07/12/22 04:06:54 BKRtvBPO
『林真紅郎と五つの謎』 乾くるみ 光文社文庫 約300頁
「いちばん奥の個室」
とても普通。本格関係ないけど、最後の姪の事を思う主人公が何か好きさ。
「陽炎のように」
次の短編と合わせ、この短編集の双璧。
幻想的な描写があるんだけど、その扱いはgood。
「過去からきた暗号」
自分で作ったが時の流れが風化させた暗号を
自分で解読するって構図がまず面白い。
その後はひたすら暗号解読。本格の範疇なのかな?
解読してく際の過去のふわふわとした記憶からの
条件がちょっとどうかなと思わなくもないが、面白い。
この暗号製作、相当結構労力かかってんじゃないのかなぁ、
「雪とボウガンのパズル」
ちょっと後半駆け足な感がする。
ちゃんと拾えた自信はないが、相当しっかり伏線を配置してるのでは?と思える。
主人公が地味なくせに魅力的で、次回また1冊にまとまったなら読んでみたいね。
ただしシンクロシンクロってのは推すほどには発揮できてない印象は確かに受ける。(決め台詞も滑り気味)
↑と矛盾する気がしないでもないが、諸岡の解説もよかった。
余談だが光文社文庫のカバーの手触りはいいなぁ。すべすべ。一番好きな文庫かも。