08/07/07 23:56:24 AX/YaM8X
真面目に書くが、
戸板康二の直木賞受賞作は“「團十郎切腹事件」その他”であり、
具体的に書けば選考期限直前に出版された短編集『車引殺人事件』も参考として含めての受賞。
当時の選評では、『車引殺人事件』の評価の方が高い。
当然の事ながら『車引殺人事件』も「團十郎切腹事件」も立派な本格推理小説である。
そのことは、江戸川乱歩、山村正夫、中島河太郎、小泉喜美子、新保博久などが
解説やエッセイでそう書いている。
作者自身も本格推理小説だと書いているし、中村雅楽はもともとドルリー・レーンを
意識して書かれた人物。
「團十郎切腹事件」等の雅楽シリーズが本格推理小説ではないというのは暴論、というか愚論。
もう一つ書くと、歴史ミステリでも優れた謎解きがあれば本格推理小説として評価されるのは、
江戸川乱歩による『時の娘』の解説を読めばすぐにわかる。
バウチャーを含め、優れた評論家がみな言っていること。
ついでに書けば、『容疑者Xの献身』が直木賞を取ったのは、
謎解き以外の部分が評価されてである。選評を読めばすぐにわかる。
ま、本格ミステリ大賞とダブル受賞という事実を否定する気は全くないし、
どっかのバカが言わなくてもすでにミステリ史の中で評価されていること。
みんな知っているから、今さら書かないだけだよ。