09/09/25 11:21:21 1bzqBV/o
>>924
雑談所にコピペしようとしてここにコピペしたアホ=書斎の仕業。
926:書斎魔神 ◆AhysOwpt/w
09/09/26 15:27:26 xtAWMH/x
丸谷才一「輝く日の宮」を読んだ。
作者はミステリにも造詣が深い現代純文学作家である。
かねてから、いずれ本格的なミステリを書いて欲しく思うているのだが、
ヒロイン(19世紀文学の研究者)は、少女時代には父親(日本生活文化史の研究者)から、
推理作家になるかと思われていたようなミステリ好きなキャラという設定、
この作者の長編中では最もミステリしている作(歴史ミステリの要素あり)で、
幻の「輝く日の宮」の章(「桐壺」の次章とする説が多い)を主体にして、
源氏物語の謎解きをメーンにした作であり、源氏オタなどにはたまらない薀蓄が満載の作でもある。
ただし、俺自身の興味対象から言えば、作中に登場するシンポジウムのテーマである
日本の幽霊ネタを御霊伝説等の観点から、より深く掘り下げて欲しかった感あり。
(物語はこのシンポで、源氏物語に死霊・生霊の話が多い点が話題であがったことから、
一気呵成に源氏ネタへと脱線(?)してゆく)
ヒロイン安佐子=紫式部、恋人のアクア会社重役(後に社長)長良=道長の「見立て」
だよね。
927:名無しのオプ
09/09/26 20:27:55 j9k0kIzJ
>>925
>>924はうろ覚え大家に対するレスなんだから
間違ったことは言っていないぞw
928:名無しのオプ
09/09/26 22:02:46 r4yK0Pcs
書斎の読む小説は格調があるね。
929:名無しのオプ
09/09/26 22:24:22 K/4vCj8U
文章には品がないけどな。
930:名無しのオプ
09/09/26 22:33:39 j9k0kIzJ
そもそもうろ覚え大家は本を読まないからなあ。
「格調のある」小説を読んだ人間には格調があるとは言えないし。
それにしても928の言い方って、うろ覚え大家を讃えているようで実は貶しているんだよね。
褒める対象が奴が読んだということにしている小説「だけ」だというところがね。
931:名無しのオプ
09/09/27 01:18:46 Nr71Mcs4
スルーで
932:名無しのオプ
09/09/28 11:26:14 hXO7dFt/
輝く日の宮なんてとっくの昔に読んだが、別に格調高いなんて
もんでもないが?
未読の奴はあれが「格調がある」なんて思えるんだね
933:読後感 ◆VkkhTVc0Ug
09/09/29 20:16:52 MvVkB6KX
「数学的帰納の殺人」草上仁(早川書房)
ある宗教団体のメンバーが本拠地であった孤島から一斉に姿を消した。
そして20年後。写真記者梅川勝子は死んだ旧友を参った際、
奇妙なものを手に入れ、過去の事件の真相を究明しようとするが……。
タイトルからガチガチのパズラーかと期待して読んだ(裏表紙や
帯でも本格論理とあったし)が、とんだ羊肉狗肉。巻き込まれ型
サスペンスであった。
論理はストーリーの端々に出てくることはあっても、事件の全容を
解き明かす有効なツールとは成り得ておらず、本格味は
暗号や犯罪のシステムを解明する時に感じられる程度であった。
作者も編集部もこれを本格・パズラーだと捉えているのなら、
不幸なことになると思う。特に後者の罪、軽からず。
934:新参
09/10/07 23:02:26 f/v3wpVt
後読感って言う位なんだから
内容の解説は有難いけど、それこそ後読感を聞いてみたい
…もしかして…スレ違?
935:名無しのオプ
09/10/07 23:05:29 f/v3wpVt
後・読、逆だね…orz
936:書斎魔神 ◆AhysOwpt/w
09/10/10 15:41:10 U92y71fW
上野昂志「紙上で夢みる現代大衆小説論」を読んだ。
「小説より面白い文芸評論集 大幅増補し復刻なる!」のキャッチフレーズが
「おい、おい言うに事欠いて・・・」という感が強い。
60~70年代の誰もが知るエンタメ作家に関する論考だが、長いだけの2ちゃんレスポンスレベルという印象である。
横溝御大、大乱歩、大藪ハリー、山フー等、ミステリ作家が多く取り上げられているが、
各作家の論考に関して共通するのは、一部作品語りに多くの紙数を費やし過ぎて、
その作家の全体像に迫り得るものとなっていない不満が大きい。
いずれも長期に渡り活躍した作家ゆえ、60~70年代あたりに時期を限定するなりして、
論考を試みるべきであった。
本論(作家・作品論)280頁強中、山田風太郎に3章70頁強と全体の4分の1程度を割いている
のも、筆者の個人的な強い思い入れは伝わるものの、
(「稀にみる天才であり、彼に比肩し得るのは戦前の夢野久作ぐらい・・・」と語り、
(風太郎と比較した場合)、シバリョウの文章はリズムの平坦さにうんざりしてしまう、
と正に絶賛状態)
1冊の本としての論考における構成上のバランスは欠いていると言わざるを得ない。
他の作家の章では、横溝御大の戦後の長編は戦前の作品群とは異なり、
怪奇浪漫性は装飾に過ぎない(筆者は個人的には戦前の作が好みらしい)という指摘も
2ちゃんではおなじみな言説だし、筒井康隆のヒット作「家族八景」をファンの贔屓の引き倒しと
評し、「こんな薄手の家族心理といったものを深刻そうに書くなどというのは、
まったくもって筒井康隆らしからぬ振舞いだ。私小説のパロディのつもりかもしれないが、
これではパロディにもならない。・・・」としている部分など、スリリングなSFサスペンス小説として
の面白さという観点が皆無なうえに、私小説云々の指摘は全くの方向違いとしか思えぬ。
937:名無しのオプ
09/10/10 16:08:37 flhbWOUs
>>934
それは無理ってものだ
なぜなら彼は誤読漢だから
938:書斎魔神 ◆AhysOwpt/w
09/10/11 16:22:43 8M0/e2Kt
浜尾四郎「殺人小説集」を読んだ。
このバージョンはレアものである。
やはりこの手の「もの」は新古書店よりも一般の古書店の方がゲットし易い感あり、
余談ながら、馴染みのショップ(店主がちょい不気味なのが難か・・・)で入手。
最早、恒例(注 高齢ではない(w )となった収録作品全話講評逝ってみよう!!
・「彼が殺したか」
大乱歩風のサドマゾねたで落すのだが、無実の人間の処刑という展開にこそ法律家である
この作者の力点がありそうである。ただし、短編にしてはボリューム感がある作だが。
格別に面白い作とは思えぬ。
・「死者の権利」
犯罪の成立3要件のうち、違法性や責任性をネタにした作は多いが、
構成要件該当性ネタ(「殺し」はあったが殺人罪でなく傷害致死罪に見せかけるトリック、
ゆえに刑罰が大きく異なる)はいかにもこの作者らしい。
ミステリ的にはリベンジのシニカルな結末が読ませどころか。
・「悪魔の弟子」
「うほっ」なムード、タイトルにある「悪魔」こと手記の名宛人である検事が直接には登場
しないという凝った設定が光り、シニカルな結末が読ませる。
・「殺された天一坊」
大岡越前ネタだが、シリアスにしてシビアなタッチな傑作。
法による統治の正当性の問題を抉って間断するところがなく、
著名な大岡裁判の数々をシニカルに解釈してゆくくだり、(このクライマックスが「天一坊事件」と
言える)が、非常に面白いうえに凄味さえ感じさせるものがある。
・「島原絵巻」
創元は浜尾集から本作を落すべきではなかった。
石井輝男作品を想起させるような迫力溢れる残酷犯罪劇だ。
締めの一文「最後にわれわれ人間には、平生は考えられぬ位の残虐性が多分にある、という事
である」、法律家であるこの作者らしい実感であろう。
939:書斎魔神 ◆AhysOwpt/w
09/10/11 16:24:32 8M0/e2Kt
・「正義」
オチが見え気味(本人でなく弟というのが多少凝っているが)、
偶然性が強過ぎる作であり、出来はいまひとつである。
Let justice be done though heaven fall.
最後のこのフレーズのみ印象に残る。
・「探偵小説作家の死」
シリアスなタッチが多いこの作者の短編にしては、入れ子構造を意図した遊び心に富んだ作。
その分、創りものめいた展開(同居する師弟関係にある2人のミステリ作家がお互いに殺人計画を
執筆しているとか)が目立つものの、思わせぶりなラストまで一気に読ませる面白さはある。
・「黄昏の告白」
臨終時の告白と意外な真相を迫力ある筆致で描き切った作。
これも悲劇的なラストまで一気読みさせる、
・「夢の殺人」
夢遊病による殺人ってのは反則技とも言えるのだが、S・S好きなこの作者ゆえ、
そんな事は百も承知なのか、ラストでどんでん返しありがあり、それなりに楽しめるお。
・「彼は誰を殺したか」
後半に「死者の権利」と似た構成要件ネタ(自動車を使用した殺人を業務上過失致死に
見せかける)もあるが、偶然性が強過ぎる設定(ガイシャと犯人が朝の散歩で毎日会う等)で
出来は今ひとつである。
・「有り得る場合」
事実に対する多重視点の面白さを狙った作。
思うに法律家でありながら、この作者は犯人捕縛という勧善懲悪に拘泥しないのは良し。
これが作風の幅を意外に広くしている因であろう。
940:書斎魔神 ◆AhysOwpt/w
09/10/12 20:06:38 dv1DqH+z
黒羽英二「十五号車の男」を読んだ。
ミステリのコーナーでなく純文学のコーナーに在庫しているショップもある作品集だが、
読了してみて、この判断にもなるほど感あり。
ゆえに年末の年間ベストミステリ選出で本作品集がどう評価されるか楽しみではある。
早速、大好評収録作品全話講評逝ってみようか!
・「月の光」
偶然、夜行列車内で乗り合わせた男が主人公に語りだした奇妙な思い出話・・・
なるほど、「押絵と旅する男」の作者大乱歩の嗜好に合いそうな作で、
高評価したのもうなずけるものがある。
月光が降り注ぐ深夜の夜光列車内の幻想的なイメージは強烈な魅力に溢れ、
あらためて「ルナティック」というワードを想起させるものあり。
ただし、過去の事件の謎解きが鮮明でないため、ミステリとしては問題有りなのであろう。
・「十五号車の男」
いかにも「ミステリ」といったタイトルの表題作なのだが、通勤電車内での座席確保のトラブルから、
主人公がフルボッコにされるシーンに、やや幻想風味(混雑している車内にもかかわrず、
トラブルの相手と2人きりのような感覚に囚われる)がある点を除き、これといった事件は
何も起こらない話なのである。
屈辱を晴らすために主人公がストーカーと化すシーンから、何らかの事件への発展(復讐殺人、返り討ち殺人等々)を期待するミスオタも多かろうが、
同じ長距離通勤者であるターゲットに共感さえ抱き始めるという展開が非常に面白い。
あえて分類すれば、今も活きる現代的な視点に富んだ純文学であり、
老舗雑誌「三田文学」に掲載されたのもうなずけるものあり。
前半、通勤車中の暇つぶしのため主人公が車窓から見える工場ウォッチングを試みるシーンには
近年の工場萌えブームを大きく先取りした感があったり、
作者の見聞ないしは伝聞が元ネタなのか、車内トラブルを紹介したエピの部分も妙にリアルで
面白い。
941:書斎魔神 ◆AhysOwpt/w
09/10/12 20:08:39 dv1DqH+z
(「十五号車の男」に関する感想)
本作を読むことが出来たのは非常な収穫であったと言い得る。
・「幽霊軽便鉄道」
タイトルのまんまな廃線跡地巡りネタの怪談。
零落した温泉場の風景描写は読ませるものがあるにしても、21世紀にこの話を書いても仕方
なかろう。
・「カンダンケルボ」
亡父の戦時中の任地シンガポールへ、その縁の場所を巡る(観光旅行もまじえるが)私小説風味
が強く出た作。作者が老成(2006年)してから書かれた作だけに、観光小説の趣もあり、
重く感傷的に成り過ぎず、飄々とした語り口で巧く読ませるものあり。
・「古い電車」
孤独な老人の死という哀しい結末を迎えるファンタジックな風味が強い作だが、
こういう作を読み慣れた者にとっては特筆すべきものは見当たらない。
・「母里」
廃線跡地巡りネタに亡母への慕情を絡めた怪談。
メーンテーマはありがちな感が強く、印象は薄い作だ。
・「子生」
これは廃線跡地巡りに子が無い孤独な定年退職者の姿をまじえて描いた私小説風作。
表立った怪奇現象を描かず、合理的な解釈も可能ならしめた展開で成功している。
・「成田」
これも廃線跡地ネタだが、今流行りの「鉄子」ネタまで取り入れているのが、作家としての
尽きぬ意欲を感じさせ、一人称の語りで巧く読ませる小品に仕上がっている。
942:名無しのオプ
09/10/12 22:35:10 O0ufAskI
あ
943:名無しのオプ
09/10/12 23:29:00 nyafQWp8
>>937
読後感氏が“誤読漢”なら書斎魔神氏は“無読漢”だねw
944:名無しのオプ
09/10/13 06:55:07 6PeH0vSq
未読姦だな
945:名無しのオプ
09/10/13 14:24:00 ZwC5x9um
>>937
うまいこと言うなぁ、と自演してみる