08/09/20 11:03:27 fQ8XQAH5
笹本稜平「越境捜査」を読んだ。
昨夏、ちょっと評判になった国産警察小説(俺が好きなモジュラー・タイプではない)では
あるが、オフ落ちまで手に取らないで正解だったという感がある。
漫画、アニメ、Vシネとか好きな連中のウケを狙ったかのようなキャラ立ち過ぎるメーンキャラたち、
物語のポイントとなる部分で連続する極端な偶然性の連続には、読んでいて萎えることおびただしいものがあるし、終盤のラスボスの登場などそのまま「漫画」である。
なんで御大みずから出て来る必然性があるのかと・・・
警察組織の裏金問題という着眼点は面白く、リアルで面白い作品に仕上げることが期待出来る
ネタであるにもかかわらず、大衆小説にカタルシスのみを求めるアホな読者に迎合した結果が
コレである。かなわぬ思いではあるが、本邦悪徳警官ものの傑作「夜の終わり」等数々の警察小説
(ちゅーか、刑事小説)をモノにした結城昌治氏が存命であればという感を強く持った。