09/03/28 15:26:16 MC4+fb9j
「退出ゲーム」初野晴(角川書店)
高校で吹奏楽部に所属する男女が主役の連作。面白かった。
良くできた青春ミステリーだと思う。
白眉は「クロスキューブ」かな。“ロジックで解けないパズル”
という謎の設定が魅力的で、その答えが舞台と見事に溶けている。
青春ミステリーの教科書のような作品。
表題作は変わった芝居対決の趣向が興味を引くくけれども、
ルールが曖昧で公平性を担保できているかは怪しいところ。
終盤のサプライズは評価するがベストではない。
最後の「エレファンツ・ブレス」は、序盤の珍妙な発明品から
後半は一転シリアスな社会派ドラマになっていき読み応えがあった。
色々とトリビアが増えたぽいのも○。
ただ最初の「結晶泥棒」は特殊な知識に寄りかかっていてイマイチだった。
「1/2の騎士」も読みたい。