事の発端は、硲儀氏のご子息・夏見(ナツミ)氏の友人の衆院議員が殺害された事件だ。
講演の席上、衆人環視下での殺人というセンセーションよりも、186人もの参加者全員が
共犯という大トリックで世間を騒がせたあの事件だ。
 それを解決したのが泥水で、息子から話を聞いた硲儀氏がお礼にと、夏見の大学時代からの
友人である警部を経由して、我々を昼食に招待したのだ。今日は氏の誕生日という。
 ただ、その事件の話をすると泥水は「我が人生の汚点だよ」と決まって顔をしかめる。
 「共犯意識ほど、人を強固につなぎ止めるものはないからねぇ」
 人差し指にいつもの偽クロムハーツでなく、柄にもなくティファニーのチタンリングを
嵌めた左手を透かすように見ながら、警部がしみじみと言った。
「あれ、どうしたんですか警部?その指輪、」
 泥水に訊かれ、警部はえへへ、とニヤけた。
 「私にだって、お揃いのリングを嵌めるヒトくらいいるわよ」
 前厄にして、彼女にも春が来たらしい。

 両側を木々に囲まれていた視界が開け、星見館が姿を現した。
 カントリーハウス風の横長な屋敷の右手に、サイロのような円塔がくっついた、二階建て
煉瓦造りの可愛らしい建物。花壇がそのぐるりを囲んでいる。
 館へ続く石畳を抜け、花壇に乗り上げぬよう慎重に、円塔前の芝にバックで車を止めた。
ブレーキを掛けるとポヨン、と不穏に弾む。本気で買い換えを考えた方が良さそうだ。
 車を降り、警部は伸びをする。170近い長身で、丈の長いコートを颯爽と翻す姿など、
有能な女性刑事然として格好良いのだが…
 「きゃふっ!」
 変な声と共に視界から警部が消えた。放られていたホースに足を取られたようだ。
 彼女は下手すると、何もないところでさえ転べる。
 大丈夫ですか、と駆け寄ると、「最低だな支倉くん!」とお門違いな怒りをぶつけられた。
 「最低だな支倉くん」蝶ネクタイを正しながら泥水が降りてきた。
 「バッグをお忘れですよ」と言って、ぱんぱんになったトミーのミニボストンを警部に手渡す。
「何をそんなにいっぱい持ってきたんですか」
「女の子は色々必要なのっ」
子、って年じゃないだろと突っ込むほど私は女性に冷淡ではない。

63:『星見館の殺人』事件編3/6
09/05/08 01:20:10 d46Yw1At
玄関から二十歳くらいの女性が出てきた。黒地に白いレースの、冗談のようなメイド服が
金髪にピアスという本人の出で立ちに全く合っていない。
「おひさです、正親町さん。そちらは泥水林太郎先生と、オマケの方ですね」
どうせオマケの方である。
見ると、玄関脇で膝くらいの高さのマーライオンが、さっき警部が転んだホースを吐いていた。
「面白いですよね。水道なんですよ」
私の視線に気付いてメイドは微笑み、「家政婦の神保 仁美(ジンボウ・ヒトミ)です」と頭を下げた。
「やーん仁美ちゃん久しぶりー!」警部に抱きつかれ、仁美は目を白黒させる。
警部は二年半ほど前、一度星見館を訪れている。彼女は二階の掃除をしていたと言い、頭の三角巾をほどく。
豪華。玄関ホールだけで私のアパートより広い。左手には二階へ上がる階段と、夏見氏の書斎につながるドア。
右手に硲儀氏の仕事場―例の円塔に続くドアがあった。正面には暖炉と、両脇に扉が二つ。どちらも食堂に
続き、警部の荷物を玄関に置いて、その片方から我々も食堂に通された。時刻は十時三十五分。
対面式キッチンが併設された食堂も広く、燭台の置かれた大テーブルが据えられていた。
「ねえ、これなんだか解る?」
ドア近くの壁に掛けられた『それ』を手に取り警部が言った。時計台を模した、白い箱。
私が首をかしげると、仁美が言った。「キーストックなんですよ」
なるほど。前部が開き、中に鍵が収納できるようになっているのだ。
「お洒落ですね。でも結構高そうだ」泥水の言葉に、仁美は頷く。
「夏見さんが英国にご旅行なさったときに求められた物で、貴重なアンティークだとか…」
「あ、ダメですよ正親町さんの前でそんなこと言っ―」
言い終わる前に、私の危惧通り警部は「うわっ」と叫んでキーストックを床に取り落とした。
彼女には、モノが高級品だと解った瞬間に壊すジンクスがある。手にしていた証拠品の
壺が人間国宝の作だと聞いたとたん、手を滑らせて粉々にした前科もある。
(その時は手を尽くしてそっくりな壺を見つけ、何とか誤魔化した)
今回は幸いにも中身をぶちまけただけで、キーストックは壊れなかった。
鍵にはそれぞれ、薄い樹脂板に『Guest-1』『Guest-2』等と筆記体で彫刻されたキーホルダーが付けられている。

64:『星見館の殺人』事件編4/6
09/05/08 01:22:09 d46Yw1At
「洒落たキーホルダーですね」
「夏見さんが、専門店で注文して作ってもらった物だそうです」
仁美の説明に、金持ちってのは細かいとこまで金を掛けるんだなと感心した。
泥水が私に耳打ちする。「見たまえ。一見普通のシリンダーキーだが、ディクスン社製の
複製不可能の『本格推理鍵』だよ」
「僕んちの鍵と大して変わんないぜ」
「どうせ君にはフェラーリの鍵とコンビーフの鍵の区別もつかないよ」泥水は吐き捨てた。
鍵を拾う際、幸運にも我々は、その時硲儀氏の部屋の鍵である有義(Ariyoshi)の『A』の鍵が食堂にあったことを確認できた。
泥水が仁美に訊ねたところ、マスターキーはないという。
 仁美が紅茶を淹れてくれて―代わりにやるよ、と警部が出しゃばり手伝ってたが、アンティークの
電話機やら万年筆の刺さった卓上メモセットやら、高そうな物の並ぶキャビネットの周りを
コートを脱ぎもせずバタバタ動き回る彼女は見ていてハラハラした―私たちは食堂でしばし談笑した。
(泥水は「外の水道はあのマーライオンだけですか?ならばもう一つ作ってそっちは真実の口にするといい」と
訳のわからないことを言い出し、仁美を引かせていた)
十時四十分。談笑の輪にもう一人のメイド・西野 春子(ニシノ・ハルコ)が加わる。こちらはおっとりした黒髪の娘。
玄関扉の軋む音に続き、「皆さんお揃いだったんですかぁ」と食堂に入ってきた春子に、仁美が尋ねた。
「西野ちゃんどこ行ってたの?」
「ごめんなさぃ、裏の花壇にホースで水あげてて」弁明する春子。スカートが水で濡れている。
「そう言えば、梶谷さんは?」と警部。仁美が「買い物です。お昼まで帰って来ないんじゃないかな」と答えた。
その後、仁美が紅茶缶を取りに(硲儀氏の仕事場の手前にクローゼットがある)、入れ替わりに
警部が硲儀氏の様子を見てくると言って、それぞれ五分ほど席を立ったが、食堂が空になることは一度もなかった。
警部が見に行った時、部屋の鍵は開いており、硲儀氏も明るい様子で迎えてくれたという。
硲儀氏は十一時には行くと言ったらしい。この時、十時四十五分。
数枚の紙片を手に、夏見が現れたのは五十分を回った頃だ。彼がテーブルの上に広げたのは、どれも風景写真だった。
『珍獣串焼き』というのぼりが立った店、『冷やし中華始めたい』と貼られたラーメン屋……

65:名無しのオプ
09/05/08 01:25:23 PHNxi3aw
私怨

66:『星見館の殺人』事件編5/6
09/05/08 01:25:36 d46Yw1At
 「なつみん、まだやってんだVOW写真」警部が呆れたように笑った。
 「ライフワークだからね」と夏見は頭を掻く。『変な物写真家』の彼の書斎には現像室まであるという。
 「あざみが来るって言うから、新しいの撮ってきたんだ。特別なんだぞ?」
 照れくさそうに彼は言う。「俺の写真で最初に笑ってくれたの、あざみだからさ」
 「ばーか」と笑いながらも、警部も嬉しそうだ。
 春子が、硲儀氏を呼んでこようかと私たちに訊いた。
 「あ!じゃあその前に!」と警部がいそいそと食堂を出る。
 戻ってきた警部は、腕に大量のクラッカーを抱えていた。こんな物詰めてくるからぱんぱんになるんだ。
 「なんですかそれ?」仁美が怪訝な顔をする。
 「誕生日と言えばクラッカーでしょうが!さっ、お姉さんがみんなの分買ってきたから
喧嘩しないでねー、一人一個だよー」警部は全員の不審の眼差しを尻目に、クラッカーを押しつけた。
 「みんな!なつみんパパが食堂に入ってきた瞬間、一斉に鳴らすんだからね?やってみ?
テンション上がるから!よーし、じゃ一回やってみよう!1、2、ルネッサーンス!」
 彼女のペースに巻き込まれ、一同はクラッカーを鳴らした。…若干テンションが上がった。
その後、仁美は掃除用具を出したままだと言って、片付けに二階へ。夏見も暗室のライトが
点けっぱなしかも知れないと、写真を置きがてら自室に戻った。この時十一時。
「さて、」泥水が私に向かって微笑んだ。「君は車を停め直しに行きたまえ」
 「え?どうしてですかぁ」と春子が不思議そうに訊く。
 「あんな場所に停めておいたら怒られます」
 「でも、もうすぐ硲儀先生が…」
 「だから言ってるのさ」泥水は楽しそうに言った。「君が硲儀氏のファンだってことくらい
知ってるんだよ。大丈夫、玄関の鍵を掛けて閉め出したりなどしないよ」
 100%する気だ。「あんまりだ」私は呻く。
 「悪いのは君さ。…警部も見てくれば解りますよ」
 泥水にウインクされ、警部は首をかしげながら食堂を出てホールの窓から外を見て
振り向くと、ぎこちない苦笑を私に向けた。
 「あー…、確かにアレはすぐ動かなきゃダメだわ支倉くん。その、風水的に」
 警部さえ私をいじめるのだ。
外で車の停まる音がしたのは、ちょうどその時だった。

67:『星見館の殺人』事件編6/6
09/05/08 01:30:53 d46Yw1At
「いやぁ、街の方が思ったほど混んどらんで良かったですわい」と言いながら、買い物袋を両手に提げた
グレースーツの老人が入って来た。最も古くからの使用人・梶谷 善十郎(カジタニ・ゼンジュウロウ)だ。
梶谷老人は警部を見て「おや、あなたは坊ちゃんのご学友の…ええと、」
「もう!正親町です」
「おお、そうだそうだ。いや、すみませんなぁ。どうにもこの頃物忘れが激しうて」
老人は銀歯だらけの口でふぇっふぇと笑った。
「だがご安心くだされ、この爺や、料理の腕は衰えておりませんぞ。昼食だけと言わず、何なら
泊まってゆかれるといい。材料はこの通りたんまり。今夜はみんな大好き、爺や特製カレー…」
その時、甲高い破裂音が響いた。私には爆竹か何かのように聞こえたが、現職刑事には違ったらしい。
「―え?今の、…銃声じゃ?なつみんパパの部屋の方からだったけど…泥水くん、」
「行きましょう」泥水は立ち上がった。食堂を出て、硲儀氏の部屋に向かう。廊下に火薬の匂いが漂っていた。
「硲儀さん!」泥水がノックしたが、返事はない。ノブを回してみると、鍵が掛かっている。泥水は最後にやって来た
警部を見やる。警部は頷き、春子に言う。「春子ちゃん、鍵!」春子は脱兎の如く踵を返した。
戻ってきた春子が、震える手で鍵穴に『A』の鍵を差し込む。「あ…あれ?」
「もう、何やってんの!」警部は『A』の鍵を奪い取り、解錠した。泥水を先頭に、私たちは部屋になだれ込む。
そこには、パソコンに向かい椅子に腰掛け、左胸から血を流す硲儀氏の姿があった。
全員の目が釘付けになる。氏の足下にオートマチックの拳銃が転がっていた。
春子が倒れそうになるのを、梶谷が押さえた。泥水が駆け寄り、手袋を嵌めて脈を取る。
しばらくして、眉をひそめて首を振った。
「見てこれ!」警部がパソコンのディスプレイを指して叫ぶ。
wordが開かれ、こう打たれていた。『嘘はうんざりだ。これで解放される。生きる意味など』
キーボードの左端、テンキーの『0』の上に右手の中指が乗っていた。
「一体何があったんです?」夏見が部屋に入ってきた。その後ろに仁美が続く。
仁美の悲鳴が部屋にこだました。

【事件編・了】

※ここで一度推理してみるのも面白いと思います…
ここから、「捜査編」です。。。

68:『星見館の殺人』捜査編1/4
09/05/08 01:31:46 d46Yw1At
 泥水は部屋を見渡し、あちこち確認した。「死亡時刻は幅を持って見積もっても二十分以内…
窓には鍵…ドアの密閉性もかなり高い…外部操作は不可能か」
デスクの他は、背の高い本棚とベッド、大きなオーディオとソファが置かれているだけの部屋。
床には塵一つ落ちていない。外からは二階建てと見えたが、天井は吹き抜けだった。
 私は唇を噛んだデビュー以来、授賞式の類にも姿を見せず、編集者の打ち合わせさえもファックスで
済ませるほど徹底した覆面作家だった硲儀有義の素顔を、こんな形で見ることになるとは。
 「支倉くん、これを見たまえ」声を掛けられ、私は我に返って泥水を見る。
 「何か解ったのk―」
 「デリカットだよ」泥水は死体の掛けていた黒縁眼鏡で、切れ長の瞳を拡大して見せた。
 「…何をやってるんだ」
 「君が柄にもなく黄昏れていたから、和ませてやったんじゃないか」
 泥水がふて腐れて言う。
 過呼吸を起こした仁美を連れ、夏見が部屋を出た。梶谷が何か言おうした。
 「見て。なんか握ってるみたいだけど…」
 警部が死体の右手を掴んだ。掌の中に、紙切れのような物が握られている。
 それを見て、春子の顔色が変わった。彼女は警部を押し退けるようにして死体の右手を
こじ開け、手の中で紙切れを開く。いよいよ彼女は顔面蒼白となり、警部の制止も聞かず、
走って部屋を出て行こうとした。
 「ちょっと!春子ちゃん!」
 「やめなさい」泥水は視線をあくまで死体に注いだまま、凛と響く声で窘めた。
「仮にその紙にあなたの名前が大書してあったとしても、今のあなたの行為ほど自身を
追い込むことにはなりませんよ」
 春子はその場に崩れるように膝をつき、嗚咽を漏らし始めた。
 警部が彼女に寄り添い、その手から紙を取り上げ、私によこした。
 「ぜっと…えいち…」春子が呟く。
 私は紙片を開く。上部1/3だけ残してちぎられたメモ用紙には、縦書きで『ZH』と殴り書きされていた。
 「Z…H。―神保仁美か!君はあの子をかばおうと…」
 春子は肩を震わせて泣きじゃくる。

69:『星見館の殺人』捜査編2/4
09/05/08 01:33:22 d46Yw1At
「あ、あのぉ…」梶谷がおずおずと口を挟んだが、泥水は無視して話し始めた。
「この死体は明らかに他殺だ。まず、銃創に近射創の特徴が見られ、貫通もしていない。
銃口が傷に密着していなかった証拠だ。自殺なら身体に押しつけて撃つ方が自然だろう。
それから、銃創付近にプラスチックの欠片が付着している。…弾は二発撃たれ、一発は」
 泥水は目の前の壁を指さした。銃弾がめり込んでいる。
「壁に。一発目で手元が狂ったとも考えられるが、硲儀氏を殺害した後に犯人が硝煙反応を
偽装するために死体に銃を握らせて撃った、とも取れる。…犯人の方の硝煙反応は調べても
無意味だろうね、殆ど全員、クラッカーで火薬まみれだ」
 「面目ない」と警部はうなだれる。
「それから、」泥水は死体の左腕を指した。高そうな銀時計。ガラスにヒビが入っている。
 「撃たれて倒れた時に割れたんだ。従って、その後、椅子に座り直させた人間がいることになる。
そしてそのメモ。…そこから破った物だろうか、」
 デスクの上には、食堂のと同じ卓上メモが置かれている。なんとなくペンを取り、『密室』と書いてみた。
「あ、あのぉ…」
 「ならばパソコンの方は犯人の偽装で、メモの方が撃たれる前に被害者が書き残した真の
メッセージであり、一部が破れているのは、それに気付いた犯人が死体の手から引き出そうと
したためかも知れない。…どちらも偽装である可能性もあるがね。そのメモだけで仁美を
犯人とするのは早計だよ。ただ…何にせよ硲儀有義の死に第三者の介入があったことは明らかだ」
 「さっすが泥水くん!」と、警部が感嘆に溜息を漏らす。
 「あ、あのぉ…」
 「やはりこうなったな」また新作が書けるとほくそ笑み、私は泥水の言葉を継ぐ。
 「状況から考えれば被害者は他殺。でも現場の鍵は複製不可能で、食堂から持ち出すことも
出来なかった。この部屋には煙突もなく、窓もドアも、外部操作での開閉は不可能な造り…」
 「じゃあ…」警部が興奮気味に言う。
「つまり!これは密室さt」
 「あのぉ!」梶谷はあくまでしつこい。

70:『星見館の殺人』捜査編3/5あれ?
09/05/08 01:35:06 d46Yw1At
私は根負けして「なんですか?」と訊いてやる。
「いや、あの…何か勘違いしておられるようだから」
そう言って梶谷は、デスクの左側に据え付けられた抽斗を調べたり、死体のポケットを探ったり
していたが、ふとベッドの下をのぞき込み、それを拾い上げた。何かのリモコンのようだ。
 「なんですか、それ」私は眉をひそめた。
 老執事は無言で、天井に向かってリモコンを操作した。
 ピッ、という電子音に続き―ぱらぱらとホコリを舞わせて、屋根の一部が静かに開き始めた。
警部と私は、その光景を唖然として見上げる。
 「旦那様が星を見るために作らせたものでな。夜に使うからと、防振・静音に優れた
フローティング構造になっちょるとかで、誰にも気付かれんように開け閉めすることも
まぁ、造作もないことでしょう」
 「し!しかしっ!」私は食い下がった。
「そのリモコンが部屋の中にあったと言うことは、密室には変わりないのでは?」
 「いんや、」と梶谷は首を振る。「見ての通り、ボタンを押してから開閉が終わるまで
タイムラグがある。例えばそこの本棚を上って屋根の上に上がって、外からリモコンを作動させて、
完全に閉まる前に部屋の中に投げ込めばそのぅ、密室が完成するっちゅう訳です」
 「な…なるほど」私は頷く他なかった。「なら!この仕掛けの存在を知る者が犯人、」
 「家の者はみんな知ってます」
 仁美を二階の自室で寝かせ、戻ってきた夏見の言葉に、梶谷と春子も大きく頷いた。
 私は警部を睨む。
「なんで教えてくれなかったんですか!ここ来たことあんでしょ正親町さんは!」
 「私も知らなかったんだもん!」
 「前にあざみが来たときはその、色々バタバタしてたしな」
 夏見は頭を掻いて、それから泥水に言った。
 「泥水さん、よろしければあざみと二人で話がしたいのですが」
 「よろしくありませんね」密室の崩壊さえも予想していたように沈着に、泥水は言った。
 「僕もあなたにお聞きしたいことがある。お部屋に行ってもよろしいですか」

71:『星見館の殺人』捜査編4/5あれ?
09/05/08 01:41:59 d46Yw1At
 夏見の部屋は煙草の煙が充満していた。スプリングの緩みきったソファも尻が痛い。
せめて窓を開けろと思う。泥水はパイプ党だし、警部も嗜む程度には紙巻きを吸うから
気にならないのだろうが。私は仁美の様子を見に行くと言って部屋を教えてもらい、阿片窟を脱した。
 二階は、廊下を挟んでバス付き寝室が八部屋並び、階段から見て手前左側が仁美の部屋だ。
後の部屋も住人それぞれに割り当てられ、余りの三部屋はゲストルーム。突き当たりはトイレだ。
 私が行った時、ちょうど春子と梶谷が出てくるところだった。メモのことは話してませんので、と春子に言われる。
 仁美はベッドで横になっていたが、顔色は良かった。
 私は軽い雑談(泥水の悪口)を仁美に振り、彼女も「最近、春子ちゃんが煙草を覚えたみたいで困ってる」
などと愚痴って、二人して笑った。
 最後に私は「夏見さんって、金属アレルギーなの?」と訊ねた。
 彼女は頷いて、「夏見さんもけっこう症状キツくて、お洒落も出来なくて大変だって言ってた」
と答えてくれた。やっぱりか。事件には関係ないがこれで一つ、謎が解けた。
 仁美の部屋を出ると、泥水が待ち構えていた。
 階段を下りながら「君も中々やり手だね」と笑われた。
 「余計なお世話だよ。で、何か解ったのか?」
 「夏見の証言からかい?本当のことなど語りはしないさ。硲儀氏を口説いて僕たちを招待したのは
夏見だったってことと、彼宛に一週間前に届いた『硲儀有義のペテンを公表せねば死の鉄槌が下る』なんて
脅迫状がその理由だってことが解っただけだ」
 「十分じゃないか」
 「無駄にサスペンスを盛り上げるには、ね。…僕は暗室とソファ、それに窓の外を見たかったんだ。
ところで、今から面白い物を見せてあげよう」
 泥水はそう言って片目を瞑る。
 食堂に戻ると、警部が待っていた。「遅いよ二人ともー」
「申し訳ない。…でも、基本に立ち返れば事件は解決です」泥水は例の『ZH』の紙をテーブルに置き、
「見てごらん、うっすらと何かの跡がある」
 と、シャツのポケットからシャープペンを出して、紙をこするように塗りつぶし始めた。

72:名無しのオプ
09/05/08 02:11:44 PHNxi3aw
おいおい、性奴隷探偵詩織ちゃんシリーズだっていうからチンコ出して待ってるのに
作者はいずこへ?バイバイモンキーでも引っ掛かったかな?

73:『星見館の殺人』捜査編ラスト!
09/05/08 02:12:18 d46Yw1At
 「あの部屋の、開閉する側とは逆の窓に嵌っていた天窓の鍵が開いていた」
シャープペンを動かしながら、泥水は話し続ける。
 「人間が通り抜けられる大きさではなかったがね」
 「そんなことより、良いのか証拠品に」
 「こんなのが証拠なものか。…見たまえ、本当の証拠が顔を出した」
 泥水は紙片を90度回して見せた。破れ目が右側に来る。紙が黒く塗りつぶされ、溝の部分が
浮かび上がっていた。それは、縦書きのカタカナだった。「―カ、ジ、タ、ニ?」
 私は驚いて泥水を見た。名探偵は微笑んだ。「そういうことだよ」

【捜査編・了】

◎さて。泥水探偵の推理とは、この事件の真相は!?
 
【追記・硲儀有義氏殺害時、館にいた人物一覧】

硲儀有義(51):被害者。推理小説家。
硲儀夏見(29):被害者の一人息子。(母親は彼が中学の時、他界)
梶谷善十郎(69):耄碌した使用人。
神保仁美(20):派手な使用人。
西野春子(19):地味な使用人。
正親町あざみ(29):警視庁のズッコケ警部。

ばいばいさるさんなんて初めて引っかかりました…

74:名無しのオプ
09/05/08 04:19:15 zMxjw8UP
>>53乙。「彼女は~何故なんだぞ?」で盛大に噴いた

75:名無しのオプ
09/05/08 11:43:04 PHNxi3aw
俺のチンコどうしてくれんだよ一晩中出しっぱなしだったせいでシオシオになっちったよチンコやわらぎ斎場だよ。
チンコインフルエンザにかかったらどうしてくれる。

しっかしこのスレ始まって以来の大長文にして大挑戦って感じだな。
せっかくだから、夜みんなが来るまで、派遣切りとして時代の最先端を行く
学も金もないが暇だけはあるオールウェイズGWおじさんが推理してやろう。

警部はチタンの指輪をはめていた。チタンって確か、アレルギーの人でもつけれんだよね。
ってことは、やっぱりなつみんが警部の彼氏。
ってことは本当の犯行は警部が被害者の部屋に行ったとき
既に行われてて、警部がなつみんを庇う証言をしたんだと思うんだけど、
冒頭の犯行シーンと矛盾すんだよなぁ…
屋根伝いに外へ逃げれたのは、(銃声をトリックと考えて度外視すれば)
爺やと仁美たんとなつみんってことになるけど…
メッセージの意味は本当に「カジタニ」なのかね?

76:名無しのオプ
09/05/08 13:41:09 zMxjw8UP
とりあえずザッと読んで気になったのは、大きなオーディオを備えた(すなわち防音性の高い)密閉された部屋での銃声が外に聞こえるものか、という点。

77:名無しのオプ
09/05/08 14:18:20 B6EQbdX1
>>53
ナイル(Nile)がニレ氏を示すのは某作品の盗作だろw
テレビで見たのか?
オリジナルでやってくれよ

78:名無しのオプ
09/05/08 17:11:04 cBExghVh
あるのかよそんな小説w

こういう、一発ネタじゃなくて手がかり散りばめ系の問題は
展開的に苦しいところ、作者が無理矢理ねじ込んだようなところを
拾っていけば足がかりになるって亜愛一郎が言ってたぜ。

怪しいのは
・ブックマッチ
・マーライオン
・VOW写真
・デリカット
・性奴隷探偵詩織ちゃん

こんなとこかなー。色々見ていくと(狂言回し的ポジションだからか)
警部の行動がいちいち胡散臭いんだよなー…
でも、主犯は屋敷内部の人間っぽいし。共犯ってことかな?チンコ探偵の
指輪の推理は良いと思う。警部はいっつも偽クロムハーツをしてたんだから
アレルギーじゃないってことだもんね。
>>76の言うとおり、音も火薬の匂いも漏れていたってことは犯人はドアも閉めずに
撃ったことになるよね?それはさすがに不自然だから11時の銃声はフェイクかな。
「世界観が同じ」ってのはヒントなのかな。

79:名無しのオプ
09/05/08 18:38:25 I7WOuNXP
デリカットの芸は遠視用の眼鏡じゃないとできない。
だから硲儀有義は偽物。*で3年近くたってることに
なる。
最近の本を書いていたのは冒頭に出てきた人物。
殺されたのは偽物だと気づいて脅迫していた人物。

本物の硲儀有義を知っていた館の住人と警部が
何も言わないので全員共犯。春子は年齢的にも本物が
殺された時には使用人をやっていなかったと思われ、
また事件での役割(後述)から考えてもようなので
共犯ではない。

密室は最初に春子がもってきた鍵は偽物、警部が受け取
ったときにすり替えた。鍵はぱっと見区別がつきにくい
という記述があったから可能。

80:76
09/05/08 18:52:27 zMxjw8UP
・パソコンに無知なのでよく分からんがテンキーってのは左端にあるものなのかな。見たことある機種は全て右にあったが。
左利き用は違うのか?いずれにせよ、パソコン使える本職の作家が右手で左端のキーを押すのは不自然。
・神保(ジンボウ)ならZじゃなくJだ。
それはともかく、
・破裂音を銃声つまり事件どあると断定したのは警部。

・鍵を取りに行ったのは春子だが、指示したのは警部。
また、
・春子はAのキーで解錠できなかった。
・ドアを解錠したのはAのキーを受け取った警部。
から、事前にAの鍵の偽物(複製である必要は無い)を作っていた警部が、解錠の際に本物と摩り替えた可能性が考えられる。
警部としては鍵を取りに行くのが自身でないことを衆目に晒せばよい。
一方、鍵のプレートは専門店への発注だというが、店が特定出来れば複製が可能。

摩り替えの機会はキーストックを落とした時。
この時も率先してキーストックに触れかつぶちまけたのは警部。

共犯の有無は仕事が片付いたら考える。

81:76
09/05/08 18:54:01 zMxjw8UP
>>79とかぶった(笑)

82:名無しのオプ
09/05/08 19:08:49 pa6pE8K4
銃声はクラッカーの火薬だよね。ブックマッチを時限装置に使ったのか。

83:名無しのオプ
09/05/08 19:30:03 70j4aNvk
>>61-73
犯人は夏美だね
ナツミに筆を加えればカジタニになる。
ナ→カ
ツ→ジ
ニ→タ
一→ニになる。

84:名無しのオプ
09/05/08 19:31:18 70j4aNvk
>「共犯意識ほど、人を強固につなぎ止めるものはないからねぇ」

あざみが見に行った時には硲儀氏はもう死んでたと思われ。
夏美の犯行をかばうためにあざみがいろいろ偽装した。

85:名無しのオプ
09/05/08 20:50:28 bJwQZDP1
左利き用のキーボードならテンキーは左だね。

86:名無しのオプ
09/05/08 22:19:32 ELxa6oJA
>>84
それじゃ最初の犯行シーンと矛盾しない?
>「さっき来たあの子。あざみ君、と言ったか。面白い子だね」
ってことは、犯行は正親町が部屋に行った後ってことになるし。
それと、ナツミ→カジタニはいつ、誰がやったの?

87:名無しのオプ
09/05/08 22:56:01 jOVE58r5
>>86 だから、この話の中で2人死んでるってことだろう。
本物の有義と、もう1人。

88:名無しのオプ
09/05/09 00:40:16 bEktLFFv
ナツミ→カジタニは、正親町がやったと考えたら筋が通らない気が。
梶谷老人が(ほんとは)お昼まで帰って来ないことを仁美から訊いてたんでしょ?
現場にいない人に罪を着せるのはリアリティがない気が。
それだったら、黙ってメモ帳ごと持ち去れば良いんだし、何より
「カジタニ」の文字がちゃんと書かれてたんじゃなくて溝状の跡として
残ってた理由が説明できてないよ。

死体が握ってたメモは、食堂の電話横に置いてあった奴で、一枚上に
電話しながら「カジタニ」ってメモったのが、筆圧で写った跡なんじゃないかな?
破れた片方には「~時に電話、要連絡」とかって外出中だった梶谷への
言付けが書いてあったと。
みんなが食堂を出た後で、一人残って正親町がその跡付きのメモを破って
神保に罪をなすり付けようと「ZH」って書いたとか。

89:名無しのオプ
09/05/09 01:35:40 yOxFTBrZ
うーむ、
老眼鏡のくだり、利き手に関する考察(パソコンは左利き仕様、死体は左腕に時計=右利き?)
から考えると、今回殺された「硲儀有義」氏は偽物みたいだね。
とすると、動機はなんだろ?夏見が犯人で、なおかつ父親殺しの犯人でもあるなら
恐喝でもされてたのかな?それで、恋人の正親町と共謀して偽物を殺した。
犯行時刻を偽装し、屋根を通って外から部屋に戻り、何事もなかったように珍写真を手に食堂へ。
…あれ、でもそれならなんでわざわざ部屋に戻ったんだろコイツ。
犯行は正親町が現場に行った後じゃあり得ないんだから、食堂にいてアリバイ作れば良かったのに。

文中の「塵一つ落ちてない」床の描写も気になるんだよね。
埃も舞ってないってことは仕掛けは作動してなくて、鍵のすり替えトリックで密室を作り、
犯人は正親町の単独犯ってのが自然だけど…
コイツに動機あるかな?夏見を助けるためってことか。
メモはなんなんだろ?

って訳で、今回も一応言っとくわ。
なーんもわからんちん!

90:80
09/05/09 03:36:22 C2zMAl9/
・作家は覆面性が高い。
・近年、従来の作風と変化がある。
つまり、>>79さんの言うように、ゴーストライターが介在する余地はある。

ゴーストライターを擁立するメリットを受けるのは第一に作家。作家の利益は親族の利益だから息子にもメリットが。

・利き手問題より死体≠部屋のパソコンの主(作家またはゴーストライター…後者の場合、作家は私生活においても偽物と入れ替わっている事になる)。
・眼鏡問題より死体≠作家(遠近両用眼鏡が市販されているくらいだから断定は出来ないが)。

・春子は死体が紙片を握っている点に過敏に反応。
死体氏に、春子自身に関わる何らかの文書を握られた可能性を自覚している。

・ZHは向きによってHZ、NI、INと読める。あるいは他の、例えば平仮名「てけ」「けて」などの可能性もある。


91:80
09/05/09 03:43:00 C2zMAl9/
とりあえず受益者(作家または息子)と、事件への関連が示唆される春子、>>80で指摘した警部を中心に。

推理。作家は既に死去しており、ゴーストライターが作家の部屋で執筆を行う(作家とゴーストライターの共存はあり得ない。死体は一つで、他に何者も見当たらない)。
息子は相続税を払わず、作家の印税を得る為にゴーストライターを擁立または維持。
一方、春子はゴーストライターを強迫。
ゴーストライターは辞職を願う。
息子は聞き入れず婚約者の警部と謀ってゴーストライターを殺害。
息子は春子による強迫を知らない。
老執事は見てみぬふり。紙片の文字の意味は不明。

かなあ。




92:名無しのオプ
09/05/09 03:44:33 C2zMAl9/
推理2、作家は生きていたが創作可能な状態でなく、春子が作家の部屋でゴーストとしてパソコンを使用(パソコンは死体=作家のものでない)。
辞職を願う春子を許さない作家とトラブルが生じて殺害。
この場合も警部は共犯。関連は不明。紙片の意味も不明。
但し、死体≠パソコンの主であるためには、春子は、左利きかつ作家の部屋での不自然なゴースト活動(自室から作家のパソコンにメールを送る事も可能)が条件であり、蓋然性が低い。

推理3。息子がゴーストライターで、辞職を願い作家と(ry~殺害。
この場合も死体≒パソコンの主という点に推理2と同じ疑問が残る。



93:名無しのオプ
09/05/09 04:02:52 C2zMAl9/
↑≒は≠の間違いorz


94:蝙蝠男
09/05/09 04:41:02 6nW9CpFT
密室と言い難いだけに、何故そのような逃走ルートを使ったかもポイントかな。
メリットがなければ普通に扉から出ればいい。
・・・とか考えてたら皆は普通に扉から出入りした推理をしてて吹いた(w

銃声の件は他の可能性として、ちょうど天井が開いた時に撃ったとか?
あ、外から撃って銃を放り込んだ?
天井も、ただのレッドへリングじゃなく偽解決くらいにはからむと思う。

95:名無しのオプ
09/05/09 08:02:27 yOxFTBrZ
正親町(かっこいい名字だね)の彼氏がじじいって可能性はないの?
あと、メイド二人のどっちかとかさ。百合読みたいなー
そのままなつみんが彼氏だったらあっけなさすぎない?
例えば、正親町のバッグの中にはカレーの材料が入ってて、
じじいのアリバイに利用したとか。

96:名無しのオプ
09/05/09 12:37:23 TCcguDAP
「私」が止めた車の位置を直すように言われた理由は何だろう?

車いすで降りるスロープの前に止めたのだろうか?

冒頭の惨劇で有義は全身麻痺に近い状態になった。
周囲には足が不自由になっただけだと伝え、小説は
ゴーストライター(冒頭の小説を持ってきた人物)
に書かせていた。

とか?

97:名無しのオプ
09/05/09 13:18:34 kMe7m0vw
塵一つない、ってのは天井が開いてないっていう意味だと思われ
なんか埃っぽかったみたいだし、だから天井の線は捨てていいと思う
職業作家はwordなんか使うな、という人もいるし、慣れてる人は絶対に手をクロスさせて
キーをうつことはないから、被害者はそもそも作家でもなんでもないか、
少なくともパソコン使い慣れない人なんだろう、多分
しかしだからといって犯人がわかったわけではないが

98:名無しのオプ
09/05/09 14:53:34 C2zMAl9/
>>95
とするとフリの指輪の件はどう解釈する?息子のアレルギーはストーリーに絡まない?


99:名無しのオプ
09/05/09 16:35:59 ecASSr4L
廊下の破裂音はクラッカーの音。クラッカーを鳴らせるのは、そのとき皆といなかった仁美と夏美だけ。

>さっき来たあの子。あざみ君、と言ったか

から、犯行はあざみが有義の部屋に行った後、行われた。
それが可能だったのは仁美と夏美と梶谷だけ。11時45分以降、春美らは1人にはなっていない。

有義は死ぬ間際、メモに「ナツミ」と書いた。
11時、犯人の夏美は有義の部屋で「ナツミ」のメモをみつける。
そのまま破いただけじゃ”型”が下に残ってるのを分かって
ナツミに細工しカジタニにし、下の型を確認し破き取る。
もしくは、いったんは居なかったカジタニに罪を着せようとしたが
帰ってきたのに気付きやめた。
そして、破裂音がしたとき、皆といなかったもう1人の人物、仁美に罪を着せようと
ZHと書いて握らせた。あとはもろもろ。字数制限でこれにて。

100:名無しのオプ
09/05/09 16:54:36 TCcguDAP
>>99 は*の前後で時間が戻ってる派か

101:名無しのオプ
09/05/09 17:09:21 ecASSr4L
訂正・春美じゃなく春子でした。

102:名無しのオプ
09/05/09 17:11:16 ecASSr4L
もうひとつ訂正・11時45分以降→10時45分以降でした

103:名無しのオプ
09/05/09 18:18:17 0d7RMT6e
カレールー
ジャガイモ
タマネギ
ニンジン

だったのが他の部分が破れて「カジタニ」になったのかと思ったけど、
あえてカレーの材料メモったりしないかw

104:名無しのオプ
09/05/09 18:57:20 yOxFTBrZ

いやアリだよそれ。
>「いや、すいませんなぁ。この頃物忘れが激しうて」
が伏線になってるもん。
ってことは、メモ帳は現場にあった物じゃなくて食堂から持って来た物ってことになる。
食堂にいたメンバーの中で現場に来るのが一番遅かったのは正親町、
メモを見つけたのも正親町。
ってことはやっぱりコイツがメッセージを偽装したってことか。
2/3が破り取られてたのは、>>90さんの意見を取るなら、本当は
「NISHINO」って書いてあったのを本人が破ったってとこかな。
…でも、警部に春子に罪を着せる理由ってあるかな?

105:名無しのオプ
09/05/09 19:21:09 UIM5vgyl
>  「さっき来たあの子。あざみ君、と言ったか。面白い子だね」
>  来室者は微笑んだ。

このくだりから来室者はあざみと親しい人物である夏見か仁美だと思われる。
ここから別に何も導きだされないが。
夏見と春子って名前に季節が入ってることにはなんの繋がりもないのかな。


106:名無しのオプ
09/05/09 21:22:23 Klz82Wx7
「あざみ」の花が咲くのは井上陽水が歌うとおり、殆どが『夏』から。
だが、ノアザミなど一部のアザミは『春』に咲く。
…作者はここまで読めとは要求しないだろうが(というか意図的なものじゃないかもだが)

殆どの人はアザミを「夏の花」と見なす。だが、「春」に咲くアザミもある。
ではこの「あざみ」は夏咲きか、春咲きか。
>>95朗報だ!百合フラグだぞ!

107:名無しのオプ
09/05/09 21:34:13 lnEImF81
考えすぎっつーか妄想っつーか…
名前とか眼鏡とかパソコンとか、そんな細かいとこまで作者が考えてるわけないじゃん。
作者の勘違いでしょ?入れ替わりとかよくわかんないし。
しょせん素人の問題なんだからさ。…プロが作ってるNHKでさえあのザマなのにw

犯人はじじい。

108:80
09/05/10 00:00:59 YWqRr4l3
>>103で神を見た

109:名無しのオプ
09/05/10 04:23:33 6nUTxBTR
>>107
ここの問題は探偵xより質が高いともっぱらの評判なのは何故なんだぞ?

じゃあ一旦まとめてみるよー。
前提
◎近視で左利き?の本物の硲儀有義氏は既に夏見によって殺害されており、今日まで星見館にいて
硲儀有義を名乗っていた遠視で右利きの人物は雇われたゴーストライター。館の全員が共犯で
口をつぐんでいる。(壺のエピソードと衆院議員殺害事件のエピソードはこのことの暗喩か?)
◎冒頭のシーンは「本物の」硲儀氏殺害時の回想であり、よって今回の殺人が、正親町の
証言通り10時45分以降に行われた証拠はない。
◎金属アレルギーの描写から考えて、正親町は夏見と交際している。
◎現場は防音性の高い作りだったはずで、ならばハッキリと銃声が聞こえたり火薬の匂いが
廊下に漂っているはずがない。11時の銃声はフェイクの可能性が高い。

110:名無しのオプ
09/05/10 04:25:05 6nUTxBTR
犯人は正親町あざみ説
◎正親町は偽のキーホルダーを作り、キーストックをぶちまけた時に本物の鍵とすり替えた
◎クラッカーを、ブックマッチを使った時限発火装置で鳴らしてアリバイを作った
◎死体の握っていたメモは食堂のメモ帳から破ったモノで、最後に食堂を出た正親町が
(夏見を巡っての恋敵だった?)春子に罪を着せるため「NISHINO」と書いたのを
春子が一部を破り取って仁美を示すモノに改ざんした。

犯人は硲儀夏見説
◎夏見はゴーストライターから脅迫されていた。
◎犯行は10時45分以前に行われ、後で現場を訪れた正親町は夏見をかばうために嘘の証言をした。
◎クラッカーを鳴らし、銃声だと正親町が騒ぎ立てるという手はずで夏見は一度部屋を出た。
◎『カジタニ』は『ナツミ』を改ざんした物

111:蝙蝠男
09/05/10 04:58:07 JYh9UhB9
>96
>「私」が止めた車の位置を直すように言われた理由は何だろう?

屋根から降りる足場として使ったと思われるよう移動させたとか。

>107
探偵Xは、実質30分未満で問題から謎解きまでやらないといけない縛りがあるから。
過去のモナギコでも、これくらい複雑なトリックはあるよ。

112:名無しのオプ
09/05/10 09:04:16 frzkYyfK
警部が同意してるのは、ただ支倉くんをいじめたかったからなのかな?

113:名無しのオプ
09/05/10 09:53:29 CPu7JQQk
>111
最初に直すように言ったのは泥水なわけで
探偵はそのときすでにトリックに気づいていた?
それとも共犯?

どちらもなさそうなので別の理由だと思ったので
車いす何だのと>96で考えてみた。

114:名無しのオプ
09/05/10 12:43:51 YWqRr4l3
ここを見てると友達の言ってた「エヴァンゲリオンはブルーレイの販促サブリミナル企画」という説が真実に思えてくる。

115:名無しのオプ
09/05/10 13:21:58 frzkYyfK
一つ思ったのが、警部がこけたホースの端を車が踏んづけてたって
可能性なんだけどどうかな?
外の水道はマーライオンだけってことは、結構な長さのホースだろうし、
それによって直前まで「花壇に水をやってた」春子のアリバイが崩れるってことかなーと。

ただ、スカートは濡れてたんだよなぁ
キッチン以外のお風呂とかトイレの水回りは全部二階だし、
ちゃんと彼女は外から帰って来てるし…

116:名無しのオプ
09/05/10 16:42:54 8dMC7PGp
>「あの部屋の、開閉する側とは逆の窓に嵌っていた天窓の鍵が開いていた」

これもポイントなんだが

117:名無しのオプ
09/05/10 17:52:01 frzkYyfK
それはこの作者氏お得意のダミー推理の材料だと見たな。
一度、支倉くんが天井を見上げた時には鍵が開いてる描写はなかったし。
真犯人が夏見で、前の詩織ちゃんの時同様脅迫するために(金持ちっぽいし
偽の推理をでっち上げようと、後で泥水くんが開けたんじゃないか?

老い先短い爺やに罪をなすり付けるのはやめてあげて(>_<)

118:名無しのオプ
09/05/11 00:06:02 zdNsQ7uF
わからんなぁ何一つわからんなぁ
みんなの推理読んでて感心するよ…
でも、雰囲気まだまだ伏線とかあんだろうなぁ
わからんなぁ

119:名無しのオプ
09/05/11 17:30:49 5OQZz7Wy
ケント・デリカットが眼鏡のテンプル部分に指をかける。
デリカットタイムのスタートだ。
観客はこれから何が起ころうとしてるのか知っている。なのに何故か高ぶりが抑えられない。
固唾を呑んでデリカット眼鏡のレンズに注目する。
眼鏡は前方へとスライドさせられる。
その間わずか数秒なのだが、観客はレンズに様々なものを見る。
それは自分の姿であったり、世の中の裏側だったり。
やがて絶妙な位置で眼鏡は止められる。レンズにははみ出んばかりの大きな瞳。
観客は笑い、そしてあまりの大きさにため息さえ漏らす。
眼鏡をずらし、瞳を大きく見せる。これがケント・デリカットの眼鏡芸だ。
眼鏡をかけているタレントは数多い。だがこの芸を行えるのはデリカットだけ。
トミーフェーブラリーにはこの芸はできない。
眼鏡をファッションやギミック感覚でかけている者と、眼鏡ひとつでアメリカから渡ってきた者の差かもしれない。


120:名無しのオプ
09/05/11 19:32:50 MrHnv9Dq
目が大きく見えるようにするケント・デリカットの眼鏡芸は近眼の眼鏡では無理だよ。
近眼の眼鏡で前にずらすと逆に目が小さく見えるようになってしまうから。
眼鏡芸を入れたのは、作者の無知によるミスだろうか
それともトリックに関連があるのか?
わざわざ被害者を強度の近眼という設定にしてるのは気にはなるねえ。

121:名無しのオプ
09/05/11 20:14:01 5OQZz7Wy
>120
他の人の推理読んでないのか?

122:名無しのオプ
09/05/12 02:06:11 tpAmRCjF
やっと追いついた

ZIの紙だけど上1/3が破れている紙を破れ目が右にくるまで
90度回転ってことはINじゃないのかな
ZIがメッセージならば、だけど

ゴーストライターはあざみさんで
甘ったるいストーリーに陳腐なトリックって批評されてたから
ムード作りばかり先行し、ミステリ部分がお粗末っていう
最近の評判とあてはまるかと思ったんだが・・・

さっき来たあの子って言ってるよな?
目の前の来室者の向かってさっき来たあの子
なんて言うだろうか?

冒頭の人物は本当にあざみさんか?
と首をかしげて見る

123:名無しのオプ
09/05/12 03:16:41 tpAmRCjF
憶測の域を出ないんだが

・ブレーキを掛けた時にと「ポヨン、と不穏に弾」んだのは何かを踏んだから?
・キーストックを「ねえ、これなんだか解る?」と聞いてきたのは
 あざみさんなので貴重なアンティークだってことも当然知っていて
 自分の癖を利用して鍵をすり替えた?
・「…僕は暗室とソファ、それに窓の外を見たかったんだ」という泥水探偵のセリフは
 裏の花壇は春子さんがホースで水あげていたはずなのでぬかるんだ地面についた
 足跡をみたかった?
 ソファは「スプリングの緩みきったソファも尻が痛い」って部分か?
 暗室に関してはお手上げ
・「最近、春子ちゃんが煙草を覚えたみたいで困ってる」←夏見の影響?
・「キーボードの左端、テンキーの『0』の上に右手の中指が乗っていた」
 この部分だがよほどのじゃないと素人でも左端のテンキーを右手では打たないと思うし
 wordに残された文章に数字がないのでこれが本当のダイイングメッセージ?

ちなみにINがつくのは夏見さん、仁美さん、春子さん
でも「こんなのが証拠なものか」って言っているからミスディレクション?

では、春子さんが紙を奪ったのは仁美さんをかばったのではなくINの文字をみて
自分の名前だと思ったから

……ってのでどうだろう
簡単に気づきそうな場所ばっかでゴメ orz


どうも泥水探偵が長身のサングラスのイメージで脳内再生されて困る

124:名無しのオプ
09/05/12 03:23:16 tpAmRCjF
ごめん書き忘れたが

天窓のリモコンがベットの下にあったってことは
反対側の窓から放りこまれた?

なんか長文な上連続してしまってスマン
もうどれが伏線でどれがミスディレクションなんだか……
ちょっと頭冷やしてくるさ

125:名無しのオプ
09/05/12 04:08:37 Ls0hirAr
なるほどね。ポヨンと弾んだ時に踏んだのがホースってのは>>115を補強しそうだ。

126:80
09/05/12 05:00:19 Ls0hirAr
>>115
むしろホースを車が踏み越えたために一旦圧迫されたホースから勢いよく水が噴出してスカートが濡れた→春子アリバイ成立かと。

127:名無しのオプ
09/05/12 08:27:48 tL0ss8O5
ホースを乗り越えてるなら動かす必要はないから、乗り上げて踏んづけたままなんだと思う。
そんな状態だったら水も出せないから、代わりのホースをわざわざ繋ぎ替えなきゃならない。
相手は客だから面と向かって文句は言えないだろうが、「車を動かせ」と言われて
理由に思い当たらないはずはない。にもかかわらず、春子は
>「え?どうしてですかぁ」
と、車を動かす理由が解っていなかった。彼女が水撒きなんてしていない証拠だ、ってことかね

128:名無しのオプ
09/05/12 12:30:50 tpAmRCjF
>>127
なるほど、なら探偵が窓の外を見たがった理由は水まきをしたかしてないか
ってことでいいのか


129:80
09/05/12 13:45:37 Ls0hirAr
とりあえず密室のカラクリとして
「キーストックぶちまけ→鍵を摩り替え→殺人→施錠→鍵を取りに行かせる→鍵を摩り替える→解錠」
が行われたとする。
この場合、警部が犯行に絡んでいる可能性が高い一方、春子と共犯である可能性は低いと思うんだよな。
実際に鍵の摩り替えが行われたとしたら、共犯者に鍵を取りに行く機会を与える事でカラクリが崩壊してしまう。
鍵の摩り替えは、あくまで無関係の人間に取りに行かせた鍵をそのまま使ったかの様に見せるから成立するわけで。
鍵を取りに行った人間と解錠した人間がグルであると仮定されたら、自分で取りに行ったも同然だから春子に行かせるのは不自然。


130:80
09/05/12 14:22:56 Ls0hirAr
でも一方では、春子の紙片に対する挙動は不審に過ぎる。
だから>>91
作家は既に死去→息子がゴースト使用→春子がゴースト脅迫→ゴーストが辞めたがる→息子と警部が殺害→死体を右利きに偽装(時計、テンキー上の指)
と考えたんだ。

こう考えると分からないのが紙片の文字の意味と、画面のメッセージの真贋、あと銃創付近の樹脂片、冒頭の「君」が誰か。
画面のメッセージは警部息子グループが脅迫者の仕業に見せ掛ける為に敢えて消さなかったか、書き込んだ、
とするとゴーストライターの件はバレてもいいと判断した事になり、死体を右利きに偽装する意味が無くなる。
それとも他者には意味不明だが脅迫者だけに通じるメッセージとして残したのか?しかしゴーストを殺害し、脅迫者を生かすメリットは無いだろう。
従って警部息子グループによるものとは考え難いんだよな。



131:80
09/05/12 14:25:14 Ls0hirAr
ところで春子の水撒きだけど、どちらとも言えないと思うんだ。
車がホースを踏み越えて跨いでいたとしたら長いホースだし片付けの邪魔になると思って探偵が車を動かすように指示する一方、
春子としては巻き取り器があるから「動かす必要はない」と考えたかもしれない。
探偵が窓外を見たがったのは濡れた地面を確認する為、つまりアリバイ補強の為とも考えられるんじゃないか。

132:名無しのオプ
09/05/12 15:16:50 tL0ss8O5
ホースを跨いでたなら根拠にはならないね。
全然そのまま使えるし。
春子のアリバイが微妙になるのは車がホースに乗り上げてた時だけ。

プラスチックはたぶん、消音装置を使った痕跡なんじゃないかな?
ペットボトルとか空き缶の口に銃口を突っ込んで撃つだけで
けっこうな消音効果があるし火薬が飛ぶのも防げるってセガールが言ってたよ。

写真の現像室って、水道ついてたっけ?

133:名無しのオプ
09/05/12 15:32:36 ok+yivuH
>>132
普通ついてる
現像に水は絶対必要

134:80
09/05/12 15:41:59 Ls0hirAr
>>132
春子のアリバイが曖昧になるのはホースが踏まれていた時だけってのは同意。
つまりホースが跨がれていたなら春子のアリバイは崩れない上にスカートの濡れもアリバイを補強してしまうんだが、
この部分のストーリーからではどちらとも決められない、と言いたかった。

135:名無しのオプ
09/05/12 17:25:31 tL0ss8O5
>>133
YES!

>>134
仮にホースが使えなかったとしたら、暗室のくだりが「スカートが濡れていた」っていう春子の
アリバイ証明を逆転させることになるんじゃないかって思ったんだよね。
春子は庭になんか出てなくて、夏見の書斎にいた。一階のキッチン以外の水回りは現像室だけだ。
春子は周りに隠してこっそり夏見と逢瀬を重ねていた。
彼女はメイド服に付いた「そっち系の汚れ」を落とすために現像室の水道を使った。
この作者の前作の作風から考えて、エロい方面に話膨らませてもあながち的外れじゃないと思う。
そして、来客を出迎えるために春子は書斎の窓から外に出て、玄関から戻ってきた。
車が留めてあるのは円塔の前で、書斎とは反対側。彼女がホースに気がつかなかったのも無理はない。
花壇を見れば水が撒かれていないのは一目瞭然だし、足跡でも残ってるかも知れない。
警部はタイヤがホースを踏んでいるのを見て、春子の嘘に気づいてしまう。
警部は夏見の恋人だ。恋人の部屋から嘘をついて帰って来たのが明白な女を目の前にして、
自殺に偽装するつもりだった予定を変えて、食堂にあったメモ帳(殺害時に部屋にメモがあったのは見てたはず)
を取って「NISHINO」と書いて死体に握らせた。こんなとこじゃないかなぁ?

136:名無しのオプ
09/05/12 17:39:44 fsKquEJe
これがフェアな問題ならば、硲儀有義氏殺害時、館にいた人物一覧は正しい
ことになる。

従って硲儀有義もいたことになるから、冒頭で死んだとは考えにくい。
また名前のないゴーストライターの存在も否定できる。

だから硲儀有義の代わりに小説を書いていた人物がいたとすれば人物一覧
の中の誰か。

137:名無しのオプ
09/05/12 20:59:47 tL0ss8O5
今さらだけど、一覧に名前ないってことは泥水と支倉は容疑者から外していいのかな。
ところで、女の厄年が30の地域ってどこだろ?…いや、作者氏の田舎が割り出せるかなーと。

138:名無しのオプ
09/05/12 21:32:17 PrhwXEJj
犯人は詩織でしょ。
泥水を恨みに思っててシャバに出てから
挑戦するため、屋敷のどこかに潜んでて仕組んだ。
ダイイングメッセージとかぜんぶミスリードさせるためのもの。
「そういうことだよ」

139:名無しのオプ
09/05/12 22:56:08 ok+yivuH
>>135
春子がタバコを覚えたみたい、というくだりは夏見の部屋に行って移った匂いから仁美が推理したってことか

140:名無しのオプ
09/05/12 23:08:40 ok+yivuH
最後の殺害時館にいた人物一覧ってのは2年前、本物の有義氏が殺されたときのことで、年齢も当時のもの。
前厄(32歳)のはずのあざみが29歳と表記されているのも、泥水達が載っていないのもその為。
地の文は検証してないからフェアかどうかはまだわからん

141:名無しのオプ
09/05/13 23:31:38 U6JegPji
l

142:名無しのオプ
09/05/14 00:09:10 A58FTx7E
書き込めたらうれしいなっと。

143:出題者です
09/05/14 00:13:46 A58FTx7E
あ、書き込めちゃった。

こんばんは、失礼しました。出題者です。
アクセス規制っていうのに引っかかってしまいまして、レスも出来なくてごめんなさい。
2ちゃんねるというものが、まだ今ひとつ解りません、、、

えーとですね。今のところ、
・犯人において完全に正解が
・作中に用意した伏線はほぼ九割以上回収されています。
・動機についても、真相に近い方が何人か…
・文中に仕掛けたミスリードも殆ど見破られていますね。

ということで、やはり「お見それしました!」としか言いようがありません。
いつまでも放置していても申し訳ないので、解答編は明日の夜にでも貼っていきたいと思います。
もう少しだけ、お付き合いいただけると幸いです。

144:名無しのオプ
09/05/14 00:41:30 tPQKpDet
>>143
2ちゃんねるはこういうものです
分かろうとせず、慣れましょう

145:名無しのオプ
09/05/14 10:58:06 IVQtVdfV
慣れたら終わりですよ作者さん。

わかんないなー。犯人解って動機解って手掛かり上がってて、
じゃあ作者は一日猶予与えて何を解かせようとしてんだろ?
何を拾えてないんだ?

146:名無しのオプ
09/05/14 11:21:07 pAbv4BM4
残りの伏線も回収したい!
みなさんの推理を参考にひとまず事件編まで読み返してみた。

春子との浮気に気付いていた警部は、夏見の被害者への殺意を知り殺人計画を提案
「共犯意識でつなぎとめる」ことにした。
が、ホースの件で二人の情事がまだ続いていることに勘づき、自殺に見せかける予定を急遽春子の犯行に偽装。
NISHINOのメモをあたかも被害者の手から見つけたように取り出す。
が、何か心当たりのあった春子はメモを奪いNIを残して破り、ぜっとえいちと発言することでZHに読ませた。

147:名無しのオプ
09/05/14 11:26:55 pAbv4BM4
続き

>コートを脱ぎもせずバタバタと動き回る
替えの鍵とか、なんらかの仕掛けをポケットとかに入れてたとかかな

>硲儀氏の仕事場の手前にクローゼット
この中に発砲音の仕掛けなんかをいれてたのでは

長文になりそうだったから分けたけどそんなことなかったよ。
解答前に捜査編の伏線探しに来ます。

148:名無しのオプ
09/05/14 13:36:01 AE6PLRWq
縦書きで「ZH」って「夏」って漢字の上部分にも見えなくもないがw
実のところ、カジタニとZHが90度横になってることから
ZHと思われた文字がカジタニと同じ方向で書かれた文字であると考えて
実は「IN」と読むのが正解!。
カジタニの名前には意味はなく、それは握られたアルファベット文字の上下がどっちなのかを分かるためのものだったんだ。
だから泥水は、メモの一枚上に書かれたカジタニという文字の方向から
書かれた方向が「IN」と書かれたんだよということを示すために
「そういうことだよ」と言ったのだろう。

さて「IN」は何を示しているかというとだね、それは


149:名無しのオプ
09/05/14 15:18:07 IVQtVdfV
「上1/3を残してちぎられた」=下側2/3が破れてると見て、縦書きで『ZH』になってる紙を
破れ目が右になるように回したら『横書きでNI』なんじゃないの?

150:名無しのオプ
09/05/14 20:08:50 nMerF6P8
>警部が死体の右手を掴んだ。掌の中に、紙切れのような物が握られている。
>上部1/3だけ残してちぎられたメモ用紙には、縦書きで『ZH』と殴り書きされていた。
>>149
メモ用紙は上部1/3だけ残してあるんだから、
掌の中に握られていたZHと書かれていた紙は
破られた下部2/3の方だと思ったが
つまり死体の掌の中の紙は破れ目があるのはH側じゃなくZ側でしょ?
よって、破れ目が右になるように横にすれば「IN」じゃないのかな?
俺の捉え方が根本から間違ってるのかな?

151:名無しのオプ
09/05/14 20:48:56 pAbv4BM4
捜査編は読み返しても何もわからなかったよ

>スプリングの緩みきったソファ
はいたすのに使ってるからくらいしか思いつかない
>「夏見さんもけっこう症状キツくて」
この“も”って記述が気になるけど他に金属アレルギー匂わせるような人いたっけ?

>>146のメモのとこだけど、手から取り出したのは春子だったね。
失礼。

152:名無しのオプ
09/05/14 21:12:19 IVQtVdfV
>>150
え?
手の中にあったのが1/3の方じゃないの?
握っていたメモ用紙から2/3くらいを犯人が破って持って行ったように見える
って描写と思ったけど…
だから破れ目はHの側にあるんじゃ?
日本語苦手だからわからんちん。

>>151
言葉のアヤ的なあれなんじゃないの?>アレルギー
「彼もあれで苦労してんだぜぃ」みたいな
そこまで突っ込んじゃ作者氏もびっくりだべ。
口ん中銀歯だらけだから、恋人がじじいじゃないのは確実だけど(笑)
ちゃんとセラミックとか金歯勧めてくれんだよね。バリ高いってばっちゃが言ってたけど。

153:名無しのオプ
09/05/14 21:22:08 pAbv4BM4
>>152
言葉のあやかもとは思ったけどミステリーではこの手の突っ込みは常套かなとおもって
あのときあなたは~だった、と言いましたね。
まるで彼が死んでいることを知っていたような口ぶりだ
みたいな

154:名無しのオプ
09/05/14 21:49:45 nMerF6P8
>>152
>手の中にあったのが1/3の方じゃないの?

まあ、作者が書きたかったのはそっちだろうけどね。あえて、ね。
1/3にNIだから春子がとっさにSHINOと書かれた部分の2/3を破りとったんだろうけど
皆が見てる中でそんなこと(破りとること)が起用に出来るのかなとも思ったり。

155:名無しのオプ
09/05/14 22:20:01 IVQtVdfV
確かに逆に言えば、衆人環視下で偽装をやってのけれたのは、
>その場に崩れ落ちるように膝をつき、
で「視覚的にみんなから紙を隠して」
>嗚咽を漏らし始めた
で、「破る時の音もごまかして」
>「ぜっと…えいち…」
で「他の連中にメッセージを錯覚させた」
って読みが可能な春子だけだわな。

156:名無しのオプ
09/05/14 22:36:55 czdKbmdK
あえてってなに?イミフ

157:こんばんは。やっぱり皆さんすごいな…ボチボチ解答貼ってきますね。
09/05/14 22:52:59 Pm5JKzk0
「まず明らかにすべきは、あの奇ッ怪な屋根のギミックはこの事件においては使用されなかったと
言うことだ。…屋根の開閉時、ホコリが床に落ちるのを見ただろう?現場の床は綺麗なものだった。
やはり我らが犯人は、トリックによって密室を構成したんだ。だが何故そんなことを?どんなトリックを
使ったにせよ、あの仕掛けの存在が明らかになった瞬間、犯人の努力は水泡に帰すというのに」
泥水は人差し指を立てた。「―そう。犯人はあの仕掛けを知らなかったんだ。つまり、
硲儀家内部の人間は犯人ではない」
「なら、犯人は僕らの中にいるってことになるな」僕は笑ったが泥水は大真面目に、
「その通りだよ。ねえ、警部」
冗談かと思ったが、警部は無言で悲しげに目を伏せるだけだった。
「単純極まりないすり替えのトリックだ。警部はわざとキーストックを落とし、拾うふりをして
鍵を偽物とすり替えた。…あの鍵は一見、君の貧民窟の鍵とも見分けの付かないただの
シリンダーキーだからね。あの一瞬でキーホルダーを付け替えたか…いや、不器用な警部に
そんな真似出来ないだろうから、最初からキーホルダーも付けてたのかな。特注と言ったって、
鍵と違いしょせんは市販品だ。夏見に『自分もその店でキーホルダーを作りたい』とでも
言って作った店を聞き出したんだろう」
「でも。銃声が聞こえたとき、私みんなと一緒にいたよ?」警部が、無理に笑って問う。
「そこが引っかかったんです。ドアは密閉性が高く、壁も防音加工がされていた。…あれだけ
大きなオーディオ機器で音楽を楽しむなら当然だ。…にもかかわらず『銃声』はあれだけ
はっきり聞こえ、廊下には火薬の匂いさえ漂っていた。あの音は、爆竹か何かを使ったフェイクだ。
警部はそれが聞こえるや否や銃声だと騒いで、全員に先入観を植え付けた。…おそらく、
殺人はあなたが一度、席を外した時に行われたんだ。バッグから取り出した銃を、その身体の
ラインを隠すロングコートに忍ばせて。死体の傷口にプラスチック片が残されていた。
おそらく簡単な消音装置を使った跡だよ。例えば『沈黙の要塞』という映画には、ペットボトルの
飲み口に銃口を嵌めて撃つシーンがある。こうすれば硝煙が身体に付くのもある程度防げるし、
警部は喫煙者だから多少の火薬の匂いは煙草の臭いでごまかせる」

158:出来ればご支援など頂けると嬉しいです。すみません…
09/05/14 22:54:11 Pm5JKzk0
「被害者を殺害し、死体の指でキーを押してメッセージを残した警部は、ドアに鍵を掛け
現場横のクローゼットに時限装置をセットした。…想像するに、物陰に灰皿を隠し、その上に
ブックマッチと煙草を重ねて置く。時間が経つとマッチに引火して火が出る―そんなところでしょう。
そして、爆竹を鳴らして犯行時刻を偽装した。装置の残骸はまだクローゼットの中か、
死体発見時に全員が部屋の中に釘付けになっている間にでも、回収したのかも知れない」
「待てよ」私は口を挟んだ。「仕掛ける場所がクローゼットというのは無理がないか?現場には
近いけど、いつ誰が開けるか解らないのに」
「もちろん隠してあったろうし、誰かが物を取りに行こうとしたら、自分が代わりに行くつもり
だったんだ。クローゼットを使う可能性のある家政婦たちは食堂にいたし、梶谷さんがお昼まで
帰ってこないことも確認済みだったからね。…仁美が紅茶を用意してくれた時にやたらと
お節介を焼いていたのは、代わりに行くと名乗り出ても不自然にならないための予防線だったのさ」
「動機は?なぜ恋人の父親を殺害しなければならない?この紙切れの説明だってまだだぞ」
勢いづく私に、泥水は冷笑を浮かべた。「恋人?何を勘違いしているんだね」
「そのチタンリングは金属アレルギーの人向けのもんだろ?正親町さんはアレルギーじゃない。
ということはアレルギーは相手の方だ。その恋人に会うからと、揃いの指輪を嵌めてきたんだろう?」
「その通りだよ」泥水はあっけなく答える。
「僕はさっき仁美さんに確かめたんだ。夏見氏も…」
夏見氏、も。口に出してハッとした。「も」は誰とのアンドなんだ。
ピアスをしたメイド?銀歯だらけの老人?金属製の時計を嵌めた死体?―違う。
「…春子さん、なのか?」思わず、声がかすれた。
「彼女を軽蔑するかね」泥水は警部の手を取り、指輪を外した。
「いや、そんな…」言葉が出てこない。警部は私を見上げ、いつものように無邪気に微笑んだ。
「いいよ支倉くん。慣れてるからさ」
涙が殺人者の頬を伝う。こんな悲しい笑みを私は見たことがなかった。


159:解答3/8、です
09/05/14 22:55:02 Pm5JKzk0
泥水は一瞥して続ける。
「あなたは春子さんを愛していた。だが、彼女は好意を見せながらも煮え切らない態度を
とり続けた。春子さんは星見館を離れることを拒んだんだ。あなたはそれを、彼女の共犯意識
ゆえだと考えた。だからこの館の全員が関わっているその犯罪の根本を断ち切ることで…」
「急に話が大きくなったな。なんなんだ、その犯罪って?」
「硲儀有義の殺害だよ。二年半前、警部が館を訪れた日に起こった本物のね」
泥水の言葉に、私は耳を疑った。「本物の…?」
「パソコンのキーボードのキー配置。デスクの抽斗の位置。どちらも左利き用のデザインなのに、
あの死体は右利きだった。左手に時計を嵌めていたことからして明らかだ。それに、硲儀有義が
新人賞受賞直後に書いたエッセイには、自身が強度の近視であることが失敗談を交えて書かれていた」
泥水は淀みなく言葉を紡ぐ。さすが、左脳にWikipediaをインストールしていると常日頃豪語するだけある。
「にも関わらず、君に見せたとおりあの眼鏡は拡大鏡、つまり老眼鏡だった。彼は住み込みで
雇われた偽物なんだよ。丁度、壊した壺をすり替えるように。…元々、『作家・硲儀有義』は
一人の人物ではなく、硲儀親子の共同ペンネームだった。論理的な推理劇を担当する父親と、
幻想的な物語を紡ぐ息子のね。犯人はおそらく夏見だ。初めは、多感な時期に母親を亡くした
息子の気散じになれば、とでも考えて父親が持ちかけた親子の合作。しかしそれが趣味の
域を超え、『硲儀有義』が世間に出てしまったことで二人の関係は少しずつ歪み始めた。
夏見は硲儀有義としてでなく、『自分の』小説を書きたいと考えるようになった。しかし、
父親がそれを許さない。彼は一流のトリックメイカーではあったが、決して一流の
ストーリーテラーではなかったからだ。親子の対立は既に引き返せないところにまで来ていた。
そして、悲劇は起こる。…幸運にも本物の硲儀氏の顔は編集者さえも知らない。館にいた全員で
口裏を合わせ、死体を隠して身代わりを立てることを提案したのが誰だったのかは解らないが、
それ以降、『硲儀親子』は山荘に籠もり、作品は夏見一人で書くようになった」
とすれば、最近の作品はムード作りばかり先行し、ミステリ部分がお粗末だと表した誰かは、
実に当を得たことを言っていたようだ。

160:解答4/8、です
09/05/14 22:56:32 Pm5JKzk0
警部が、「共犯意識ほど人を強固につなぎ止めるものはない」と言っていたのを思い出した。
あの時彼女は、何を思っていたのだろう。
「春子に惹かれるようになった警部は、身代わりの死という形でこの犯罪に幕を下ろすことを
思い立った。警部は最初、この事件を自殺に偽装するつもりだったんだ。だが、殺害の後で、
春子に罪をなすり付ける計画に変更した。キーホルダーのトリックも、警部が床に鍵を
ぶちまけた時には既にすり替えられていたと見ることも出来るし、銃声偽装のトリックは
館にいた誰にでも出来るものだ。それに『犯行が10時45分以降に行われた』ことを裏付ける
証言をしているのは警部自身なんだからね。警部は終着地点をずらすだけで、後は僕に
自分の仕組んだトリックを解かせれば良い。メッセージを『見つけた』後で彼女がすべきは
頃合いを見計らって、春子をかばって嘘の証言をしたと僕にそっと耳打ちするだけだ」
「しかし、なぜ春子さんに?」
「春子と館を繋ぎ止めているのが、共犯者の罪悪感でないことに気付いてしまったからだよ。
…僕が何故、君に車を動かすように言ったか解るかね?」
「嫌がらせだろ」
「まぁそれが八割だが。―車を停めるとき、何かに乗り上げるような揺れを感じなかったかい?
君は車の後輪で庭のホースを踏んでいたんだよ。これが何を意味するか解るね」
私は、その矛盾にあ、と声を上げた。「…外の水道があのマーライオン一つなら、花壇に水をやるには
そこを使うはずだ。でもホースは使えなかった。別のホースをつなぎ替えたにしても、一言くらい
車の持ち主に言いそうなものなのに。春子は何も言わなかったし、君が車を動かした方が良いと
言った理由も解っていなかった…」
「だが彼女のスカートは濡れていた。キッチン以外の水回りは全て二階にあるが、僕たちは
階段を下りる音を聞いていないし、彼女は外から入ってきた。一階で、他に水道が通って
いるだろう場所を僕は考えてみた」
私は思い至った。「…現像室の流し、か」

161:名無しのオプ
09/05/14 22:58:11 IVQtVdfV
どれおじさんが手伝ってあげよう。
ほら、怖がらなくていいんだよ…?
まずはスカートを脱いでみよっか?

162:>>161さんあ、ありがとうございます…5/8、です
09/05/14 23:00:27 Pm5JKzk0
泥水は頷く。「彼女は暗室の流しでスカートを濡らし、わざわざ窓から出て玄関から入り、
自分が夏見の部屋にいたことを誤魔化した。夏見の部屋の前の花壇には水をやった形跡はなかったし、
いくつか真新しい足跡があったよ。つまり、彼女は夏見の部屋で彼と二人きりで、―慌てて
そこの流しで洗い流さなければならない物がスカートに付着するような、そして人に知られたく
ないような行為に興じていたということだ」
「ソファのスプリングがあれだけ緩みきるほど激しく、かい?」
仁美は、最近春子が煙草を吸い始めたと言っていた。春子の身体には、夏見の部屋の匂いが
染みついていたのだろう。
「…警部はこう見えてなかなか頭の切れる人だ。偶然、車のタイヤがホースに乗り上げて
いたのを見た瞬間、春子が指輪を嵌めていなかったこともあり、彼女の嘘とその背後にあるものを
被害妄想的に読み切ったんだ。紙片を死体に握らせたのは警部だ。僕が脈を取ったときには
そんな物なかった。…その文字は『ZH』じゃない。春子を示すメッセージの一部だよ。
春子は最初、アリバイがない夏見の犯行と勘違いした。彼は偽物氏に強請られでもして
いたのかも知れない。だから、恋人を守るため紙片を警部から奪い取った。するとそこには、
予想外に自身の名前が書かれていたのだから彼女はいよいよ狼狽する。だがとっさに紙の左側1/3を、
嘘泣きで音を誤魔化しながら破り、メッセージを偽装したんだ。…この『カ・ジ・タ・ニ』の
文字を見ても明らかなように、本来は90度回したこの位置が正位置だったのを、彼女の
言葉がこの文字を『ZH』であるように錯覚させたのさ。この文字は本来、
ZH   →   NI
横書きの『NISINO』の一部だったんだよ」
「でも、夏見氏の部屋にいたなら春子さんにはアリバイが…」
「それを証言できるのは夏見だけだ。警部がそこまで考えてたとは思わないが、彼が何と
証言しようと、春子をかばっているとしか思われないだろうさ」
「なら『カジタニ』ってのは?あの爺さんにも罪を着せる気だったのか?」


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