08/05/25 00:10:57 63gn4PUy
楳図かずお「洗礼」を読破した。
ホラーかと思いきや、この作者には珍しいミステリであった。
このネタは活字メディアであれば叙述トリックでゆくところであろうが、
(また、その手しかないかと思う)『漫画』という特性を活かしたうえで伏線を張り、
再読も可能な巧みな仕上がりで楽しめるものとなっている。
ジャンル的にはSFに該当する異次元空間もの「漂流教室」やロボットもの「わたしは慎吾」
のような舞台と物語のスケールの大きさは欠くものの、漫画らしいオーバーアクション気味の
ユーモアをまぶしたうえで、日常性に潜むスリルとサスペンスを描き切って申し分ないものがあり、後半の新キャラ登場あたりからラストまでのなだれ込むような
スピード感はこの作者ならではの優れたストーリーテリングを実感させる。
また、30年以上前の作でありながら、そのテーマ性(謎解きでもある)は病んだ現代社会にも
十分に通用するものなのも、作者の着眼点の鋭さを実証していると言い得る。
最後の先生の映像メディアでいうところのカメラ目線には、「おまいは喪黒福造か!」と
突っ込みを入れたくなるものの(w、まあ、典型的な少女漫画誌にこのような作が掲載されていた
ことには驚きを禁じ得ない。
130:名無しのオプ
08/05/25 08:19:31 WlblcQj0
>>129
やはり、あれを踏みにじる超有名シーンに言及してもらわんと。
131:名無しのオプ
08/05/25 08:23:23 rSPMBu22
>>130
それが出来ないのは読んでいないから。
いいから変質者と目を合わせるな。
132: ◆XjFtIkbasQ
08/05/25 13:08:48 q2jWfgql
米澤穂信『夏期限定トロピカルパフェ事件』(創元文庫、2006)【7点】
小市民を目指す小鳩くん&小山内さんの互恵的関係物語、高校2年生夏。
ひょんなことで小山内さんのスイーツ夏行脚に同行する破目になった小鳩君。
展開は前作よりも連作風味が強くなっており、後半ではやや「大事件」に遭遇する。
心構えができていたせいか、前作よりは文章を愉しむ余裕があった。
「ある事件」というよりも「ある事象」をめぐっての他愛のない推理ごっこは
これはこれでおもしろい。……と思っていたら、後半部分ではちょっと姿勢を正した。
前作よりも本格ミステリとしての上手さは格段にアップしている。
秋季限定がどのように展開していくのか、たのしみ。
133: ◆XjFtIkbasQ
08/05/25 13:21:26 q2jWfgql
桜庭一樹『少女には向かない職業』(東京創元社、2006)【7点】
下関にほど近い島で、母・義父と暮らす大西葵13歳。中学2年の夏休み、
彼女は「悪意」と「バトルアックス」によって人を2人殺してしまう、
「殺人者」となった。
……という冒頭の独白で物語に引き込まれた。思春期の少女の日常を描きながら、
徐々に暗い部分にも踏み込んでいくわけだけど、重松清『疾走』ほどには重くなく、
かといってラノベほど淡々とはしていない。2時間で一気読み。
ミステリとしては、最初からメインとしては扱われないと思っていたほうがいい。
東京からの旅行者の死体の扱い如何によってもう少しひねることが出来たようにも思うが、
それは著者の意図からは外れるのだろう。
ところで中2の女子生徒の恋愛ルールがよく分からない。すでに彼女がいる男子生徒と
一緒に食事するのが、イジメの対象になるほどの「仁義破り」なのか。難しいね。
134:名無しのオプ
08/05/26 12:45:38 h4kURONA
米澤の小市民シリーズはどっちかというとラノベよりだからな。
ミステリよりなら、古典部シリーズや「インシテミル」を薦める。
135:読後感 ◆VkkhTVc0Ug
08/05/26 16:40:38 7aDr3onX
「ありふれた死因」芦川澄子(東京創元社)
鮎哲のファム・ファタルの全仕事。
如何にも女らしい心理サスペンス的な作風で、それが当時の世相として
本格要素と結びついている印象。ただ犯人当て等もあるがこれらは
ややぎごちない。しかしその本格味が作品群を地味な心理サスペンスに
堕すことから救っているとも言える。
地味な筋立てながら乱歩も欺いた「愛と死を見つめて」や、
不気味な読後感を残す「村一番の女房」、ニマニマミステリー
「目は口ほどに」、奇妙な味の異国譚「道づれ」など。
136: ◆XjFtIkbasQ
08/05/30 01:59:25 3419ciUO
逢坂剛『遠ざかる祖国』(2001→2005、講談社文庫)【6.5点】
日系ペルー人・北都昭平を主人公とする第二次世界大戦モノ。
今回は真珠湾の日米開戦まで。“イベリア・シリーズ”第二弾。
前作のことはあんまり覚えていないけど、本作であるていどフォローして
あるので安心。ただ前作でも思ったが、史実に大きく制限されているため、
どうしても歴史を時系列的に追う展開で平板になっているのがマイナス。
逢坂お得意のヒネリも封じられており、キャラの立ち具合もイマイチ。
全6部作の2作目ということで本領発揮はこれ以降かもしれないが、
単独で評価した場合は辛くならざるを得ない。続きは気になるけど・・・
137: ◆XjFtIkbasQ
08/05/30 02:05:45 3419ciUO
>>134 そうなのか、むしろ角川文庫で出てるシリーズがラノベ傾向かと早合点。
今度読んでみます。
138:読後感 ◆VkkhTVc0Ug
08/06/09 16:57:35 7iuWyuBU
「旧宮殿にて」三雲岳斗(光文社)
レオ様を探偵に据えた連作短編集。
長編も良かったが短編はさらに良い感じ。きちんと話が作り込まれていて
海外ミステリを読むかのよう。惜しむらくは前作同様キャラの立ち具合い
というか描き分けが今一つ。
ベストって言うほど差はない。全部読んでちょうだい。
139:読後感 ◆VkkhTVc0Ug
08/06/12 16:50:01 SOXcQlpq
「誰のための綾織」飛鳥部勝則(原書房)
学校からの帰路何者かに誘拐され無人島に連れて来られた
教師と女子高生達。犯人はかつてのクラスメートの家族だった。
もう死んでしまったクラスメートの……。やがてこの異常な状況の中で
殺人が起こる。それも現場は密室状態だった。縁側には濡れた足跡が。
それは彼女達が作り出した怪物・蛭女の祟りなのか?
期待して読んだが、一言で言うとアンフェア。密室トリックに関しては、
その手掛りが示されるタイミングが遅いし、しかも記述ミスがあり
致命的。その他のものに関しても、個々の伏線に感心するものもあるが、
全体を見ると無理が目立つ。特に“前後”。ちなみにこれは新しくはなく、
少なくとも直の前例を2つ、発展型とも言える前例を1つ知っている。
後ちょこちょこ出てくる読書のススメは好印象。1つ読もうと思った。
これが回収に至ったのは巷で言われていることよりも、地震に関する
各方面への批判に因るのでは………というのは考え過ぎか。
140:書斎魔神 ◆AhysOwpt/w
08/06/14 23:08:34 QEzsIFIz
橋本忍「複眼の映像 私と黒澤明」を読んだ。
橋本先生(おそらく日本映画史上最大のシナリオライター、鉄道教習所出身と有名大学出
でないというのは驚きだ)は、映画「張込み」や「砂の器」ライターでもあり、満更、ミステリに
縁が無いわけでもないゆえ、あえてこの板で本書を紹介しておくから、各人、心して読め!
「羅生門」「生きる」「七人の侍」と黒澤作品中でも屈指の代表作のシナリオ製作に参画した
著者がその製作過程をつぶさに綴った作で非常に興味深いものがある。
タイトルの由来はシナリオの共同執筆、つまり複眼による映像作りというわけである。
従って、副題のどおり、著者が黒澤組在籍当時のシナリオ製作過程を中心に書かれており、
その他の作に関するものへの言及はほとんどなされていないのは残念、
単独執筆のものは特筆すべき点はないということかもしれぬが、
本書中でも書く仕事はこれが最後と断言されていることもあって、
ここはシナリオ界の御大にシナリオの技の様を書き残して欲しかったところである。
汚点(?)と評す向きもある監督作品「幻の湖」の詳細を知りたい向きもあるのでは(w
文章表現として「あれ?」という部分も散見されるが、橋本先生の本業はシナリオライターであり、
これをいちいちいち挙げつらうのは、それこそ礼を失するというものであろう。
141:書斎魔神 ◆AhysOwpt/w
08/06/14 23:09:08 QEzsIFIz
そのまんま東「芸人学生 僕が学びつづける理由」を読んだ。
言わずと知れた現宮崎県知事による書である。
40代後半からの大学受験・入学というものをある種の人生における「冒険」と把握し、
この板でも紹介しておく。
著者は明言していないが、大学受験時代に2流大学(専修大)入学にとどまった著者の
華麗なるリベンジ(早稲田大学二文入学、更にはAO入試とはいえ学内で政経学部への
超ステップアップ入学)とも理解出来る。
ただし、「学問」好きなはずの著者、
政経学部入学後の人生のチョイスに地方自治体首長選挙への立候補→当選→中退というのが
挙げられているのが、腑に落ちないものがある。
142:読後感 ◆VkkhTVc0Ug
08/06/19 18:36:03 KwBk8ofe
「死の命題」門前典之(新風舎)
とある大学教授が立てた大邸宅の落成記念に招待された6人の客。
3日目の朝、吹雪で道が閉ざされた中、屋外で無惨に撲殺された
死体が発見される。周囲には被害者の足跡しか残っていなかった。
同時に行方不明者が出て事態は混迷を深めていくが―。
クローズドサークル、というか本格全般においてあまり歓迎されない
手法をとことんまで極めた感じ。一度きりの怪作として評価出来る。
バカミスとして読むのが正しかろう。福ミスなら獲れたかもねむ。
143:名無しのオプ
08/06/22 04:02:06 nWewz0/P
貴志祐介
クリムゾンの迷宮
テーマとしては面白い小説としては可もなく不可もなく。
他の人にお勧めしたいという作品ではありません。
144: ◆XjFtIkbasQ
08/06/23 08:51:22 V550xnSk
小野不由美『屍鬼』(新潮社、1998)【8点】
卒塔婆や棺桶の生産を生業とする、山村の外場村。宗教行事「虫送り」が行われた
夏のある日、村人たちは不審な引越しトラックを目撃する。山奥での不審な死を
きっかけに、次々と発生する謎の病。“起き上がり”伝説の残る土葬の村で一体何が?
10年来の積読本をようやく読了。一応、小説家やってる寺の若和尚と、
村医者の尾崎が主要人物なんだけれども、多数の村人に次々と視点をスイッチさせて
村人たちを「創り上げていく」手腕はお見事。
その分、展開はゆっくりで、某文学賞で選考委員が「繰り返しに芸がない」と
言っていた理由もやや納得。終盤の「狩るもの」と「狩られるもの」との狂騒は('A`)
おもしろかったけど綺麗ごとだけではない重いテーマ。
145: ◆XjFtIkbasQ
08/06/23 11:36:32 K87BUfne
加藤元治『Q.E.D 照明終了(30)』(講談社コミックス、2008)【6点】
「人形殺人」「犬の茶碗」の2篇収録。
フーダニットの前者はそこそこの佳作だが、
読物としてはあいかわらずのあっさり風味。とりあえず30巻まで続いたのはすごい。
146:書斎魔神 ◆AhysOwpt/w
08/06/28 14:30:08 WQYCw0H6
新田次郎「怒る富士」を読んだ。
それなりのボリュームを持った力作ではあるが、新田作品中でもあまり注目されることがない作で
ある。この板で書評する以上は、宝永の富士山噴火を巡る冒険小説的要素も持ち、
現代にも通じるデザスター小説としても読める。
噴火そのものの描写は前半の一部のみ、後は噴火により生じた災害(砂礫による田畑の荒廃)、
二次災害(酒匂川の氾濫)等への取り組みを通じ、
下は被害に遭った農民たちから上は幕府の重臣たちの姿がビビッドに描かれてゆく。
緊急時にこそ、人間の実態が現れるということであろう。
被害を知りながら政争に明け暮れる重臣たちの様は「醜い」としか言い様がなく、
作者の意図でもあろうが、程度の差はあれど、政事に携わる者のこの性癖は現代でも残存
しているやに思う。
ただし、この題材、吉村昭氏に淡々とした乾いたタッチで書いて欲しかった気もする。
被災民救済にあたる主人公の関東郡代伊奈半左衛門があまりにヒロイックに描かれ過ぎ、
フィクショナルなキャラである、おことと文吉、つると佐太郎等の恋愛模様に筆を割き過ぎて
いるのも頂けない。70年代の新聞小説という制約から、大衆受けを狙わざるを得なかったの
であろうか。
そもそも、半左衛門や能勢権兵衛(避難民に米を供出した駿河代官)が切腹したという
記録は無く、駿東郡農民が江戸へ被害対策直訴をしたという事実も無い(解説より)となると、
あまりに「創り過ぎ」という感は否めない。
新田氏の作で言えば、ここは傑作「八甲田山死の彷徨」の如くストイック、かつ、クールなタッチ
で極力事実に即す形で「決めて」欲しかったのだが。
また、フィクショナルなキャラに思い入れが強過ぎる感がある国文学者によるあとがきも非常に
萎え、うざいものがある。
147:名無しのオプ
08/06/28 14:34:12 KgWaBPqr
中学生並みの読書力しかない八流ニートの林、いいかげん
さんざん読んだ読んだと自慢していたフリーマンの倒叙型
推理小説と、コロンボの元になったクィーン作品は読んだのか?
まともな人間はみんなお前を小学六年生並みだと認識してるぞw
148:名無しのオプ
08/06/28 14:42:42 Zg6UdyPO
あらすじと解説の引用・・・
小学生の読書感想文じゃねえか
149:名無しのオプ
08/06/28 16:21:55 68PrfAwt
感想があらすより短いってどうよ。
150:名無しのオプ
08/06/28 16:35:07 idUax4wy
「青の炎」貴志祐介
Amazonで異常に評価の高い小説だが、
文章が幼稚すぎる・・・
引用もウザイ・・・
わざと高校生が書いたような文章にしたってことはないだろうから、
こういう作風なのか。
こんな作家が受けてるのかよ。
後半かなり盛り上がったが、
絶賛するほどじゃないな。
しかし、Amazonであんなに評価が高いのは一体なぜ?
151:名無しのオプ
08/06/29 13:11:06 NTnVSTqk
「しあわせの書」泡坂妻夫 読了
本に仕掛けがあると、どっかのスレで見て、知ってはいたが・・・・・
凄いね!いや凄い。脱帽するわ
これ以上、何を書いてもネタばれになっちゃいそうなんで、控えるけどさ
152:読後感 ◆VkkhTVc0Ug
08/07/02 18:17:36 KNxc6Wno
「鼻」曽根圭介(角川書店)
ホラー中編集。どれも水準以上。「暴落」は設定が面白く、
その中であがく主人公のストーリーにものめり込めたが、
オチの付け方にやや不満かも。良いんだけどね。
「受難」はこの中では一番下。大きな謎の存在を匂わせながらも
満足な解答が無いのでキャラクターの不自然さが残ってしまう。
表題作がやはりベストか。カットバックが効いてる。
300弱で読み易いからお薦め。
153:書斎魔神 ◆AhysOwpt/w
08/07/05 15:32:50 ArZazkVj
新田次郎「富士に死す」を読んだ。
山岳小説のマエストロ新田氏の手になる「富士山もの」のひとつ。
これもまた地味な存在の作だが、テーマのまとまり具合は前記した「怒る富士」より上である。
富士講の歴史・実態に興味がある向きには必読の歴史小説であり、
小品ながら、富士講途中での遭難シーン、入定(仏教の即身仏に該当か)シーン等、
冒険小説的要素にも事欠かないものがある。
(まあ、そもそも人間の「人生」そのものを「冒険」と理解すればスレ違いなど有り得ないわけ
ではあるが)
富士山信仰興隆の祖とでも称すべき伊兵衛こと食行身禄改め乞食身禄、
師である孤高の修行者月行の跡を継ぎ真の富士講の実践へと挑んでゆく・・・
終盤、簡単に触れられている身禄の跡を継ぎ布教に努めた実娘たちの行状、
特に才色兼備の四女お花ちゃんの顛末など詳しく読みたかったものである。
この点で、身禄の死以降は駆け足でその後の富士講の歴史を語るのみに終わっているのは
残念であり、もっと長大な大河小説であっても良い素材と言い得る。
不満点を挙げておくと、この作者のサービス精神というか「創り過ぎ」の感がある描写が目立つ
こと、特に月行を超人的に設定し過ぎた感が強く、
江戸で伊兵衛を危難から救い偶然にも再会を果たすなどといった三文小説的展開は不要
であろう。
154:名無しのオプ
08/07/05 23:41:48 c9ENZ+Pz
「水の迷宮」石持浅海 光文社
水族館の魚が狙われても、器物破損なんだろうな・・・。
どうも、登場人物の女性達が物分り良すぎる感じがする。
まあ、久しぶりに水族館には行きたくなったけどね。
155:名無しのオプ
08/07/06 00:29:50 PZsrGxvf
>>154
坂木司並みにゆるい倫理観だったなぁ
156:名無しのオプ
08/07/07 08:40:28 5SGwKabX
名無しの乾燥文(wに比べると、コテハンの質の高さが際立つ。
乱読して粗製濫造の乾燥(wをダラダラ並べる読後感は論外だが。
157:名無しのオプ
08/07/07 12:30:30 ovyKGYD5
自分の言葉で書いてある人の方に惹かれるけどね。
158:名無しのオプ
08/07/07 14:57:37 bbP1P89u
>>157
それが書斎なんだよね。
159:名無しのオプ
08/07/07 18:47:13 drS+Gw3N
パクリだけやに思うが(w
160:名無しのオプ
08/07/07 19:30:38 AX/YaM8X
>>156
読後感が論外なら、
書斎魔神は番外でキチガイだね。
出没する全ての板で出鱈目なことを書いては恥をかき、
全ての板で荒らし認定されているのに、
パクリやコピペ、自演などの行いを改めない卑怯者だから。
証拠はそこら中に転がっている。
早く板外に去ってほしい。これは住民全ての総意。
161:名無しのオプ
08/07/07 19:30:49 OiptkPzQ
板違い(カテゴリの意味が理解できていない)
意味なく長い(無駄な長文)
つまらない(空疎な内容)
事実誤認が多い(確認をしない)
基礎的な知識がない(何を知らないのかすら分っていない)
自分の言葉で書いてこれなら、ちょっと可哀想な人だね。
162:名無しのオプ
08/07/07 20:01:09 ZrRdbGQj
書斎という名前を考慮しなくてもつまらん感想だと思うよ。
163:書斎魔神 ◆AhysOwpt/w
08/07/13 17:43:50 H4jshV/z
澤宮優「二十四の瞳からのメッセージ」を読んだ。
木下恵介監督、デコちゃんが主演した名画の撮影話(つまり「謎解き」とも言い得る)を
満載した作。まず、オール・ロケーションかと思っていたこの映画の屋内シーンはほとんど
撮影所セットだったという事実に驚かされた。
あまりにリアルなため、各賞を総なめにしながら美術賞には無縁(審査員もロケだと確信していた)だったが、これこそ美術担当冥利に尽きるというエピが面白い。
子役たち(最終的にプロのタレントになった者は皆無)のその後の人生を追うくだり(これが本書の
メーンを成す部分でもある)は、ドラマの素材足り得るほど読み応えがあるものとなっている。
ただし、著者の姿勢にマイナスポイントが存するのが残念、
「今また世の中が刻々と戦争への道を歩もうとしている。・・・」と最終章を断定口調で
締め括る書き方は頂けないものがある。
結局、「二十四の瞳」という映画を素材に「これ」を書きたかったのかもしれぬが、
直接のテーマでは無いと言いながら、「現代の社会情勢を見て、なぜそのように考えるのか」
という具体的な論証が皆無なため、非常に唐突な感を受ける。
また、著者の年代でシナリオ講座通学後に授業で薦められ初めて「二十四の瞳」を見ることに
なったという経緯に痛いものを感じる。
仮にもライターを志す者がこの名作を未見であったとは・・・
164:読後感 ◆VkkhTVc0Ug
08/07/17 18:47:03 LFi+9YKX
「匣の中の失楽」竹本健治(講談社)
探偵小説愛好者の学生グループのメンバーが友人のアパートで死亡した。
発見者によると当時現場は奇妙な密室状態になっており、何者かの
ブーツが並んでいたという。グループの仲間達は真相を突き止めるべく
それぞれが独自に推理を披露することを決めるが、意外な事実が
明らかになる。何と死者はメンバーの一人が執筆していた
ミステリー小説上の死者と一致していたのである。更に2番目の
死者が現れ、状況は昏迷の度を深めていく―。
3大奇書も未だに読めてないのでびくつきながら読んだ。
重層的な造りにはやや圧倒されるが、骨組みは紛れもない
本格のものだと思う。密室あり、アリバイ崩しあり、人間消失―
そして出現―あり、それらの多重推理ありで見所十分。
推理の際に十戒を取り決めるのも面白い。本来無意味、どころか
有害な行為ですらあるのだが……。
作中使用されたトリックでは後半の密室が良かった。最初の密室は
頂けないが。あと多重推理は実質無意味に近いものもあり、それらが
前述の造りと相まってただならぬ雰囲気を醸し出しているのだろうが、
しかし気になるものは気になるのであり―。
それと主にメル欄の謎が放置気味なのが気に入らない。ホランドを
呼び出した手紙(これは違うが)とか、真沼の予知能力とか、杏子の
変心とか。第一最初の事件の解決も不明瞭だし。以前読んだ
「赫い月照」はその辺きちんと処理してたと思う。
ただ若干21歳で本作を書き上げたのは素直に凄いと思うし、
マイルストーンなのも認める。
165: ◆XjFtIkbasQ
08/07/17 23:02:58 pNuTBen8
貫井徳郎『被害者は誰?』(2003→2006、講談社文庫)【7.5点】
捜査一課刑事の桂島&大学時代の先輩の吉祥院先輩の凸凹連作短篇集。
パット・マガーの諸作に着想を得たもので、残された日記や小説から、
「被害者」「探偵」「目撃者」などを突き止めていく。
コンビの造作にとくに新鮮味はないが、軽目の良パズラーが並ぶ。
とくに「探偵は誰?」はフーダニットとして伏線もなかなか巧み。
166: ◆XjFtIkbasQ
08/07/17 23:17:13 pNuTBen8
『オール読物』7月号(文藝春秋社)【8点】
警察小説特集号だが、鬼平の特集・推理作家協会賞選評もあって読みどころ多し。
短篇賞の「傍聞き」は上手い(けれどパンチはない)。
逢坂剛と対談してる諸田玲子は以前さんざん考証の甘さを叩かれていたが、
いつのまにかポジション得たみたいですね。以下、連載以外の短篇。
石田衣良「キャッチャー・オン・ザ目白通り」【7点】いつもの
佐々木譲「廃墟に請う」【7.5点】本格派
藤田宜永「愚行の旅」【7点】連作ものだけど
有栖川有栖「雷雨の庭で」【6点】凡作
柴田よしき「ひそやかな場所」【6点】雰囲気はある
赤川次郎「息子と恋人」【5点】いつもの
長岡弘樹「傍聞き」【8.5点】上手い
今野敏「公安の仕事」【8点】淡々としてるのに没頭して読んだ
古処誠二「帰着」【6.5点】ミステリはもう書かないのかな・・
畠中恵「清十郎の問い」【6.5点】書きようによってはもっとミステリっぽくできた
167:読後感 ◆VkkhTVc0Ug
08/07/19 15:58:51 S5qfAJku
「軽井沢マジック」二階堂黎人(徳間書店)
旅行会社に勤めている水乃紗杜瑠と部下の美並由加里は出張の帰り
サトルの友人がいる軽井沢に立ち寄るが、そこで有名作家の怪死事件に
遭遇してしまう。警察の事情聴取を受ける内に2人の乗って来た
列車内でも殺人事件が起きていたことが判る。容疑者扱いされながらも
これらの事件を解き明かそうとするサトル。しかしまたもや殺人が……。
蘭子よりましと聞いて久しぶり2冊目。別におどろおどろしい雰囲気は
なく、大掛かりなトリックもなく、作者が言ってるように
ライトなミステリーではある。気になる箇所はあるし、謎解き場面の
大仰な描写はどうかと思うがキオミスとしてはまあ暇つぶしになると思う。
168:名無しのオプ
08/07/21 17:30:38 r0PcAks0
「時効を待つ女」新津きよみ(徳間文庫)
女性をテーマにした短編集
中のポストカプセル郵便を使った話「彼女に流れる静かな時間」の最後の1文がこわい。
新津さんは女の腹黒いところを的確に書く人だね。
「ブラック・エンジェル」松尾由美(創元推理文庫)
CDから現れた黒い天使にマイナーロック研究会のメンバーの一人が殺される。
彼女は何故黒い天使に殺されたのか?
ミステリー+ファンタジーですが「犯人が黒い天使」なのは斬新かも
私から見ると、「黒い天使は」お節介やき見えてしまう。
洋楽・ポップアートが好きな人は別の楽しみ方ありそうです。
「バルーン・タウンの殺人」の作者だとは気がつかなかったよ。
169: ◆XjFtIkbasQ
08/07/22 15:43:01 kHz3XQ+0
今野敏『リオ 警視庁強行犯係・樋口顕』(1996→2007、新潮文庫)【7点】
マンションの一室で発生した殺人事件。警察は現場からの逃走を目撃された
美少女リオを追うが、警視庁捜査一課の樋口は捜査本部の方針に違和感を抱く。
リオに惹かれる自覚をもちつつ、第二・第三の殺人を捜査する樋口だが・・・
『隠蔽捜査』シリーズより10年前に書かれた本シリーズだが、自分に自身が持てず悩む
樋口警部補の個性的な造形は、『隠蔽』の竜崎に繋がるか。
事件自体はさほど深みも意外性も無く、脇役の氏家のキャラもまだまだという印象。
文章は量産作家がやや書き流した感じの箇所がままみられるが、読みやすく、
展開のテンポアップに一役買っている。終盤の展開が読めるのが残念。
170: ◆XjFtIkbasQ
08/07/22 15:56:40 kHz3XQ+0
今野敏『朱夏 警視庁強行犯係・樋口顕』(1998→2007、新潮文庫)【8点】
警視庁警備部部長への脅迫事件に携わることになった捜査一課の警部補樋口は、
受験生の娘との喧嘩や、妻との意思疎通不足など家庭内の問題も感じていた。
そんな最中に発生した妻の誘拐事件。あえて個人として捜査に乗り出した樋口だが・・
樋口シリーズ第二弾。樋口の家庭内の問題にも焦点が当てられ、彼の内面が
掘り下げられている。『リオ』の自信なさげな言動からするとやや自己主張が
激しくなっているが、まあ妻の誘拐事件なので多少強引でも仕方ない。
『リオ』に較べると無神経な文章も減って、かつリーダビリティはアップしている。
一気読み。パートナーの氏家も、キャラがより立ってきていい感じ。
欲を言えば推理小説の「意外性」にも拘ってほしかったが、あえて展開を読ませて
その上で読者を引っ張っていくのがこのシリーズのようだ。
171:名無しのオプ
08/07/23 17:36:30 7gT9TO06
聖・おにいさん
172: ◆XjFtIkbasQ
08/07/23 18:59:14 VBSZoABN
今野敏『ビート 警視庁強行犯係・樋口顕』(2000→2008、新潮文庫)【8点】
銀行員の撲殺事件を捜査する警部樋口は、捜査二課から派遣されてきた島崎の
様子に不審を抱く。折りしも公開された犯人らしき人物のモンタージュ写真は、
島崎の次男に似ていた・・・
シリーズ第三弾。これまでと違い、捜査二課の島崎父子の視点がかなりの部分を占め、
刑事の頑固親父と、不良の息子の対立と和解が話の中心となっている。
そこに殺人事件の顛末が絡んでくるわけだが、オーソドックスな割りに読み応えがある。
あとがきで作者も言っているように、「推理」部分はあまり重視せず、人間ドラマが中心。
10年近く前の作品でダンスの流行とかは多少古びている箇所はあるが、
不良エージの物語としても面白い。その分樋口の活躍は少なく氏家もチョイ役だが、
バランスのいい娯楽小説となっている。
173:名無しのオプ
08/07/24 15:12:33 +uIkY/Er
皆川博子「倒立する塔の殺人」
視点が頻繁に変わり、しかも全員の一人称が「わたし」なので
誰が誰だかよく分からなくなる。
おまけに作中作の手記まで登場するから、混乱に拍車がかかる。
細切れに読んだから余計によくわからなくなった。
一気読みすればまた評価は違ったかもしれない。
174:名無しのオプ
08/08/01 16:39:40 C5jWBy/D
ミステリ
175:読後感 ◆VkkhTVc0Ug
08/08/01 18:21:23 sZFS8tjg
「暗鬼」井沢元彦(新潮社)
久々某スレからのセレクト。
戦国時代を舞台にした短編集でどれも程度の差はあれ謎が含まれている。
ベストは「明智光秀の密書」。作中で紹介される複数の暗号が興味深い。
他は特にみるべきものはない。しかも歴史小説としては最低に近いレベル
なので、歴史ファンにはお薦めしない。
176:名無しのオプ
08/08/02 11:53:33 n28MWnmi
>>175
ミステリ小説でもないのに書き込むなクソが。
177: ◆XjFtIkbasQ
08/08/02 23:01:35 NqSIOMu/
三津田信三『山魔の如き嗤うもの』(原書房、2008)【8点】
刀城言耶の元に届けられた手記には、成人参りの最中に道に迷い、
「入らずの山」に迷い込んだ男の体験が記されていた。姥捨て伝説の残る山。
跳梁する山魔の哄笑。密室状態から消失した謎の一家。そしてその村に赴いた
刀城を待っていたのは、わらべ唄をなぞるような連続殺人事件だった・・・
「ごとき」シリーズ第四弾。さすがに山村の描写や伝承にややマンネリ化が。
しかしこういう雰囲気が大好きなので、さほど気にせず読み進んだ。
完成度では「首無」には及ばないが、サプライズは十分に及第点。
ただ文章は前作よりも拙劣。いかにも素人臭い箇所がかなり目につく。
とくに台詞の下手さ加減は一向に上手くならん。「やまんま」のキャラが薄いのも
このシリーズとしては不満。
178:名無しのオプ
08/08/03 06:53:00 2YddqqRL
>>177
> いかにも素人臭い
「いかにも」って……それじゃあ作者が素人みたいじゃないかw
一応はプロなんだろ?w
179:名無しのオプ
08/08/03 07:28:56 2K32itlR
本格系はそんなもんだろ
180: ◆XjFtIkbasQ
08/08/04 03:00:11 +rPugE1T
歌野晶午『舞田ひとみ11歳、ダンスときどき探偵』
(光文社カッパノベルス、2007)【7.5点】
刑事の舞田歳三が、姪のひとみ(小5)の言動に触発されて事件を
解決していく連作短篇集。
各短篇の事件や登場人物が少しずつリンクして新たな事件に繋がっていく構成だが、
一地方都市で起きる事件ということもあって、内容はかなり地味。
また、ひとみが名探偵となって快刀乱麻を断つような推理をするわけでもない。
それでも叔父と姪の軽妙な会話や、さりげない伏線のばら撒き方は手馴れたもの。
けれんもなく、小粒ではあるが、良作。
181:読後感 ◆VkkhTVc0Ug
08/08/06 17:56:37 TeFFNRTk
「虚空の時差」津村秀介(栄光出版社)
新幹線の車内で女性の毒殺体が発見された。被害者の切符から
死亡したのは名古屋付近と推定され、検札時側にいたという男に
容疑がかかる。警察が捜査の過程で目星を付けたそれらしい男数人には
いずれもアリバイがあったが、現場に残っていた指紋はその中の
一人のものと一致した。その人物は犯行推定時刻には遠く離れた
九州にいたというのだが……。
某スレからのセレクト。
中々良かった。アリバイ崩しものは、
時刻表をこねくり回すような地味で面白味のない展開とか、
容疑者ありきで進行するというフーダニットを半ば放棄したような、
そして現実に冤罪の原因になっているような展開とかが
余り好きでは無いのだが、本作の場合、時刻表を弄んだりはせず、
謎と伏線とが明確に打ち出されており、真相も解り易くそれでいて
鮮やかなので、楽しめた。このトリックは巧くやれば実行可能かも。
また、刑事達が、手掛りを得られても鵜呑みにせず、一々疑問を持つ点も
読んでいて説得力があった。
ただ、作中の熊本弁は怪しい。助詞を全て“ば”に変換してるような……。
182: ◆XjFtIkbasQ
08/08/07 15:06:01 0mHlLvzr
桐生祐狩『夏の滴』(2001→2003、角川ホラー文庫)【8点】
小四の真介は、ある日夜逃げ同然に姿を消した友人の行方を捜すため、
級友の徳田と河合と一緒に上京を決意。折りしも町は不況のどん底にあり、
またクラス内では、虐められっ子八重垣の持ち込んだ植物占いが流行っていた・・
ホラー大賞長篇賞受賞作。「国語好き」とはいえ、こんな思考の小四いない・・
と、序盤はやや冷めた目で読み進めたが、ホラーとしてはいい意味で「イヤな小説」。
担任教師までもが加担する淡々とした虐めの描写と、仲良し三人組の描写とのギャップが
ぞくりとする。とくに中盤以降は一気読み。終盤のカタルシスも十分ある。
ただ江戸時代の物語を唐突な手記にすべてを語らせた点は、構成上しかたのないことかもしれないが、
もうちょっと工夫できたんでは。あそこで冷静かつ克明に語ってしまったために、
ホラーとしての「怖さ」が逆に減じてしまったように思う。
183: ◆XjFtIkbasQ
08/08/08 23:37:32 jZN2FeDt
浮穴みみ「寿限無」(『小説推理』8月号、双葉社、2008)【6.5点】
江戸で子供らの手跡指南をなりわいとする兄妹、吉井数馬・奈緒。
第30回小説推理新人賞受賞作。
選評(綾辻・有栖川・光原)でも言われているように、シリーズ化を意識したような
内容らしく、「改暦」といった話題がほとんど事件の真相と絡んでこない。
また、短篇の焦点が近所の幽霊話にあるのか、少年の見た「異界」にあるのか、
跡継ぎ話にあるのか、はっきりせず、謎が「解かれていく」といったカタルシスに欠ける。
ただ、「ラノベ的」と評される文章は読みやすく、ほのぼのとした味わいがある。
少年が母親の幽霊を見た際に耳にした「寿限無」の謎の解明~ラストの兄妹の会話は
ちょっといい感じ。
184:書斎魔神 ◆AhysOwpt/w
08/08/09 10:46:28 Ou6IH+ss
所属するブッククラブの要請もあって、今夏は松本零士「ザ・コクピット」シリーズを一気読み
したところである。
「戦争冒険もの」としての色合いが濃い作が多いゆえ、あえてこの板で取り上げておく、
座して読め!
私は雑誌等で既読の作も多かったが、
所属メンバー(知識人ばかり16名)の客観的、かつ、的確な議論と投票による
ベスト・セレクション10作(順不同)は下記のとおりである。
1 成層圏になくセミ
わりと短い作だが、リリカルに悲劇を描いて間断するところがないと好評価。
2 パイロットハンター
孤独なスナイパーの姿が「とにかくかっちょいい」という声多し。
3 独立重機関銃隊
映画「独立愚連隊」に触発されたタイトルかと。スリリングな展開だが、
女性キャラ投入で最後が甘く流れたのが難か。
4 音速雷撃隊
人間ロケット桜花ねた。アニメ化もされたスリリングな傑作。原作には桜花護衛の任にあった
零戦の特攻シーンは無い。
5 衝撃降下90度
「死を賭けたパイロット美学の極致」、ある識者のこの評が本作の本質を端的に示している
と言い得る。
185:書斎魔神 ◆AhysOwpt/w
08/08/09 10:56:59 glYgzVFk
6 亡霊戦士
シビアな展開が印象的な作。
「パイロットハンター」と同趣旨の作ではあるが、あのような爽快感を期待すると良い意味で
裏切られる。
7 四次元戦線
作者の十八番のSFと思いきや、緊迫感溢れるかなりマジな戦争(戦闘)漫画。
8 死神の羽音
私が第一に推す作。ホラータッチの異色作でオチが非常に効いている。
9 砂とスコッチ
これは超異色作。オチは面白くも強烈で悲惨という評がモロ該当する。
10 雷撃艇13号
終始シニカルな作、このシリーズは初期の正攻法な戦争漫画からじょじょにこういった傾向
のものへと移行していった感がある。
他にベストセレクション選定評議上に挙がった作としては、
・「スタンレーの魔女」「わが青春のアルカディア」
いずれもキャプテン・ハーロック好き(いわゆるキャプテンオタ)が推すものの、
前者はアイデアは良いものの作品全体が今ひとつ力不足の感があり、
後者は叙情に流れ過ぎているという指摘が多かった。
・「復讐を埋めた山」
一癖ありそうな魅力的な女性キャラを配置しながら、全く活躍しないまま終わっている点に
「物語」としての不満が大きいとして、早々、セレクト外となった。
186:書斎魔神 ◆AhysOwpt/w
08/08/09 10:58:02 glYgzVFk
・「成層圏気流」
強く推す声もあったが、アニメ化作品に及ばないという評もあった。
特に最後の主人公の独白、
「私はエアハルト・フォン・ラインダース、悪魔に魂を売らなかった男だ」
この最大の決め台詞が原作には無いのである。
・「夜の蜻蛉」
後の映画「プライベート・ライアン」を想起させる面白さがあるという推しがあったが、
それだけの作という定評に納まった。
・「レッドスカル」「富嶽のいたころ」「断層回路」
これらの作は、一応、コクピット・シリーズ中の作ではあるが、戦争漫画(そのもの)とは言い難く
別物扱いすべしという意見が多数を占めた。
・「天使の微甲弾」
未来戦を描いたSFであり、通常の戦争漫画と同列に置いて評価すべきではないとの意見多し。
・「空白圏飛行」「サンタイザべラの首飾り」
やや共通した設定もある2作。
前者はへミングウェイ、後者にはJ・G・バラードないしはマルケスを想起させるテーストの作であり、
それぞれ面白いが、戦争漫画ぽくないというのが大きなオミット要因か。
・プテラノドンの時代
アイデアは非常に面白い。ただし、ストレートからは外れる作という評多し。
187:名無しのオプ
08/08/09 12:07:19 dnnZ+rSe
きちがい・・・
188:名無しのオプ
08/08/09 13:27:34 uQ69fGA5
捻りの効いたミス板の住人らしい読みを披露してくれているね。
こういう書評こそ読後感は100ぺん読んで出直してほしいものだ。
189:名無しのオプ
08/08/09 14:23:52 kdhgBIeK
海外編容量オーバーしてる
190:名無しのオプ
08/08/10 12:52:18 ibLksln0
>>189
潰したのはいつも愚にもつかない感想文を垂れ流している読後感か。
もっと厳選してよく読みきちんと書けば今のように荒らし使いされることもなかろうに。
191:名無しのオプ
08/08/10 13:24:48 xZ4tbNNw
じゃあまず書斎が手本を示して消えてくれ
192:名無しのオプ
08/08/10 14:26:50 yZKAm+YE
両方消えてほしい。
馬は論外でNGであぼーんできるけど
読後感は感想スレ意外は名無しで書き込むのがウザい。
193:名無しのオプ
08/08/10 14:47:11 ibLksln0
読後感批判もようやく出てきたね。
これまではアンチ書斎の暗躍のせいでタブー視されてきたが、正当だと思われる。
194:名無しのオプ
08/08/10 15:11:58 X1Rj2p9R
>読後感批判もようやく出てきたね。
え?
195:読後感 ◆VkkhTVc0Ug
08/08/10 16:23:39 xZ4tbNNw
「ピーター・パンの殺人」辻真先(大和書房)
しなびた温泉街で起きた2つの事件。若い仲居がサウナで刺殺され、
老いた俳優が映画館で若き日の自分と見まごう男に襲われた。
共通して凶器に使われたペーパーナイフを巡り、ある有名推理作家と
俳優との過去の因縁が再燃することに……。
期待して読んだ。後半までwktkが止まらなかった。しかし……
終盤萎んだかなぁ。何かね、畳み方があっけなさ過ぎるというか。
このメイントリックは86年当時でも少々古い気がする。
ラストの展開もそれまでのノリと合ってないし。
戦時中の体験談が語られてる辺りは少し面白かったけども。
「TVアニメ殺人事件」はどうなのだらう。
196:名無しのオプ
08/08/10 16:29:37 SlP6F6GH
>>195
恥ずかしげもなくよく書き込めるなあ。
鈍感極まりない香具師なんだろう。
197:名無しのオプ
08/08/10 16:34:24 5Sus6jbC
黙って感想だけ書いてればいいのに。
198:名無しのオプ
08/08/10 17:25:13 WX1iAdnF
黙ってNGにしとけばいいのに。ここは何スレよ?
199:名無しのオプ
08/08/10 18:45:44 HguKsBx8
>>198
読後感が遠慮というものを覚えれば良スレになるよ。
200:読後感 ◆VkkhTVc0Ug
08/08/13 16:47:34 Dt7NZKvb
「歌麿殺贋事件」高橋克彦(講談社)
若き浮世絵研究家塔馬双太郎の活躍する連作短編集。
あの手この手で悪事を働く詐欺師達をギャフンと言わせるという。
本格というよりトリビアルな驚きがあるコンゲームものの佳作。
和製「悪党どものお楽しみ」か。ただ、浮世絵、それも
歌麿の絡む事件ばかりというテーマの狭さに飽きる可能性はあるかも。
でもお薦め。
201:名無しのオプ
08/08/13 23:32:43 xnqyhnm5
>>200
このころは密度濃いよね。
それに比べいまのカツヒコは・・・・
202: ◆XjFtIkbasQ
08/08/14 19:53:36 MOROYC5b
天樹征丸/さとうふみや (講談社コミックス、2008)
1『金田一少年の事件簿 黒魔術殺人事件』【7点】
2『金田一少年の事件簿 血溜之間殺人事件/不動高校学園祭殺人事件』【6.5点】
1は、黒魔術の館で発生した連続殺人事件物。
2は、囲碁クラブの合宿で発生した生首事件/学園祭のメイド喫茶で起きた事件
1は海外パズルブックのネタ的雑学を、殺人事件に結び付けようとしているが、
今回はかなり苦しい出来。トリックのためのトリック、という面がいつも以上に
濃い感じ。また、一冊におさめたせいか、計画の矛盾や強引な筋運びが目立つ。
2は中篇2つを収録するが、囲碁の話は犯行が綱渡りすぎるし人間関係も不自然すぎる。
もう一方の学園祭の話は、犯人もトリックもわかりやすい。
ただ、2冊とも、気楽に読めて一定の満足感が得られるのはさすが。
203:書斎魔神 ◆AhysOwpt/w
08/08/16 13:28:40 eQaivRAI
海外篇スレが容量オーバーで使用不能なためこちらに書く。
(そもそも読書報告スレは国内と海外の2本立てにする必要があるのか?)
へイク・タルボット「絞首人の手伝い」を読んだ。
密室ものの古典という噂が流布していた「魔の淵」が初訳された時の期待と
読後の失望感はいまだに記憶に新しいものがある。
「棒高飛びやめれ!」と言いたくなるようなアホなトリックには思わず萎えるものがあったし、
その通俗性(アクション、お色気、ラブロマンス等)の強調にはうんざりさせられたものである。
同じ作者ゆえ、「魔の淵」に先行する本作にも同様な感を抱かせるものがあった。
特に主人公キンケイド(本格ミステリでヤクザなギャンブラーが名探偵役という設定は異色で、
ちょい面白いのだが)を襲った怪物クラーケン(本来は伝説上の巨大なイカの怪物の意
なのでは?)の正体はジョンでも書かないような「アホ」なものであると言い得る。
もうバカはいい加減にしておけと思うたところ、この作者の長編は「魔の淵」と本作のふたつしか
ないとのことであり、妙に納得がいった。
204:書斎魔神 ◆AhysOwpt/w
08/08/16 13:29:24 eQaivRAI
ギルバート・アデア「ロジャー・マーガトロイドのしわざ」を読んだ。
タイトル(原題の直訳)もある意味でネタばれか?
いわく有り気な登場人物たち、クローズド・サークルの設定、謎の密室殺人の発生とコテコテな
本格ストレートで入りながら、大乱歩風のトンデモトリック、アンフェアそのもの(この作者は承知の上かも)の犯人の登場で終わる作。
正攻法な謎解きミステリの面白さを求めると外されるが、ジョン、アガサ、アーネスト等の
ミステリ作家に関するくすぐりを入れながらの展開を余裕を持って楽しめるか否かで評価が
分れる変化球な作ではあろう。
(ただし、ダシール作品の主舞台をLAと読めるような記述は気にかかった。まさかレイモンドと
勘違いしているのでは?)
レズの含意があるらしい「リスボンの姫君」とは?
これは俺にとって本作の残された謎ではある。
205:名無しのオプ
08/08/16 15:34:51 oHgPRoE9
海外篇を潰したのは読後感が荒らしたせいなのに、何の反省もなく書き込むか。
よほど鈍感なのか、確信犯的に荒らしているかどちらかだな。
206:名無しのオプ
08/08/16 16:06:22 D9FJ0Y80
読後感?
書斎暇人の間違いだな。
207:名無しのオプ
08/08/16 20:13:01 1w6M3Zhz
内容の良し悪し以前に
ルール違反はダメだよなあ。
208:書斎魔神 ◆AhysOwpt/w
08/08/17 15:42:26 7+PvZnX/
久々、リチャード・レイモン「殺戮の野獣館」を再読してみた。
再読のせいもあるが、刺激的な作が増加した今日では刊行時のインパクトは既に無く、
むしろ、おぞましい行為の描写を寸止めする展開はシニカルな論者なら「奥床しい」と評する
やもしれぬ。
ジョン・ソールの「暗い森の少女」のような凄味もなく、やはりレイモンはマイナーな作家であった
と思わざるを得ない。
リアルな野獣とでも称すべきヒロインの前夫ロイというキャラの処理にも失望を禁じ得ない
キワモノな作らしく、モノホンな野獣とのガチンコ勝負を期待していたのだが・・・
209:書斎魔神 ◆AhysOwpt/w
08/08/17 15:45:58 7+PvZnX/
レイ・ゴールデン「5枚のカード」を読んだ。
ポケミス名画座シリーズの1冊として刊行された作だが、
裏表紙の解説に「サスペンスフルに展開する異色のウェスタン小説」とあるとおり、
実態は完全に西部小説、プロファイルを見ても、作者はテキサス州フォートワース生まれの
典型的西部小説家であり、フランク・グルーバーのようなミステリも書く人ではないようである。
牛泥棒をリンチにかけた関係者の連続殺人というフーダニットとして書くことも十分に
可能な設定なのだが、犯人は早々と登場、以後はグローリー・ガルシュという西部の町を舞台に
丁寧な情景描写を積み重ねたウェスタンの世界が展開されてゆく。
短く読み易いのが取り柄であり、それなりに楽しめはするのだが、リクエストがあったとはいえ、
なぜ本作がポケミスで刊行されたのか、これこそ「ミステリ」ではある。
解説中にある「laid eyes」ネタではないが、「ふたりは込み上げる欲望に身を任せた」(71頁)、
「はじめて欲望の奔流に身を任せた・・・」(139頁)、訳者の「好み」のような
ポルノグラフィーまがいのこの「原文」も気にかかるところだ。
210:名無しのオプ
08/08/17 17:53:28 BUs2psEg
>>207
よくわからんが馬がまたネタバレでもしたのかな?
俺はアボーンしてるからわかんないや。
211:名無しのオプ
08/08/17 21:18:07 oe4/DfUy
>>210
完全に“スレ違い”なことを書いているんだよ。
しかも、書いている本人が“スレ違い”であることを自覚している。
212:名無しのオプ
08/08/18 10:18:18 y6fZR2C+
なぜスレ違いになったのか検証することが大事だろうね。
読後感というクソコテ一人の独占的使用により海外篇が潰れたという事実を改めて確認する必要がある。
213:名無しのオプ
08/08/18 13:08:29 KhTqYpol
読後感のようなクソなんかとちがって書斎さんの論考はためになるよなあ。
書斎さんは神なんだからそれに従わなければいけない。
214:名無しのオプ
08/08/18 13:30:02 MVIFRl0/
二人のコテハンをスレ名にした単独スレを、隔離用にたてて欲しい。
で、もう他スレには現れないでくれと。
215:名無しのオプ
08/08/18 15:05:24 y6fZR2C+
>>214
書斎は問題ない。
悪いのは読後感だよ。
216:名無しのオプ
08/08/18 16:38:45 201ai/QZ
コテハン嫌いな人はNG指定すればいいだけ。
ここは本を読んだ感想を書き込むスレであって
感想の感想を書き込むことの方がスレ違い。
どっかの板でヲチスレでも立てて他所でやってくれ。
217:名無しのオプ
08/08/18 16:42:34 y6fZR2C+
>>216
その感想が問題になっていることに気づかないとは‥。
長々と愚にもつかぬ感想を毎日のように書き込む態度が問題視されているのに。
218:名無しのオプ
08/08/18 18:03:27 0pPQ23OD
だからそれをNG指定すりゃいいだろが
感想スレに感想を書くこと自体はおかしくないんだから
こういうやり取りこそが本来邪魔なんだよ
つか、書斎をかばってる時点で相手にしちゃ駄目だったか
219:名無しのオプ
08/08/19 03:18:24 mk7QNqZF
書斎アンチがわざと擁護してるんようにしか見えない
ある意味書斎よりタチ悪い
220:名無しのオプ
08/08/19 11:31:54 EJqhsNZi
>>219
激しく同意。
いつもスレを荒らすのは書斎アンチなんだよなあ。
書斎はスレタイに沿って書き込んでいるだけなんだから。
221:名無しのオプ
08/08/19 21:08:10 DGI1BNRH
>>217
騒いでるのはごく一部。
コテハンをNGにしてる俺にしてみれば、
君のほうがよほど迷惑だ。
222:名無しのオプ
08/08/19 21:22:33 JZeCg/+f
|| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄||
|| ○荒らしは放置が一番キライ。荒らしは常に誰かの反応を待っています。
|| ○放置された荒らしは煽りや自作自演であなたのレスを誘います。
|| ノセられてレスしたらその時点であなたの負け。
|| ○反撃は荒らしの滋養にして栄養であり最も喜ぶことです。荒らしにエサを
|| 与えないで下さい。 ΛΛ
|| ○枯死するまで孤独に暴れさせておいて \ (゚ー゚*) キホン。
|| ゴミが溜まったら削除が一番です。 ⊂⊂ |
||___ ∧ ∧__∧ ∧__ ∧ ∧_ | ̄ ̄ ̄ ̄|
( ∧ ∧__ ( ∧ ∧__( ∧ ∧  ̄ ̄ ̄
~(_( ∧ ∧_ ( ∧ ∧_ ( ∧ ∧ は~い、先生。
~(_( ,,)~(_( ,,)~(_( ,,)
~(___ノ ~(___ノ ~(___ノ
223: ◆XjFtIkbasQ
08/08/22 13:34:53 4t1t7LHJ
逢坂剛『燃える蜃気楼』(上下、2003→2006、講談社文庫)【6点】
イベリア・シリーズ第三弾。日米開戦後のスペイン・ドイツが舞台。
「宝石商」北都とイギリス情報部ヴァジニアとの恋愛模様に、
謎の日系アメリカ人ナオミが絡んでくる。
第二弾同様、どうもメリハリがないまま上下巻を読了。
謀略物なのに緊迫感があまりないのは、敵味方がペラペラ情報交換しすぎのせい?
終盤の某人物の登場は、ようやくシリーズ物の利点が生かされたという感じ。
224: ◆XjFtIkbasQ
08/08/22 13:46:54 4t1t7LHJ
多島斗志之『二島縁起』(1995→2006、創元推理文庫)【8点】
瀬戸内海で海上タクシーを営む寺田は、同業の船長からある依頼を受け、
謎めいた客たちを輸送することになるが、なぜか地元有力者の妨害を受ける。
封建的な「潮見島」「風見島」の対立は、ある失踪事件にからむ殺人事件に発展・・
「アウラ衆」という謎の言葉を含むある人物のモノローグから序盤の「謎の依頼」まで、
すぐに読書に引き込まれる。空間的な閉鎖状況でこそないが、因習残る瀬戸内海という舞台が
実にうまく機能している。女性キャラも魅力的。伏線の張り方などもフェア。
225:名無しのオプ
08/08/23 01:03:09 8wBpKpwc
鶴ヶ峰 1-79 の犯罪者
226:名無しのオプ
08/08/23 06:19:56 c6drUY4w
やめろ!!!!!!!!!!!!!!!!
227:名無しのオプ
08/08/23 15:35:21 2uFrNE6s
ほ~も ほもほも ふけつのコ つるがみねぇ~から やぁってきた~♪
228:名無しのオプ
08/08/23 19:53:28 c6drUY4w
苛めはやめろ!!!!!!!!!!!!
229:名無しのオプ
08/08/23 20:04:10 2uFrNE6s
鶴ヶ峰1-79 の 林さん
「苛め早めろ!」
そうですか、早めたほうがいいんですねw
230:名無しのオプ
08/08/23 20:14:34 2uFrNE6s
ジョ~♪ ジョジョジョジョジョ サージェント おなじ おうちにすんでいる~♪
231:名無しのオプ
08/08/23 20:15:38 2uFrNE6s
ほ~も ほもほも ふけつのコ つるがみねぇ~から やぁってきた~♪
232:書斎魔神 ◆AhysOwpt/w
08/08/23 20:35:14 hRsSF7tl
佐伯一麦「ピロティ」を読んだ。
同じ著者の「鉄塔家族」に関する俺の論考を熟読した者は多いだろうが、
平成の小津安二郎(小説版)と見せて、終盤でヘビーなトラウマが明らかになる展開は
あからさまな刺激ばかり追及する作が大半なミステリ以上のインパクトがあり、
正に純文学の「凄み」を感じさせるものがあった。
マンション管理人の引継ぎの1日をひとり語りで描いた本作は、ボリューム的に、また内容的にも
「鉄塔家族」よりも気軽に手に出来る作であり、「純文学」と聞くと尻尾を巻いて逃げ出す輩が多い
ミスオタにも推せるものがある。
ただし、ミステリ的要素を見つけるには困難な作ではあり、
マンションの水槽から惨殺死体「ハケーン!」とか期待するアホなミスオタは「逝ってよし!」だな。
とにかく、しみじみとした心情が漂うラストの語りが印象深い作ではある。
233:書斎魔神 ◆AhysOwpt/w
08/08/23 20:36:20 hRsSF7tl
サックス・ローマー「怪人フー・マンチュー」を読んだ。
中国人の天才的犯罪者フー・マンチュー、彼に立ち向かう英国人外交官と親友の医師、
謎の東洋系(?)美女、ザイヤット・キスによる連続殺人・・・
なにしろ前世紀初頭(1913年)の作ゆえ、古臭さを通り越した超レトロな雰囲気を楽しむしか
ないような作。
差別に無頓着な時代に書かれた作ゆえ、翻訳にあたりかなり気を使ったと推察されるが、
黄禍論という言葉が平然と飛び交い、東洋人を怪人扱いするストーリーは、今、読むと漫画の領域
でありむしろ笑ってしまう。
人気アニメ「花のピュンピュン丸」の敵役である風魔忍者の首領の名がフーマンだったり等、
名のみ広く知られ、書籍として本邦初訳というのは驚き。
早逝した才人ピーター・セラーズのパロディ作品「天才悪魔フー・マンチュー」公開時(80年)
に角川文庫あたりで出ていても良かったようにも思えるが、
当時にして、既に売れ行きに不安を感じさせるような漫画だったのかも。
234:名無しのオプ
08/08/24 01:21:59 xz/FEmVv
ほ~も ほもほも ふけつのコ つるがみねぇ~から やぁってきた~♪
235: ◆XjFtIkbasQ
08/08/24 15:10:21 idIvEBmW
石持浅海『ガーディアン』(2008、光文社カッパノベルス)【6点】
勅使河原冴の会社のプロジェクトに参加したメンバーの一人が、不審な死を遂げる。
冴を護る亡父の霊“ガーディアン”が発動したのか? 中篇超常現象ミステリ2篇。
西澤保彦ほどではないが、とりあえず設定は面白い。とくに第一話。
なぜガーディアンが発動し、誰が冴を殺そうとしたのかの謎解きは、本格推理。
ただ、もっと切り詰めて短篇にすべき内容だったと思う。
さらに問題は、後日談風銀行強盗サスペンスの第二話。まず水増ししたとしか思えない
緩んだ文章に、書き飛ばした風の工夫のない比喩に表現の重複。落ちも弱い。
この作者は「動きのある」小説が不得手なのかな? と思った。
236:名無しのオプ
08/08/24 20:02:46 CcwCc9mp
ウェブ
ピュンピュン丸 フー・マンチュ- に一致する情報は見つかりませんでした。
検索のヒント:
キーワードに誤字・脱字がないか確認します。
別のキーワードを試してみます。
もっと一般的なキーワードに変えてみます。
キーワードの数を減らしてみます。
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237:名無しのオプ
08/08/24 22:43:41 fsHJuVhd
チーム・バチスタの栄光/海堂 尊
読みました。
238:書斎魔神 ◆AhysOwpt/w
08/08/24 23:22:12 ZzaNPUW+
有栖川有栖「モロッコ水晶の謎」を読んだ。
新書刊行時に読み逃していたの国名シリーズゆえ、今回文庫で一読。
表題作をはじめとして、シリーズ中では芳しくない出来栄えの作品集かと思う。
では、久々に大好評な収録作品全話講評逝ってみよう!!
「助教授の身代金」
展開を見ていてすぐに念頭に浮かぶのは黒澤明監督の「天国と地獄」、あるいはその原作である
87分署シリーズ「キングの身代金」であろう。
火村とアリスを通じて作者の誘拐ネタに関するミステリの薀蓄をたっぷり拝聴出来、
この点は楽しめるし、本筋であるミステリも現代の風潮を斬る感があってまずまずの出来か。
「ABCキラー」
完全なる懲悪(勧善懲悪というよりも、本作に関してはこの表現が妥当か)を排した結末は良いの
だが、いかに創り物のミステリとはいえ、ここまで偶然性を重ねた展開は頂けないものがある。
「推理合戦」
騒ぎ立てる程のこともない軽いコント風な作。それだけや。
「モロッコ水晶の謎」
ジョンの「五つの箱の死」を想起させる設定で、トリック無きトリックとでも称すべき作だが、
さすがに「これは無いぜアリス・・・」と言わざるを得ない。
また、ジュース一気飲みの説明のくだりが矛盾する点に作者は気付いているだろうか?
239:名無しのオプ
08/08/25 01:39:24 5EloXDC6
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240:名無しのオプ
08/08/27 13:23:27 Phi/1scx
完全恋愛 牧 薩次
んー、新人作家かな?とか思ったんであとがき読んでびっくりした、なんかスイマセン
このタイトルは、主人公ではなく、ある女性の行動の事だよなとラストで思った。
いい話だったよ
241:あぼーん
あぼーん
あぼーん
242:名無しのオプ
08/08/28 12:35:21 LDgKUFOz
これは脅迫では……
243:名無しのオプ
08/08/28 13:58:44 26vdLVWa
ついに逮捕者が
244:名無しのオプ
08/08/28 14:49:50 nl8JNgOi
あちこちあるけど、何なの?
245:名無しのオプ
08/08/28 16:11:32 kIx8qfV+
>>244
とりあえず自治スレにまとめておきましたので、そちらをご覧ください。
246:名無しのオプ
08/08/28 18:24:54 w+mpO1K5
書斎魔神さん・ミステリ板住人さんに対する、腹立ちの気持ちから
上記のような適当な推測による、いいかげんな住所や事実無根のデマを
書き込んでしまいましたが、皆様からの警告を受け、深く反省しております、
書斎魔神さん・ミステリ板住人さんや皆様に不快な思いをさせ、
ご迷惑をおかけした事を深くお詫び申し上げます、申し訳ありませんでした、
もう2ちゃんねるへの書き込みは、いたしません、ご迷惑をかけたことを
お詫びさせていただきます。
247:書斎魔神 ◆AhysOwpt/w
08/08/30 09:52:32 GpICbBhn
今週はミステリ映画を紹介しておこうかと思う。
ノヴェラも存しないため、ミスオタにとりノーチェックとなるには惜しい気がする作である。
各人、心して聞け!!
ピーター・スネル監督「ウィッカーマン」を見た。
凝りに凝った傑作ミステリ映画「探偵 スルース」のライター、アンソニー・シェーファーの手に
なるものだけあって、地味だが緊迫感溢れる作に仕上がっている。
性の異教が蔓延するスコットランドの孤島で少女失踪事件を追う警部、一癖ある者が多い
閉鎖的な住民たちは何かを隠しているようだが・・・
演出によっては、下品で安っぽい雰囲気となってしまうようなあざといストーリーなのだが、
丁寧で凝ったキャメラワーク(特に光の使い方が秀逸、絵画を見るかのような美しいシーンがある)
もあって、落ち着いて上品な感さえある。
ラスボスである島の領主役にはミスター・ドラキュラことクリストファー・リーが扮し、
凄みを効かせるかと思いきや、長髪のズラを被って飄々と登場、自慢(?)の喉まで聞かせ、
ボンドガールにもなったスウェーデンの美人女優ブリット・エクランド(年甲斐もなく村娘役)
オールヌードで同じく歌いまくる・・・
とにかくミュージカルまがいに歌いまくるシーンが多く、終いには主人公の警部まで最期の喉を
聞かせる展開、まさに怪作・トンデモとしか言い様がない。
ただし、ミステリとしてのオチもしっかりついているのでこの点は安心あれ。
248:書斎魔神 ◆AhysOwpt/w
08/08/30 09:53:34 GpICbBhn
ブライアン・デ・パルマ監督「悪魔のシスター」を見た。
公開当時はオカルトブームのため、刺激的な殺人シーンが強調されホラー的にセールス
されたものの、実態はヒッチ大好きなブライアンによるミステリ映画である。
制作年代的にはサイコ・ミステリの走りであり、
ブライアンが広く世に出る端緒となった作でもあるが、
ただし、ミステリ通が見れば真相は見え、見え、特筆すべき点はない。
249:名無しのオプ
08/08/30 11:51:00 bHlt5DhT
さすが書斎。知見が幅広いね。しかも板定義に抵触しない範囲で書いているあたりさすが。
ミス板には必要欠くべからざる存在だ。
250:書斎魔神 ◆AhysOwpt/w
08/08/31 10:59:50 JStIuS1j
ロバート・ルイス・スティーヴンスン&ロイド・オズボーン「難破船」を読んだ。
晩年の作、しかも共著ということもあってかあの「宝島」の興奮、もう1度とはいかないものの、
凡百なミステリ作家など足元にも及ばない人物造型の確かさは「さすが」としか言い様がないもの
がある。ただし、ポケミスとして刊行されながら直接い冒険・ミステリに関連する挿話は三分の一
程度に過ぎず、登場キャラの来歴を語り過ぎて冗長になっている面があるのは難と言い得る。
最終章に述べられた作者のミステリ批判を見れば、単なる謎解きのみに終始した作に
したくないゆえの試みとも理解は出来るが、
終盤の畳み掛けるような真相シーンは巻を置かせぬ迫力に富むだけに、もっと絞り込んで書けば
傑作海洋冒険ミステリ足り得た可能性があるのが惜しまれる。
結構。残酷な面があるにもかかわらず、この時代にしてあっさりと勧善懲悪を排した展開にも
驚かされる。
主人公の生涯の相棒ピンカートンのネーミングは、やはりあの探偵社から取ったのであろうか。
251:名無しのオプ
08/08/31 11:55:59 K3EDIEZH
良作なら内外を問わずに紹介してくれる書斎は貴重だな。
海外スレが読後感の荒らし攻撃で潰された今となっては尚更。
252:名無しのオプ
08/08/31 16:49:17 90HUXyoE
読後感が荒らしをしてたというのは本当なのか?
むしろ読後感でも書斎でもない外野が荒らしてた印象があったんだが
253:名無しのオプ
08/08/31 18:02:16 GI0dxskq
>>252
荒らしの自演と荒らしの相手をする奴のレスが多くて「荒れた」。
254:名無しのオプ
08/08/31 18:20:45 KkNwwIHZ
|| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄||
|| ○荒らしは放置が一番キライ。荒らしは常に誰かの反応を待っています。
|| ○放置された荒らしは煽りや自作自演であなたのレスを誘います。
|| ノセられてレスしたらその時点であなたの負け。
|| ○反撃は荒らしの滋養にして栄養であり最も喜ぶことです。荒らしにエサを
|| 与えないで下さい。 ΛΛ
|| ○枯死するまで孤独に暴れさせておいて \ (゚ー゚*) キホン。
|| ゴミが溜まったら削除が一番です。 ⊂⊂ |
||___ ∧ ∧__∧ ∧__ ∧ ∧_ | ̄ ̄ ̄ ̄|
( ∧ ∧__ ( ∧ ∧__( ∧ ∧  ̄ ̄ ̄
~(_( ∧ ∧_ ( ∧ ∧_ ( ∧ ∧ は~い、先生。
~(_( ,,)~(_( ,,)~(_( ,,)
~(___ノ ~(___ノ ~(___ノ
255:読後感 ◆VkkhTVc0Ug
08/09/02 17:31:33 cF5z+Vwp
「斜光」泡坂妻夫(角川書店)
写真館を営む夕城は叔母の薦めで呉服商の娘弥宵と見合い結婚をする。
40に近いが初婚だという弥宵の写真を初めて見た時、夕城はそこに
男の影をみて、彼女に惹かれたのだった。新婚生活は順調と思われたが、
やがて弥宵の行動に不審なものが表れ始め……。
ずっと以前に薦められていて期待して読んだのだが、
あまり面白くなかった。少なくともミステリーとしてはダメダメの部類。
あの泡坂がこんな……。真相は解り易いし、用いられているカットバックも
あまり意味を持っているとは思えない。まあエロいのが見所か?
大人しく「乱れからくり」とか読めば良かった。
256:名無しのオプ
08/09/02 18:00:57 IjUm5yFH
「斜光」は傑作だと思うがなあ。
「湖底のまつり」と同じく不可能現象を技巧的な構成で描いた
作品なのに、あっさりし過ぎてて凄さが分りにくいのかな。
各章が写真屋の話と刑事の話の二部構成になってるんだけど、
章のタイトルがその両方の内容と一致すると気付いたときは
シビレたわ。
257:名無しのオプ
08/09/03 23:21:26 C0auxvOX
読後感は「Yの悲劇」もロクに理解できないような人だから
258:読後感 ◆VkkhTVc0Ug
08/09/04 19:51:24 LwrpcmzT
「長い腕」川崎草志(角川書店)
ゲーム制作会社に勤める汐路は、転職しようとしていた矢先、
同僚二人の無理心中事件に遭遇する。それは彼女に忌まわしい過去を
想起させるものだった。しばらく実家で骨休めしようと姉に
電話をした汐路は小さな田舎町である故郷で殺人事件が
多発していることを知り、インターネットを使って調べ始める……。
作品スレに煽られて読んだがこれもイマイチ。
一言で言うとプロットの肉付けが甘い。いくつもの事象を主人公が
結びつける理由が薄弱。こんなんじゃ人は動かんよ。終盤真相が
暴かれる件も展開の仕方が下手に感じられた。
ゲーム制作の裏側が語られる前半部は物珍しい一方聊か飽きが来る。
後半に入り田舎に舞台が移ると読み進め易くなるものの
前述の理由で結局良作とは言い難い。
それから巻末の綾辻評にもあるようにインターネットで検索する辺りの
記述がゲーム作りのそれと比べて拙いのが気になった。
ま、横溝賞もこんなもんか、と。
259:書斎魔神 ◆AhysOwpt/w
08/09/06 15:51:27 +3NVhqnt
オーギュスト・ル・ブルトン「男の争い」を読んだ。
大藪春彦、馳星周、花村萬月等が好きな向き、あるいは笹沢左保の股旅ものが好きな向き
にもお薦めのフランス・ノワールである。
(サン=ティティンヌの男ことムショ帰り、肺病病みの主人公トニー、
相棒で所帯持ちのスウェーデンのジョー・・・通り名も持ったフランス極道の世界は、
まさに本邦の股旅ものの世界を彷彿とさせるものがある)
巨額なダイヤを巡るギャング同士の抗争がメーンストーリーではあるが、
作者もその筋の人だけあって、
最大の読ませどころはフランス暗黒街事情(執筆当時)とそこに棲むギャングたちの生き様、
そして死に様(ラストで端的に示される)そのものと言い得る。
裏切った娼婦はフルボッコにし、イカサマ師や裏切った仲間は問答無用であの世へ送る
正に文字どおり非情の世界、ある意味でダークなマン・オブ・ザ・ワールドであり、
妄想と中傷が渦巻く2ちゃんねるに入り浸っている連中の精神性がいかに幼稚、かつ、
女性的であるかをあらためて痛感させるものがある。
裏表紙の本作紹介文にある「これが本物のノワールだ」というキャッチフレーズに偽り無し、
各人、心して読め!
260:書斎魔神 ◆AhysOwpt/w
08/09/06 15:52:33 +3NVhqnt
シャーウッド・キング「上海から来た女」を読んだ。
不具者の弁護士の運転手を勤める主人公ローレンス(船員上がり)に持ち込まれた美味い話、
それは偽装殺人だった。
ストーリーからはハードボイルドタッチを予想していたのだが、
作者が女性のせいか作品中に美文調の詩が挿入されたりするハーレクイン風であり、
ちょっとミスマッチな感あり、邦題がオ-ソン・ウェルズ監督による映画化作品からの流用で
ミステリ読みとしての勘が普通にあればネタばれ気味、
映画公開時(47年製作だが、日本では77年公開)にあわせた翻訳であるならばともかく、
原題の「IF I DIE BEFORE I WAKE」を活かした邦題にすべきであった。
後半の法廷小説的展開が少し面白い程度であり、読む価値は少ない作と言い得る。
261:名無しのオプ
08/09/06 17:12:42 CmB1Us1u
正当な読後感批判もでてきたね。
荒らしはこの際去るべきではないか。
262:名無しのオプ
08/09/06 18:07:42 MSRf86QL
スレ立てすればいいのにw
263:ジョー・サージェント
08/09/06 18:53:20 iaoj00TT
魔神、ここでは弾けてるな!
ウィッカーマン、地雷臭い感じがしてたが今度借りてこようと思わせるレスだ。
264:名無しのオプ
08/09/07 00:14:13 UJ4ZaDiH
他では叩かれっぱなしw
265:ジョー・サージェント
08/09/07 01:13:33 9JscUX+G
黙れ小僧!悔しかったら俺を唸らせるレスをしてみろ!
266:名無しのオプ
08/09/07 04:58:31 /BFnAlQr
まあまあ、そう熱くなるなwwwwwwwwwwwwww
267:名無しのオプ
08/09/07 06:11:05 TIXa1u8z
|| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄||
|| ○荒らしは放置が一番キライ。荒らしは常に誰かの反応を待っています。
|| ○放置された荒らしは煽りや自作自演であなたのレスを誘います。
|| ノセられてレスしたらその時点であなたの負け。
|| ○反撃は荒らしの滋養にして栄養であり最も喜ぶことです。荒らしにエサを
|| 与えないで下さい。 ΛΛ
|| ○枯死するまで孤独に暴れさせておいて \ (゚ー゚*) キホン。
|| ゴミが溜まったら削除が一番です。 ⊂⊂ |
||___ ∧ ∧__∧ ∧__ ∧ ∧_ | ̄ ̄ ̄ ̄|
( ∧ ∧__ ( ∧ ∧__( ∧ ∧  ̄ ̄ ̄
~(_( ∧ ∧_ ( ∧ ∧_ ( ∧ ∧ は~い、先生。
~(_( ,,)~(_( ,,)~(_( ,,)
~(___ノ ~(___ノ ~(___ノ
268:書斎魔神 ◆AhysOwpt/w
08/09/07 11:57:34 sSWAr3IP
エセル・リナ・ホワイト「バルカン超特急」を読んだ。
この作者の邦訳は2作のみ、もうひとつの「らせん階段」の論考も記したことがあるが、
時代背景の古さは感じるものの、サスペンス・ミステリとして水準に達しており、
お約束に走らないキャラの人間臭い魅力を描くことに長けている
(この点では類型しか書かないアガサより上)のは、文学愛好家である私などにも
十分に惹き付けるものがあると言える。
「らせん階段」のヒロインは小柄で可愛らしい(器量は十人並み)が、ややこの点を意識した行動
が目立つ人物、本作のヒロインは裕福なイギリス美人だが、気まま、わがままな面があり、
冒頭ではリゾートホテル近辺の山で遭難(?)しかける間抜けなところもあるという実にビビッドで
面白いキャラなのである。
そんな彼女が保養地からの帰国のため乗車した列車で巻き込まれる怪事件とは・・・
他の登場キャラもマイペースな独身老姉妹、子煩悩で親切だがうざい感がある牧師夫妻
等々、脇に至るまでキャラが活写されているのがグッド、
ちょい役では、ヒロインを列車に乗車させるため体を張るポーター(惚れてるわけではなく金のためであり、ダイブして自分は下車)なども印象に残るところだ。
そして、本作の真の主役とも言えるミス・フロイ、ヒロインのアイリス以上の存在感で最後まで場を
さらう。
コンパクトに纏めた章を巧く繋ぎ、邦訳300頁程度にまとまっており、
トラベル・ミステリ好き、クローズド・サークル好き(謎解きミステリとしては弱いが)には
お薦めの作である。
269:書斎魔神 ◆AhysOwpt/w
08/09/07 11:58:23 sSWAr3IP
ポール・アルテ「七番目の仮説」を読んだ。
アルテ最新作。正直言うて、謎解きミステリとしては本邦初登場作「第四の扉」が最高にして最良、
後は無理が目立つ展開の作が多いという感がある。
本作もその例外ではなく、犯行トリックは無理有り過ぎ、クレイトン張りの単純なマジックねた
(ごみバケツのトリック)も、タネを明かされると萎えるものがあるし、
レギュラー名探偵ツイスト博士の心情を書いた21章「死者は語る」における
「まだ答えの出ない多くの疑問が残っているが、犯人を駆りたてた真の動機が、脳裏にくっきりと
浮かびあがっていた。博士は初めからこの事件に、何か忌まわしい病的なものを
感じ取り、最悪の事態も覚悟していた・・・しかし、今わかったのだ。事実はそれに輪をかけて
恐ろしいものだったと」、このくだりを読んで、犯行の細部は別として、
俺には真相(自動的に犯人も)が見えてしまった。
(この真相は「月明かりの闇」等で時代性ゆえジョンが書けなかったネタでもある)
ただし、深夜のロンドンにおける人間消失ネタというコテコテの不可能犯罪の発生、
傑作ミステリ映画「探偵 スルース」を想起させるような駆引き等々、
物語として読者を惹き付ける語りの巧さ、フランス人作家らしいムーディな作風の魅力は
いまだ捨て難いものはあることはある。
270:名無しのオプ
08/09/07 12:03:48 MdVL1uji
魔神、ここではスレ違いだな!
スレ立てろよ。
271:名無しのオプ
08/09/07 12:24:51 JrBOsX/h
>>270
海外スレを潰した張本人である読後感が謝罪とともに立てるべき。
272:名無しのオプ
08/09/07 12:39:00 BVvMXsoj
スレ違いを承知で書き込む書斎w
支持者を装う弱虫w
273:名無しのオプ
08/09/07 13:28:49 mXdVn9tW
>>270
いや書斎はこれらの本が国内作品だと思っているんだよ。
だって日本語で書かれているからw
274:名無しのオプ
08/09/07 18:55:52 u3hPgE4/
>>273
なんてグローバルな思考。
275:ジョー・サージェント
08/09/07 20:26:50 qk0nXjfO
魔神の守備範囲の広さに驚く。
まさに鬼才。
276:名無しのオプ
08/09/07 20:29:02 WPl2QNCX
英語には疎いけどなwwwwwwwwwwwwww
277:名無しのオプ
08/09/07 20:33:40 mXdVn9tW
それじゃまるで日本語には疎くないみたいじゃないかwwww
278:名無しのオプ
08/09/07 20:57:29 WPl2QNCX
>>277
すまん、肝心な点を忘れてたwwwwwwwwww
279:ジョー・サージェント
08/09/07 23:33:51 qk0nXjfO
アホらし。
280:名無しのオプ
08/09/08 20:24:05 ROl6n3Uu
「崖の館」 佐々木丸美
殺人方法がぶっ飛んでいて笑える
特に二年前の殺人(メ欄)
動機はあえて問わない優しさが俺にはあるw
281:書斎魔神 ◆AhysOwpt/w
08/09/08 20:56:45 4cDCGG7K
ジョーよ、
先に紹介したDVD「ウィッカーマン」だが、2回目を見てしまった。
「地雷」という君の表現が、まさにジャストフィットするような作だが、
文句無しで楽しめる怪作と言い得る。
あえて「地雷」を踏んで思いっ切りぶっ飛んでみるのも一興かと思う。
アマゾンやツタヤの通販で手頃な値段で入手可能だお。
282:ジョー・サージェント
08/09/09 12:41:32 g6XplY9t
ほほう短期間に二回も楽しんだのかこれは手頃な値段だし次購入してみるか。
失敗しても別に痛くないな。
地雷と言えばこのスレ的に全く関係ないがゴッドファーザー3を買って
涙した記憶が思い出される・・・。
283:名無しのオプ
08/09/09 13:28:00 4LgNxZE1
アホらし。
284:名無しのオプ
08/09/09 14:37:48 w+Qkmwjh
―┼‐ ノ / | --ヒ_/ / \ヽヽ ー―''7
`」 ┼, 二Z二 レ / /´レ' \ ―7 ̄} | ー-、 /
(__ (|フ) (__ノ _ノ ∨` ノ / / _ノ \_
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(二フヽ \/ _ノ (二フ\ ヽ_ノ / 、__
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285:ジョー・サージェント
08/09/09 19:58:22 g6XplY9t
ジム・キャリー主演 ケーブル・ガイもひどかった。
286:書斎魔神 ◆AhysOwpt/w
08/09/09 20:53:44 SvATBytQ
ジョーよ、
君が買ったのはDVD「ゴッドファーザーPart3」?
二匹目どころか三匹目の泥鰌だし、
(しかも「2」からの時間経過も長い)期待していなかったのだが、
予想外の迫力溢れるドラマに魅せられた。
ところで、ジョーよ、
君が涙したのはドラマの出来に失望したから(こんなものに銭をはたいてしまった)、
あるいは、コルレオーネ家の新たな悲劇に対してか?
287:ジョー・サージョント
08/09/09 21:35:53 f8a25HKt
ミス住の守備範囲の広さに驚く。
まさに鬼才。
288:ジョー・サージェント
08/09/09 23:15:24 g6XplY9t
そこは魔神とは意見の分かれるところであるが俺はゴッドファーザーの
続編としては正直ガッカリしたんだ。それ程前二作が神だった・・・。
ドラマの出来やコルレオーネ家の新たな悲劇に涙したのでもない。
押し寄せる時代の波にどうする事もできない糖尿持ちのパチーノの役柄に
ガッカリしたんだ。
哀愁と言われれば哀愁とも言えるだろうが・・・。
がしかしあくまでゴッドファーザーのブランドがあるからガッカリしたんで
あって単体として割り切れば重厚なドラマと言える(残念ながら俺は認められないが)。
289:ジョー・サージェント
08/09/09 23:34:20 g6XplY9t
最近観たサスペンスでは大いなる陰謀が意外に良かった(レビューでは散々だが)。
グッドシェパード、クローバーフィールド、ノーカントリーはイマイチ。
最近のアカデミーってタイタニック以降辺りからつまらんのばっかだよな・・・。
ブロークバックマウンテンが落とされたりディパーテッドが獲ったり意味わからん(これはこれで好きだけど)。
290:ジョー・サージェント
08/09/09 23:35:50 g6XplY9t
スレチだったな。ちとヒートしすぎた。
291:名無しのオプ
08/09/10 10:07:10 JZ92csdt
いやいいんだよ。どうせ過疎スレ、ギチギチにルールに縛られねばならない理由はどこにもない。
スレの活性化の方がよほど大事だよ。
292:名無しのオプ
08/09/10 12:23:25 r68PdS5I
匿名希望の書斎w
293:ジョー・サージェント
08/09/10 13:21:26 VB9DF5r2
>>291
言われてみれば確かに・・・スレの活性化が第一ですな。
294:名無しのオプ
08/09/10 13:41:35 r68PdS5I
言われないとわからないバカwwwwwwwwww
295:名無しのオプ
08/09/10 14:15:03 iwSvKzHr
コテハン占有・馴れ合いスレか
もうちょい泳がせてからバッサリだな
296:名無しのオプ
08/09/10 15:49:58 yQHAB7CW
ジョーさんよ、その調子その調子。
おそらく最悪板から来ただろう荒らしの妨害工作がひどいだろうが、盛り上げていこう。
297:ジョー・サージェント
08/09/10 17:15:57 VB9DF5r2
うむ、下劣な荒らしに負けるわけにはいかないな。
298:名無しのオプ
08/09/10 22:36:45 Hoj/N1ab
もうこのスレも次スレいらないな。
299:名無しのオプ
08/09/10 22:51:02 4/rQrFlW
>>289
そう?
今年のアカデミー本命バトルだった
『ノーカントリー』対『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』
は久々のゴールデンカードだと思ったけど。
実際、海外では両作品ともそれぞれの監督の最高傑作として
評価が尋常でなく高いし。
300:ジョー・サージェント
08/09/10 23:19:49 VB9DF5r2
>>299
まあそこは欧米との感性の違いかな。
そりゃ評価が高いのは重々承知してる。
ゼア・ウィル・ビー・ブラッドは観てないからなんとも
言えないがコーエンはやっぱファーゴが最高傑作じゃないか?
ノーカントリーは自分が期待しすぎてた感はあるが・・・。
301:名無しのオプ
08/09/11 02:28:55 AvzNjRdp
>>300
日本だとコーエン最高傑作がファーゴ派とノーカントリー派に割れるよな。
海外だとノーカントリーが一貫して批評家・一般人の両方から評価高いよな。
302:名無しのオプ
08/09/11 05:54:25 D/rBpuzG
ワザとらしい自演が続いてるなw
303:ジョー・サージェント
08/09/11 13:53:14 iq7iIoul
>>301
何故だろう二度観るとまた違う良さが見えてくる感じかも。
まあ殺し屋のキャラがたってたのはわかるけどなぁ う~ん。
304:ジョー・サージョント
08/09/11 14:04:32 fnjf2Rk9
それで?
305:書斎魔神 ◆AhysOwpt/w
08/09/13 17:03:02 gh8EyMPJ
レーモン・クノー「地下鉄のザジ」を読んだ。
「文体練習」で著名なレーモンの最も有名な創作と言い得る。
邦訳とはいえ、本作にも十八番な文体実験を数々見て取ることが出来る。
パリの叔父の家に預けられた少々柄は悪いが元気少女ザジの2日間の冒険談
(あるいは非常に凝縮されたビルドゥンクス・ロマンか)とも読めるが、
夜警でありながらなぜかダンサーの叔父ガブリエル、
その妻で男装ならぬ女装の麗人(?)マルスリーヌ、
嫁募集に賭けるタクシー運転手シャルル、
そしてザジにくっついて登場する謎の男等々、
とにかくキャラ全員が、けつ喰らえな面白さだ(w
ところで地下鉄は??
306:ジョー・サージョント
08/09/13 17:27:11 zp06VPfW
それで?
307:名無しのオプ
08/09/13 20:06:02 2B2mr9o5
>>304>>306
騙りはやめろや。
308:名無しのオプ
08/09/13 20:34:57 ii6fJ0ZZ
弱虫の書斎くん
309:ジョー・サージェント
08/09/13 20:55:11 ouy3mtrr
俺ほどのカリスマがあればニセモノが出てくるのも自然の摂理であろう。
310:名無しのオプ
08/09/13 21:03:10 hMbcmHnI
バカは真似しやすいんだよwwwwwwww
311:ジョー・サージェント
08/09/14 19:14:18 7/ZYRQMF
いや違うよ 絶対カリスマのせい。
俺にはわかる。
312: ◆XjFtIkbasQ
08/09/16 23:41:27 8ooh8IfT
梶龍雄『幻狼殺人事件』(1984→1987、徳間文庫)【6.5点】
群馬の黒檜村で発見されたニホンオオカミの死体。
平家の隠里。未調査の鍾乳洞。戦中に起きた猟奇殺人事件。
密室状態の村から持ち出された村の寺宝。
とりあえず、出てくる小道具にはワクワク。伝奇+本格+意外性を狙ったと思うが、
近年の大長篇の本格物を読みなれているので、どの要素もいまひとつ物足りない。
とくに伝奇要素は、荒唐無稽でいいからもうちょっと大風呂敷広げて欲しかった。
313: ◆XjFtIkbasQ
08/09/16 23:49:42 8ooh8IfT
黒川博行『切断』(1989→1994、新潮文庫)【7点】
入院中に惨殺された男の遺体の耳は切断され、口には別の男の指が差し込まれていた。
そして次の犠牲者の遺体には耳が押し込まれ、代わりに舌が切断されていた・・・
メイントリックは解かり易い。書かれた時代もあってか、サイコな犯人像もやや定型。
だが、短い分量ながら読み応えはある。もうちょっと刑事の個性を際立たせてもよかったかも。
314: ◆XjFtIkbasQ
08/09/20 00:34:36 Sl2uSve7
皆川博子『相馬野馬追い殺人事件』(1984→1990)【6点】
相馬で行われたイベントの最中に発見されたスナック店主の死体。
現場で起こった投石事件で落馬し負傷した喬雄は、犯人探しに奔走するが、
偶然居合わせた戦中の「模擬内閣」の老人たちが次々と不審な死を遂げ・・・
いかにもご当地モノ的なタイトルだが、戦時中の事件を絡ませた物語は
なかなかに読ませる。ただ、ある重要な事件の真相が拍子抜けなのと、
人物関係にご都合主義的なところがあるのが残念。
過去の因縁話や、被害者の身元を手繰っていく過程がおもしろかったので、
もう少しそこを膨らませてもよかったかなあ。
315:書斎魔神 ◆AhysOwpt/w
08/09/20 11:03:27 fQ8XQAH5
笹本稜平「越境捜査」を読んだ。
昨夏、ちょっと評判になった国産警察小説(俺が好きなモジュラー・タイプではない)では
あるが、オフ落ちまで手に取らないで正解だったという感がある。
漫画、アニメ、Vシネとか好きな連中のウケを狙ったかのようなキャラ立ち過ぎるメーンキャラたち、
物語のポイントとなる部分で連続する極端な偶然性の連続には、読んでいて萎えることおびただしいものがあるし、終盤のラスボスの登場などそのまま「漫画」である。
なんで御大みずから出て来る必然性があるのかと・・・
警察組織の裏金問題という着眼点は面白く、リアルで面白い作品に仕上げることが期待出来る
ネタであるにもかかわらず、大衆小説にカタルシスのみを求めるアホな読者に迎合した結果が
コレである。かなわぬ思いではあるが、本邦悪徳警官ものの傑作「夜の終わり」等数々の警察小説
(ちゅーか、刑事小説)をモノにした結城昌治氏が存命であればという感を強く持った。
316:名無しのオプ
08/09/20 11:48:25 JY+77xKG
相変わらず酷い文章だな。
下書きにもなってないw
317:名無しのオプ
08/09/20 21:30:29 BF1CjPEL
>>316
教養が欠落しているからそんな見当外れが言えるんだろうな。
318:名無しのオプ
08/09/20 21:40:19 B9YUKpsB
>>317
そうだよな。書斎にほんの少しでも教養というものがあったら
あんな見当外れの下書き未満なんか投稿する気にはならんよな。
319:名無しのオプ
08/09/21 01:45:28 tjk+mtR9
|| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄||
|| ○荒らしは放置が一番キライ。荒らしは常に誰かの反応を待っています。
|| ○放置された荒らしは煽りや自作自演であなたのレスを誘います。
|| ノセられてレスしたらその時点であなたの負け。
|| ○反撃は荒らしの滋養にして栄養であり最も喜ぶことです。荒らしにエサを
|| 与えないで下さい。 ΛΛ
|| ○枯死するまで孤独に暴れさせておいて \ (゚ー゚*) キホン。
|| ゴミが溜まったら削除が一番です。 ⊂⊂ |
||___ ∧ ∧__∧ ∧__ ∧ ∧_ | ̄ ̄ ̄ ̄|
( ∧ ∧__ ( ∧ ∧__( ∧ ∧  ̄ ̄ ̄
~(_( ∧ ∧_ ( ∧ ∧_ ( ∧ ∧ は~い、先生。
~(_( ,,)~(_( ,,)~(_( ,,)
~(___ノ ~(___ノ ~(___ノ
320:名無しのオプ
08/09/21 11:28:57 p5ub7AGB
>>315
先日ドラマ版をTVで見たので参考になった。
321:名無しのオプ
08/09/21 12:38:27 eXsWPD7U
なんだドラマを見て感想をデッチ上げたのかw
322:名無しのオプ
08/09/21 19:21:35 osaDsfjb
なんでそういうコテハンを貶める発言をするかなあ。
323:名無しのオプ
08/09/21 20:25:55 ID8XyfHj
なんで匿名で書き込むかなあw
堂々と名乗れよ。
324:名無しのオプ
08/09/21 21:00:36 QR230Vzk
森博嗣『今はもうない』(講談社文庫)
森作品は『すべてがFになる』しか読んでなかった。
読後いろいろ調べていたら、
御手洗シリーズしか読まずに『竜臥亭事件』を読んでしまったような損をしたらしい。
でもメインの仕掛けは途中で気がついたので、それほどの損でもないと思う。
むしろすべFの作者がこういう文章を書けるんだ、ということの方に驚き。
ここまで女のセリフを、自然にさらっと書けるのに感服した。
個人的に、西之園嬢は加藤あいのイメージなんだがどうだろう。
325:ジョー・サージェント
08/09/22 01:57:59 fwyd1E3H
宮沢賢治いいよな~。
天才だよ彼は。
涙なくして読めない作品の多いこと多いこと。
貴様等鬼畜にはこの感覚はわかるまい・・・。
そんなお前達に同情を禁じ得ない。
326:ジョー・サージェント
08/09/22 01:59:26 fwyd1E3H
村上春樹の最高傑作はハードボイルド。
異論は認めない。ノルウェーは凡作。
327:名無しのオプ
08/09/22 08:10:12 sjrQNGOh
>>324
もったいないことをしたなあ。
328: ◆XjFtIkbasQ
08/09/22 15:42:19 2mH4QaS1
誉田哲也『アクセス』(2004→2007、新潮文庫)【7点】
次の登録者を紹介すると、携帯もネットも無料になるという「2mb.net」。
そのサイトを教えてくれた親友が自殺を遂げたことにショックを受ける可奈子だが、
やがて携帯に「お前が殺した」という謎の声が聞こえ始め・・・
第四回ホラー・サスペンス大賞「特別賞」受賞作。
よくある携帯系ホラーめいた導入から、物語はどんどんキテレツになっていく。
これを「先読みできない」とするか「荒唐無稽」とするかは読者によるかも。
文章がたまにマンガチックな点は気になったが、個人的には楽しく読めました。
例の「世界」での修行やバトルがあっさりしていたのはページ数の関係かもしれないが、
選考委員も褒めてたように、ラストの物語的「着地」は上手く決まった感じ。
329:名無しのオプ
08/09/22 21:44:54 T5VAVn69
荒らしの読後感が消えたと思ったら、今度は変なトリップ付き名無しが居ついた。
つくづく恵まれないスレだなあ。
330:名無しのオプ
08/09/22 21:53:12 T/nFPL2X
同意。
あと、書斎の落書きもな。
331:名無しのオプ
08/09/23 09:12:16 hUHw26fT
書斎の論評は評価できると思うが。
332:名無しのオプ
08/09/23 09:25:49 142/Qt4V
朝から自演。
333:名無しのオプ
08/09/23 12:13:37 kUNaKjeU
確かに書斎の論評まがいは評価できるね。
こんな低レベルな文章を書くべきではないという悪い見本としてね。
334:ジョー・サージェント
08/09/23 22:25:00 Smsbw/vd
黙れ小僧!悔しかったら魔神ほどの知識を得ろ!
335:名無しのオプ
08/09/23 22:30:49 kUNaKjeU
読んだと称する本の主人公の性別を間違える程度の知識なぞ無意味w
336:ジョー・サージェント
08/09/25 01:40:39 vyEAsuko
黙れ黙れ!俺が黙れと言ったらただひたすら黙れ!
337:名無しのオプ
08/09/25 17:47:00 Kzl6WqWr
>>329
感想書くスレにずっと粘着して、感想書いてるだけの人を叩くお前は意味不明。
正直書斎よりウザイ。自演じゃないとすれば。
338:ジョー・サージェント
08/09/25 21:01:14 os95Kj1l
みんな何故仲良くできないんだい!?
先生悲しい・・・相手の立場にたってモノを考えるんだ!
簡単な事じゃないか!みんなブラザーだよ!
339:名無しのオプ
08/09/25 22:43:55 gKbdiz/3
「葉桜の季節に君を想うということ」
うーむ・・・・
良くできましたパチパチって感じだな。
素晴らしくはない。
340:名無しのオプ
08/09/27 14:41:09 fgG+66iE
女ともだち・孤虫症(真梨幸子)よみました
途中まではスラスラ読めたけど、ラストまでに盛り上がりなしで読後、何も残らなかった
「メタボラ」・・・・登場人物やエピソードがありそう、こんな人いそう!って感じで面白く読めた
「ダーク」・・・読まなきゃよかったと思った。OUTから主人公の中年のおばさんがどれも同じ人間に見える
「柔らかな頬」・・・ミステリーは、金払って読んでくれた読者に敬意を表す意味もこめて、謎解きは必ず示すべき これはルール違反もいいとこ
(以上、桐野夏生)
341:読後感 ◆VkkhTVc0Ug
08/09/30 17:09:19 XC1YfhlM
「運命交響曲殺人事件」由良三郎(文藝春秋)
高明な指揮者を招いてのアマチュアコンサートの最中に突如指揮台が
爆発し、指揮者他数名が死傷するという事件が発生。現場に居合わせた
地元県警の白河警視は部下達と共に真相究明に尽力するのだが……。
綾辻の良き理解者として知られる医者上がりの遅咲き作家のデビュー作。
まあ、イマイチですわ。単純なアリバイ崩しじゃなくて、爆破のトリック
とか持ち運びのトリックとか動機とかフーダニットとかにポイントを
置いていることは良いとしても、爆破トリックはユニークではあるが
面白味に欠け、持ち運びトリックはユニークでも意外でもない。
動機も引っ張った割に捻りが無いし、犯人も描写のせいで驚きが薄い。
総じて地味であり、これが大賞を獲ったというのは首を傾げる。
342:読後感 ◆VkkhTVc0Ug
08/09/30 17:12:38 XC1YfhlM
「綾辻行人と有栖川有栖のミステリ・ジョッキー 1」(講談社)
DJならぬMJと称し、曲ならぬ短編を挿入しそれを交えて
ミステリ観を語るというアイディアは大変面白かった。
収録された短編の中では「開いた窓」「残されていた文字」の
ショートショート2編の切れ味と、「ヨギ ガンジーの予言」の
トリック、「ガラスの丸天井付き時計の冒険」のロジックに
感心した。南條範夫の意外な作品も読めたのも良かった。
MJの対談はちょっと取り止めが無さすぎる気もするが、続編も楽しみ。
343:読後感 ◆VkkhTVc0Ug
08/10/01 17:22:39 2x5upQ2L
「しらみつぶしの時計」法月綸太郎(祥伝社)
ノンシリーズ短編集。単行本でのりりん読むのは生首以来なり。
玉石混淆と言ったところか。この人の良いところは
からくりが理解しやすいところだね。一見複雑に見えても
解決が提示されれば成程と腑に落ちるもん。「ダブル・プレイ」や
「盗まれた手紙」はその好例。パスティーシュの「幽霊をやとった女」も
良い。あからさまなのはどうかとも思うけど。表題作の論理に
こだわったプロットも好きなんだけど、ラストが惜しい。
後奇妙な味は向いてないと思う。
344: ◆XjFtIkbasQ
08/10/02 03:36:20 cHqjY38s
岩井志麻子『ぼっけえ、きょうてえ』(1999→2002、角川ホラー文庫)【7点】
第6回日本ホラー大賞の表題作以下、「密告函」「あまぞわい」「依って件の如し」
合計4篇を収録する短篇集。
初シマコ。意外とあっさりした描写にやや拍子抜け。
どれも特異な道具立てを用いるわけではないけれど、そこそこ楽しめた。
村内に流行るコレラを扱った「密告函」がいちばんおもしろい。
345:名無しのオプ
08/10/02 18:20:11 EH1c9wa+
ニュース
346:名無しのオプ
08/10/02 19:57:53 CxqgDtKn
>>342-344
いい加減にしろ。海外スレを潰した張本人がよくもいけしゃあしゃあと。
スレ住人にとっては荒らしそのものなんだよクソが。
347:名無しのオプ
08/10/02 20:07:13 L/Sa51tb
島田荘司『最後の一球』
うまい漫画家が鉛筆orミリペンで描いた漫画。その小説版という感じがする。
従来の御手洗シリーズに見られたような、挑戦的な姿勢はかけらも見えない。
ミステリとしては微妙なレベル。
しかしこの一見無駄が多い感じに、作者の積み重ねてきた芸が見えて感慨深い。
一人称で犯人に独白させたら相変わらず上手いねこの人は。
348:名無しのオプ
08/10/03 00:42:09 WLQM2fil
>>346
お前こそいい加減にしろ。
感想スレに感想書くのは当たり前だろ。
国内スレで魔神が延々海外ものの感想書いてた時も雑談してた時も
しれっとスルーしてたして、感想書いてるだけの読後感だの
トリップの人だのには意味不明に噛みついてくるお前こそが
最低の荒らしだ。
349:名無しのオプ
08/10/03 00:56:09 E1JbAZvg
>>348
気持ちは分かるが、スレではスルーして、削除依頼を出すべき。
350:名無しのオプ
08/10/03 01:03:32 WLQM2fil
了解
351:名無しのオプ
08/10/03 02:03:20 6RItiJa/
書斎魔神の書き込みの間違いを指摘したレスに対してまでも
「コテハン叩きだ」「ルール違反だ」と噛み付いてくる奴が
いるが、同じIDが他のスレではコテハンを叩きまくっている
という事実w
失礼ながら読後感氏は平凡な感想しか書いていないし、特に
称賛されているコテという訳ではないと思うが、その人物に
とっては「嫌われていないコテ」というだけで、死ぬほどの
憎しみの対象なのであろう。
自分がなりたくて堪らないのに、絶対になれない存在だから。
352:名無しのオプ
08/10/03 21:57:01 8JJNZEoa
黙れ・・・
353:名無しのオプ
08/10/04 00:13:17 vvoUe9Ge
>>351
スルーしろアホ
354:名無しのオプ
08/10/04 05:17:58 gyxLWFEc
おそらく書斎魔神は、最初に書き込んだときには
「ミステリに詳しいオレ様が書き込めば、みんな驚いてひれ伏すに違いない」
「何でも読んでると書いておけば、2ちゃんねらーどもは恐れいるだろう」
ぐらいの気持ちで、ここ(2ちゃん)なら認められる、一目置かれる、
チヤホヤされると期待していたんだろうな。
井の中の蛙なんとやらで、書斎魔神程度の読書量ではお話にならないことが
まったく分っていなかった。総スカンを食って初めて気付いたが後の祭り。
「さすが書斎さん」だの、「書斎の論考でスレが引き締まったね」だの、
「トップコテハンだけのことはある」といった名無しでの自己讃美レスは
「こういう反応をしてもらえると思った」のにしてもらえなかったから
仕方なく自分で書いているわけだ。
書斎のレスを見てそんな反応をする人がいる訳がないから、自作自演で
あることはバレバレだけど、なりふりかまってはいられないんだなw
355:書斎魔神 ◆AhysOwpt/w
08/10/04 14:52:34 gluaOjs8
秦郁彦「現代史の虚実」を読んだ。
これもまた、日夜、密室や意外な犯人ネタに読み耽っているアホなミスオタ連中に突き付けて
読ませたい1冊である。
1次資料を重んじる実証主義の歴史家が沖縄集団自決(大江裁判)、南京大虐殺、
従軍慰安婦問題、靖国参拝等、近年の現代史トピックに関して自在に斬りまくる。
資料無し(例えば、日本軍の慰安婦強制連行の史実を証するものは存しない)に流布される
俗説を資料をもとに論理的に否定してゆく展開は、良く出来た本格ミステリに通じる興趣に溢れた
ものがある。
島民が生活の糧となる援護年金を得られるように生き残った軍人の協力を得て自決命令が
あったかのように装ったという「沖縄集団自決」問題の真相には、浅はかなミステリには
ない謎解きの「重さ」を感じさせるものがある。
また、元宮内庁長官のメモ(富田メモ)に描かれた巷間に伝わる昭和天皇のイメージとは異なる
アクティブな姿勢には、あらためて驚かされるものがある。
小ネタでは「暗号解読と陰謀史観の盲点」の章にある「情報マンとしての杉原千畝」で触れられて
いる関東軍樋口季一郎少将をリーダーとするユダヤ人保護の全貌が、いまだに不明というのは
意外そのものであった。(手塚治虫「アドルフに告ぐ」もこのエピに触れられている)
5部構成の本書だが、第4部は産経新聞のコラム(「正論」)を纏めたもの、第5部は軽いエッセイ風
の読み物を集めたものであり、非常に読み易いので、難しい話が苦手なミスオタ諸兄はこの辺から
読んでみれ。
今時のインテリにしては凄まじい愛煙家であったり(第5部で禁煙問題だけで3本のエッセイが
収録されている)、朝ドラ「純情きらり」の時代考証にケチをつけてみたり、
「義経の周囲」という書を推した部分で、
「NHK大河ドラマで、石原さとみが舞った静御前のあで姿も忘れられない」と書いてみたり、
この著者はなかなか面白い爺ではなかろうか?
しかし、本書で取り上げられたネタは、昨年、一昨年のトピックとも言い得るものにもかかわらず、
米のサブプライム問題に端を発した米大手金融機関の破綻等による経済問題のクローズアップ
により、既に随分と昔の話に感じられるのは時代が持つ「早さ」ゆえであろうか。
356:書斎魔神 ◆AhysOwpt/w
08/10/04 14:53:21 gluaOjs8
原宏一「床下仙人」を読んだ。
90年代後半に書かれた作品を纏めたものであり、現時点で見れば一時代前の作品集なのだが、
ハッピーエンディングで統一された読後感が良さ(この点が私のような文学愛好家には
物足りない面でもあるのだが)は、今でも楽しめるものがあり、文庫化もされ版を重ねているのは
それなりに納得がゆくものがある。
それでは大好評な全話講評いってみよう!!
「床下仙人」
マイホームの床下に誰か住んでる・・・屋根裏の散歩者ならぬ床下の居住者ネタである。
タイトルにある床下の仙人の正体、そして多忙な商社マンである主人公の顛末は
トンデモちゅーか、ファンタジック。
「てんぷら社員」
てんぷら学生というワードを知っているのは50年代生まれの筆者ならでは。
ハイテク社会を背景にした収録作品中ミステリ色が最も色濃い作、
ありそうで無さそうな奇談の魅力が光る。
「戦争管理組合」
筒井堂がこのネタで書いていればもっとシニカルなオチになっていたのではないかと思わせる作。
管理組合規約に関する知識が妙に正確だったり、作者はマンション居住者か。
「派遣社長」
派遣社員の急増する現時点でも、十分にエスプリが効いた作。
超近未来SFタッチとでも称すべきテーストが魅力。
「シューシャインギャング」
これは身近なメルヘン的作。
今ではリストラ50男と家出JK(高1)のSEX抜きの疑似家族コンビという設定が嘘臭く成り過ぎて
しまうであろう。
357:名無しのオプ
08/10/04 15:13:22 HZmCaMr2
相変わらず酷い文章だな。
下書きにもなってないw
358:名無しのオプ
08/10/04 15:39:49 FjHyjYjz
資料 歴史家
読んでないこと確定
359:名無しのオプ
08/10/04 17:08:10 QpBh9SZf
ここは書評書評スレかw
360:名無しのオプ
08/10/04 20:02:16 rOhe6gyo
読後感やトリップ付き名無しを批判するとものすごい勢いで反論が返ってくるが(w、
>>357>>358には何も言わないのな(w
361:名無しのオプ
08/10/04 20:18:26 n7hzpZqD
嫌われてるってのは悲しいな、書斎クン。
362:名無しのオプ
08/10/04 20:33:54 WusqnSa2
>>360
どこかのアホ馬は名無しで自画自賛しているけれど
我々にとっちゃわざわざ同意と一言だけのレスをつけることになんか意味ないからね。
363:名無しのオプ
08/10/04 20:58:47 RQmWOxAw
>>360
>読後感やトリップ付き名無しを批判すると
>>346 はオマエか。
自白乙。
364:名無しのオプ
08/10/05 01:11:02 ozT9n3zN
|| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄||
|| ○荒らしは放置が一番キライ。荒らしは常に誰かの反応を待っています。
|| ○放置された荒らしは煽りや自作自演であなたのレスを誘います。
|| ノセられてレスしたらその時点であなたの負け。
|| ○反撃は荒らしの滋養にして栄養であり最も喜ぶことです。荒らしにエサを
|| 与えないで下さい。 ΛΛ
|| ○枯死するまで孤独に暴れさせておいて \ (゚ー゚*) キホン。
|| ゴミが溜まったら削除が一番です。 ⊂⊂ |
||___ ∧ ∧__∧ ∧__ ∧ ∧_ | ̄ ̄ ̄ ̄|
( ∧ ∧__ ( ∧ ∧__( ∧ ∧  ̄ ̄ ̄
~(_( ∧ ∧_ ( ∧ ∧_ ( ∧ ∧ は~い、先生。
~(_( ,,)~(_( ,,)~(_( ,,)
~(___ノ ~(___ノ ~(___ノ
365:sage
08/10/05 02:43:53 GrFQDkj6
永瀬隼介「無人地帯」読んだ方おりませんか
366:名無しのオプ
08/10/05 10:35:41 UN9aNyNc
夏樹静子
天使が消えていく
三度目久しぶりに読み返した
ときどき無性に読みたくなる本
367:名無しのオプ
08/10/05 12:50:07 AmLpdw5k
>>360
だって事実だもん
368:名無しのオプ
08/10/05 17:54:21 fooYU8uR
>>365
今、手元にある。
8日から読む予定。
ちなみに今日は、大倉崇裕「生還」読んでる。
369: ◆XjFtIkbasQ
08/10/06 01:19:35 3o7rlglq
井上ひさし『十二人の手紙』(1978→1980、中公文庫)【7点】
書簡形式でつづった12人の物語+1。
ミステリー仕立ての物語もあるが、たいていは皮肉なオチでおわる。
短篇集自体の仕掛けについては某スレで言われていたので期待したけど、
ちょっと思っていたのとは違ったかな。
個々の物語はそれぞれ工夫があって楽しめた。
370: ◆XjFtIkbasQ
08/10/11 12:47:47 AMAkZNeW
小杉健治『原島弁護士の愛と悲しみ』(1986→1989、文春文庫)【6点】
表題作ほか「紅い記憶」「冬の死」「愛の軌跡」「牧原博士、最後の鑑定書」収録。
世評高い短篇集だけど、調書を多用した説明文の羅列にちょっと困った。
小説として面白くないし、個々の短篇のツイスト自体もひとひねり足りない。
この作者の小説はいくつか読んだけど、やはり長篇向きなのかな。
371:書斎魔神 ◆AhysOwpt/w
08/10/11 22:04:43 qWLOv/Yd
ローラン・トポール「幻の下宿人」を読んだ。
嘗ては、早川書房ブラックユーモア選集に収録されていた異色作。
この選集、読書人の間では論議が多いものであったが、
果たして現代において本作を「ブラックユーモア」と言うか否かは疑問な点もある。
(この事は同選集に収録された他作にも該当することであるが)
この点はともかくとして、サイコ・ミステリあるいはサイコ・ホラーとして読み、
(ラストをいかに読み解くかにより、この辺は変わって来るやに思う)
あるいは三人称で書かれた狂人の物語として見るとそれなりに面白いものはある。
何しろ主人公(トレルコフスキー)は、部屋探しだけのために会社に3日も年休を申請するDQN、
(どんな国、どんな時代でもNGな香具師かと思う)
文字どおり、おかしな奴がおかしな世界へじょじょに突入してゆく様が淡々と綴られてゆくのが、
恐く、この点で、より主人公の内面にアプローチ可能な一人称という形式をとらず、
あえて三人称という客観的視点を用いたことが成功しているやに思えるのだ。
そう、トレルコフスキーは、正にネット社会無き60年代の2ちゃんねらー(DQN&キティ)なの
やもしれぬ。
372:名無しのオプ
08/10/11 22:44:37 8HfmjZPF
ローラン・トポール「幻の下宿人」が国内作品とは知らなかったな。
いったい何を読んでいるんだかw
373:名無しのオプ
08/10/11 23:02:23 g5DvVurg
海外スレが読後感という荒らしコテによって潰されたからしょうがないんだよ。
374:名無しのオプ
08/10/11 23:06:32 8HfmjZPF
海外スレは既に立っているし、コテハン叩きは禁止なんだろ?
頭の悪いこと言ってないで謝罪のひとつもしたらどうだ?
375:読後感 ◆VkkhTVc0Ug
08/10/12 12:14:58 Ca78Zf4q
「瞬間移動死体」西澤保彦(講談社)
生来の怠け者である中島は、売れっ子作家の妻に養って貰う生活に
満足していた。妻が禁断の言葉を口にするその時までは。全てを
投げ売って妻を殺す決意を固めた中島には、
完璧なアリバイの元に殺人を遂行する自信があった。何故なら―。
初西澤。瞬間移動という禁じ手を用いて書かれたSFミステリ。
以前「生ける屍の死」を読んだ時は今一ピンと来なかったが、これは
素直に楽しめた。あくまでも部分的な要素だからだろうかね。
移動出来るのは本人のみ、しかも裸で、代わりに目的地から出発地に
何かが運ばれてくるという独自の設定を使ってよく盲点を衝いている。
でも実は本作を読むに至った理由はミステリーとは別にあって、
それに関しちゃ不満が残った。
1、奥さんの描写がイマイチ
2、行為の描写が無い
3、過程が飛ばされている
他にもこういう要素があるのかな?
376:書斎魔神 ◆AhysOwpt/w
08/10/12 16:37:25 4l5PB7ll
講談社文芸文庫の梅崎春生「ボロ家の春秋」を読んだ。
50歳での早逝が惜しまれる才あった私小説作家であるが、
アンソロジイに収録されるミステリの著作もあり、純文学の作品集である本作にもその傾向は
覗われる。
大好評な全話講評逝ってみよう!!
「蜆」
(鳴く)蜆ネタでもっとホラー風に書ける話なのが惜しいと思うてしまうのは、
エンタメに毒された身ゆえだろうか・・・
「庭の眺め」
これはミステリ色が無い短めで典型的な私小説風作品。
隣家の古畑夫妻(大八郎&ネギ 注 任三郎ではない(w )の言い知れぬ存在感に
見られる人物描写の巧さ、
「・・まるで庭中が馬になったような感じ」等、この作者特有の表現力の面白さがコンパクトに表出
された佳作かと思う。
「黄色い日々」
これもサイコホラー風に書ける話とか思うてしまう。
「Sの背中」
これはフランス・サスペンス・ミステリ風に書ける作かも。
Sの背中の秘密は遂に明らかにされぬまま終わるのだが・・・
「ボロ家の春秋」
直木賞受賞作品にして作者の短編代表作。
通常は私小説風の評価しかされないが、借地・借家関係、不動産売買に関連する詐欺等の
法律ネタが絡むメーンストーリーであり、リーガル・サスペンスとしての観点から読み解くのも
面白いやもしれぬ。
「記憶」
人間の記憶をネタにしたサイコミステリ風とも読める一編。
タクシー運転手とのいざこざのエピをはじめ妙なスリルがある作である。
「凡人凡語」
妙な狂人も登場するし、クライムがあってもおかしくないワールドを描きながらも、
世間から隔絶した飄々とした主人公のキャラが「それを許さない」感があるのが、
いかにもこの作者らしいものがある。
377:名無しのオプ
08/10/12 18:17:35 IYyiOyI+
アホの下書き
378:名無しのオプ
08/10/12 18:26:00 RZN+RLU+
誰でも興味を持って、すぐ手に取るような本ではいろいろとマズいのだろう。
379:名無しのオプ
08/10/12 19:33:40 TwOa4kea
長いな
パッポンしようと思ったが
パーッと読む気もしない
380:名無しのオプ
08/10/13 02:55:13 W05Rq9+e
広い読書。
さすがは魔神さんだ。
381:名無しのオプ
08/10/13 08:49:56 CPHKSWIQ
ジョーカーゲーム 柳広司
あまり期待してなかったけど、面白くて一気に読んだ
結城魔王カッコよすぎ
382:名無しのオプ
08/10/13 08:51:43 odHvWMdH
>>377>>378
読後感だね。
激しく同意。