08/12/09 20:39:23 Tht19NNZ
かなり前に書きました。よかったらどうぞ。
「はっきり言いますと‥‥あと半年です」
医師の言葉が私の心に突き刺さる。宿命とはこういうことなのか。
私は泣かないように必死にこらえたけれど、無理だった。今まで生きてきたけれど、こんな衝撃はなかった。
テレビで観るのと、実際に聞くのでは全然違う。
「ご家族の方とは話をされていますか?」
私は首を横にふる。両親には何年も会っていない。たまに電話をするくらいだ。
今頃、何をしているだろうか。私のまるで変わった姿を見たら、どんな表情をするだろう。
驚いて声も出ないかもしれない。
私が今日から半年耐えられる保証はないけど、両親に迷惑は絶対にかけたくない。
いずれ、両親にすべてを告白する日が来るだろう。
半年後‥
「痛い‥誰か助けて、誰か」
私は必死に助けを呼んだ。キッチンで洗い物をしていた仁が、すぐに私のもとに駆けつけた。
両親もそれに続き、励ましの言葉を私に送る。
「今、救急車 呼ぶからな」
「しっかりするんだよ、清美!」
仁はすぐに電話をかけた。
「東応病院ですか?すぐに来て下さい。妻の陣痛が始まったみたいなんです」