08/03/06 21:32:02 M84RnAKr
石岡は話を盛り上げるワトスン役だからアレで良しとしても、
確かに、本格的に西郷札談に入ってからは、後の終始淡々とした語りに徹する清張タッチよりは
ハイテンションという気はする。やはりデビュー作ゆえの気負いだろうか。
芥川賞受賞作「或る『小倉日記』伝」では、渋い清張タッチで貫かれており、
この辺、芸風が完成しているというか、文学賞の受賞作品と候補作品にとどまった作品の差
という気もする。
そして、作家としてのキャリアを積んで後にこの題材を書いたとしたら、
>生い立ちや従軍の経緯をもっとサラッと簡潔にして、単なる車夫と人妻の不倫密会に設定
だったのではないかと思う。
大河ドラマ的(「愛の嵐」の名が挙がったが、昔の昼ドラのイメージか)要素があるとの指摘が
あったが、「西郷札」は大長編小説の挿話に使ってもよい感じの話でもある。
>清水義範の短編に素人が初めて小説を書くとどうなるか、みたいな作品がありますが、
>それを思い出しますた。
あれは何というタイトルだったかなあ。
「国語入試問題必勝法」以来、この人の作品も相当読んでおり、読んだ記憶はあるのだが・・・