09/08/18 00:26:07 jLCmd62A
『有限と微笑のパン』を読み終わりました。逆さから読むのが好きですねこの作家。細かい
箇所だけど「万華鏡のように綺麗なランダム」ってのはちょっと。。四季の言葉なら「ランダム」
ってのはなかなか作りえない物なのだし比喩としてももっと丁重に使うべきと言うかと。
「私は死んだ」とブラフをかける四季もなんだか最終段階に変身したフリーザのようにちょっと
強さをもてあましている感じ。もちろん面白かったのだけど、もうちょっと萌絵の成長ストーリー
最終章なのかと思ってたらちょっと肩透かしな感じでした。予定調和で終わらせないのは作者
の意図するところなのだろうけど。。
東野は『容疑者X...』でも良いけど、天才の学問の対象ではなくて、いくら天才だって逆らえない
世の流れの中での苦悩を描くけど、森は天才が悩む対象に主題があって、結局「存在」とは、
「無」とはみたいな哲学ちっくな対象が中心にあるような。。もちろん物語としての面白さはあるの
だけど、単純にそれが主題とするならば薄い感じは否めないですね。極上の暇つぶしであるな
らばエンターテイメント性は高いと思うのだけど。。
森の作品って他は違うんですかね。お奨めなどあれば是非。