09/01/12 00:08:31 tcFo0NVK
いかにも30年代のMGMらしい、上品でコミカルな探偵ものですよ。
主演のウィリアム・パウエルは、ファイロ・ヴァンス役で売った俳優で、
この映画のニック・チャールスも、探偵が趣味の伊達男、という感じ。
ノラ・チャールスを演じるマーナ・ロイは、この頃が、一番いい時代で、
お転婆娘が、そのまま奥様になったような雰囲気を、自然に見せた。
演出は、職人肌のW・S・ヴァン・ダイクが、手堅くまとめているので、
リズムに身をまかせて、安心して観ていられるし、オチも洒落ている。
もう一点、特筆されるべきは、撮影のジミー・ウォン・ハウの仕事で、
大きな照明を捌いて、ロー・キーの煙るような画を作り出して見せる。
まあ、ハメットも好きだけど、トミーとタペンスも好き、という人はぜひ。