『読みました』報告・国内編Part.4at MYSTERY
『読みました』報告・国内編Part.4 - 暇つぶし2ch674:名無しのオプ
07/10/08 16:21:30 ew/NtEdd
   俺たち支持者は書斎さんを応援します、書斎さんばんざーい!
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  支持者軍団、支持者軍団、支持者軍団、支持者軍団、支持者軍団


675:名無しのオプ
07/10/08 16:48:34 xpnD/trQ
ミス住、変なAA貼るな!


676:名無しのオプ
07/10/08 22:49:18 XwREWPkF
   俺たち支持者は書斎さんを応援します、書斎さんばんざーい!
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  支持者軍団、支持者軍団、支持者軍団、支持者軍団、支持者軍団


677:名無しのオプ
07/10/08 22:57:42 XwREWPkF
あさましい書斎アンチどもは、こんな自作自演で書斎シンパに
罪をなすりつけたつもりなのかね

678:名無しのオプ
07/10/09 18:14:23 rB3vyWjO
支持者が自演失敗したふりしたアンチのふりした支持者のふりしたアンチ
という少々ややこしいがつまらんトリックだな。
いい加減にしとけ。

679:名無しのオプ
07/10/09 18:31:21 eyi1MIA/
>>676
>>677
ミス住、ID変え忘れ ハハハ

>>678
気が付いたミス住、必死に言い訳 ハハハハ 混乱して文書めちゃくちゃwww

680:名無しのオプ
07/10/10 03:54:54 oNp8TCIW
『バイバイ、エンジェル』 笠井潔

笠井潔、初読み。
何か難解そう。というイメージがあって敬遠してた。

ミステリとしての造りは堅実。
細かく配置した伏線を丁寧に説明していくのは◎。
メインの謎は首切りの理由なのだろうが、これは意外に地味とも言えるかも。
探偵役でない登場人物が発表する推理を否定する場面が素晴らしかった。
メル欄だったら何でもできるわ。って気になったのは少しマイナスポイントか。

探偵の造詣はとてもヘン。
つうか怖い、こんなに怖い探偵初めてだ。
そして直観推理という独特の推理方法。

真相が明かされた後に動機の動機とでも呼ぶような部分がある。
それほどの分量ではないのだが、ここが凄い。気合入ってる。
言葉のチョイスが一々怖い。場面を想像すると更に怖い。

探偵がとてもヘンな堅実な造りのミステリ。
最後が悪魔的(ミステリ的にではない)。

そんなには長くはないし、おすすめ。



681: ◆XjFtIkbasQ
07/10/11 20:21:18 lxFCmLph
逢坂剛『しのびよる月』(1997→2001、集英社文庫)【7点】

御茶ノ水署生活安全課の斉木警部補&梢田巡査長シリーズ第一弾。
小学校時代の同級生の二人によるイイカゲン捜査の短篇集。
適度なヒネリと、意表をつくストーリー展開が楽しい。
肩のこらない読書ってのも、いいなあ。


682:名無しのオプ
07/10/12 04:28:26 4kyog7Es
840 名前:ミステリ板住人 :03/08/31 19:58 ID:XwSn+BQ5
仕事を辞めて無職になった直後は非常に居心地がいいのだが、
やがて無職であることに焦りを覚えはじめ、禁断症状に近い
苦しみが押し寄せてくる。毎日同じことの繰り返し、
家族の目も怖い、何にも無いことにまで気を使うようになってしまう…
全く無関係の板に延々とゴミ屑を撒き散らして
正常なコミュニケーションを妨害するこういうダニをいつになったら駆除するのかね? > 管理者
お仕事御苦労様です。御迷惑をおかけしてすいません。了解しますた。
スレを入れる気持ち良さ、これは射精と同じものがあり病みつきになってしまったです。
もしかしたら、ぼくは病気なのかもれないですがきっとそうです。
スレの人も削除人さんもぼくの話しを聞いてくれませんか
ぼくはだめんぼ、だめおくん ありゃあれいてん とっちゃった そして共に語るにゃ(w
846 名前:ミステリ板住人 :03/08/31 20:15 ID:XwSn+BQ5
スーパーのバイトは慣れるまでが大変だぞ。
私も裏事情板にスレが立つ某大手スーパーで働いたことが
あったが、疲労と忍耐の3年間だった。
65 名前:ミステリ板住人 :03/09/07 01:05 ID:3bJhnVU1
今後の人生についてナンニモ考えたことの無いDQNがw
ここの連中に多い傾向だが、今後の人生について考え過ぎるだけ
お前たちも、何かに向かって必死になってみろよ。
今のお前たちは、県内随一の馬鹿の高校を卒業したやつよりも下だぞ。
予備校に行って、10ヶ月集中して勉強すれば、有名大学には入れる。
まして、私立文科系は3科目ないしは2科目である。
俺様のフィアンセこなたタンに見せたら感動のあまり泣き出しそうだな。
「サイコーだよ~、ありがとう、ありがとう、こんないいものを見せてくれて~」
「わかるか、こなたタンもわかってくれるのか!」
泣きながら、抱き合う俺様とこなたタンの姿が目に浮かぶ
こんな糞スレでリーダー気取ってる場合じゃないかな。
愚民諸君、心しておけ!


683:書斎魔神 ◆AhysOwpt/w
07/10/13 14:27:30 Q+v3vek5
山崎豊子「沈まぬ太陽 アフリカ篇」を読んだ。
平成11年刊行ではあるが、もっかのところこの作者の新刊小説である。
「大藪春彦か!」と思わせるようなハンティングシーンからスタート。
一流大学(明らかに東大がモデル)を卒業し、航空会社(明らかに日航がモデル)
に入社したエリートが労組委員長を引き受け、その信念を曲げなかったばかりに
パキスタン、イラン、ケニアと僻地勤務を強いられるが、その苦難を乗り越えて
ゆくという、言わばリーマン版現代冒険小説としても読める作であった。
しかし、この事は、ストーリーのエンタメ性は十分以上としても、
類型的な登場人物(主人公恩地と社内で彼と敵対することになる同期の行天、
副社長の堂本、労務課長の八馬等の善悪の構図が現代小説にしては明確過ぎる)
ばかりなのが残念、もう少し各登場人物のキャラに光と影の部分を持たせたらなら、
より読み応えがある作となったかと思う。
(経済小説プロパーの江波戸哲夫、高任和夫等の作は、さすがにこの辺が良く書けている
ように思う)
ただし、この構図の判り易さが、長大な物語を読み易くし、
「華麗なる一族」「白い巨塔」等の他の代表作の例に見て取れるように、
結果的にロングセラーとして読み継がれ、繰り返し映像化される因と
なっているのであろう。

684:名無しのオプ
07/10/13 16:01:35 TJWt+nDZ
アトポス死ねアトポス死ねアトポス死ねアトポス死ねアトポス死ねアトポス死ね
アトポス死ねアトポス死ねアトポス死ねアトポス死ねアトポス死ねアトポス死ね
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アトポス死ねアトポス死ねアトポス死ねアトポス死ねアトポス死ねアトポス死ね

685:名無しのオプ
07/10/13 16:12:37 h6QT0iDO
そんなにつまらんかったんか、アトポス
なんかすげえなw

686:ミステリ板住人
07/10/14 00:15:50 FpYrhv5r
幼女!幼女!!幼女~!!!
白倉Pが俺様のためにキャスティングしてくれたのだろう。
これからも感謝しながら鑑賞しよう。


687:名無しのオプ
07/10/15 21:09:41 5qUnDRjQ
>>685
いや、あれは全くメル欄患者に対する差別だろ。
発禁にならないのが不思議だ。

688: ◆XjFtIkbasQ
07/10/18 17:44:59 LLQlJFEG
沢村浩輔「夜の床屋」(2007)【6.5点】

道に迷った男2人が、線路伝いにたどり着いた無人駅。
なぜか真夜中に明りが灯る駅前の床屋の秘密は?
ミステリーズ!新人賞受賞作。

とりあえず冒頭の「真夜中に営業する床屋」の謎は魅力的。
「インディアン・サマー騒動記」が改題されたのも納得。
60枚に満たない短篇なのですぐに読み終えたが、解決は微妙・・

あの状況ならあの探偵役が真相解明せるをえないのかもしれないが、
主人公らがモーニングをぱくついていると、テレビにあの人が!?の
展開→謎解き、のほうがおもしろかったような。立ち読みなら【7点】
だったが、この短篇だけのために1200円出すのはちょっと。

689:名無しのオプ
07/10/19 21:14:38 N1gD1jk3
井上夢人『風が吹いたら桶屋がもうかる』
(1997→2000、集英社文庫)【6.5点】

まったく役に立たない「低能力者」ヨーノスケ、理屈っぽいイッカク、
バイトのシュンペイら3人の同居する棲家に相談に訪れる女性たち。
役立たずの3人ながら、なぜか相談者の悩み事は解決してしまう短篇集。

とりあえず普通の本格ミステリ的なイッカクの推理が外れまくるのが、
名探偵を揶揄するようで楽しい。ヨーノスケの中途半端超能力者キャラが
ワンパターンなストーリー展開を適度に和ませているが、さすがに後半の
数篇は飽きがくる。

690:書斎魔神 ◆AhysOwpt/w
07/10/20 13:32:10 7kZ4aNO6
新田次郎「八甲田山死の彷徨」を読んだ。
新田長編作品中ではわりと短い作ながら、大ヒットした映画でもおなじみな史実に
もとづく八甲田山行軍演習における遭難談、緊迫感溢れるドキュメンタルな冒険小説
として読める作である。くだらない謎解きミステリに読み耽る者が多いこの板の
住人にこそ突き付けて読ませたい一編と言い得る。
新田氏のこの作なくして、明治時代のこの惨劇が長く記憶されることはなかったのでは
なかろうか。壊滅状態となる青森第5連隊の神田大尉の映画でもおなじみの台詞
(157頁)が強く耳に残るものがある。
登場する軍人たちを英雄視せず、その非情な面をクールに描いているのは良、
ただし、後の惨劇を予感させる序章の火事のシーン、演習に夫を送り出す神田大尉の
妻の反応等の、やや創り過ぎた部分が目立つのは残念か。

691:名無しのオプ
07/10/21 06:24:40 5BHq1be7
『思い上がりのエピローグ』 斉藤肇

思い三部作の三つ目、つまりは完結編。
なのだが、文庫落ちしてなくて涙目な一品。

一種独特の名探偵論がぶち上げられてる。そこは興味深い。
だがミステリとしてどうかっつうと、脱力しかない。
作者自身が「ミステリでさえないのかも」と言うのも納得。
先鋭的ではあったのかもしれんが・・・。

もし読むのならエンドマーク、アンコール、本作と一息に読むといいかも。

しかしこんな作品を書いた後に一体どんなミステリを書いたんだ?
と本格ミステリ大賞候補にもなった『たったひとつの』への期待は高まるばかり。

692: ◆XjFtIkbasQ
07/10/21 19:37:47 QcCi7vSi
西澤保彦『収穫祭』(幻冬舎、2007)【7点】

1982年台風の夜、過疎の進む「首尾木村」で発生した14人殺害事件。
凶器は鎌。容疑者の外国人講師は死亡し、教師・中学生3人が生き残った。
そして9年後、生存者の周辺で鎌で行われた殺人事件が再現・・・

「惨劇の夜」の第一部はおもしろかったが、第二部以降の展開が難。
とくにときおり顔を出す「軽いトーンの文章・セリフ」がかなり違和感。
スポーツ新聞のエロ小説めいた描写も成功しているとは言いがたい。
第四部の「私」視点のパートの真相は意表をつかれたが、
期待値の高さ・ハードカバー2100円という値段を考えると若干評価は辛目。

693:名無しのオプ
07/10/21 20:24:20 wQfjXdxe
今、ログを読み終えたけど、「手紙」「インザプール」「ヒートアイランド」とかって?
ミステリー?  確かにどれも読んで面白いかったけど・・・ミステリーじゃないよね。

大辞泉より・・・ミステリー【mystery】
1 神秘的なこと。不可思議。謎。怪奇。「だれがやったか、それは今も―なのです」2 推理小説。3 秘跡劇。聖史劇。

694:名無しのオプ
07/10/21 20:57:51 nGmB4U4E
>>693
じゃ、辞書だけ読んでれば?

695: ◆XjFtIkbasQ
07/10/22 22:00:52 pkb7o8V8
霞流一『スティームタイガーの死走』(2001→2004、角川文庫)【6点】

大手玩具メーカーの会長の肝いりで造られた「蒸気機関車C63・虎徹号」。
総理も臨席するお披露目会の最中に死体が発見され、虎徹号でも
乗取り事件+ある事件が! 犯人の目的は一体何なのか・・・? 

ラスト近くで次々と明かされる「秘密」にはなかなか引き込まれたが、
それまでの道行きがタイクツだった。スピーディーに話を進めようと
したせいだと思うが、ネタや小道具はいいがそれを上手く料理できなかった
印象。「このミス」4位ということで期待しすぎたせいだろうか。

>>693 ∑('A`) 3作とも自分の・・。ま、広義のミステリーということで。

696:読後感 ◆VkkhTVc0Ug
07/10/24 16:23:41 TTyEBCSP
「月ぞ悪魔」香山滋(出版芸術社)

短編集。
以前「生きる屍の死」を読んだとき、外国が舞台なのが
気に入らなかったけど、この人の場合はそれが気にならなかった。
その理由はよりテーマが明確で必然性があるからだろうか。

話の作りとしてはストーリーはミステリーでもプロットは違う感じ。
謎はあるけど流れで明かされるパターンが多い。
海野十三と比べてもミステリーぽさは薄いかな。一番良いのは
「処女水」。SFミステリーぽくまとまってて○。
後「蜥蜴の島」も印象深かった。オラン・ペンデク3部作並びに
海鰻荘2部作は期待値の割に今一つであった。人見ものは既読なので除外。

697:読後感 ◆VkkhTVc0Ug
07/10/24 16:25:56 TTyEBCSP
「UNKNOWN」古処誠二(講談社)

自衛隊の基地内で盗聴器が発見された。しかも取り付けられていた場所は
何と隊長室の電話の中。犯人はオートロックの室内に如何にして
侵入し仕掛けを施したのか?

予習のためデビュー作を読む。青臭いユーモアはご愛嬌か。
相棒みたいに上司と部下のコンビが事件に挑むわけですが、
事件そのものははっきり言って小粒。まとまりは良いと思うけども。
情報小説という側面もプラスしてのメフィスト受賞なのかな?
あと、P57の論理が解らなかった。まあ金払ってまで読みたい
代物じゃなかった。でも推理作家って大概とん平だと思ってたから
ちょと意外。恒星日誌を検索してみようっと。

698:読後感 ◆VkkhTVc0Ug
07/10/24 16:44:02 TTyEBCSP
「林不忘探偵小説選」林不忘(論創社)

二つの捕物帳を収録した短編集。
この叢書にしちゃ珍しく読める味。しかし! 翻案ですから~ 残念!
若き日の洋行でさぞかし感性を磨いていたのかと思いきや
パクるネタを漁ってたという。そのせいかどの話もどこか雑然とした
印象を受けた。ネタを消化しきれてないというか。
おまけにオリジナルっぽい2つ目のシリーズは途端にショボくなってる。
それでも松本泰なんかよりずっとましだし、翻案でも読めるものなら
いいという考えもあるけどやっぱり元ネタを読みたいから
ちょっと損した気になった。
これってほど突出した作品は無し。

699:名無しのオプ
07/10/25 05:48:09 swhkdGCX
『片眼の猿』 道尾秀介

うーん、面白かった。
だがもう少し殺人事件の扱いが何とかならなかったのか。
それとメル欄の知識ってのはそんなに一般的なものかな。とも思う。
この作者の力ならもっとスマートに
このアイデアを提出できたのではないかと残念。

骸、シャドウ、片眼。凄い作家だなぁ。
(向日葵は理解できんかったorz)

700: ◆XjFtIkbasQ
07/10/26 22:47:08 nKJdBo2K
向井路琉「白い鬼」(2007、文藝春秋社)【6点】

第46回にして最後のオール讀物推理小説新人賞受賞作。
江戸の産科医を主人公とした短篇で「ミステリ」の部分は
選評にもあるとおり早々と予測可能だが、無理はない。

ただ、産科医父子の親子関係や、お家騒動の顛末などがどうにも
現代的価値観が前面に出ており違和感がある。
固有名詞や職業だけが江戸風という印象。
高橋克彦は何も触れていなかったが・・・

701:書斎魔神 ◆AhysOwpt/w
07/10/27 11:21:50 afQ8lDN7
坂口義弘「もの書き貧乏物語」を読んだ。
志ん生の自伝(聞き語り)「びんぼう自慢」をヒントに書かれたという作
(「あとがき」より)。
小説家以外のいわゆる「もの書き」=「ライター」の実像は案外知られておらず、
ミステリアスとも言い得るが、本書を一読するとその現況(公私に渡る日常生活)が
かいま見え、興味深いものがある。
著者は既に単行本80冊程を上梓しているなかなかパワフルなライターだが、
(「体力のこと」の章でのMの件でもこのことががわかる?(w )
相当な読書人である私であってもこれらの著作を目にした記憶は無い。
この事実からもわかるとおり、2ちゃんに乱入している自称ライター・評論家という輩の
怪しさ、いかがわしさが推察出来るというものである(w

702:名無しのオプ
07/10/27 15:21:10 StmAj+ei
沖ファンとか某三流とか、いかがわしさ全開だもんなあ。

703:名無しのオプ
07/10/27 15:26:49 AD7UYVIh
そのいかがわしい連中の足元にも及ばない
2ちゃんねるのカキコライターを名乗る発狂紳士がいるよなあ。

704:名無しのオプ
07/10/27 15:40:26 eOgtRXNP
書斎は本のセレクトがいいね。どこから探し出してくるのか。
膨大な蔵書は予想されるが。

705:名無しのオプ
07/10/27 15:49:13 8Jah9h/J
自演しつこいぞ馬

706:名無しのオプ
07/10/27 18:54:56 bg6BdO9O
>>705
同感。あらゆる本がミステリーに見えるようじゃただのアホだな。
セレクトがいいどころか単に鑑識眼がないだけで、
自演でいくら自分を褒めてもそれは更に傷口を広げるだけであることに気付いていないのがね。

707:名無しのオプ
07/10/27 20:58:28 w6BnBQBt
自演のレベルが低すぎだな
さすが過疎板

708:名無しのオプ
07/10/28 09:22:17 rDk9M1t0
あらゆる本がミステリーに見える、じゃなく、ミステリーとして読んでみるという試み、だろ。
そこを押さえておかないと「論考」理解は難しい。

709:名無しのオプ
07/10/28 09:44:37 ciAD5U5G
>>708
魔神が言うならわかるがなw
まあ同じことか。

710:名無しのオプ
07/10/28 10:44:29 rakUaLR4
また自演かよ
誰も信じないっての
何年経ったら気づくんだよアホ

711:名無しのオプ
07/10/28 16:46:03 hBccYyzO
>>709
“あれ”は本をミステリーとして読んでいるわけでもなければ
ミステリーとして評価しているわけでもないしな。
「ミステリアス」だからミステリー
「サスペンス」があるからミステリーというレベルの
薄っぺらい見方しかしていないしw

712:名無しのオプ
07/10/28 19:28:59 YBodR8Gt
 || ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄||
 || ○荒らしは放置が一番キライ。荒らしは常に誰かの反応を待っています。
 || ○放置された荒らしは煽りや自作自演であなたのレスを誘います。
 ||  ノセられてレスしたらその時点であなたの負け。
 || ○反撃は荒らしの滋養にして栄養であり最も喜ぶことです。荒らしにエサを
 ||  与えないで下さい。                  ΛΛ
 || ○枯死するまで孤独に暴れさせておいて   \ (゚ー゚*) キホン。
 ||  ゴミが溜まったら削除が一番です。       ⊂⊂ |
 ||___ ∧ ∧__∧ ∧__ ∧ ∧_      | ̄ ̄ ̄ ̄|
      (  ∧ ∧__ (   ∧ ∧__(   ∧ ∧     ̄ ̄ ̄
    ~(_(  ∧ ∧_ (  ∧ ∧_ (  ∧ ∧  は~い、先生。
      ~(_(   ,,)~(_(   ,,)~(_(   ,,)
        ~(___ノ  ~(___ノ   ~(___ノ


713: ◆XjFtIkbasQ
07/10/29 16:31:29 i6NPGPo1
山口芳宏『雲上都市の大冒険』(2007、東京創元社)【6点】

二十数年前から地下牢に幽閉され脱獄・復讐を予言していた座吾朗。
彼が密室状態の牢獄から消失し、東北の鉱山都市に連続殺人事件が。
現場に残された血染めの文字の意味は? 第17回鮎川哲也賞受賞作。

探偵役が2人出てくるが、義手探偵の奇矯キャラは定型だがまずまず
成功しており、彼の出てくるパートは楽しい。冒頭のわらしべ部分は
笑った。しかしもう一人の探偵のパートになると展開も退屈になる。
出版に当たって大幅に削ったらしいが、それでも冗長と感じる。

去年の受賞作に較べれば本格ミステリではあるが、小説としての
面白さは一歩も二歩も譲る。ただ、消失トリック・ロジックは
捨て推理を含めて及第点。開き直ったエピローグはいっそすがすがしい。
もっとも2300円という値段分の価値があるとは残念ながら言えないが・・

714:名無しのオプ
07/11/01 16:16:35 k52zSl6U
西澤保彦『スコッチ・ゲーム』(1998→2002、角川文庫)【7点】

名門高校の寮で発生した連続女子高生殺人事件。事件の渦中で
目撃された謎の人物はウィスキーを川に流し、空瓶を洗浄して
その場を立ち去った。その行動の意味は? そして犯人は誰なのか?

匠千暁シリーズ第四弾。タカチが高校時代の事件を追憶し、それを
解決しようとする結構。ミステリ的な大技はないが、あいかわらず大小の
伏線の張り方は巧みかつ周到。ただ、頻出する「人間論」みたいなのは
シリーズ読者以外は楽しめなさそう。

もっとも文庫版解説者のようなミーハー的文章は、いくらシリーズ読者でも
辟易。……と思うのは自分がオッサンだからでしょうか。

715:名無しのオプ
07/11/01 17:42:25 u+Fum8pC
>>714
> ただ、頻出する「人間論」みたいなのはシリーズ読者以外は楽しめなさそう。

シリーズ読者だけど楽しめないよ。
男の幼児性以外ないのか!?(それ以外も出てくるけどw)と言いたい。
あとタカチに対する過剰なマンセーも引く。

716: ◆XjFtIkbasQ
07/11/01 18:30:17 k52zSl6U
篠田節子『夏の災厄』(1995→1998、文春文庫)【7点】

都心より50キロ離れた埼玉県昭川市。夏を迎えようとする時期に、
一部区域だけに突如として日本脳炎らしき患者が頻発した。緩やかに
広がる被害。原因らしき原因も不明のまま、本格的な夏が近づいていた・・

登場人物の多くは、小市民的公務員ばかりで、できることには限界がある。
その制約の中で新型脳炎の原因を探り、保身を考えながらも奮闘する姿は
読み応えがある(海外のアレはどうかと思うが)。多分作者の経歴とも
関係するのかもしれない。

ただ意図的に「ヒーロー」を造らなかったせいか、同じトーンで物語が
進んでいき、起伏に若干乏しいのが残念。オカモノアラガイとか
気色悪い生物の描写も印象的で、ラストもなかなか。

>>715 うーん、自分はまだ我慢できる、かな。

717:名無しのオプ
07/11/03 06:41:23 pH1N6M/9
『ハッピーエンドにさよならを』 歌野晶午

本格ミステリではない(と思われる)短編集。
タイトルに相応しいのは掌編3つ。
こういう掌編を集めて1冊にしたらもっとよかった。
いや飽きるか。

ベストは「玉川上死」見え見えとか言うなw
次点に狂った動機が見所の「防疫」
押し付けがましい善意の気持悪さが見事な「尊厳、死」

ホームレスとか学歴社会とか教育ママとか
そういう嫌な題材を嫌な感じに、時に滑稽に。
上手に書くなぁ。

718:名無しのオプ
07/11/05 13:51:19 rfGV9SbA
『消失!』 中西智明 文庫

再読。前に読んだのは4年前くらい。
メル欄って作品としか記憶してなかったが
それを意識しながら文章を拾っていくととてもにやにやできた。
これは凄いわ。

新作頼みますよ、まじで。


719:名無しのオプ
07/11/09 19:52:08 NDTlOWO5
詠坂雄二「リロ・グラ・シスタ」カッパノべルズ
綾辻行人が推薦文でかなり褒めてるんだけど俺は途中で仕掛けがわかってし
まった。ミステリーを読み慣れてる人ならたいてい分かると思うぞ。
まあ死体を屋上に移動させた理由などはそれなりに考えられているので読ん
で損したという気はしないので、ニ作目に期待だな。

720: ◆XjFtIkbasQ
07/11/09 20:40:28 qMqwNvAC
高野和明『K・Nの悲劇』(2003→2006、講談社文庫)【8点】

新妻である果波の妊娠に戸惑う売れっ子ライター夏樹修平。
一度は堕胎を決心するが、それ以来妻にはもうひとつの人格が宿った。
精神障害なのか超常現象なのか戸惑う修平は、その「人格」の正体を
突き止めるために、医師磯貝とともに調査を開始するが・・・

道具立ては決して新奇でも派手でもないが、うるさくない程度の薀蓄と
確かな筆致とが、物語をサスペンス豊かなものとしており、何気ない
ホラー風描写にぞくぞくさせられる。物語がどのように着地するのかは
なかなか底を見せないが、ラストの展開は個人的には不満。
女性に堕胎させたことのある男性は怖くて読めないような・・・

721:名無しのオプ
07/11/09 22:12:00 4V5ExSn8
>>719
理由ってなんだっけ。事件の動機はおぼえてるんだけど。

722:名無しのオプ
07/11/10 00:34:50 tTSxgX4z
藤原伊織スレが落ちてしまった‥。

『名残り火』読了。
「てのひら~」からしばらく経っているんだけど、こんなに凶暴な男だったかとビックリ。
今まではあまり気にせずに読んできたんだけど、『遊戯』と今作と割と続けて読んだせいか、「おじさんのファンタジー」みたいなのをかなり強く感じました。
新たに発生する人間関係が、「釣りバカ」みたいな世界観と大して変わらない気がして、何となくそういうとこが残念だった。
まぁ暴力的に暴走する感じは好きな方だけど、他がね‥。
おかしいなぁ、私は藤原伊織大好きだったハズなのに。
私が変わったのか、藤原伊織が変わったのか。
でもこれで本当にお別れかと思うと寂しいです、くすん。

723:書斎魔神 ◆AhysOwpt/w
07/11/10 17:02:19 IjTaK5jq
明野照葉『骨肉』を読んだ。
ミステリ作家による普通小説は、その人物描写等に薄さを感じさせるものが多いが、
本作は例外中の例外。
早期退職した父と3人の娘、ここに妹と称される女の子が現れて大騒動となる。
正直言うて、ストーリーに新奇なものはないが、悪人と言えるキャラは皆無であるにも
かかわらず(善人と言えるキャラもいないが)、家族の和解へという安易な展開にしない
ビターなストーリーが面白い。
昼ドラか深夜ドラマの素材として好適かと思う。

724:あぼーん
あぼーん
あぼーん

725:名無しのオプ
07/11/10 23:24:42 /cRr7yvS
>>724
ネタバレ氏ね

726:読後感 ◆VkkhTVc0Ug
07/11/11 13:22:15 PbAsbtjb
「椿姫を見ませんか」森雅裕(講談社)

ヒロインとしてオペラ公演を間近に控えた芸大生が毒殺された。
その場に居合わせた同級生の音彦は生前被害者から頼られて
いたこともあり事件に興味を持つようになる。さらに彼女の葬式で
知り合った少年を親友尋深と共に匿ったことから彼らは
事件の元凶となった幻の名画を巡る因縁に巻き込まれて行く―。

えへへへ、僕こういうの好きぃ。
主役コンビは「悪い金田一と美雪」って感じで、憧れるなあこういう関係。
同期の東野も学園もの書いてるけど、彼にはにはこういう
イーブンな男女関係は描けないでしょうね。例えるなら
ひがしのりは「スミス夫妻」で森雅裕は「新婚道中記」って感じ。

ミステリーとしてはいわゆる「崩した本格」というタイプかな。
ぶっちゃけプロットは大したことないけど伏線の張り方が自然で巧い。

森雅裕……癖になるかも!?

727:あぼーん
あぼーん
あぼーん

728:名無しのオプ
07/11/11 13:39:27 Svrypuwj
727、お前w

729:名無しのオプ
07/11/11 13:43:01 5KoG9PWx
叙述だ、だけじゃネタバレにはならんよ。
叙述専門に書く某作家がいるだろう。当然その作品は叙述だと心得て読むわけよ。

730:名無しのオプ
07/11/11 13:47:09 PwUlHL88
それって凄い特殊な例じゃん
普通は叙述ってわかるだけで充分ネタバレだろ

731:名無しのオプ
07/11/11 13:51:58 5KoG9PWx
新本格以降、広い意味で叙述に入る・叙述的要素がある、そういう作品がむしろ主流ともいえるので、
現在のミステリーを読む時は叙述ではないかと疑って読む心構えもいるしね。

732:名無しのオプ
07/11/11 13:57:28 PwUlHL88
だからさ、叙述だって知ったらその心構えも糞もなくなるだろ
推理の幅もかなり狭まるわけだし

733:名無しのオプ
07/11/11 14:17:22 U9GV6qpH
>>727
小説の楽しみ方を知らないだけだ>多分そう言われるだろうと予想してた。
でもね、今回はミステリを楽しもうと思って読んだんだ。>>731のような経緯は
知らなかったんだ。
私の立ち位置から言わせてもらえば、叙述トリックのミステリは「推理小説の雰囲気がする小説」だ。
まあ、こっちが勝手にミステリに対して、思い違いをしてただけといわれればそのとおりだし、
こんな言い分はとっくに、盛んにしてるんだと想像するけど。
ネタバレはスマン。
本格推理とやらを捜してみるは。




734:名無しのオプ
07/11/11 15:56:46 SwYz59Fm
>>733
じゃ、削除依頼だしてね。ネタバレはNG行為だから。

735:書斎魔神 ◆AhysOwpt/w
07/11/11 16:52:21 jBcSaRMq
山崎豊子『華麗なる一族』を再読。
物語展開のキーとなる鉄平出生の秘密というミステリ性も加味された
刊行当時は大ベストセラー、映画化もされ、最近ではキムタコ主演のテレビドラマが
ヒットした言わずと知れたとでも称すべき作であるが、
官庁再編により大蔵省が財務省と金融検査庁に分割され、3大メガバンク誕生で
金融再編が終着点を迎えたかに見える現在からみれば、当時は斬新な発想だったと
しても小が大を食う銀行間競争も金融昔話と化した感はあり、風俗等の時代設定の
古さも目立つ。
執拗に描かれる万俵大介の妻妾同居・同衾生活は、今読んでも言い知れぬおぞましさが
あり、この点につき普遍性が感じられるのは面白いものがある。

736:名無しのオプ
07/11/11 18:17:34 5KoG9PWx
昔の小説の風俗描写が古いって、そんなこと言ってもしょうもないじゃないか。
逆に昔の風俗が活写されていて興味深いと受け止めるべきだろう。

737:あぼーん
あぼーん
あぼーん

738:名無しのオプ
07/11/11 21:12:20 1Mc3foiq
「星降り山荘の殺人」倉地淳
犯人には驚かされし楽しめた。
だけどネタ晴らしのあとの展開がつまらない火サスみたいだったのが残念。

739:名無しのオプ
07/11/12 02:57:39 yS49OpCa
乾くるみ「イニシエーション・ラブ」
単行本 原書房(2004)/文庫 文春(2007)

中途で「あ、アレなんだろうな」と気付いた。
文庫で読んだんだが、帯がいかんわ。

740:名無しのオプ
07/11/12 11:21:06 EJpiP4qq
イニシエーションと聞くとどうも違うことを思い出す……

741:名無しのオプ
07/11/14 16:11:46 jWdwSp/3
中野順一「セカンド・サイト」(文春文庫)

デビュー作。
ミスフロから出る新作と主人公が同じみたいなのと、粗筋が気になったんで買ってみた。
どうも音楽やってる主人公、ってものに弱いんだよなあと再確認。
超能力の類がちょっとだけ(飽くまでちょっと)絡むってのも好きみたいだ。
文章も読み易かったし楽しめたので、新作も買うことにした。

しかし、たった一行読み飛ばしただけで主人公の年が辻褄合わなくなってしまって
ちょっと混乱してしまった。
我ながら間抜けだ…

742:書斎魔神
07/11/17 22:09:34 sa5qlxNN
立花隆『ぼくの血となり肉となった500冊そして血にも肉にもならなかった100冊』
久我勝利『読んでから死ね!名著名作』の読書本2冊を一気読みしてみた。
前者は、雑誌連載をまとめたものということもあって、少し古いものが多いせいか
筆者が読みたいと思うような本はほとんど紹介されておらず、
(笠原和夫『映画はやくざなり』、西成活裕『渋滞学』ぐらいか)
後者に関しても、『それから』『幽霊』『白痴』『金閣寺』『嵐が丘』『渋江抽斎』
『黒死館殺人事件』等を二回以上読んだという著者とは気が合いそうもない。
(ブログに詳しいが、上記作品はいずれも私が読むのに難渋したか、
評価していない作なのである)
しかしながら、同じ読書人同士(同志か(w )、お互いに合い通じるものはあろう、
タカシ、クーちゃん、書斎氏と呼び合いながら、一献の機会を持ちたい気はしている。

743:名無しのオプ
07/11/17 22:12:32 AjFN64lx
叙述トリックというのがどんなものなのか分からないので教えてください。


744:名無しのオプ
07/11/17 22:55:00 VAdzMZbE
>>743
AさんとBさんがいました



745:名無しのオプ
07/11/17 23:06:28 AjFN64lx
>>744
いわゆる映像化不可能といわれてる奴と考えていいですか。


746:名無しのオプ
07/11/17 23:15:54 m3WY95oJ
作者が読者に対して仕掛けるトリック。
人物の性別誤認とか。

中町信・折原一とか。ほかにもいっぱいいるけど、
叙述とばらしていいのはこの二人の作品だけ。

747:名無しのオプ
07/11/17 23:18:57 AjFN64lx
>>746
ありがとうございます!
ところで、どうしてその二人のはばらしてもいいのかな?もっとすごい
仕掛けがあるからとか?


748:名無しのオプ
07/11/17 23:19:16 c71W7R8E
海外作家だけどクリスティも叙述トリックが多いな。

749:名無しのオプ
07/11/18 00:14:26 ZSwIIzat
>>747
叙述トリックの説明に関しては746の通りだが、誰の作品なら
バラして良いか悪いかなんてのは全くの主観だから鵜呑みにしないように。

750: ◆XjFtIkbasQ
07/11/18 10:11:17 htrXxjfU
西澤保彦『依存』(2000→2003、幻冬舎)【7点】

タック&タカチのシリーズ第五弾。いつものメンバーで大学教授の
自宅に遊びに行ったタックは、教授の後妻が母の美弥子であることを
知り驚愕する。美弥子の真意とは?

これまでのシリーズでは影の薄いウサコ視点で、正直前半は文体が合わない。
飲み仲間の周囲で起こる「奇妙な出来事」に関するいつものディスカッショッン
推理も真相も正直感心できない。シリーズ読者だから物語の展開は気になったが、
ミステリとしては【6点】くらい。本作だけ読んでもあまり楽しめない。

751: ◆XjFtIkbasQ
07/11/18 10:20:01 htrXxjfU
西澤保彦『謎亭論処 匠千暁の事件簿』(祥伝社、2001)【6.5点】

タック&タカチのシリーズ短篇集。大学生時代・社会人時代のボアン、
タック、タカチ、ウサコが登場するのでシリーズ読者としては愉しんだが、
ミステリのネタとしては【6点】。いつも以上のこじつけが目につく。

一番驚いたのはウサコの現在。『メフィスト』掲載時に読んだことを
思い出したが、シリーズ読者でもなかったあのころは、
「なんじゃ、このミステリは」と思ったことであるよ。





752:名無しのオプ
07/11/18 15:46:37 qoSH99Wp
我孫子武丸「殺戮にいたる病」 
単行本 講談社(1992)/文庫 講談社(1996) 

グロテスクとされる描写は別に気にならなかった。
まあキッチリ騙されたけど。

とりあえず初心者の私としては、『マジで「やられた!」ミステリ』スレの
テンプレ作品を順次あたってみようと思っているんだけれど、
全部読んだらある程度は「耐性」がついてひっかかりにくくなるのかな?

753:名無しのオプ
07/11/18 15:52:39 u4XMUYQy
そりゃそうだ

754:名無しのオプ
07/11/18 15:54:45 KNkTD+Dx
>>752
ひっかかりにくくなるというよりは、その手の作品に食傷気味になりくだらなく思えてくる。
個人的偏見だがw

755:名無しのオプ
07/11/18 18:03:40 JVO70YXk
やられた!スレと初心者スレのテンプレ作品を交互に読むべし
重複してるのもあるがな・・・

756:書斎魔神
07/11/18 21:36:41 2s1YAiVL
『岡本綺堂随筆集』を読んだ。
『半七捕物帳』や怪奇小説、『修善寺物語』『番町皿屋敷』等の戯曲を読んだイメージ
では、淡々としてクールな感さえ受ける作者だが、意外にウエットでエモーショナルな
面が感じられる随筆が多く収められており意外であった。
(左足の1本を失った蟹に対する自身の共感を綴った「蟹」、仏における戦場見学を
通して現地の人々への作者の思いを描く『ランス紀行』、亡き甥への想いを句に託した
『叔父と甥と』等々)
句を嗜む著者の随筆だけあって花鳥風月に関する文章も多く、私事に関するものも
あるが、やはり筆の冴えを見せるのは、怪談・奇談を語るエピにおいてかと思う。
何か裏がありそうだが奇談のままに終わる『狐妖』(随筆『二階から』の一編)、
小品ながらリアルな恐怖感が溢れ、綺堂怪談中でも屈指と推す声もある
『怪談』(『御堀端三題』より)、そして『温泉雑記』にある厠の怪談、
作者の見聞である心中があった部屋の怪異談等々、
非常に短いながらも日支の妖怪比較論考『妖怪漫談』も面白い。
そして、最早『奇談』の段階に達しているとも言い得る『拷問の話』は、
江戸牢内における拷問の実態もわかる迫力満点の読物である。

757:名無しのオプ
07/11/19 22:46:03 8RCooSGy
ドグラマグラを多感な時期に、読み終わったら精神障害になるという
帯の文句につられてドキドキしながら読んだが、全然頭に残ってない。
残ってないことが、障害を受けたということなのか。ノルウェイの森が爆発的に
ヒットしてるときに読んだときと全く同じ反応なのだ。どうも、自分は
心の病に頼るお話が苦手みたいだ。

758:名無しのオプ
07/11/20 11:55:25 I8KMm0f8
ネウロ新OP2万HITw
お前らもっと見ろww
URLリンク(www.nicovideo.jp)

759:名無しのオプ
07/11/21 00:32:25 zxeKPekF
■■■書斎ミス住警報発令中■■■
書斎は現在、全ての書き込みに対して
挑発的なレスを返してくる模様です。
ミス住の目的は、皆さんの感情を弄び、
板を機能不全に陥れて自己満足に浸る事にあります。
書斎の煽りに乗ってはいけません。
ミス住にマトモな返答を期待してはいけません。
■ただひたすらに無視し続けて下さい■
ひとりでも反応すれば、書斎は大喜びで更に挑発してきます。
煽り耐性の無い方は、当分の間書き込みを控えて下さい。
ミス住撃退には、皆さんのチームワークが、何よりも大切です。
ご協力よろしくお願い致します。
★★★基本に戻ろう★★★
★ 書斎は、放置されるのが一番キライ!
 → ウザイと思ったらそのまま放置!
★ 放置されたミス住は寂しくなって、煽りや自作自演であなたのレスを誘います!
 → 釣られてレスしたらその時点であなたの負け!
★ 反撃は書斎の滋養にして栄養であり、ミス住が最も喜ぶことです!
 → 書斎にエサを与えないで下さい
★そんなミス住を見かけたら、
 → 同情と哀れみの気持ちを込めて華麗に放置スルーしてあげましょう。


760:読後感 ◆VkkhTVc0Ug
07/11/22 14:01:33 nTnGqSox
「警官の血」佐々木譲(新潮社)

昭和二十三年春、安城清二は警官になった。生活の安定、ただ
それだけのために。やがて彼は駐在警官となりある事件に遭遇する。
その事件こそが、始まりだった―。

普段ならまず手に取らない様なものをこのミス1位らしいというだけで
読みました。そんな自分が好きなんです。
そういや昔「アトレイデスの血」(未読)という小説がありましたな。

閑話休題。最初は単に日常を追ってるだけっていう感じで、
起こる事件も並列的で処理に至るプロセスも半ば流れ作業化しており
入り込めませんでした。中学生を標的にしているかの様な文章も
マイナスで。
ただ二部以降からは大分躍動感がまして少しずつ楽しくなりました。
でもラストで明かされる真相は引っ張り過ぎだし、半分後付けめいた
要素もあり違和感が残りました。

結局大河小説、年代記としての面白さ以上のものは読み取れず、
求めて読む程のものでは無いとの感想に至りました。
最小公倍数的な1位ということかな。まあ去年よりはマシですが。

761:名無しのオプ
07/11/22 16:01:14 o8//+U4s
このミスが出た最初の頃はガイドブックとして良かったんだけど
今はあれや類書はミステリーをつまらなくさせてる元凶だね
少なくともあれらに影響される国産ミステリーはもうダメ

762:名無しのオプ
07/11/22 16:32:41 i2TuaOTf
たいしたミステリ理解者だ……

763: ◆XjFtIkbasQ
07/11/22 20:02:50 z22/vNaE
西澤保彦『解体諸因』(1995→1997、講談社文庫)【7点】

タック&タカチのシリーズ。死体の解体をテーマとした連作短篇集。
作者のデビュー作ということもあり、推理「小説」という点では
ぎこちないが、ロジック&トリックは豪快。
現在の作者にリライトしてほしいようなネタも多い。

登場人物の設定がけっこう変わっているが、まあご愛嬌。
最終章がもう少していねいに説明・解体されていればと、
ちょっと惜しい気がする。

764: ◆XjFtIkbasQ
07/11/24 00:16:38 Q7M4808n
西澤保彦『黒の貴婦人』(2003→2005、幻冬舎文庫)【7点】

タック&タカチのシリーズ短篇集。短篇4+中篇1。
ミステリ小説としての出来は、正直普通。
「まあ、そういう解釈もできるけどね」というのが感想。

だけどキャラクター小説としては続きがおおいに気になる。
そういう意味では『依存』に続く長篇に期待したい。
これでシリーズの既刊分は全部読んだことになるが、
実に楽しい読書だった。

765: ◆XjFtIkbasQ
07/11/24 00:42:04 Q7M4808n
高木彬光『人形はなぜ殺される(新装版)』
        (1955→2006、光文社文庫)【7点】

説明無用の古典的名作を初読み。
すでにメイントリックについては後発某作家の某作品を読んでいたので、
その点での驚きはなかった。大仰な言い回しは鼻につくものの、
解説を寄せている二階堂黎人などに較べると、物語の展開は速い。

古きよき時代の本格物で、こういう雰囲気は好き。
併録の短篇「罪なき罪人」「蛇の環」は標準作。

766:書斎魔神
07/11/24 10:43:33 Ay2RLgCU
十河進(そごうすすむ)『映画がなければ生きていけない1999-2002』を
読んだ。
メルマガの連載を収録した上下2段組・600頁近いエッセイ集である。
ミステリ(取り上げる作品を見ると著者はハードボイルド、冒険小説好き)、
映画、軽音楽(ジャズ中心)等の話題が満載で、著者の主観に走り過ぎたような記述も
多いのが気にはかかるものの、大部のわりには気軽読めるものに仕上がっている。
しかし、私自身はスーパー・サスペンスとして評価する『天国と地獄』を低評価、
弱者蔑視の観点があると断定する著者とは個人的には仲良くなれそうもなさそうである。
(あの作は、山崎努の犯人、仲代達矢の警部等、若き日の名優たちの極端に走ったキャラ
が魅力なのである)
しかしながら、単なる作品評等にとどまらない『私』を起点とした書き口は、
美化されたように感じる部分があるものの、面白くもある。
(一例を挙げれば、『クージョ』の原作にも映画にも論考せず、
ジョギング中に犬に襲撃されたエピを語る等)

767:名無しのオプ
07/11/24 11:17:39 ObDr/b+Z
真性包茎w早く病院で剥いてもらえw

768: ◆XjFtIkbasQ
07/11/26 02:56:13 7SMBYk08
『密室殺人事件』(1994、角川文庫)【7.5点】

広い意味での密室をテーマとしたアンソロジー。阿刀田高・折原一・
栗本薫・黒崎緑・清水義範・法月綸太郎・羽場博行・連城三紀彦の
短篇を収録するが、バラエティに富んでいておもしろい。

馬鹿馬鹿しい清水「モルグ街の殺人」、
設定はおもしろいが硬質な文章で損してる羽場「虚像の殺意」、
大胆な真相で意表をつく阿刀田「天国に一番近いプール」が印象深い。

769:名無しのオプ
07/11/26 13:33:47 /NUSnem3
『スノーバウンド@札幌連続殺人事件』 平石貴樹

はてなの感想を一通り回ってみたら
地味言われすぎでワロタw
僕の感想も同じだ。地味なのだ。
色々とやっているんだけど、地味な印象は拭えない。
メル欄とかもう少し見せ方変えれば華になるのに。

奥付見ると、06年11月15日になってるので
本ミス08の対象なんだよね。
ギリギリ20位以内に滑り込む事はありそう。
本格好きなら地味とか言いつつも嫌いになれない作品かと思う。

770:あぼーん
あぼーん
あぼーん

771:読後感 ◆VkkhTVc0Ug
07/11/28 02:44:08 iwJ3LCTX
「桜子は帰ってきたか」麗羅(文藝春秋)

弁護士の久能真人は東北へ巡礼に出た祖父が自殺を遂げたとの
知らせを受ける。当初は何の疑いも抱かなかった真人だったが、
十三回忌法要にやって来た朝鮮人呉の話を聞いたことから
祖父は殺害されたのではないかと思い始める……。

久々某スレからのセレクト。
中国から出稼ぎに来て歌舞伎町で働きながら書きました。嘘です。
つまりそれぐらい期待外れでした。しょっばなは中々良い感じ
だったのですが、事件が発生した後は何やら類型的な流れに
陥った臭いがしまして「こりゃ危ないぞ。ああなるかも」
と思っていたら何と、「ああ」までも到達せずに終りました。

本作は本格と言うより私立探偵小説(ハードじゃないハードボイルド
みたいなもの)ですが、それはまだしも無駄な道具立てもあったりして
どうもわざわざ読む価値は無かった様です。

772: ◆XjFtIkbasQ
07/11/29 03:27:27 NDEfEo4B
真保裕一『発火点』(2002→2005、講談社文庫)【7.5点】

父を殺害した沼田が仮出所したことを知る杉本。9年前の事件以来、
はじめて故郷の西伊豆に帰り真相を探ろうとする。被害者の息子として
生きてきた21歳の杉本が知る沼田の動機とは?

真保作品の中では評価の低い本作。序盤~中盤の杉本のダメっぷりは
いちどに一章読み進めるのがせいぜいだが、中盤以降はかなり読ませる。
展開は地味で、爽快感とは無縁のストーリーだが、これも作風か。

ラストに賛否はあるだろうが、個人的には「ほっ」とした。

773:読後感 ◆VkkhTVc0Ug
07/11/30 14:40:44 hLdUEwsz
「シオンの娘に告げよ」典厩五郎(立風書房)

戦後間もないGHQ支配下の日本。
石川県で起きた老人の不審死を追う刑事黒崎はその裏に
国家権力の影を見て独自に調査を進める。
所変わって東京では映画会社に勤めている木暮が社長と共に
莫大な融資を約した相手と面会していた。その正体に驚いたのも束の間、
彼から巨大なダイアモンドを預かり鑑定に持ち込んだ木暮は
逮捕されてしまう。
騒動の背後に見え隠れするM資金の謎とは?

某スレからのセレクト。面白かった~。エンタメ読んだって感じ。
こんなの独力じゃまず行き着かない。大元帥に敬礼! テンキュー。

荒唐無稽に過ぎず、かと言って地味でもなく、プロットも錯綜しているが
読みやすく、骨の髄までまでサプライズが施されている。
加えて、主人公のサイドストーリーも盛り込み内容十分。

日本に大したものがないと言った「沈底魚」の作者はこれを読んで
いなかったのではないか。当時の評価が気になる。ベストテン入り
してもおかしくないと思う。

追伸 この作者は以前真田幸村の何とかってトンデモIF小説を
読んだ切りだったがこんな作品があれならもっと読んでみよう!
……とはならないのが小生の賢いところ。一期一会で満足しとかないと
不幸になる予感がする。

774:名無しのオプ
07/12/01 11:50:11 lY64CtB6
北山猛邦 『クロック城』殺人事件

十一人委員会やSEEMは全く出てくる必要がない。終焉の世界やら、ゲシュタルトの設定が活かされていない。
人物像や背景が描ききれていない。消化不良のトリックなど不満は多いが、頭部を持ち去った理由で救われたかな。

775:書斎魔神
07/12/01 15:03:42 8zQbFAKw
ミステリファンなら読み落とせないと思われる手練れの書き手によるエッセイ集を
2冊読んだ。
『田中小実昌エッセイ・コレクション3 映画』と
『小説は電車で読もう 植草甚一スクラップ・ブック32』である
前者は、昭和の荷風(?)とでも称すべき筆者(一応、直木賞作家だし)が
東京の町を筆頭に、滞在先の海外でも映画を見まくりまくる、映画放浪記的作。
自己の感覚で話題の大作(当時)や名作を、あっさりと『いも』と断定してゆく
筆致が面白い。
ただし、内容的には映画評ではなくして、私的映画&映画館(今は亡きもの多数)所感
といった風のものであり、これが肩が凝らずまた良し。
後者は、70年代の粋な趣味人による今や死語と化した中間小説評を纏めたものであり、
池波正太郎、松本清張、山田風太郎、新田次郎、筒井康隆、小松左京、笹沢左保、
鮎川哲也、都筑道夫、結城昌治等々、このメンツが毎月小説雑誌にがんがん新作を発表
していた70年代前半の時代の凄さをあらためて感じさせるものがある。
岡本吉古、河野典生等の当時はメジャーでありながら、今では全くと言ってよいくらい
読まれなくなってしまった作家の名が見られるのもある意味で感慨深い。
(知名度は健在だが、藤本義一や野坂昭如も同様か、とにかく70年代はがんがん
書いている)
思うに、J・Jはホームビデオが普及する80年代さえ見ずして逝き、
コミさんも21世紀の本格的なネット時代を知らずして逝った・・・
この2人の著作を見ると、今は粋な仕事人&趣味人が死滅した時代という感を強く抱いた。
余談ながら、
永嶺重敏『東大生はどんな本を読んできたか 本郷・駒場の読書生活130年』も読んだ。
本書中のミステリ関連の話題で面白いのは、東大の学生生活実態調査における好きな作家
の項目で、80年代にJDが調査対象(JDのみ、あるいは男女)になった年度には、
アガサ・クリスティーの名が挙がっており、
そして、2000年の調査ではアガサの名が消え、宮部みゆきが登場していることで
ある。90年代にみゆきが世界的なミステリの女王であるアガサに取って代わったという
事実が読み取れる。
これは東大生に限らない一般的な傾向ではなかろうか。

776: ◆XjFtIkbasQ
07/12/01 19:22:43 Vn7S7ZIj
西澤保彦『完全無欠の名探偵』(1995→1998、講談社文庫)【6点】

他人の深層心理に働きかけ、饒舌にさせる特殊能力を持つ山吹みはる。
大富豪の依頼を受けて孫娘りんのお目付け役として短大の事務員となる。
りんが高知で就職したのはなぜなのか。またその周辺の事件の真相は?

みはるが出会う人物の周辺の「小さな事件」がどんどん積み重なって、
ひとつの事象を描き出す構成だが、必要以上に人物を登場させたため、
複雑すぎる内容となっている。まだまだ習作の域を出ていない。
やりたかったことはわかるんだけど・・・


777:読後感 ◆VkkhTVc0Ug
07/12/01 23:56:38 nK9X/+CU
「銃とチョコレート」乙一(講談社)

貧しい移民の息子リンツは父と買い物をしたついでに聖書を手に入れる。
家に帰ってから、本の中に地図が挟まっているのを見付けたリンツは
ふとしたことからそれが世間を騒がせ続けている怪盗の物だと悟り、
怪盗を追う探偵ロイズに知らせるのだが……。

叢書一売れたとか。ラノベオタが半分アニオタが半分か。しかし
気持悪い絵だ。全員イッてる。

ストーリーは読ませた。年末のベスト予想でグリフィンと比較され
のりりんシンパの気があった自分はペッって感じだったけど
読後の感想は児童書としては本作が上かなと思った。全体のバランスが
良く、主人公に感情移入しやすいから。グリフィンの方は
単一な意味でのストーリー性がおざなりかな。
その代わりミステリーとしてはグリフィンが上。本作には狭義の
謎や謎解きがほとんど無いから。それにキャラクターがやや雑な印象。

追伸 残りでは菊地秀行が楽しみだなぁ。もし本作が菊地作なら
きっと彼女はあのシーンであいつに……ウヒヒ。

778:書斎魔神
07/12/02 12:07:03 HQ+ylbHI
松本清張『野盗伝奇』を読んだ。
主君の命による暗殺に成功しながらも冷遇された信州高島藩士秋月伊助は野盗の群へ身を
投じ大暴れ。
主人公伊助はイケメンではあるものの、時代小説にありがちな爽やかな正義感ではなく、
野心的で斜に構えたところもある癖があるキャラ設定にしたのは面白かったのだが、
後半は単純なヒーロー化してしまうのが残念だし、それ以上に御都合主義連発の展開は
しょうもない。
野盗に関する歴史的考察、甲州の山岳地帯を舞台にしているため丁寧な情景描写等の
作品の装飾部分は読ませるものがあるだけに、肝心のストーリーの短絡さが惜しまれる。

779:名無しのオプ
07/12/02 12:14:12 e+Vdi8O8
>>778
あれは深く考えず男装の美少女藤乃に萌えるのが、現代における正しい読み方。

780:書斎魔神
07/12/03 19:38:14 p64dJF70
小林信彦「袋小路の休日」を読んだ。
ミステリにも縁が深い著者の作品集である。純文学苦手なミスヲタにもお薦め。
収録作品中では、博文館の伝説の編集者を描いた「隅の老人」はミステリファンなら
必読だ。
「根岸映画村」の松竹からATGへ移った不遇な映画監督(うるさ方の会長というのは
城戸四郎だろうが)、「自由業者」のDJ出身の放送作家兼タレントとは、それぞれ
誰がモデルか推理してみるのも一興かと思う。


781:支 
07/12/03 20:15:28 rA5khDTJ
ミス板の住人が読まないような本を推す、書斎さんの慧眼には頭が下がります。
なるべく他人から突っ込まれないようにするには、このようなセレクトになるのですね。
さすがです。書斎さん。

782:名無しのオプ
07/12/03 21:18:35 MHpl3Qtq
他人から突っ込まれるのが、怖くてしょうがない、童貞書斎(しかも包茎)w

783:名無しのオプ
07/12/03 22:46:46 H3cuuEWU
結局「だから?」というレス内容だしw

784:名無しのオプ
07/12/03 23:32:18 WO9Vy5As
書斎は感想文を書き込むより、まず日本語を勉強しましょうw

785:名無しのオプ
07/12/04 09:47:50 5XFnPVeC
『たったひとつの』 斎藤肇 

第2回本格ミステリ大賞の候補となった作品。
8つからなる連作短編集。と言ってしまっていいのかな。
ひねくれてた。とてもひねくれてた。
7つ目の短編のノリで自作解説を200頁くらい書いて
文庫化してほしい。


786:名無しのオプ
07/12/04 10:34:08 tg4l3oF9
鯨統一郎『まんだら探偵空海 いろは歌に暗号(かくしごと)』 祥伝社 2004年

タイトルだと、弘法大師空海が作ったとの伝説がある「いろは歌」の秘密を解く話のようにとれるが、
内容は「薬子の変」の一部始終を描いた歴史小説風ミステリー。
空海がこの事件に巻き込まれつつ、その真相を解き意外な首謀者を指摘する。
といっても特に驚くほどのものでもない。
最大のトリックは山を消し去るというものだが、これも種明かしされれば
ああそうなの、って感じ。
で、この著者のいつものように文章が生硬、性描写が妙に露骨。
空海の人物像も、異能の持ち主だがもっさりした田舎坊主というキャラクターで、
個人的には空海=スタイリストというイメージがあるので、すごく違和感を感じた。
まあ暇がある人は読んでみたらいい。

787:読後感 ◆VkkhTVc0Ug
07/12/05 02:07:44 biuQdr2X
「隠蔽捜査」今野敏(新潮社)

相次ぐ殺人事件の対応に追われていた警察庁のエリート官僚竜崎は、
浪人生の息子が自室でヘロインを吸っているのを発見する。
自身のキャリアや家族の将来に及ぼす影響を思い動揺する竜崎。
そんな中、浮かび上がって来た殺人事件の容疑者は警察全体を
揺るがしかねない人物だった……。

「警官の血」以来警察小説は不安だったが、さくさく読めた。
こっちのがエンタメ度高いみたい。権力者が主役だから
話が動き安いというかね。主人公の造形も気に入った。こういう
ヒーローは今リアルで必要だよね。某防衛省OBを重ね合わせて
みたりしたw

ただ、終盤に入るにつれ少しあざとさを感じる様になった。
御用小説というと言い過ぎだけど金シール貼ってても違和感ない感じ。
続編も読む予定だが主人公が変わらないか心配。

788:注! ルールに変更点があります
07/12/06 01:37:19 IQ440aV+
現在、「2chが選ぶこのミステリーがすごい!2008」の投票を行っています
こちらに投票お願いします 

2chが選ぶこのミステリーがすごい!
スレリンク(mystery板:129-番)

【以下のルールを守ってください】
・投票スレの>>1-3は無視してください。
・対象作品は奥付表記で2006年11月~2007年10月の期限内に発行された広義のミステリー作品。
・6作品以内で順位をつけて投票すること。
・必ずしも6作挙げる必要はない。1作でも投票可とするが上記に書いてるように順位はつけること。
・1位=10点、2位=9点~6位=5点で集計。
・国内作品と海外作品は別々に投票する。
・一行以上の総評必須(ネタバレ禁止)投票スレ>>129の「各作品に一行以上~」は間違いです
・宝島社の作品は対象内
・投票期間は12月6日~1月15日まで


今年のこのミス、本ミスなどのランキングです。参考にしてください
国内編 スレリンク(mystery板:130-133番)
海外編 スレリンク(mystery板:134-138番)

789:読後感 ◆VkkhTVc0Ug
07/12/06 17:06:33 CKzgqbvQ
「果断 隠蔽捜査2」今野敏(新潮社)

竜崎の署の管内で強盗事件が発生し、その後逮捕を免れた犯人の一人が
人質を取って立て篭ったとの情報が入って来る。竜崎は現場に向かい
ある判断を下すが、それが思わぬ事態を招くことになる。

本当さくさく読めるわ。これはキャラ萌え小説だね。今回は
本格ミステリー的な要素もあるがやっぱり本質は主人公の人間性に
ニラニラすることにあると思う。ただ、少しオールマイティー化してるかも。
懇談会での発言とか現場主義的な心情とか。

ともあれキャラクターに対する愛着が感じられるのは良い点だと思う。
決して浅いまま使い捨てしない所が気に入った。
某時代作家みたいじゃなくて。

追伸 邦彦はもう止めとかんとヤブヘビになりそう
曖昧でばってん でもプリっと小堺キンキン

790:名無しのオプ
07/12/06 17:10:24 cmmOkTBW
君とは逆に>>787の作品は主人公始め登場人物のだれにも感情移入できない嫌な人間ばかりで
読み通すのが辛かったよ。

791:名無しのオプ
07/12/07 04:18:57 r7lAOdBO
『乱鴉の島』 有栖川有栖

本ミス07国内1位作品。
うん、1位はどうかと思うけど面白かった。
1位とったせいで不当に評価されてる気がするw

メル欄の理由はよかった。そこから始まる言葉遊びも。
ロジックもよい。が小粒と感じられるかもしれない。
のでもっと衒学趣味抑えて、早く事件起こして欲しかった。

あとがきで作者が言ってる核としたアイデアは面白いと思うが
この方法で提出するのがベストだったのか?という気がする。
このアイデアを隠しながら物語は進むのだが
明かされた時に感心するかと言うと・・・。

なくても別に1冊引っ張れたと思うんだよな、ロジック周りで。
バランス悪くしてるように思える。

792:書斎魔神
07/12/08 17:06:40 +HFCcWyf
『田中小実昌エッセイ・コレクション5 コトバ』を読んだ。
前記した『コレクション3 映画』が案外と面白かったので手にしてみた。
ミステリの翻訳も多い著者だけに、気軽に読める私流翻訳談義や裏話が多く
収録されているものの、コトバというテーマ、本の話題になると映画の話題の時以上に
東大哲学科中退のコミさんのインテリ(御本人はこの呼称を厭うだろうが)らしい一面
がかいま見えて来る。
コトバは単なる伝達手段にあらず、というのがコミさんの基本スタンスであり、
ここから翻訳不可能論という持論にも繋がって来たわけであろう。
しかし、カーター・ブラウン、A・A・フェア、ハドリー・チェイス等々、
コミさんが翻訳し、愛した作家の作品群がほとんど絶版・品切れ状態なのには、
時代の流れを痛切に感じさせるものがある。

793:読後感 ◆VkkhTVc0Ug
07/12/08 19:50:58 2wUgJMSe
「あした、カルメン通りで」森雅裕(講談社)

無事に大学を卒業し、北海道で講師をする音彦はオペラ歌手として
3年振りに凱旋帰国を果たした尋深と再会する。彼女は札幌での
公演のためマリア・カラスの再来と言われる歌手らと共に同地に
やって来たのだったが、本番中の楽屋で盗難事件が発生しカラスの
所有物であったという金の十字架が奪われてしまう。二人は
十字架に纏わる因縁を巡るゴタゴタに巻き込まれてゆく。

僕前作はかなり熱狂してたはずなんですけど、今回少し冷めました。
キャラクターのテンション自体は変わってないんですけど、
彼ら成長しちゃったんですね。もう学生じゃないんです。
それなのにあの上から目線と型に嵌った様なメディア・体制批判は
ちょっと頂けません。加えてミステリー分も薄まっている様です。
動機の面で弱いですし、前提が偶然に頼っていますし。

3作目はあまり期待せずに読もう。

794:名無しのオプ
07/12/08 20:18:18 avOAEhnY
『きみとぼくの壊れた世界』 西尾維新

初西尾維新。
これは本格ミステリを意識して書かれた作品らしいので読んでみた。
(当方は本格好きー)

ミステリとはあまり関係ない部分での語りを
鬱陶しく感じたり面白く感じたり…。
自分は全体的には楽しめたので幸い。

推理の前提の話し合いが面白い。
これはもしかしたらラノベからのお客様
ミステリにあまり慣れてない人への説明も兼ねていたんだろうか?
後期クイーン問題に触れながら、探偵の役割は法的に犯罪を立証することと定義することで
操られてる奴なんてしったことかと嘯くのは笑ったし見事だ。うわあ……。

トリックは偶然にも予想がついたけど
伏線はしっかり張られてたように思う。

探偵・病院坂はキャラが立っていてよかった。
イラストはどうなんだろうなぁ。プラスに作用してるんだろうか・・・。
妹は必要だったのかな?


きっと作者は僕みたい中途半端なにわかミステリ読みより
ずっとしっかり系統的にミステリも読んできてる人間。
だが、あとがきであるように、飽きてしまった口なんだろう。
そう言わずに年に1作くらいでも本格ミステリにも作品出して欲しい。

同じシリーズの『不気味で素朴な囲われた世界』に期待が高まる。
あとデビュー作にも。

795:名無しのオプ
07/12/09 00:05:03 C0GQOESF
読後感うぜー。

796:名無しのオプ
07/12/09 00:17:41 FpYrdVHo
読後感よりその上のパクリ野郎がもっとうぜー

797:名無しのオプ
07/12/09 00:18:40 gua4/QAz
どっちもうざい

798:書斎魔神
07/12/09 13:54:32 B+KBu3xU
中込重明著「落語の種あかし」(岩波書店)を読む。
「落語」そのものを謎解きの対象とした、凡百なミステリよりもはるかに面白い著作
である。
落語には、シナや本邦の民話、読本等を素材にしているものが多いことは良く知られて
いるが、欧州の小説となると「えっ!」とならざるを得ない。
さらには、「怪談乳房榎」のように素になった故事来歴があったとばかり思っていた話が
実は…という次第。
そして、ピカレスク・ストーリーの傑作「黄金餅」に、因果応報となる後篇が
あったのではという話(速記は未発見)も見落せないものがある。
読み易く面白いが、若くして世を去った研究家の豊富で幅広い読書力をベースにした
力作かつ労作であり、私のような落語という大衆文化に興味を持つ知識人には必須の
読物と言い得る。ただし、大量に刊行されている新書ミステリを読む耽ったうえ、
「なんとも凄まじいまでの美少女探偵の推理、最終章で遂にキタ―!」とか、ブックオフで
絶叫しているドキュソなミスヲタには無縁な一書とは言えようかと思う。


799:名無しのオプ
07/12/09 14:35:28 v8G2xf9Q
世の中には落語ヲタとでも言うべき連中がいる。
小中学生のころから寿限無を唱え大学の「落研」のようなところに入ってしまう手合だ。
俺はなんか知らんがそういう奴等が嫌いだ。

800:書斎魔神
07/12/09 15:37:59 7vONORbQ
三好徹『砂漠と花と銃弾-自選傑作集』を読んだ。
時代性を感じさせる古い刊行物であり、内容的にも特筆すべき点はないが、
自選傑作集と題されてはいるが、セレクト時点で単行本未収録作品に限定したと
記されており、直木賞受賞作品『聖少女』も天使シリーズ(テレビドラマ化もされた
ヒット作)の傑作『汚れた天使』等も収録されていないが、推せる作品が無いわけでもない。
情勢変化があったとはいえ、今も変わらぬ中東の町の緊張感が伝わって来る表題作
『砂漠と花と銃弾』、初期大藪春彦短編を想起させる雰囲気の『荒野と死と』
(大藪作品ならクライマックスは警官隊と大銃撃戦の流れだろうが、間抜けなラストが
悲し過ぎる・・・)
『作者としては、トリックよりもむしろ気味悪さを狙った』とあり、
これが十分に成功している『煮る』。
この辺の作は面白い。
ただし、横溝御大の『扉の影の女』と同様な脱力感がある『重い悪の荷』、
アイリッシュ風のサスペンスフルな状況設定ながら、ダイヤル式固定電話ネタが
古さを感じさせてしまう『沈黙の証言』は問題無しとは言い得ない。

801:名無しのオプ
07/12/09 17:10:55 rTe9uefi
>>799
私もアンチ落語だよ

802:書斎魔神
07/12/15 13:43:55 TaMPCJbC
遠藤周作『侍』を読んだ。
刊行当時から高く評価されベストセラーにもなった『沈黙』『深い河』と並ぶ
遠藤文学の代表作である。
藩主の命を帯び、宣教師に伴われて陸奥の侍たちが海を渡り、遠くローマへまで苦難の
の旅をしてゆく・・・
時代背景を考えればスケールが大きい冒険小説としても読める作である。
(ただし、解説者=カリフォルニア大のゲッセル助教授はこうした読み方のみは
的外れだと苦言を呈している)
いずれにしろ、遠藤文学のメインテーマである人間と信仰の問題を深く抉った作であり、
信仰は個人の心・あり方にその根源を求める作者の思想が鋭く呈示されており、
こういった読み応えあり、かつ、面白い『文学』を手に取ると、
いたずらにミステリを読み耽っている者が痴呆同然に見えて来てしまうのは致し方ない
ことであろうか。
各人、心して読め!

803:名無しのオプ
07/12/15 14:37:01 80FRuaqz
>>802
盗用元のURLを記しておいてください。よろしくお願いします。

804:名無しのオプ
07/12/15 16:08:01 xIbBNgSV
どうせアマゾンのカスタマーレビューから切り貼りしたんだろ

805:書斎魔神
07/12/15 17:55:35 vrDGVSbh
馬鹿野郎!!!!!!!!!!!!!!

806:名無しのオプ
07/12/16 19:14:07 RwNThmGk BE:1362242096-2BP(1)
今更ながらに藤原伊織のテロリストのパラソル読んだ。
泣いた。
作者のご冥福お祈りします…。
変な話だけど、この本を読む前に訃報聞かなくて良かった。
すごくショック受けたと思う。

807: ◆XjFtIkbasQ
07/12/17 04:09:40 cnpkikii
関田涙『七人の迷える騎士』(2003、講談社ノベルス)【6点】

学園祭のミスコン当日に発生した連続殺人事件。圧死・刺殺・毒殺・
撲殺された七人の高校生たち。暗躍するスノウ・ホワイトの正体は。
美少女探偵ヴィッキー&弟の誠くんの兄妹が活躍する第二弾。

うーん、初期の新本格の学園物みたい。ミステリーとしてはアンフェアな
気がするし、登場人物もありきたり。ただ、前作の犯行動機にも見られた
ある種の「後味の悪さ」「悪意」は本作でも健在で、結構強い印象を残す。

前作にもあった、不自然な漢語の使用はやめたほうがいいと思う。
聞けば三部作全体に仕掛けがあるらしいので、第三作も読んでみよう。

808:読後感 ◆VkkhTVc0Ug
07/12/17 16:56:17 M6LFex0x
「少年たちの密室」古処誠二(講談社)

東海地方を突如襲った大地震。半壊したマンションの地下駐車場に
閉じ込められた7人の高校生と教師。救助を待つ彼等の間には
深刻な亀裂があった。そして一人が暗闇の中で瓦礫に頭を潰されてしまう。
果たして事故か殺人か―。

評判良かったんで期待して読んだけどイマイチだったなぁ。
骨子に対する肉付けが甘いというか、プロットを補強するべき
ロジックが緻密さを欠いている印象。例えば作中でAだからB
という場合にも、ABの関係が必要十分条件足り得ていない様に
感じた。一ヶ所二ヶ所なら珍しくないが全体的にそんなムードが
漂っている様でどうも馴染め無かった。

ドラマ的に見ても登場する高校生達が良く言えば純粋悪く言えば
排他的否定的選民的で感情移入出来ないので“心ふるえる”感動は
味わえ無かった。

この作者現在は本格から離れている様で、それが良いのかも知れない。

809: ◆XjFtIkbasQ
07/12/19 09:05:00 Y7mE4QSZ
逢坂剛『猿曳遁兵衛 重蔵始末(三)』
(2004→2007、講談社文庫)【7.5点】

時は寛政、火付盗賊改方の与力・近藤重蔵の連作短篇集第三弾。
表題作は猿遣いが絡んだ武家殺人事件に関連し、10年前に姿を消した
同じ猿遣いの遁兵衛の事件が意外な展開を見せる佳作。

逢坂剛にしては凡作かと思っていたこのシリーズだが、登場人物が
出揃ったこともあり、第三弾でようやく面白くなってきた。ミステリー的な
謎を中心に事件を組み立て、なかなかのツイストを盛り込む作者の腕は流石。
長崎が舞台だという続篇が楽しみ。

810:名無しのオプ
07/12/20 03:31:06 RURdW85o
魍魎のはこ読みました
うぶめは正直駄作だったけど、此はよい
ミステリ要素抜きに見ても読み物として面白い

811:読後感 ◆VkkhTVc0Ug
07/12/20 15:03:04 Dl7JUAU5
「消えた山高帽子 チャールズ・ワーグマンの事件簿」翔田寛(東京創元社)

明治の横浜を舞台に実在の英国人新聞記者チャールズ・ワーグマンの
探偵として活躍させた連作ミステリ。

どれも発端の不可解性と終盤の論理性の配置が良くで
正に本格短編のモデルといった感じ。時代設定から言って
“ライヴァルたち”に加えてみたい。謎が解決でしぼまり過ぎる
様に思うのもそれっぽいしw

一番は「坂の上のゴースト」かなあ。東西2種類の幽霊の目撃譚と
時代遅れの仇討ちが絡むお話。片方の幽霊がやっつけ臭いけど。
あと「ウェンズデーの悪魔」の証拠指摘シーンも印象的だった。
もっとも事件の真相は一番気付き安いと思うけど。

812:書斎魔神
07/12/20 17:53:19 2mDgZfXQ
五味川純平「人間の條件」を読んだ。
馬鹿でかい虫眼鏡を携帯して名探偵気取りの奴、
ハイライトを横ぐわえしてハードボイルドを気取っている奴等々
こういった精神が弛緩したミスヲタに突きつけて読ませたいのが本書である。
鉱山を舞台にした第1部と第2部、軍隊を舞台にした第3部と第4部は
板違いかもしれぬが、満州を舞台にした戦闘と逃亡がメーンとなる
第5部と第6部の前半は冒険小説そのものである。
(そもそも主人公梶は気骨がある冒険小説の主人公そのものであると言える)
全部読破して欲しいが、第5部と第6部だけでも読んでみること。
激烈な戦闘シーンに続く地獄巡りを思わせるような逃亡シーンは、一読巻を置かせぬ
ものがある。心して読め!
「雪は無心に舞い続け、降り積り、やがて、人の寝た形の、低い小さな丘を作った」
この最後の一文を読み終えたとき、累積したミステリの文庫本、カッパノノベルス、
講談社ノベルス等々を静かに野辺の送りにしたくなる者も多かろう。


813:名無しのオプ
07/12/20 18:24:16 kmFQDxFO
悔しかったんですね

814:名無しのオプ
07/12/20 20:05:49 Yu1EKopH
>精神が弛緩したミスヲタに突きつけて読ませたい

ここ初めて見たんだけど、
なんでこんな嫌な言い方するの?(´・ω・)

815:名無しのオプ
07/12/20 20:55:04 WH5+xTSe
ここはまともな人が来るスレじゃないよ
書斎と読後感というミステリ板の二大汚物以外はほとんど感想書いてないし

816:名無しのオプ
07/12/20 21:16:34 go033mXw
読後感はまだましだよ。ミステリを読んでいるから。
書斎魔神は他の板でも汚物を垂れ流しているからね。
書いてある感想はパクリだらけ。
ミステリ、というか小説なんかまともに読んでいない。
自分が考えて書いたことは、底の浅すぎる小学生未満の文章。
おまけに名無しでも荒らしている卑怯者ですから。

494 名前: 名無しのオプ 投稿日: 2007/12/20(木) 14:04:58 ID:2mDgZfXQ
大学の非常勤講師だぞ、ミス住は。

497 名前: 名無しのオプ 投稿日: 2007/12/20(木) 16:01:02 ID:2mDgZfXQ
英米比較文学論と憲法学(日本国憲法)

504 名前: 名無しのオプ 投稿日: 2007/12/20(木) 17:50:50 ID:2mDgZfXQ
黙れ・・・

817:名無しのオプ
07/12/20 21:20:05 WH5+xTSe
感想のレベルは目糞鼻糞だろう

818:名無しのオプ
07/12/20 21:25:41 SxA2sx7m
それじゃあパクリ元の人に失礼だぞw

819:名無しのオプ
07/12/20 22:10:25 ZbhOVkwt
書斎魔神は、ミステリー板と海外テレビ板の刑事コロンボスレに粘着して荒らしていたが、
住民に粉砕され敗北・追放されたのが悔しくて、コロンボスレの住人のいない
ここで、負け惜しみを言ってる(幼稚園児みたいなやつだ)

だから、ミステリー愛好家の事を口汚くののしっている、

人間の条件を読んだ(人生50歳にしてw)とかほざいてるが、
この小説を語る上で最も重要な視点が抜け落ちている、
中学生の感想文よりお粗末だ。

820:読後感 ◆VkkhTVc0Ug
07/12/21 00:07:15 Dl7JUAU5
「首鳴き鬼の島」石崎幸二(東京創元社)

相模湾に浮かぶ小島・頸木島。ここに伝わるという鬼の取材を
するため意中の女性と共に島へやって来た記者・稲口は伝説を
なぞったかの様な残虐な連続殺人に巻き込まれる。

評判良くて読んでみたら面白かった。特に終盤のあのどんでん返しは
凄いね。2つの転回。久々の衝撃だった。推理の進め方も独特で興味深い。
これが理系ミステリか。読んでて良かった公文式。

ただ、いくつか気になることもあってね、いやいや文章とか
緊張感じゃなくて―そんなん今更気にしない……正直文章は
下手だなと思ったけど―気になったのは見立てに関する見解と(メル欄)。
前者はキャラクター設定から考えて違和感があるし、後者は
初めて言及された時点で幾ばくかの胡散臭さが漂ってた。
伏線なのかも知れないけど、それにしても真相に直結する“あの場面”は
もう少し巧く処理すべきだったかなとも思う。代替案は見つからないけど。

とまれ本格好きなら読んでも損はない一冊だった。

821:名無しのオプ
07/12/21 01:41:23 233G+REd
812についてはこちら↓

スレリンク(mog2板:53番)

822:名無しのオプ
07/12/22 04:06:54 BKRtvBPO
『林真紅郎と五つの謎』 乾くるみ 光文社文庫 約300頁

「いちばん奥の個室」
とても普通。本格関係ないけど、最後の姪の事を思う主人公が何か好きさ。

「陽炎のように」
次の短編と合わせ、この短編集の双璧。
幻想的な描写があるんだけど、その扱いはgood。

「過去からきた暗号」
自分で作ったが時の流れが風化させた暗号を
自分で解読するって構図がまず面白い。
その後はひたすら暗号解読。本格の範疇なのかな?
解読してく際の過去のふわふわとした記憶からの
条件がちょっとどうかなと思わなくもないが、面白い。
この暗号製作、相当結構労力かかってんじゃないのかなぁ、

「雪とボウガンのパズル」
ちょっと後半駆け足な感がする。


ちゃんと拾えた自信はないが、相当しっかり伏線を配置してるのでは?と思える。
主人公が地味なくせに魅力的で、次回また1冊にまとまったなら読んでみたいね。
ただしシンクロシンクロってのは推すほどには発揮できてない印象は確かに受ける。(決め台詞も滑り気味)
↑と矛盾する気がしないでもないが、諸岡の解説もよかった。



余談だが光文社文庫のカバーの手触りはいいなぁ。すべすべ。一番好きな文庫かも。

823:名無しのオプ
07/12/22 10:09:37 BQ53Vv2J
>>820
そんな数十年(ひょっとしたら100年)も前の作品のような設定自体でまず読む気起きないな。
当たり前の現代の話が読みたいよ。

824:名無しのオプ
07/12/22 13:32:50 VnRT0D4Y
>>822
確かに光文社文庫のすべすべ感はいいね。

825:書斎魔神 ◆AhysOwpt/w
07/12/22 16:54:42 hIphPIKf
会田雄次『アーロン収容所』を読んだ。
単なる戦記(捕虜収容所記である)を超えた日本人をはじめ、
各民族(英国人、グルカ、インド人、ビルマ人)本質を鋭く突いた名著として
読んでおくべき作である。
英国軍の捕虜収容所での日々は、細かな冒険の連続(特に日本軍捕虜による盗難行為)
とでも言い得る。
捕虜収容所の記録と言うと、シベリアの俘虜や日系人の収容所を想起してしまい
暗く凄惨な内容を思い浮かべる向きもあるやもしれぬが、本書は作者あとがきに
『・・・当時の収容所仲間の批評の総計は、収容所生活をすこし楽しげに書き過ぎた・・・』
とあるように、死体処理、糞尿処理、屠畜等々、収容所生活に伴う悲惨・凄惨な描写も
多いわりには、その筆致は明るく時にはユーモアさえ漂うものがあり、
特に英軍の物資を巡る日本人捕虜たちの巧緻を尽くした盗みは、
『大脱走』『第十七捕虜収容所』といった米映画のテーストに似た軽快さえ感じさせる。
ただし、気鋭の歴史学者の手になる本論は、あくまで前記した民族論であり、
後にジャーナリズムで繰り返し引用されることになる、牧畜民が捕虜の管理に長けているという論(逆に農耕民は不得手ゆえ、意図せずして捕虜を虐待する結果になり得る場合
がある)の元ネタは、まさに本書にあったことがわかる。
安いウィスキーや焼酎をひっかけながら、ガリレオ最終回を見て、録画したコナンの
ドラマスペシャルを見呆けてるいるようなアホなミスオタには、久々に突き付けて
読ませたい一書と言い得る。
心して読め!

826:名無しのオプ
07/12/22 18:38:29 UiciBV3u
読みもしないで感想だけパクる自分が読めば?


827:名無しのオプ
07/12/22 23:25:23 OmMQTC5Z
書斎は3行以上の文章は読めないよ

828:名無しのオプ
07/12/24 17:16:18 pQOa+t1l
<いないいないバーカ>

829: ◆XjFtIkbasQ
07/12/25 06:03:36 no2eOSQ6
北森鴻『支那そば館の謎 裏京都ミステリー』
(2003→2006、光文社文庫)【7点】

元広域窃盗犯の現寺男の「僕」こと有馬次郎を主人公とする連作短篇集。

主人公が寺男をつとめてる「大悲閣千光寺」の住職ほか、地元新聞社の
折原記者や、「税金泥棒」碇矢警部・作家ムンちゃんなどの掛け合いは
楽しい。

突出した傑作はないが、京都の小ネタを(無理やり)盛り込んで
ミステリに仕立て上げる作者の腕はさすが。そりゃないだろ的な真相もあるが。


830: ◆XjFtIkbasQ
07/12/28 01:07:34 ESlQCCSh
井沢元彦『信玄の呪縛』(1995→2000、角川文庫)【4点】

大学の歴史研究サークルの面々に届いたメンバーからの招待状。
諏訪湖畔の別荘に赴いたメンバーだが、主催者からビデオが届く。
武者姿の主催者は殺人を予告し、その通りに死体が発見され・・・

久しぶりに「うーんw」なミステリーを読んだ。
文章はスカスカで、「信玄の墓はどこにあるのか」という伝承も、
せいぜい歴史ミステリーと銘打ちたいがためのいろどりでしかない。
「逆説の日本史」で2頁くらいで語りつくせる薀蓄程度。

せめて舞台を長野に限定して観光ミステリにすればいいのだが。
東京から長野行きの新幹線の片道分の時間で読めてしまいそう。
大河『武田信玄』がやたら文中で言及されたのはおもしろかった。

831: ◆XjFtIkbasQ
07/12/29 17:10:56 gN6QLT99
小杉健治『絆』(1987→1990、集英社文庫)【8点】

夫である会社社長殺害の罪で裁判にかけられた被告弓岡奈緒子。
罪を認める奈緒子だが、原島弁護士だけは執拗に被告の無罪を主張する。
奈緒子が秘めたある事情とは何か、そして事件の真相は? 

日本推理作家協会賞受賞作の本作。裁判を傍聴する記者「私」視点で展開し、
原島弁護士の調査や検察の証拠固めは、あくまで「結果」として「私」の前に
差し出される。近年のリーガル物なら、原島弁護士の調査もみっちり描かれる
ところ。その過程が省かれる分、裁判の展開はスピーディーでコンパクト。
真相も、意外性を減らした分、くっきりテーマが浮かび上がる。

ただ、原島弁護士の正義感というか使命感がどうにもひとりよがりっぽくて
ちょっと鼻白む。脇筋の「私」物語とのリンクも、ややご都合主義か。
そこがちょっと個人的にはマイナスだが、良作。

832:書斎魔神 ◆AhysOwpt/w
07/12/30 22:17:43 0WZeLTMy
島村英紀『私はなぜ逮捕され、そこで何を見たか。』を読んだ。
この板的に定義すれば、事実にもとづくリーガル・サスペンス・エッセイとでも評すべき作.。
講談社文庫には、うっかりしていると読み逃してしまいそうなこの手の一読巻を置かせない
ノンフィクション、ルポルタージュ等の小品が収録されることがあるので油断ならない。
(過去には桝田武宗『いちど尾行してみたかった』『いちど変装してみたかった』等が記憶に残る)
しかも、本作は文庫書き下ろし、著名な科学者(地震学者)らしい実体験による拘置所レポートがクール、かつ、ユーモア含みで綴られると共に、刑事訴訟に関する解説・実態も簡潔・明瞭に
記されており、その内容は濃く、ハードカバーで出版しても良かったのではないかと思わせる出色の出来栄えとなっている。
特に著者は読み飛ばしても結構と書いているものの、収監された札幌拘置所のメニュー
を執拗なまでに記してゆく節(『記憶に残った食事』)は、軽い鬼気さえ感じさせ、
読ませどころのひとつかと思う。
他にも官本に大藪春彦があってびっくりしたこと(船乗りにも愛読されているエピも紹介されて
いる)、野球中継が多いNHKラジオ批判等々、拘置所ライフに絡んだ面白いエピが満載。
学歴・キャリアのわりには権力的でなく、大学の事務職や刑務官等の現場の公務員に
注ぐ眼差しは好意的ですらある著者ではあるが、
解説(安部譲二という適任者)でも取り上げられている部分だが、
『私のような突然の逮捕ならしょうがないだろうが、強盗など、時期を自分である程度選べる犯罪
を企てるのなら、歯や身体の悪いところを治しておいたほうがいいだろう』という記述などには、
ジョーク半分かもしれぬが、アナーキーなキャラの一面(これが魅力)をかいま見る感もある。

833:書斎魔神 ◆AhysOwpt/w
07/12/30 22:18:24 0WZeLTMy
本書に記された著者プロファイルを抜粋してみると、
41年東京生まれ。東大理学部卒。
北大地震火山研究観測センター長を経て、2004年~2005年国立極地研究所所長。
海底地震計開発・地震活動解明につとめる。
著書 『地震をさぐる』(国土社・日本科学読物賞受賞)
    『地球の腹と胸の内』(情報センター出版局・講談社科学出版賞受賞)
    『地震と火山の島国』(岩波書店・産経児童出版文化賞受賞)ほか
これほどの実績がある知識人が出鱈目(まえがきにあるが、収監・裁判に至る事件の内容は
本書ではほとんど書かれていないため、著者のHP等を参照する必要がある)をやるか否か、
考えてみれば答えは自明のように思える。
実際、著者が本書の最後の節で事件の因となったのではないかと推測している
地震予知批判の件(つまり政府批判となる)を見ても、公でも困難という見解が表明されて
来ている次第である。

834:よう
07/12/31 02:26:04 zRNj2V9u
「ミステリーズ」 山口雅也
なかなかどうして、ユーモアも織り込んだ傑作短編集・・・・
ミステリー通には当然読まれている一冊というところでしょうか?
結構レベル高し。

835:名無しのオプ
07/12/31 16:40:05 tHB2L1BB
桜庭一樹「私の男」
うーん、いまいち。
ずっと平坦で波がないし、読後感もあんまよくない。
ミステリ要素が中途半端に盛りこまれてるけど、
全部いらないのでは?

836:書斎魔神 ◆AhysOwpt/w
08/01/02 19:59:23 mLA4FooI
会田雄次『アーロン収容所再訪』を読んだ。
『アーロン収容所』に心打たれた者としては、手に取らずにはおれない書であるが、
構成は戦記ルポの体裁であった前作とは異なり、戦後のビルマ再訪によるエッセイという感じの
ものである。
著名な歴史学者の手になるものだけあって、センチメンタルな戦地再訪記ではなく、
当時のビルマ及びビルマ人論として読めるものとなっており、いまだに民族対立が根深く存し、
強力な軍政を敷く現代ミャンマーを予想し得ている慧眼はさすがである。
スーチー女史の幽閉は解けず、民主化の道は見えないままに、
日本人ジャーナリストの犠牲者も出た政情不安なミャンマー・・・
会田先生のコメントを聞きたかったものである。

837:名無しのオプ
08/01/02 21:34:17 b9ytbZJM
パクリ感想乙

838:名無しのオプ
08/01/03 05:57:11 EEYeyEt5
「インシテミル」
なかなか良かった。
歌野あたりが書きそうな設定だったが。
しかし、こんなに金を払って元が取れるのかなー。



839:書斎魔神 ◆AhysOwpt/w
08/01/03 22:07:06 5fsUfHqf
浜尾四郎『博士邸の怪事件他一編』を読んだ。
ラジオドラマの脚本を小説化したものであり、読み易いが出来もそれなり、
前説(まえがき)と講説(あとがき)を山前譲氏が担当しているが、
表題作の出来栄えに言及しないように苦労して筆を執っているのがわかる。
相続ネタに着眼した点(本作に描かれたような件は、旧民法では戸主制度等が存するため
現行法よりも複雑なケースであったらしい)は、いかにもこの作者らしいものはあるが、
戦前の長編本格ミステリの一大収穫とも言い得る『殺人鬼』ぐらい書けていればともかくとして、
犯行現場であざとい偶然性が連続、トリックもトンデモ科学まがいの展開では、怪奇やファースの
装飾を施さないこの作者の作風ではエンタメとして苦しいものがある。
しかし、今更ながらではあるが、一高・東大法卒、検事任官後に弁護士へ転身、
養家は枢密院議長で子爵、生家は医家というスーパーエリートな著者が
戦前においてミステリなどに手を染めていたとは驚かざるを得ないものはある。

840:書斎魔神 ◆AhysOwpt/w
08/01/03 22:08:55 5fsUfHqf
鮎川哲也『殺人歌劇<第一幕> 自選傑作ミステリー』を読んだ。
全7編を収録。
最初に収録された4作は、このマエストロのイメージからは意外感が大きいが、
非常に面白くも興味深いと同時に、
マエストロ鮎は、人間が描けない単なるパズラーやトリックメーカーにあらず、
優れた小説家でもあったことを再認識させられるものとなっている。
では、今年も大好評な収録作品全話講評いってみよう!
『絵のない絵本』
タイトルからもわかるとおりアンデルセンねた。
しかし、メルヘンちっく、スプラッターというこのマエストロの作風からは想像し難い内容が
展開される意外性に富んだ異色中の異色作であり、なんとも面白い。
『マガーロフ氏の日記』
本書収録の作者の手になる『作品のノート』に、
『推理小説のジャンルに「秘境物」がある。(中略)海外作品でいえばジュール・ヴェルヌの
<地底旅行>やコナン・ドイルの<失われた世界>も「秘境物」に分類されるだろう』
と記されているが、概念規定・例示共に疑問を感じるものの、作品そのものは面白い。
マモントの遺骸が残るシベリア奥地の村を舞台にした神秘とエロティックな要素もある奇談、
これもこのマエストロの作として異色であるが、日記形式の語りが効果を発揮、
全編に漂うサスペンスは秀逸である。
『ああ世は夢か』
明治東京情緒が横溢、これもまた異色の一編で、この作者には珍しい猟奇犯罪が描かれている。どこかせつないラストが印象的な作でもある。
『人買い伊平治』
『マガーロフ・・・』や本作は、横溝御大の戦前の短編と言われても信じてしまいそうな作風である。
実話をネタにした奇談に近い南洋犯罪談である。
作者があえて脇に配したという女郎屋の主人伊平治のキャラは面白く、幕切れも『ああ世は・・』
とは異なる感慨に富んでいる。

841:書斎魔神 ◆AhysOwpt/w
08/01/03 22:09:39 5fsUfHqf
『小さな孔』
本作以下3作は鮎作品らしいミステリである。
本作に関しては、オチが地味なうえに特殊過ぎるきらいあり、出来は今ひとつと言い得る。
『かみきり虫』
偽装が問題視された今日では面白く読める一編で、表題となったかみきり虫ネタも楽しいもの
がある。
東北の山峡の温泉が舞台であり、どこか松本清張作品にもありそうな作でもある。
『水の中の目』
刑事コロンボの『ハッサンサラーの反逆』を想起させる部分もあるが、無論、本作が先行している。
まさに綱渡りの計画犯罪であり、いささか(注 いささか先生ではない(w )創り過ぎの感も無くは
ないが、ミスオタが読んで楽しめるものには仕上がってはいる。
締めで鬼貫&丹那を使っても面白い一編だったのではと思われ。

842: ◆XjFtIkbasQ
08/01/03 22:20:10 NyZxr1XF
小杉健治『宿敵』(1994→1998改、集英社文庫)【7点】

全日本弁護士連合会の会長選挙が近づくなか、有力候補の中央弁の河合が
謹慎中の弁護士川田に刺されるという不祥事が起こった。選挙対策委員の
北見は、ボスの河合を当選させるため法曹界の派閥抗争に挑む。

主要な視点人物が弁護士の北見と商社マンの相原に分かれており、両パートが
中盤で合流するという構成であるが、そのため北見の「宿敵」である法務省の
若宮との対立が、中途半端になってしまっている。

複雑な派閥を上手く説明しており、「会長選挙」をめぐる派閥の思惑、立場・
主張の相違などは興味深く読んだが、複数の要素に均等にページを割きすぎて、
いよいよこれからというところで終わっているような気がする(続篇あり?)。

843: ◆XjFtIkbasQ
08/01/04 12:29:35 mFr08SzQ
西澤保彦『パズラー 謎と論理のエンタテイメント』
                (2004→2007、集英社文庫)【8点】

ノンシリーズの6篇の本格推理を集めた短篇集。
舞台も主人公もバラバラだが、どれもなかなかの佳作揃い。

「退職刑事」シリーズのパスティーシュ「贋作退職刑事」が有名らしいが、
個人的にはアメリカを舞台とした「卵が割れた後で」「チープ・トリック」が
印象深い。

844:書斎魔神 ◆AhysOwpt/w
08/01/05 22:06:05 SND6ZtuN
鮎川哲也『殺人歌劇<第二幕> 自選傑作ミステリー』を読んだ。
前集とは異なり、典型的な鮎中・短編ミステリ5編を収録。
正直言うて、自選でこの程度という感のものばかりである。
また、前集のようなバラェティ感を欠くのも残念。
『皮肉な運命』
クラシックオタな鮎らしい一編だが、『作品ノート』のある2曲に関する記述、
『・・・したがって一方がハ短調で一方が二短調で・・・といったことも、多くの読者は先刻
ご承知の筈だ』、これはオタらしい思い込みが強過ぎる感がある。
ミステリファンとクラシックファンが必ず被るとは限らないし、より広範な読者を視野に置いた場合
には暴論と言われても致し方あるまい。
余談ながら、作者は、はしだのりひことシューベルツというネーミングに反感を持っているらしい。
(『風』は名曲)
『まだらの犬』
収録作品中最長の作。
鬼貫&丹那も登場し、丹念な捜査活動により容疑者が絞り込まれてゆく過程は警察小説として
の興趣もある作で、物語の締めは名無しの婦人警官がつとめ、一番おいしいところを持ってゆく。
鬼貫ファンには不満もあろうが、名探偵の活躍に拘らず、鬼貫の透明性を理想としたこの作者
らしくもある。

845:書斎魔神 ◆AhysOwpt/w
08/01/05 22:06:48 SND6ZtuN
『首』
『作品ノート』に記された、顔が無い屍体よりも首の無い死体の方が残酷さを感じないという作者
の感覚には『?』という感はある。
『わたしなどはかのニューギニアの首狩り族諸君の写真を見たりすると、なんとなく親しみを感じる
ほどである』という記述に至っては、ジョークまじりではあろうが、『おい、おい・・・』という感じ。
作品的には、ポイントとなる家賃の件が不自然過ぎて頂けない。
いくらなんでも「そう」は思わないのが普通かと思う。
『首』
同一タイトルな別作品。
両作品共に『首』というタイトルが最も適切である、と記されているが、作品タイトルに拘らない
この作者らしい。この姿勢はこれで良いのだが、内容的には極端な偶然性に頼ったオチが
頂けないものがあり、刑事コロンボの出来が悪い作といった感がある。
『霧の湖』
本作も偽装表示が世間を騒がす昨今では、意図せずタイムリーになってしまうような作である。
刑事コロンボの『権力の墓穴』を想起させる部分がある小品ながらなかなか読ませる作に
仕上がっている。

846:名無しのオプ
08/01/05 23:24:23 JbByseaW
またパクリか。

847: ◆XjFtIkbasQ
08/01/06 01:18:43 S6CtsX9I
荒山徹『柳生雨月抄』(2006、新潮社)【7.5点】

柳生石舟斎の甥にして陰陽師の柳生友景。崇徳院の庇護の下、
魔衆を駆使して、朝鮮妖術師の魔の手から日本を護る! の連作短篇集。
前半3篇は日本、後半3篇は朝鮮が舞台。

隆慶一郎+山田風太郎÷3に、東映特撮怪獣シリーズを加えた剣法大活劇。
ちょいと「民明書房」風トンデモ歴史薀蓄も盛り込まれ、荒山伝奇炸裂。
先行柳生作品へのパロディほか、「モスラ」「オスカル」まどのお遊びも。

時空を超越して高句麗・百済・新羅などの半島史もぶち込んだ奇想には
圧倒されたが、友景が強すぎて、ピンチらしいピンチがないのは残念。

848: ◆XjFtIkbasQ
08/01/09 04:44:27 y2WOAOHx
今野敏『果断 隠蔽捜査2』(2007、新潮社)【8.5点】

都内大森署署長に左遷された、元警察庁総務課長の「変人」キャリア竜崎。
管内で発生した強盗事件に絡み、犯人が立てこもったと思しき料理屋前で
本庁・所轄、Sat・SITの対立を捌きながら、現場指揮をとることに・・・

『隠蔽捜査』の続篇で、重なる登場人物も多く、つねに原則・合理主義の
竜崎のキャラは相変わらず。今回は終盤の急展開も含めてノンストップで
読了。その分、小説としての重厚さや濃密さは薄いが、「おもしろかった!」
と満足できる、エンターテインメントの王道。いい意味で「水戸黄門的」。

前作同様、竜崎の家庭問題も平行して描かれるが、○○○○に感動したり、
竜崎の人間っぽいところも。続篇あるのかなあ。あってほしい。

849: ◆XjFtIkbasQ
08/01/10 07:05:19 XJAkGk4Q
東野圭吾『ダイイング・アイ』(光文社、2007)【8点】

バーテンの雨森慎介は終業後、不審な客に鈍器で殴られ重傷を負う。
犯人は、深夜の交通事故で愛妻を失った岸中という男だった。
警察はその事故の加害者側である雨森が岸中に復讐されたと見なすが、
一方で雨森の勤務先に謎めいた喪服の女性客が訪れるようになり・・・・

雨森の同棲する成美が姿を消す辺りで「またあの真相か」と早合点したが、
後半はアレアレという意外な方向に話は展開していく。

多少ご都合主義的な点もあるが、ホラーめいた要素も含め、読者の関心を
そらさない。一気読みしたが、読了後の感想は「いつもの東野の佳作」。
最近の九州の某事件を思い出した。そっちの方がコワイ。

850:名無しのオプ
08/01/10 09:22:34 Ppoi2QK7
ダイイングアイに8点付けるようじゃダメだよチミ

851:名無しのオプ
08/01/10 15:16:05 rb9F/S5l
>隆慶一郎+山田風太郎÷3

何故、3で割る?

852:名無しのオプ
08/01/10 15:45:16 2/AWTFz5
>>851
薄まってるからじゃね?

853:名無しのオプ
08/01/10 21:44:40 ccQ804os
ただのミスだろ

854:読後感 ◆VkkhTVc0Ug
08/01/12 02:57:06 9jrf1D/F
「離れた家 山沢晴雄傑作集」山沢晴雄(日本評論社)

故・天城一の初公刊3作の成功の流れで初の短編集とて、表題作は
既読のため割愛。
アリバイ崩しが約半分を占めているが、時刻表トリックは無いので
ご安心(?)を。ここから『砧最初の事件』を選ぶ。
いくつもの奇妙な出来事が織りなす真相は見事。
プロットをこねくり回す面白さに飽いてきた所で『神技』を。
上記の様な批判でも受けたのかこれでもかという程演繹的推理を
突き付けられてスッキリ。

ただ読み終ってやはり余技作家だなという印象。
アンソロでチロチロ読むのが最適でせう。

855:書斎魔神 ◆AhysOwpt/w
08/01/12 23:56:18 eQrnhWzj
鮎川哲也初期コレクション1『楡の木荘の殺人』を読んだ。
初期作品集ではあるが、正月に読んだ自選集に収録された初期作品が面白かったゆえ、
手にしてみたが、残念ながら着目すべき作品は無いと言わざるを得ない。
『月魄』
記念すべきマエストロ鮎のデビュー作だが、今となっては「それだけ」の意味しかない作とも
言い得る怪談。作者の思い入れ深い満州情緒満載ながら、やはりこの手ものは似合わない。
『地虫』
これは戦後東京談。幻想ファンタジーだが、これも作者の「柄」ではないという感じ。
『楡の木荘の殺人』
満州時代の鬼貫事件簿のひとつ。
既に後に作者が好み繰り返し使用する犯行トリックが見られるものの、特筆すべき点は皆無と
言い得る。
『雪姫』
大乱歩風の怪奇ファンタジー(「人でなしの恋」を想起させる雰囲気もある)。
それなりに読ませるが、やはり大乱歩の語りの巧さには及ばず。
作者の淡々とした筆致(『マガーロフ氏の日記』はこれが効果を上げているが)は、
この手の作には不似合いか。
『ジュピター殺人事件』
3部構成の中間部分(発展篇)のみを担当。
果たして厳密な意味で鮎作品と言うてよいかどうか。
発端篇(藤雪夫)が、作者が最も忌避する顔が無い屍体テーマなのが皮肉で、
ここからストーリーを発展させるのは苦渋もあったのではと思う。
解決篇(狩久)も鮎作品では考えられないメロドラマおちとなっている。
書き手が変わることによる作風の変化、主要キャラ(特にヒロイン)の変貌が目立ち過ぎ
統一感を欠く作となっているため連作としては失敗作と言い得よう。
『影法師』
戦前の横溝御大の短編にでもありそうな小品。
だが、本作も「それだけ」という感じである。

856:名無しのオプ
08/01/13 12:34:09 WphuI1iw
読後感は相変わらずウザイな。

857:書斎魔神 ◆AhysOwpt/w
08/01/14 21:39:45 4i8H78Ne
『戸田巽探偵小説選1』を読んだ。
東京(『新青年』文化と称してもよい)以外でも同時代に探偵小説創作活動が続けられていたこと
を示す意味合いは感じられ、「出世殺人」「相沢氏の不思議な宿望工作」「南の幻」など当時の
作品としては勧善懲悪に拘泥しないテーストは多少は面白いものの、
自費出版や部数限定出版ならともかく、
21世紀の今、普通に出版する意義があるのか大いに疑問に思える作ばかりである。

858:名無しのオプ
08/01/14 22:59:18 qjr5hJpJ
なんかつまらない書評ばかりやね。
あ、単なる報告スレか、すまぬw

859:名無しのオプ
08/01/15 00:44:41 rP4VVuK4
貴志祐介の黒い家。
めちゃくちゃ恐いと評判だったのでさっそく買って読んだ。
感想は・・・まったく恐くなかったです。
もう少しいろんな意味で追い詰めてほしかったかな。
でも面白かったです。

860:名無しのオプ
08/01/15 07:10:08 cKU7oOXB
黒い家は最後の○ごっこで萎える
お前ら小学生かと

861:名無しのオプ
08/01/15 17:20:52 3KE3g+bR
「見えない精霊」

面白かったが最後のオチはいらない。あんな安い教訓は勘弁……
それにしても発売元を間違えた作品だな。講談社ノベルズあたりなら若い読者層の食いつきも良かったろうに。

862:名無しのオプ
08/01/15 18:23:20 s+fzc8KB
『ネジ式ザゼツキー』

本格好きなんだけど島荘はあんまり読んでないんだよな。と読んでみた。
よく言われる豪腕ってのに妙に納得。うん、確かに豪腕。
しかしこれどういう製作過程を経ての作品なんだろ。
まず最初にどの部分があって作ったのか気になるわ。



863:読後感 ◆VkkhTVc0Ug
08/01/16 23:42:23 9iVIwIOE
「宿命は待つことができる」天城一(日本評論社)

表題長編+短編集の2部構成。
まず表題作は密室状態のホテルでの殺人を扱ったものだが、
トリックは綱渡りであるがシンプルなネタで良い。しかし長編を
支えるとなると力不足でそのせいか本作は社会派的な要素も色濃く、
それがまた読んでて飽きると言うか……。どうせなら拷問を詳述して
寿行的新境地を、ってそれは冗談だが。

短編集の方はネタの頃合いが良いが、他方でそもそも何のトリックも
無い話もあったりして拍子抜けした場面も。あと動機が逆説的で
首を傾げたこともいくつか。一番は最長の「落葉松の林をすぎて」。
トランクを預けた当人の死体がトランクに入っていたという
魅力的な謎に加え多方面からアプローチすることで話を引き立てている。

全体的に酔える程ロジカルでないことが残念だった。

80過ぎても意外とはっきりしてるもんなんだなァ。

864:書斎魔神 ◆AhysOwpt/w
08/01/19 14:00:56 rbKU2/9L
石上三登志『名探偵たちのユートピア 黄金期・探偵小説の役割』を読んだ。
「ミステリは理性追求の文学ゆえ、戦争とは対極にある」といった、
言わば探偵「小説」マンセーな私論に向けて、黄金期のミステリに関して語りまくり、
それなりに読み物としては面白いものに仕上がってはいる。
ただし、「緋色の研究」後半は西部小説、ハードボイルド・ミステリは西部小説の後裔、
クロフツ作品は冒険小説・警察小説として読めること等々、
見たまま、既にネットではおなじみの指摘等も多く、
目新しい主張というのは、さほど見当たらない感はある。
また、2ちゃんに書いたら突っ込まれそうな記述も散見され、
例えばジョン論の『「ポオ」になろうとした男』の章における、
他のマエストロと比べて、ジョンの作家デビューが24歳と若かった点を指摘したくだりにおける、
『・・・例外がクイーンで、ダネイもリーも共に23歳なのだが、しかし「二人で一人」なのだから、
足すと46歳。』
冗談含みだろうか?
エルもジョン同様に若いミステリ作家であったという事実を確認しておくべきであり、
ジョークを飛ばすところではなかろう。

865:名無しのオプ
08/01/19 14:03:24 lJvUxGYY
放置

866:名無しのオプ
08/01/19 17:20:29 gl2G9C9K
>>862
シマソウが未読だなんて、ものすごくうらやましい・・・
自分の記憶消去したい。

867:名無しのオプ
08/01/19 19:31:50 IeJOy/if


マスゴミの売国っぷりがマジでヤバイ件
なぜかニュースで自民を叩き民主の韓国推しをスルーしてる

【政治】 “韓国の李氏「自民が躊躇してる。民主党がリードして」” 民主、在日韓国人ら永住外国人の地方参政権付与法案、提出へ調整★2
スレリンク(newsplus板)l50


日本終了。
これで、日本はチベットの様な状態になり、中国様の元で奴隷として
働く様になります。


コピペして、拡散してください。




868:名無しのオプ
08/01/19 23:11:58 gl2G9C9K
ネジ式は確か核になる中編があって、
それを「21世紀本格」にあうようにリライトしたような。

869: ◆XjFtIkbasQ
08/01/20 00:47:14 1N05KYF+
赤井三尋『翳りゆく夏』(2003→2006、講談社文庫)【7点】

東西新聞の新入社員に内定した学生は、20年前の新生児誘拐事件の
犯人の娘だった。この事実に揺れる新聞社上層部は、窓際記者の梶に
事件の再調査を命じる。果たして誘拐事件の真相は? 

第49回江戸川乱歩賞受賞作。評価が低いので全く期待せずに読んだが、
作者の経歴を生かした事件モノとして安心して読める。
確かに新しさは感じないが、伏線の張り方・真相もポイントは高い。
ただ、視点人物を若干多くしすぎた気がする。
「古臭い」人生訓めいた語りが醸し出す雰囲気は、まあ好き嫌い分かれるかも。


870: ◆XjFtIkbasQ
08/01/20 00:49:25 1N05KYF+
逢坂剛『幻のマドリード通信』(1983→1987、講談社文庫)【7.5点】

スペイン内乱期を舞台とした初期短篇集。

当時の政情を織り込みつつ、大使館員やスパイ、刑事らを主要人物に
物語を進めるのだが、逢坂らしいヒネリは各短篇に共通。
とくにカディスを舞台とした2篇は秀逸。
似たような舞台・テーマが続きながらも飽きさせない。

871:うざいと思いますが最終日なので宣伝させてください
08/01/20 04:06:13 uiTOqtHV
2007年のベストミステリを投票で決める「2chが選ぶこのミステリーがすごい!」スレ
本日投票最終日です。まだ未投票の方は、ぜひ参加してください。
スレリンク(mystery板)

【以下のルールを守ってください】
・投票スレの>>1-3は無視してください。
・対象作品は奥付表記で2006年11月~2007年10月の期限内に発行された広義のミステリー作品。
・6作品以内で順位をつけて投票すること。
・必ずしも6作挙げる必要はない。1作のみでも投票可とするが、上記に書いてるように順位はつけること。
・1位=10点、2位=9点~6位=5点で集計。
・国内作品と海外作品は別々に投票する。
・一行以上の総評必須(ネタバレ禁止)
・宝島社の作品は対象内

テンプレです
1位,
2位,
3位,
4位,
5位,
6位,

<総評>


872:書斎魔神 ◆AhysOwpt/w
08/01/20 14:36:53 E4nWr3D2
梶山季之『せどり男爵数奇譚』を読んだ。
本作を「ミステリ」と読む輩も多いが、うーん、だな。
ミステリ仕立ての古本屋奇談集と評するのが的確、
格別面白くもないが、トップ屋出身の作者の軽妙な語りで気軽に読める連作集に仕上がっている。
「ミスター・セドリー」こと「せどり男爵」こと笠井菊哉が主人公、
韓国を舞台にし、冒頭に国際情勢認識が披露される異色の第3話以外は、
作者を想起させる語り部により綴られている。童貞主義の笠井氏、春画を覗き見た少年時代、
古本の売主である未亡人に迫られ童貞喪失、下宿先の歳の離れた大家夫婦の色事を
見せつけられた等のこの作者らしいお色気エピも多いが、第5話まではさらっと流されてゆく。
そして最終話である第6話で人皮装丁という猟奇的談話で溜めていたものが一気(w、
というか強烈なエロが炸裂してゆく。
以後の週刊誌で培った梶山節の展開や如何、と期待されたところで作者逝去となったのか。


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