07/02/14 23:51:50 ALLd5szk
原リョウ『さらば長き眠り』(ハヤカワ文庫、1995→2000)【8点】
400日ぶりに東京に戻った探偵沢崎は、ホームレスの男の仲介で、
元高校球児の男から11年前の姉の自殺の真相を探ってほしいと頼まれる。
過去の事件をめぐる刑事・ヤクザたちの妨害を受けながら、
沢崎の辿りついた真相とは。シリーズ第三弾。
脇筋の過去の事件やホームレスの男との交流なんかをはさみながら、
自殺事件の真相がじわじわあぶりだされていく過程はおもしろかった。
あまりハードボイルド読まないんだが、沢崎ってカンが良すぎる気がする。
某上流階級の一家がいきなり出てきたりやや展開が唐突な気もしたが、
あれだけ登場人物を出してそれぞれくくっきりした印象を読後に残すのはさすが。
巻末に文庫書下ろしの掌篇あり。