08/01/26 22:06:17 C5R8q2+3
熊田忠雄(クマエリではない(w )『そこに日本人がいた! 海を渡ったご先祖様たち』を読んだ。
行間・余白の多い著作が多い昨今だが、本書は260頁程度のボリュームとはいえ、
ぎっしり書き込まれたドキュメントであり、
いまだ書かれざる歴史・冒険小説のネタが満載(野村萬斎ではない(w )な好読物、
まさに一読巻を置かせぬ面白さであり、
「四姉妹探偵団」のドラマを見ながら、夏帆に合わせて「カイケーツ!」とかポーズをつけている
軟弱なミスオタにこそ突きつけて読ませたい書である。
江戸時代末期から明治、大正にかけて海外各地へと雄飛していった先人たちの記録である。
ボーア戦争時にケープタウンで商店を開業、後に大成功する古谷駒平、
新田次郎「アラスカ物語」(過去ログにある私の論考を参照のこと)の主人公フランク安田こと
安田恭輔と同時期に金鉱を掘り当てる等波乱の生涯を送った極北のジプシー、ワダジュー
こと和田重次郎、シチリアで活躍した女流画家ラグーザ玉こと清原玉、
ラオスに潜入する偽僧侶岩本千綱、日本人初の回教徒としてメッカ巡礼に挑む山岡光太郎、
パナマ運河建設に関わった日本人技師青山士(後に荒川放水路建設工事も担当というのが
面白い。閘門繋がりかも)・・・
他にも、記録・資料不足のためもあるかもしれぬが、小説にもノンフィクションにも取り上げ
られていない魅力ある人物多数。
だが、真に書かれるべき存在は、本書で取り上げられた地域だけ見ても西アフリカを除いて
まさに世界を股に駆けている感がある名も無きじゃぱゆきさんたち、
(山崎朋子「サンダカン八番娼館」があるが、もっと書かれてもよいかと思う)
男性肉体労働者たちやもしれぬ。