08/10/27 21:38:27 I6ZItO6I
>『孤島の鬼』については「探偵小説十年」を参照。以下、引用。
>「私の幾つかの長篇小説の内では、『パノラマ島』とこの『孤島の鬼』の二つが、
>前以てやや筋が出来ていたのであるが、
>いざ書いて見ると、おぼろげに考えていたのが、間違いであったりして、
>やっぱり毎月の締切ごとに困らなければならなかった。
>そして、結局あんなものしか出来なかった。」
この引用のどの部分から、
>乱歩自身の証言から後者だろう、と論拠を挙げて指摘されている
*後者=「連載中に迷走した結果、意図せずして要素が多彩になってしまった」
というアホな結論に至るのか理解に苦しむものがある。
つまり大乱歩自身が語っているように、
>前以てやや筋が出来ていた
とあるように多彩な要素テンコ盛りを意図していながら、細かい齟齬がを生じたため迷走、
ただし、このやや乱調気味な点にこそ本作の奇怪な魅力があるやに思う。
本作をメーンに置いた石井輝男監督の「恐怖奇形人間」にも同様な傾向が見て取れるのが
面白い。