09/07/11 11:04:43 7ADplx2C
有栖川有栖「46番目の密室」を読んだ。
おなじみ名探偵火村英生と作家アリスコンビの記念すべき第1作である。
エル大好きなアリスがジョン風の密室殺人を真っ向から取り上げている。
日本のジョンとの異名があるミステリ作家が密室状態の地下室で殺害され、
更に書斎にはもう一人の死体がハケーン!され・・
ひとつは名探偵コナンでおなじみ物理的トリック(小技)であっさりと解明されて
ガクーリながら、もうひとつは暖炉の煙突を利用したジョン風のトリックで結構読ませるものあり。
更には、作家アリスの推理による外れトリックも強引な点はあるがトンデモで面白い
(これには2つの煙突が利用される)。
コンビデビュー作ということもあってか、本筋に無関係な火村の自分語りが少し長く感じられるのは
難だし、執筆されていたという46番目の密室の内容が結局最後まで明らかにされないという
不満は存するものの、「うほっ!」絡みの犯行動機なんかも意外で、適当なボリュームで楽しめる
本格ミステリに仕上がっているとは言える。