09/03/30 22:17:19 jH1JKUtr
>>607は肝心要なことを書いていない。
「大江戸怪物団」が収録されているのは、
春陽文庫合作探偵小説シリーズ「女妖 付・大江戸怪物団」。
大乱歩の担当部分は、全5回中の第1回「箱根山中の妖怪」(このタイトルからして大乱歩的)
以下は、共にミステリ作家ではあるが、
若さま侍シリーズでおなじみ城昌幸、伝奇時代小説の手練な角田喜久雄、
時代小説のスペシャリスト土師清二、陣出達朗が担当。
なんと時代小説では実績ゼロなミステリのマエストロを先発(初回担当)させてしまうという
トンデモな企画だったのである。
「江川蘭子」「畸形の天女」等のリレー小説でも初回を担当し、その持ち味を如何無く発揮した
大乱歩ではあるが、さすがにこの先発は厳しいものがあった。
薩摩の大名行列が箱根山中で文字どおりの怪物団に襲撃されるという展開だが、
「化け物、覚悟っ」て、何じゃこれはという感が強い。
第2回(「八百八町荒し」)以降は、時代小説に十分実績がある作家ばかりゆえ安心して読める感
あり。