09/01/12 09:40:24 LWktV3dh
コナン・ドイル「勇将ジェラールの冒険」を読んだ。
「回想」に続くジェラール准将冒険談の完結篇。
全話講評逝ってみよう!!
・「准将が耳をなくした顛末」
ジェラールが男気を見せて耳をなくすというちょいグロいエピ。
だがそれだけとも言えるエピ。
・「准将がサラゴッサ市を占領した顛末」
准将のサラゴッサ市潜入談。このエピは007風でスリリングに一気に読ませる感あり。
・「准将が狐を殺した顛末」
あとがきによれば、ジェラールもの中で作者が一番愛好した作とあるが、
前述したとおり、今読むと動物虐待とも見える狐狩りのネタは後味が悪く好きになれないもの
がある。
・「准将が軍隊を救った顛末」
タイトルは「?」。
軍隊を救う結果となったのはデ・ポンバル(ゲリラの副官)の優れた機転ではないのか?
デュプレシス(ジェラールの同僚)も悲惨過ぎ。
・「准将がイギリスで勝利を収めた顛末」
例によってラストのジェラールの自惚れ過ぎな感はあれど、決闘の顛末を粋に描いた作ではある。
・「准将がミンスクに馬を進めた顛末」
つまり「馬を進めた」だけなのである。最後に剣戟を見せるとはいえ、
全編を通じてはジェラールがどじっ子ぶりを発揮するエピ。
どう見てもロシア娘はジェラールに惚れてはいないように読めるのだが、相変わらずの自惚れぶり
に笑える。
123:書斎魔神 ◆AhysOwpt/w
09/01/12 09:41:14 LWktV3dh
・「准将がワーテルローで奮戦した顛末」
「森の居酒屋の話」「九騎のプロシア軍騎兵の話」から成る二部構成。
後者はナポレオンの身代わりとなったジェラールがプロシア騎兵からチェースされる非常に
スリリングなエピに仕上がってはいるが、結末はあっけない。
ナポレオンから「伝令の鬼」とからかい口調で呼ばれ、
事実を告げたのに「おまえはいつも戯けた奴だったな」と一刀両断されてまうジェラール、
本人の自己評価に反して、彼氏が敬愛する陛下の偽らざる評価は「これ」だったのではないか。
・「准将最後の冒険」
「おお!ナポレオン・・・」という感想に尽きる一編かな。
もうちょい読みたいジェラール談であったが、このエピを持って来てしまうと、もう終わるしかないか。
124:読後感 ◆VkkhTVc0Ug
09/01/15 04:17:24 zlVize6L
「カインの眼」パトリック・ボーウェン(ランダムハウス講談社)
リアリティ番組の出演者として選ばれた10人の男女。会場となるはずの
ホテルへ移動中、彼らは乗ったバスごと砂漠の真ん中に拉致されて
しまった。そこは廃虚と化した町。集団生活を余儀なくされる
彼らだったが、一人また一人と消えていく……。
「そし誰」に挑戦したミステリーとのキャッチだが、要するにCCでしょ?
で、作者がフランス人って不安だなぁと思いつつ読み始めた。
CCみたいなもんなんだけど、どうも徹底していなくてそれが
フーダニットの弱さに繋がっている印象。登場人物がそれぞれ
抱える秘密が次第に明らかになっていく展開は引き込まれたけどね。
そんで、終盤やつぎばやの展開にこっちのページを繰る手も速まる訳だが、
このオチは何やねん!
無茶過ぎるだろw
これで「ああ、だからか」と納得した疑問もわずかにあったが、
代わりに新たな不審点が束になって押し寄せて来るw
作者としては「平仄なんか知らねーよとにかく驚け!」
てなもんなんだろうか?
医者が激務の合間に書いたらしいから雑になるのも道理か?
バカミスアワードにノミニーされてもおかしくないがスルーされた?
そういや作者は「アイデンティティー」に触発されて書いたらしい。
あれも相当なオチの映画だったけど、本作と違って喜んで薦めるよw
つうか、本作も映画化進行中らしいが、絶対叩かれると思う。断言する。
最後に気になった点の内いくつかを。
・訳者は海外ドラマの邦題をちゃんと調べてない。
・インターンが変温動物もルミノールも知らん訳ない。
・運転手が(メル欄)した理由。