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西澤保彦『スコッチ・ゲーム』(1998→2002、角川文庫)【7点】
名門高校の寮で発生した連続女子高生殺人事件。事件の渦中で
目撃された謎の人物はウィスキーを川に流し、空瓶を洗浄して
その場を立ち去った。その行動の意味は? そして犯人は誰なのか?
匠千暁シリーズ第四弾。タカチが高校時代の事件を追憶し、それを
解決しようとする結構。ミステリ的な大技はないが、あいかわらず大小の
伏線の張り方は巧みかつ周到。ただ、頻出する「人間論」みたいなのは
シリーズ読者以外は楽しめなさそう。
もっとも文庫版解説者のようなミーハー的文章は、いくらシリーズ読者でも
辟易。……と思うのは自分がオッサンだからでしょうか。