07/07/27 02:15:30 tqfLuAH6
選評読んだけど、別に綾辻絶賛してなかったぞ?
404:名無しのオプ
07/07/27 02:46:24 ZXwRwqS3
なんという浮いたレス
工作員といわれてもしかたが無い寒さ
405:名無しのオプ
07/07/27 06:36:53 7vMKV7bD
工作員と言うより本人じゃあるまいかと
406:名無しのオプ
07/07/27 10:24:34 eWXjnGXp
他人の感想にグダグダ言う奴らは何なの?
たかが個人の主観なんだから放っとけよ
報告もせんとレスの無駄遣いして荒らしと変わらん
407:名無しのオプ
07/07/27 10:44:05 7vMKV7bD
はいはい、正義の味方でちゅか
408:名無しのオプ
07/07/27 11:35:55 /FwYRZBV
ボケたらツッコムのはむしろ礼儀だと思います
409:名無しのオプ
07/07/27 13:47:40 HCZsb7Zg
>>378
>>399
アヤツジは絶賛してないの?65点と92点だと、結構評価に差があるんだが。
410:名無しのオプ
07/07/27 13:56:10 eWXjnGXp
人によって評価が変わるのは当然のことじゃん
411:名無しのオプ
07/07/27 21:06:21 HCZsb7Zg
>>403 創作版によればこういう意見も。
815 :名無し物書き@推敲中?:2007/07/23(月) 20:21:10
北村は「『首挽村』はないな。横溝のパクリだし」と思って選考会に臨んだ。
しかし、綾辻が猛烈にプッシュし、大賞受賞。
412:書斎魔神 ◆qGkOQLdVas
07/07/28 20:09:44 3VA4mKZg
久々に織田作之助の作品集「夫婦善哉」(6篇を収録)を読んだ。
相変わらずの面白さであった。
ミステリ的には収録作品中の「世相」に注目、あの阿部定事件をネタに
作者がマジで創作を意図していたことがわかるが、早逝もあって実現しなかったのが
惜しまれる。作者の優れたストーリーテリングを以ってすれば、
正に稀代のクライム・ノヴェル足り得たのではなかろうか…
また、ミスオタには夫婦のなんともいえない腐れ縁を情緒豊かに描き上げて間断
するところがない表題作「夫婦善哉」、故郷大阪の上町にまつわる想い出をリリック
に綴った「木の都」等を熟読し、是非、ミステリに耽溺している己の身の虚しさを
省みるきっかけとして欲しいものである。
読み捨てな「ミステリ」の類とは異なり、ここには「人生」=人間の生き様が描かれて
おり、短編ながら長編に匹敵するボリューム感を以って読む者に迫って来るのである。
各人、心して読め!
413:名無しさん@そうだ選挙に行こう
07/07/29 14:45:21 jqLTru8I
乾くるみ『イニシエーション・ラブ』(2004→2007、文春文庫)【8点】
僕こと「たっくん」と「マユ」の恋愛物語。
すでにアレ系ミステリーということはよく知られているが、
読後の気分は、
(´・ω・`)?→ (゚д゚)! →((((゚Д゚ ;)))ガクブル
自分は気持ちよく騙されて再読とあいなりました。
414:名無しさん@そうだ選挙に行こう
07/07/29 16:15:49 A7Wlgh5k
アレ系?
415:名無しさん@そうだ選挙に行こう
07/07/29 17:23:11 GTXpntZe
『生きいそぎ』志水辰夫の短篇集。ラストの作品にグッときた
416:書斎魔神 ◆qGkOQLdVas
07/07/29 22:17:23 +FyRraIQ
逢坂剛「禿鷹の夜」を読んだ。
神宮署の悪徳刑事、禿富鷹秋(通称ハゲタカ)シリーズの第一弾である。
一部で人気があるシリーズながら、大藪春彦作品を読み慣れた目には、
はじけ方が足らず物足りないものがある。
また、解説にあるとおりハメットの世界を逢坂流に描くことを意図したもの
であるとすれば、視点が定まらない点が印象に残るだけであり、到底、成功しているとは
言い難いものがあり、もっと禿富の行動のみに焦点を絞って書き込んでゆけば、
東京人であり作品の舞台となる東京を描く筆致には定評がある作者だけあって、
臨場感があり、迫力溢れる作に仕上がったのではないかと思われるのが残念だ。
個性的ではあるものの、渋六興業のメンツもアウトローにしては優し過ぎで、
こちらはキャラ面から迫力不足、これが日本のヤクザと南米マフィア(マスダ)
との対決に悪徳刑事が絡むという本来は緊迫感ある物語を間延びした印象にしてしま
っている感がある。
417:てつや
07/07/30 19:44:52 Ha/LIpw3
三津田信三「首無の如き祟るもの」 ・・・かなり面白かった
北村薫「秋の花」 ・・・まあまあ面白かった
山口雅也「play」 ・・・普通
東野圭吾「放課後」 ・・・まあまあ面白かった
歌野晶午「密室殺人ゲーム王手飛車取り」 ・・・普通
大沢在昌「天使の牙」 ・・・面白くなかった
竹本健治「闇のなかの赤い馬」 ・・・普通
418:書斎魔神 ◆qGkOQLdVas
07/08/04 16:42:46 4keRLVJ6
桂望実「県庁の星」を読んだ。
かなり売れ、大幅に脚色されたとはいえ映画化もされた作品である。
県庁職員が地元スーパーに派遣されるという設定とその後の展開は、
まさに現代において成立し得る冒険でありファンタジーである。
ただし、映画で柴咲コウが演じた若きヒロイン(パートタイマー)は、
原作では40半ばのバツいち、成人の子有りというロマンの欠片も無い設定、
(ただし、映画でも気が強くしっかり者だが、性根は優しいという内面のキャラは
しっかりと活かされていたやに思う)
映画には登場しないあいちゃんという女性キャラが絡み、映画版以上に詳細に
役所と民間の発想の相異を細かく書き込んだ前半は非常に面白く読めるのだが、
県庁さんの活躍により、まさに現代のファンタジー化してしまう後半は、
県議会シーン等を取り入れ、やや辛口のラストへと脚色した映画の方が優れているやに
思う。
また、主語を省略した独自の文体に読み辛い部分があるのは難である。
419:名無しのオプ
07/08/04 17:38:02 UFm6mGwq
とりあえず読んだ本をミステリ板に書き込んでしまう書斎さんの
ずうずうしさには頭が下がります。
これからもがんばってください。
420:名無しのオプ
07/08/04 19:28:48 H0SFYKr1
大きな口をきくのは、書斎以上の読後感を書いてからだ。
421:名無しのオプ
07/08/04 19:40:00 6xayODUB
>>420
ピントがずれた書き込みの上を行くのはかなり難しいやに思う。
422:書斎魔神 ◆qGkOQLdVas
07/08/05 15:57:49 BZ/vfDND
蘇部健一「六とん3」を読んだ。
今風なんだろうが、幼女のイラストの表紙がなんとも…
内容にも全く無関係なのもどうかと思う。
大好評につき全話講評いってみよう!
「もうひとつの証言」
絵によるオチが効いている。刑事捜査としては問題有りなのだろうが、
コロンボ警部あたりが使いそうな手である。
「アリバイの死角」
作者あとがきには、あまりに下品という理由でラストの絵がカットされてしまった
とあるが、その分、オチのインパクト(?)が薄れてしまった感があるのが残念。
文章による謎解きではなく絵で落して欲しいネタであった。
「生涯最良の日」
占いブームネタをシニカルに書いた作だが、既にミステリの枠外の作となってしまって
いるのが残念。
「×××殺人事件」
作者らしいバカミスだが、それ以上のものではないという感じの作。
「殺ったのはだれだ!?」
和洋双方の典型的名探偵ものの文体模写が巧く、趣向は活きているかと思う。
「瞳の中の殺人者」
最後の絵を見るまでもなくオチが読めた。ミステリとしてもっと工夫が必要だった作
である。
423:書斎魔神 ◆qGkOQLdVas
07/08/05 15:59:25 BZ/vfDND
「死ぬ」
まさにシニカルの極致。黒パンの「生きる」の世界の対極に位置する世界だ。
「嘘と真実」
前作「死ぬ」も同様であるが、蘇部健一=単なるバカミス作家と思っていると、
良い意味で裏切られる作だ。
ミステリか否かはともかくとして、世相を巧く斬った問題小説と言い得る。
本作を読んでいて、ふと思うたのだが、蘇部先生は年甲斐も無く長澤まさみのファンなの
であろうか?
「栄光へのステップ」
少し面白くし過ぎようとしているきらいもあるが、絵オチが巧く活きたバカミス
としては楽しめる。
「秘めた想い」
作者あとがきによれば、「届かぬ想い」「叶わぬ想い」に続く想いシリーズの掉尾を飾る
作品(?)とのこと、いずれもタイム・パラドックス・ネタで面白く読ませ。
ビターなオチが効いた良作に仕上がっている。
「赤い糸」
作者あとがきによれば、「六とん2」の収録作品中では「きみがくれたメロディ」が
一番人気だったそうであり、本作のような作に対する需要は存在し、書かざるを得ない
という面もあるのだろうが、やはり蘇部先生にはこの手のものを書いて欲しくはない。
作品集の最後は、やはり十八番のバカミスで締めて欲しかったものである。
424:名無しのオプ
07/08/05 17:39:10 na2qkFMa
書斎さんの鋭い視点、さすがです。
ぜひ読まなきゃならない気になりました、その本。
425:名無しのオプ
07/08/05 18:20:39 K6yWCbVe
大好評の全話講評、ご苦労様です。
で、過去ログ読んでも「大好評」とはどこにも出てこないのですが、
見落としがあるやも知れません。どのあたりを探せばよろしいでしょうか?
426:名無しのオプ
07/08/06 02:26:58 dl2kNOYU
野沢尚『呼人』(1999→2000、講談社文庫)【6点】
ひと夏の冒険を共有した呼人・潤・厚介・小春の4人。
親友たちが大人になっていくなか、ひとり12歳で成長の止まった呼人。
出生の謎をめぐり行方不明になっている母親の手掛かりを求めるが・・・
設定的には東野圭吾っぽいところもあるが、時代は近未来まで、舞台は
世界を股にかけるなど、かなりスケールは大きい。ただその分、各パートの
書き込みが浅く、登場人物の言動にも説得力を欠き、違和感を感じることが多い。
ただ、ラストはよかった。
「水源探し」は野沢脚本ドラマ「川、いつか海へ」でも踏襲されているから、
野沢氏のお気に入りのテーマなのかな。小説ではちょっと無理があったが・・・
427:名無しのオプ
07/08/06 16:35:21 8knlScwf
>>425
ヒント:サイレント・マジョリティー
428:427
07/08/07 00:46:40 uF8+JeUE
分かり易く言えば書斎の妄想
429:名無しのオプ
07/08/07 00:53:42 +0DOosEs
過疎板でトリップ付けてる書斎とかいうカスって
なんなの?(笑)
430:名無しのオプ
07/08/07 01:31:56 HXKxiguX
>>7-8
431:名無しのオプ
07/08/07 03:11:33 95uSfh0j
>>430
コピペだとか言い訳すんじゃね?
相手する奴も同等のカスってこった
432:名無しのオプ
07/08/07 20:41:47 Dz7JjVLa
三津田信三『禍家』(光文社文庫、2007)【7点】
祖母とともにある町に越してきた少年貢太郎。なぜか町並にデジャヴを感じ、
怪しい老人には「おかえり、ぼうず・・」と声を掛けられる。
近所の暗い森、幽霊屋敷、そして何かが徘徊する我が家・・。文庫書き下ろしホラー。
終盤までは【5.5点】ぐらいかな、と思うほど平凡な展開だった。
「如きシリーズ」とは異なり読者を引き付ける強烈な謎がないため、
三津田の素人くさい文章がより一層ひっかかるのである。
しかし、終盤で「おおっ!」と大幅に評価アップ。それまでご都合主義と
思っていた展開が伏線だったとわかり膝を打つ。しかし初めてこの作者の
小説を読む人は途中で投げ出すんじゃあるまいか。たまに引き込まれる
ホラー描写もあるが、基本的に文章が拙劣なのは、「ホラー」を銘打った
小説としては致命的だろう。600円という安価も勘案して【7点】。
433:名無しのオプ
07/08/07 20:55:39 MDJbh0aM
なんか、その感想文だけでトリック(ネタ)がおおよそ分かっちゃったな。
多分アレ系のネタだ。
434:名無しのオプ
07/08/07 21:14:17 95uSfh0j
自分は未読だがまさかまた叙述がネタバレとか言って騒ぐ厨が出たか
435:名無しのオプ
07/08/07 21:23:44 Dz7JjVLa
>>433
えーと、たぶん当たってないと思うので安心して読んでみてください。
(でも期待せず読むのが吉)
たぶん「如きシリーズ」に手を出しかねてる人向きの、三津田入門篇。
436:名無しのオプ
07/08/08 03:20:25 tFxmGPBP
あれを事前情報無しで見破れた人がいたら
たいしたもんです
437:名無しのオプ
07/08/08 03:20:29 nnpkQLEt
西澤保彦『殺意の集う夜』(1996→1999、講談社文庫)【8点】
友人の園子に連れられて高原の別荘に赴いた万理。折りしも外は嵐、
別荘に次々と駆け込んでくる一癖ありそうな男女。ひょんなことから
彼らを殺害してしまった万理だが、寝室では園子も何者かに殺害されていた。
いわゆる山荘モノだが、下界では別に刑事がホステス殺害事件を追っており、
交互に物語が展開する。文体が軽妙なこともあってサクサク読めるが、
そこに秘められた作者のたくらみは周到かつ大胆(というか無謀)。
すべての真相が明らかになったあと、タイトルを見て笑うか呆れるか。
自分は大いに楽しみ、そして巧みな伏線の横溢に満足しました。
438:読後感 ◆VkkhTVc0Ug
07/08/09 17:27:37 VglKgLbm
「中村雅楽探偵全集1 團十郎切腹事件」戸板康二(東京創元社)
老歌舞伎役者中村雅楽が探偵役の連作ミステリ。
いまひとつでございました。ミステリとしてやや弱い印象の話が多く、
楽しめたとは言えませんでした。短編ならば何か強烈なトリックなり
どんでん返しが欲しい所ですがそれが見当たりませんで、結局、
焼き直しが多かったりしたのが残念でございました。以前週刊文春に
ミステリを読まないが本書は買ったという様なエッセイがありましたが
おそらく歌舞伎との絡みを読むのが正しいのでございましょう。
何か選ぶとすれば、「不当な解雇」の奇妙な味、「奈落殺人事件」の締め、
そして表題作の意外性辺りになりましょうか。それから
「ある絵解き」はもう少し煮詰めていただきとうございました。
439:名無しのオプ
07/08/09 18:40:39 SjWm5oSq
道尾秀介『ソロモンの犬』(文藝春秋社、2007)【7.5点】
大学生秋内静(せい)は、自転車便のバイト中、知り合いの少年の事故死に
遭遇する。その直前、なぜか少年の飼い犬が突然走り出したためだった。
後日静は、その場に居合わせた友人京也・ひろ子・智佳にこう切り出す。
「この中に人殺しがいるのかいないのか―」
ちょいと妄想癖のある、オクテな秋内静のドキドキ大学生活恋愛篇。
正直読んでて恥ずかしかったが、作者はさりげなく伏線を張っている。
従来の道尾作品に較べれば、ややその騙しの技巧があざといような
気もするが、物語のおもしろさは及第点。奇人風の大学助(准)教授は
笑ったが、真相において(①)が重要な位置を占めていることは、
伏線や説明が充分なされているとはいえ、やや評価が分かれるところか。
ところで(②)に関しては・・・・
オヤジな道尾に完敗もとい乾杯! 「ぶつぞう!(ノ∀`) アチャー 」
とはいえ、こういう物語も書けるんだなあ、とさらに評価アップ。
ただ、サプライズに関しては「シャドウ」「片目の猿」よりは下か。
440:名無しのオプ
07/08/10 01:25:21 blu5MLxb
同じ土俗的本格に分類されるのに、三津田信三が評価高くて
大村友貴美が低評価なのはなんでだろ~
441:名無しのオプ
07/08/10 06:32:59 LNQHT07I
トリック◎ 文章微妙な三津田
その逆の大村。
ミステリ板なら三津田>大村になるだろう。
442:名無しのオプ
07/08/10 18:11:28 blu5MLxb
三津田信三ってそもそも文章むちゃくちゃ下手じゃん。
微妙とかじゃなくてさ。
いくらトリックがすごくても小説として読めないならクイズと一緒。
ここでの三津田の評価が【8.5】とか【7】とか疑問すぎ。
443:名無しのオプ
07/08/10 18:23:56 blu5MLxb
「厭魅の如き・・・」<32点>文章超最悪、トリック前例あり
「凶鳥の如き・・・」<44点>文章最悪、トリック不成立、下調べ不足
「首無の如き・・・」<56点>文章最悪、複雑すぎる、メタじゃなくて下手
少なくとも読んでいて面白い本ではない。
最新の「禍家」は読んでないけど、まあ想像はつく。
西尾は本屋でパラ見したけど、妙に伊坂を意識した作風が好きではない。
「骸」とか、京極風味のシリーズも二番煎じでは。
444:名無しのオプ
07/08/10 18:26:08 W/TT39NF
一冊一冊の具体的な感想書いてくれよ
そういうスレなんだからさ
445:名無しのオプ
07/08/10 23:37:07 EuLMlk+L
>>442
だから各人の主観なんだから文句付けたって仕方がないだろうが
気に入らないんならお前はお前で【2.5】【3】とかの感想書いてろよ
446:名無しのオプ
07/08/11 00:19:45 QAFCQ+6a
西尾維新って伊坂を意識した作風かなあ
読みもしないで想像がつく>>443は二階堂黎人先生ですか?w
447:名無しのオプ
07/08/11 00:20:50 YEhkeBle
>>442
お前が三津田嫌いなのは分かったからさ、とりあえずもっと詳しく感想書いてみ?
そしたらこっちも反応しようがあるし。
あとここは読んだ本の感想を書くスレなのね。
読んでない本に対するお前の印象書かれても困るわけ。
スレが盛り上がるようなレスしましょうぜ?子供じゃあるまいし
448:名無しのオプ
07/08/11 02:33:51 dpUU9ib0
松本清張『張込み 傑作短編集5』(1965→2001改、新潮文庫)【8点】
表題作ほか「顔」「声」「地方紙を買う女」など全8篇を収録。
いわずと知れた有名作ぞろいだが、ミステリー的仕掛けという点では
シンプル。しかし犯行にいたる過程や動機をていねい(ある意味執拗)に
描き、清張独特の暗く陰湿なトーンで貫いた物語は読み応えあり。
個人的には「顔」「鬼畜」が双璧。
>>442
個人的には「ラストで驚かせてくれたら評価高し」なので、三津田とか道尾は
好きな作家なのですが・・・あ、>>443の西尾ってのは道尾秀介の間違い?
449:名無しのオプ
07/08/11 03:00:20 iTFi6dvV
夏ですね。
450:書斎魔神 ◆qGkOQLdVas
07/08/11 11:24:43 RpGAittE
篠田鉱造「明治百話」を読んだ。
歴史・時代ミステリのネタ満載の書と言い得る。
文明開化の時代柄ゆえか、この種の聞きが語り集にしては怪談話は
ひとつも無いのが目を惹く、」
とかく怪談絡みで語られることが多い山田朝右衛門家のエピ(「首斬朝右衛門」)
が冒頭に収録されているが、八世朝右衛門(高橋お伝、雲井竜雄等の処刑を担当)
によれば怪談めいた話は一切無いそうな。
他のエピでは、「加波山事件の捕物」「実話花井お梅」「海軍ヶ原人殺し探偵書」
「巡査の昔話」「殺人犯中川吉之助」「破獄中川大八」等々、
読み応えがある探偵・犯罪実話が収録されている。
また、三越デパートの発起人ネタ「デパートの日比さん」にある三越小僧読本は、
現代の商法にも通じるものが多くあって興味深い。
「基本」というものは時代を経ても不変ということであろう。
451:書斎魔神 ◆qGkOQLdVas
07/08/11 11:25:52 RpGAittE
島尾敏雄「死の棘」を読んだ。
夫(作家)の浮気をきっかけに精神的に崩壊してゆく妻、
そして夫の精神もじょじょに変調を来たしてゆく…
私小説として評判を呼んだ作ではあるが、鬼気迫るサイコ・サスペンス・ミステリと
して読める作でもある。
しかし、さすがにこの夫婦間の凄まじいまでの相克を文庫本600頁強も読まされるのは
きついものがある。間にはさまれた子供たちが可哀想過ぎだし…
そして救いともいえないラストの顛末は悲愴としか言いようがないものがある。
小説の夫妻の名前もトシオとミホとなっており、島尾夫妻を想起させはするものの、
フィクション中の記号としての意味のみであり、現実は快癒しハッピーエンド
だったというのが救いか。
こういった意味では、「現実」が「小説世界」の救いとなるという面白い逆転現象も
見られる作でもある。
452:名無しのオプ
07/08/11 12:45:00 A5N7TSor
「塗仏の宴」京極夏彦
「宴の支度」
ここまでの上中下巻3冊がまったくのプロローグに過ぎないことを知って、愕然とした。
「宴の始末」
ここまでの3冊+3冊が今後の京極堂シリーズのプロローグに過ぎないことを知って呆然とした。
「おんもらきの瑕」京極夏彦
前回の6冊が伏線にもなんにもなっていなかったことを知って、失望した。(3冊)
ちなみに、この作品では序盤の数ページでどんな話なのかわかってしまい、
残り1000ページが非常に辛いものとなった。
453:名無しのオプ
07/08/11 14:08:45 V0YZ396k
純文までカバーするとは流石書斎さんだ。
454:名無しのオプ
07/08/11 14:47:26 JDBfMVpA
何でもミステリw
455:名無しのオプ
07/08/11 14:54:00 17gmRnM4
子供が新しいおもちゃを自慢するのと同じだな。
456:名無しのオプ
07/08/11 21:31:19 FobZROLq
東山彰良「逃亡作法」
リトル舞城という感じ
十点満点で7点
457:名無しのオプ
07/08/11 22:27:16 emwb0R8P
川村義夫 「イタリア野郎の別居殺人」
最初の20ページでガツンとやられた。作者の思惑に見事に嵌められた感じか。
中盤にかけて心地よいサプライズが次々と展開し、まったく飽きさせない。
しかしそれらも全てはラストへの伏線。ミステリー史上に残るといってもいい
終盤のトリックは衝撃的。これぞ本格派!
そして何よりストーリーそのものが心に残る。受賞だけのことはある。
村田さんの気持ちになってみたいと心から願う一冊。超お奨め!
458:名無しのオプ
07/08/11 23:11:02 BTOGkR0/
「コズミック」 清涼院流水
酷い酷いと言われてる割にはそこまででもなかったような。
とりあえず投げつけたくなるほどじゃなかった。
かといって面白かったか、次も読みたいかと言われると…
もういいや、というのが本音。
感想は「世の中にはこんな本もあるんだな」の一言に尽きる
暇だったから読んだけど、忙しい合間を縫って読んでたとしたら、
時間を返せ!と嘆いていたかもしれない
図書館で借りて読んだけど、買って読んでたとしたら、
金返せ!と叫んでいたかもしれない
余談だけど、被害者たちの中に明らかに森博嗣を意識した名前があった上、
さらに「猛邦」という名前(漢字も同じ)があったのは
予言めいてるなあ、と思った。それだけ。
459:名無しのオプ
07/08/12 00:22:39 ad1Mt9UO
>>456
舞城?
460:名無しのオプ
07/08/12 00:29:58 zpgapTbs
「夜の蝉」 北村 薫
殺人がない推理小説で新鮮味を感じた。
名前と文体から100%女流作家と思っていたが、男性作家だったんだ・・・
同じ薫でも高村薫さんは男性顔負けのハードボイルドなのに、全く対照的なのには驚かされた。
ミステリー夏バテ気味の時の癒し系。
461:書斎魔神 ◆qGkOQLdVas
07/08/12 14:33:52 X+cRaQDC
「明治百話」を非常に興味深く読めたゆえ、続いて同じ著者(篠田鉱造)の
「幕末百話」を読んだ。
これも面白く、やはり歴史・時代ミステリのネタ多数あり。
(巻末の尾崎秀樹氏の解説によれば、新刊当時は一般的には話題にならなかった
ものの、時代小説家の虎の巻として読み継がれて来たそうな)
まず冒頭におかれたエピ「江戸の佐竹の岡部さん」が凄い、
タイトルから想起するのはのんびりまったりした懐旧談なのだが、
生涯に81人を斬った佐竹家の家臣岡部菊外という物騒な人物のホラーまがいの
逸話が語られる。
ただし、幕末に関する聞き語りであり、「明治百話」よりも時代を遡るとはいえ、
怪談めいた話は皆無、著者の志向もあるやもしれぬが、時代が怪談を許さないほどの
殺伐とした動乱期(1番恐いのは人間)という時代性ゆえであろうか。
(「正月の夜江戸の物騒」というエピには、『夜寝ていても女が「助けてェ」と泣叫ぶのを往々聞きました』とある)
ミステリねたとしては、本所五百羅漢の金貸し殺しの顛末を描いた「因縁探偵羅漢の殺人」、
日本橋の意気な町医者が実は盗賊だったという池波ワールドまがいの「探偵実話強盗医者」、
時代警察小説とでも称すべき作を著す際には参考になりそうな「昔の刑事の話」等が
面白い。
余談ながら、「幕末百話の後に題す」の著者が期待していたという
隅田沿岸に関する雄編が遂に著されずに終わったのは、誠に残念至極なものがある。
462:名無しのオプ
07/08/12 16:08:05 e8TWwyaG
書斎さんの濫読ぶりには驚嘆しますね。
463:名無しのオプ
07/08/12 16:36:57 tVC+dF9Y
「ミステリ」って言葉が一つでも入っていればいいのねw
464:名無しのオプ
07/08/12 22:11:07 7iU+C4KJ
>西尾は本屋でパラ見したけど、妙に伊坂を意識した作風が好きではない。
え?
465:名無しのオプ
07/08/13 00:09:00 Rcf5CV8y
三浦明博『滅びのモノクローム』(2002→2005、講談社文庫)【7点】
骨董市で若い女から、貴重なリールの入った柳行李を安価で購入した日下。
スチール缶のフィルムを再現してみると、そこにはある人物と風景が。
やがて女から「返してほしい」と連絡が入り、日下の身辺で失踪事件が発生。
フィルムに秘められた謎とは? 第48回江戸川乱歩賞受賞作。
評判サイアクな割にはそこそこおもしろく読んだ。文章も下手ではないし、
冒頭のつかみ→事件の展開などはなかなか引き込まれた。ただ、550枚の
制限のせいか後半の展開が駆け足気味で、敵方の複数の人物の書き込みが薄い。
テーマが手垢がついているのは措くとしても、それ以外の新鮮味がほしかった。
惜しいのはフィルムの内容が「アレ」だったのなら、実は黒幕が・・・という
意外性を狙ってもよかったのでは。ところで文庫解説者が、文春ベスト10では
3位だが「このミス」にかすりもしなかったのは若い世代の戦争に関する意識が
どーのこーのという箇所は、どうかと思う。書評家なら文春のアレが乱歩賞に
甘いことぐらい知っているだろうに。
466:名無しのオプ
07/08/13 13:45:57 Z1pdFBi8
>463
文学板で女コテハンにふられて追い出されて泣く泣くこっちに書いてるんだよ
ほっといてやれ
467:名無しのオプ
07/08/13 15:48:27 f4/d/j73
それなりに情けない理由があるのねw
468:書斎魔神 ◆qGkOQLdVas
07/08/13 22:18:29 js7soalB
有栖川有栖「月光ゲーム」を読んだ。
平成元年1月に刊行された本作は文庫化もされ、既にクラシックと言うても
よいかもしれぬが、全体的に若書きが目立つ作ではある。
解説でやんわりと指摘されている点のダイイングメッセージ解釈は無理有り過ぎ、
動機の掘り下げも説得力を欠き、売りであるはずの噴火によるクローズドサークル形成
(携帯もPCも皆無の時代性を感じさせる)によるサスペンスも学生が多数登場する
軽い青春小説風の展開とはミスマッチで、今ひとつ盛り上がらないまま終わる。
ミステリとして見るべきものは、マッチ箱に関する推理という小ネタ程度ではないか。
個人的には、火村助教授と作家有栖コンビのシリーズの方がアダルトな作風で好みな
こともあるが、学生有栖シリーズ作品中でも、後の「双頭の悪魔」の方が、
謎解きミステリとしては質両共に読み応えがあるとは言える。
だが、今読むと、学生が主人公の豊島ミホの青春小説あたりが好きな者には、
1番抵抗感無く読めるミステリの類ではないかと思う。
内輪のサークルの駄弁り、他大学生とのキャンプ活動等の描写は活き活きとしたものが
感じられ、この作者のこの方面の筆力を確認させるものである。
469:名無しのオプ
07/08/13 22:50:13 +6yiIaNN
おお、ちゃんと書けるじゃん。
いつ読んだか知らんけどw
470:名無しのオプ
07/08/13 23:21:08 Cc5VRsaP
当たり前だよ。
書斎の実力を舐めたらいけない。
471:名無しのオプ
07/08/13 23:35:02 Xh3nfeAi
直球は棒球、変化球はすっぽ抜けw
472:名無しのオプ
07/08/14 19:16:12 4+D8T16N
>>469
どーせまたパクリだって
473:名無しのオプ
07/08/14 19:55:07 2IkL63dI
どくごかんカムバック
474:名無しのオプ
07/08/14 22:59:02 MqBnUYYy
『しあわせの書 迷探偵ヨギ ガンジーの心霊術』
泡坂妻夫 新潮文庫
話の中身は行き当たりばったりでB級映画を見ているような感じ。
だが最大の仕掛けは見事としか言いようがない。
これより後に出された他の作者の本で
似たような仕掛けを事前に味わっていたにも関わらず
読み終えると、本当に感心した。
475:名無しのオプ
07/08/15 00:15:54 GvYek9GX
奥田英朗『イン・ザ・プール』(2002→2006、文春文庫)【8点】
伊良部総合病院の地下にある神経科。デブオタ医師伊良部一郎のもとに
訪れる、さまざまな患者たちのケッタイな物語。
初奥田。ミステリーとは言いがたいが、何も考えずに笑って楽しめる。
エンターテインメントの短篇集としてはかなり上出来。
個人的には「フレンド」が好き。
伊良部=田口浩正に変換して読んでいたが、すでに映像化されてたのね。
続篇読むのが楽しみ。
476:名無しのオプ
07/08/16 03:06:31 XaVOoVF1
アトポス死ねアトポス死ねアトポス死ねアトポス死ねアトポス死ねアトポス死ね
アトポス死ねアトポス死ねアトポス死ねアトポス死ねアトポス死ねアトポス死ね
アトポス死ねアトポス死ねアトポス死ねアトポス死ねアトポス死ねアトポス死ね
アトポス死ねアトポス死ねアトポス死ねアトポス死ねアトポス死ねアトポス死ね
アトポス死ねアトポス死ねアトポス死ねアトポス死ねアトポス死ねアトポス死ね
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アトポス死ねアトポス死ねアトポス死ねアトポス死ねアトポス死ねアトポス死ね
477:書斎魔神 ◆qGkOQLdVas
07/08/18 11:52:19 HAwtwyui
半額で入手した新潮新書2冊を一気読みした。
河内孝著「新聞社 破綻したビジネスモデル」
著者は、元毎日新聞常務取締役、現場の編集・営業両面に渡るキャリアが豊富であり、
新聞の現状と将来に関するレポと提言は一読に値する。
身近でありながら、新聞業界のことを書いた書籍でも今まであまり触れられて来なかった
新聞販売店の実態、折込広告の意義等をミステリを読むが如く謎解きした
第2章が特に興味深いものがあった。
著者の提言は、近年は協調傾向にある朝日・讀賣の2大連合に対し、毎日、産経、中日に
よる新聞製作体勢全般に及ぶ広範な業務協力実現であるようだが、
これなら最終章である第5章で予想されているIT社会化における電子瓦版時代
にも形を変えながら対応出来ようかと思う。
郷原信郎著「『法令遵守』が日本を滅ぼす」
著者は私立大のロースクールに出向中の検察官、東大理学部卒という理科系出身の法曹
のせいもあってか、現実の事件を素材にしたクールな現状分析に基づく「法令遵守」
というものに対する考え方
(コンプライアンスは形式的な法令の遵守ではなく、組織の社会的要請に対する適応
とする。まず時代に即した立法趣旨を考えよということか)は、十分に傾聴に値するものがあるやに思う。
現実の事件(ライブドア、村上ファンド、耐震強度偽装、パロマ等近年の著名な事件が
主として取り上げられているものの、鉄道用保守作業車不正車検事件というのは初耳で
あった)を著者独自のコンプライアンスの概念から読み解いてゆく展開は、
ミステリの謎解きの興趣を凌駕する知的刺激に溢れたものとなっている。
しかし、本書中で著者が公判の行方を懸念していたライブドア事件、村上ファンド事件が
共に意外にあっさりと一審有罪判決が出たのは意外であった。
478:名無しのオプ
07/08/18 13:06:15 jt+6rUzz
「ミステリ」が1箇所ずつw
479:名無しのオプ
07/08/18 13:12:48 IKn97093
相変わらず書斎さんの濫読ぶりは流石ですね。
ミステリーしか読まなければ、ミステリーのことさえ分かりませんからね。
480:名無しのオプ
07/08/21 00:23:55 8F1y0Itb
西澤保彦『麦酒の家の冒険』(1996→2000、講談社文庫)【6点】
高原旅行の帰り、ひょんなことから車を乗り捨て、見知らぬ家にたどり着いた
タックら4人。ベッド以外何もない家で、疲労の極地にある彼らが見たのは、
きんきんに冷えた膨大なエビスビールと、ジョッキだった・・・。
「九マイルは遠すぎる」風ミステリの長篇版を狙ったもの、らしい。
立てては否定される4人の仮説、掛け合いはそれなりにおもしろいものの、
肝腎のビールとジョッキの謎の真相がいただけない。とくに96本、13個
という数字に関する解釈などが残念。もっとも、それ以外で進行している
事象に関しての伏線バラマキは手馴れたもので感心した。
ちょこちょこ言及される「例の事件」はシリーズ物を強調するためであろうが、
本書と無関係とわかっていつつも純粋な読書を妨げる。
481:名無しのオプ
07/08/24 00:52:22 ZpJR7elD
歌野晶午『放浪探偵と七つの殺人』(1999→2002、講談社文庫)【8点】
放浪探偵信濃譲二が活躍する短篇集。
過剰な趣向や怪奇趣味はないが、ほぼ水準以上の好短篇集。
年末の下宿で起きた殺人の倒叙モノ「ドア⇔ドア」、
単純トリックと見せかけてひとひねりした「烏勧請」、
正統派フーダニット+αの「有罪としての不在」、
シンプルだが上手い「水難の夜」などがとくに印象深い。
482:書斎魔神 ◆qGkOQLdVas
07/08/25 17:52:13 xSiSc9Cf
増田俊成「シャトゥーン ヒグマの森」を読んだ。
シャトゥーンとは、穴持たずの意、冬眠に失敗し徘徊するヒグマのことだそうである。
体高3メートル弱、体重350キロにも達し強力な破壊力とスピードも持つ
「怪獣」とでも称すべきヒグマが棲む携帯電話も圏域外の山中に孤立した
人々(プロのハンターは皆無)のサバイバルを描いた冒険小説である。
(あとがきで大森望氏は、一種のモンスター小説でもあると評している)
ブンヤ出身の作家だけあって、グロ、アクション等の即物的シーンは詳細、かつ、
的確で迫力に富んではいるのだが、
本書中にも記されている故吉村昭先生の傑作「羆嵐」と比較すると、極限状態
(特に他者の死に遭遇したシーン)に置かれた人間心理の描写が薄く、
説得力を欠くものとなっている。
「羆嵐」が現実の事件(三毛別事件)を材としたドキュメントノベルということもあるが、
小説として評価した場合、結局、人間が描けているか否かという根本問題が、
両作品の出来栄えの差となって如実に顕在化していると言わざるを得ない。
(余談ながら、フィクションで本作中で確認出来る犠牲者は7名、
三毛別事件は8名であり、この点では現実がフィクションを上回っている凄まじさ
なのである)
しかしながら、全体的に見れば予想外に楽しめたのも事実であり、
映画「エイリアン」のヒロイン、リプリーを想起させるようなタフで優しい
長身の美形ジャーナリストのヒロイン(子有り、30代後半)の大奮戦を描いた
エンタメとして気軽に読み流せば、前記したことは過重な期待ということにもなろうか。
作者の作家歴はまだ浅く、しかも、「このミス」大賞優秀賞受賞作品というエンタメに過ぎないのであるから。
483:書斎魔神 ◆qGkOQLdVas
07/08/25 17:55:00 xSiSc9Cf
半藤一利「日本のいちばん長い日」を読んだ。
最近もNHKBSでオンエアされていたが、今回、決定版で再読し、
あらためて国産ポリティカル・スリラーの最高峰は本作であると確信した。
昭和20年8月14日正午から翌15日正午の天皇の玉音放送オンエアに
至るまでの、いわゆる「日本のいちばん長い日」に繰り広げられた宮城占拠、
録音盤争奪を巡る陸軍内部の抗争、
そして周辺で発生する終戦反対行動(厚木基地叛乱、佐々木大尉による襲撃等)
詳細な調査による事実のみが持ち得る強烈なサスペンスは、
萌え狙いの新書ミステリに耽溺するミスオタあたりがうっかり手に取れば失禁状態に
なってしまうのではないか(w
映画版では、阿南陸相の「米内を斬れ」の言がカットされていること、
原作のエピローグにその後が描かれていながら映画では触れられていない人物がいること。
(なんと映画版で天本英世氏が演じた佐々木大尉は、14年間潜伏後、社会復帰、
存命中であった首相秘書鈴木一氏に謝罪にゆき、逆に慰められたそうである)
484:名無しのオプ
07/08/25 20:55:48 dV1gJlBX
____
/∵∴∵∴\
/∵∴∵∴∵∴\
/∵∴∴,(・)(・)∴|
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|∵ / 三 | 三 | / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
|∵ | __|__ | < うるせー馬鹿!
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\____/ヽ __ _____
/ >、__,r‐ツ./ヽ´-‐ ' "´r",.-、, \
_.. -‐''フ|フヽr-‐ ''''フ./´ /(_.人 ヽ._ ヽ
. ‐ '7 く/|〉-rへ. / ./ l ゝ. \ /
/ /|/ L / | ,( \ ノハ
485:名無しのオプ
07/08/26 22:21:26 ofSLlhAf
川村義夫 「イタリア野郎の別居殺人」
最初の20ページでガツンとやられた。作者の思惑に見事に嵌められた感じか。
中盤にかけて心地よいサプライズが次々と展開し、まったく飽きさせない。
しかしそれらも全てはラストへの伏線。ミステリー史上に残るといってもいい
終盤のトリックは衝撃的。これぞ本格派!
そして何よりストーリーそのものが心に残る。受賞だけのことはある。
村田さんの気持ちになってみたいと心から願う一冊。超お奨め!
486:名無しのオプ
07/08/27 17:05:20 9QgM1TZ0
>>485
聞いたこともない作品だがそんなにおもしろいのか・・・
487:名無しのオプ
07/08/27 17:14:00 Uc/xgZ2W
って云うか、このスレの「感想文」のもじりなんだろうけど、さほど意味はないな。
488:名無しのオプ
07/08/27 18:43:10 FFTfjQrs
ショヒョックスを使って書いたんだろう
489:名無しのオプ
07/08/27 21:59:03 eVqXRhrV
書斎魔神 投稿日: 2001/06/21(木) 14:44
平成13年6月21日
厨房板 御中
ミステリ板住人
書斎魔神
ミステリ板壊滅作戦について
沈滞したミステリ板に厨房板の先生方の正義の一撃を
加えてください。
490:読後感 ◆VkkhTVc0Ug
07/08/31 21:00:43 za4xNxu8
「鷹丘城悲恋 私の胸には蝮が宿り」長坂秀佳(角川書店)
取材の為冬の青森を訪れた作家城は弘前城で知り合った美女
千織に誘われ彼女の家族が住む大豪邸へと赴く。そこには何と
今回の取材を提案したプロデューサー十詩もいた。広い邸内には
他にも多くの客人がおり城は彼らの奇妙な関係に目を見張る。
しかし奇妙な出来事はそれだけではなかった。翌日城を囲む凍った
堀の下から十詩の死体が発見されたのだ。現場は氷の密室であった。
そういや子連れ狼に榊原るみが出てたよ。作者久々の本格作品。
しかしまあ文章の酷いこと。冒頭の数ページで読む気の萎える
フレーズが山と出てきて閉口した。「静電気が走った」
「『一目惚れスイッチ』が入って」「ママちゃま」等々……。
もうね、人生の大先輩ながら面と向かって「お前、大丈夫か」と
声をかけたくなったよ。30年一昔になってんだろうな、きっと。
巻末で名前挙げられてる連中は何してたんだ?
爺の暴走を止めないと駄目だろ。文章なんてそんなの関係ねぇ!
とずっと思っていたが物事には須くこれ限度というものがある。
ただ、3つある密室のトリックは割と面白い。だからトリックだけ
考えて文章は他の作家に任せりゃいいと思う。市川森一にでもw。
作中でこれからは本格で行くみたいなこと言ってるけどこれではなぁ。
491:名無しのオプ
07/08/31 22:36:11 YaVua/SX
長坂、まだ小説かいてたのかw
492:名無しのオプ
07/09/01 16:16:31 9n20ikXl
阿井渉介『列車消失』(1990→1995、講談社文庫)【6点】
大井川鉄道井川線。走行中の七輌編成の列車から6号車のみが姿を消し、
直後にJRに乗員35人の身代金を要求する連絡が入る。身代金を運ぶ
寝台列車では怪奇現象続出。二度死ぬ自殺者、車内を徘徊する胴体死体・・
本格鉄道ミステリー・牛深刑事の「列車シリーズ」。
今度ノベルスで復刊されるということで阿井に初挑戦。舞台設定といい、
破天荒な怪奇現象といい、著者もいうとおり島田荘司に影響を受けているが、
島田の小説が確かな「筆力」に支えられていたのに対し、阿井は格段に劣る。
そのため、犯行過程・動機にいくつかの疑問符がついてしまい、首をかしげた。
大勢出てくる警察関係者・JR関係者の書き分けも不十分で、「これは誰だっけ」
と前ページに戻ることも再三。また列車消失のトリックや密室殺人の真相は、
いくらなんでも警察が調べれば・・・と思う。でも楽しめる人は楽しめるだろう。
ちなみに文庫の解説は、あの大森望。
493:読後感 ◆VkkhTVc0Ug
07/09/02 01:06:43 dNpf2/ju
「払い戻した恋人」赤川次郎(集英社)
美人だが筋金入りのケチなOL冴子は映画館で出会った男伏見から
一目惚れしたから自分の濡衣を晴らす手伝いをしてくれと頼まれる。
高額な報酬に惹かれて頼みを引き受けた冴子だったが、
調査を妨害するように第2、第3の殺人が起こってしまう―。
ありがちな巻き込まれ型ロマンティック・サスペンスかと思いきや、
伏見は序盤で(ほぼ)退場してしまう。では代わりに誰がというと、
中年の刑事が出てくるw
別にトラミスでもないしおっさんに媚びる必要ないと思うんだがなぁ。
別にトリックとかはなく、フーダニットだけ。特に巧くもないけど
暇つぶしにはなるな。
494:名無しのオプ
07/09/03 01:25:09 A58wabnB
この文章じゃ泡沫ライターにもなれないな、書斎
495:名無しのオプ
07/09/03 21:51:14 ZSIEBNCY
鯨統一郎『ふたりのシンデレラ』(原書房 2002) 【6点】
「私はこの事件の証人です。同時に、犯人です。そして、犠牲者でもあります。
それどころか、探偵役でもあります。加えて、ワトソン役も努めます。
もちろん記述者でもあります。
さらに、濡れ衣を着せられる容疑者でもあります。
最後に共犯者でもあります。」
キャッチコピーから。
個人所有の無人島に、芝居の稽古のため合宿している小劇団員9名、
ヒロインを二人いる看板女優のうちどちらにするか?でピリピリした
雰囲気が皆の間に漂っている。
数日後、島の建物の一つで火事があり、その女優1名死亡、1名重症を負い記憶喪失、
犯人と目される、女優の夫は島外へ失踪してしまう。
一種のクローズドサークルものともとれるが、
登場人物達は事件後すぐ街へかえって来てしまうので、一種のフーダニットか。
キャッチコピーから予想されるような叙述ものではない。
メインのネタはありげな(メ欄*1)であるが、そこに(メ欄*2)を絡めたところが新味か。
が、(メ欄*2)の手術を施された直後の人間が、
本人&救急隊が全くそれを気付かないなんて事がありうるのだろうか?
そして、小説としては文章が生硬、官能場面が妙に多い。あたりも気になるところ。
496:名無しのオプ
07/09/03 23:28:46 Y/eTs7Vc
>>492
>ちなみに文庫の解説は、あの大森望。
地雷本か。
497:読後感 ◆VkkhTVc0Ug
07/09/05 12:23:11 6u9q5XYV
「煙の殺意」泡坂妻夫(東京創元社)
短編集だが、僕はこの中の一編「紳士の園」を読んだきり、
ずっと中断させていた。理由はただ一つ、これ以上のものは
この中にはないと思ったからだ。他の作品の質如何ではこの傑作に
打ち震えている心が冷めてしまわないか危惧したのだ。
僕は大鯛の皮を食べて他は捨てるという、貴人の境地に到達していた。
そのつもりだったのだが、矢張時間が経つと気になり始め、
再開してしまった。結果からいうと僕の予想は当たった。どの作品も
読んでつまらないというものではないが、「紳士の園」が持つ
ディープ・インパクトには及ばなかった。次点を挙げるとすれば
数々の小ネタが楽しい「狐の面」だろうか。「閏の花嫁」の
ドキドキ感も中々良いもの。
ただ、印象面で言えば一つが突出していたが故の不運である。
498:名無しのオプ
07/09/05 21:22:34 4O8hB2dM
「紳士の園」を一番最後に読めば問題なしって事ですね。
499:名無しのオプ
07/09/06 00:18:17 1TtUC9PD
この、読後感 ◆VkkhTVc0Ug 氏は、書斎魔神の新しいペンネームか?
ぶっ壊れた文章はそっくりなのだが?
500:名無しのオプ
07/09/06 07:44:16 uDBretMV
このミスとかで上位に来てる海外ものをたまーに読む程度の俺が僭越ながら
この板に来て知った有名作を2冊
「星降り山荘の殺人」
過剰に伏線張って最後に女々しい辻褄合わせ。ハイハイとつきあうしかなかった。
ラスト数ページはマジで鼻で笑った
「ハサミ男」
これって変装と並ぶ禁じ手じゃないの?
気取った文体も気持ち悪い
どちらも新本格なるものの底の浅さを感じた
やっぱミステリといえども文学作品として優れてないとね
501:ミステリ6-2
07/09/06 10:47:46 PzTZSbXn
MARK8-5
502:名無しのオプ
07/09/06 13:37:46 MIKWkdHC
>>499
最初はわりとまともに「読みました」報告をしていたのだが、そのうちに勘違いして批評家様になってしまったアホ。
NG推奨。
503:名無しのオプ
07/09/06 14:05:24 Rw7PngV8
最初からあんな感じだった気もするがw
まああんまり真面目に読まん方がいいよw
504:名無しのオプ
07/09/06 14:23:10 PzTZSbXn
魔神2世ですね。
505:名無しのオプ
07/09/07 00:07:08 0gGleilV
川村義夫 「イタリア物語」
20年以上前の作品とは思えない斬新なアイデア。
遠藤が当時ベタ褒めしてた。
東野あたりが今出しても違和感ないのでは・・・。
とにかく読み始めたら止まらない。
以下ネタバレ少しあり
無関係と思われる3つのストーリー(岩田村編、後藤田編、池編)が
平行して展開し、途中からに思わぬ形でリンクしてくるんだけど、リンクする前の
それぞれのストーリーが恐ろしく練りこまれて、これだけで3冊の傑作中篇小説が
成立している。特に後藤田編は深い。それにあの専務怖すぎ・・・。まあそれはともかく
あの結末を予測できる読者はいないのではないだろうか。あれは到底叙情などという
安っぽい言葉では括れないだろう。今でこそ模倣的手法を使った作品がいくつか
出ているがいずれもオリジナルには遠く及ばない。傑作中の傑作。
506:名無しのオプ
07/09/07 00:26:01 lfVxLARc
重松清『疾走』(2003→2005、角川文庫)【8.5点】
瀬戸内海沿いの田舎町で両親・兄と暮らすシュウジ。
「浜」と「沖」の対立、リゾート計画、イジメ、家庭内暴力。
放火事件、ヤクザ、離散。数々の試練を経たシュウジを待つ運命とは。
直前に読んでいた『カカシの夏休み』もおもしろかったが、
その印象をすべて吹き飛ばす表紙にまずびっくり。重苦しい展開には
ちょっと読んでいてヘコむが、とうとう上下巻を一気読みしてしまった。
この迫力はただものではない。「おまえ」という二人称視点も効果を
あげている。ラストもよい。まさに青春時代を「疾走」した少年の物語。
507:名無しのオプ
07/09/07 02:33:13 24JQxGaY
224参上! ハロー書斎
508:名無しのオプ
07/09/07 12:39:01 ScIjkbOY
ようやくメフィスト9月号を読み終えたけど、
ネイルアートっていう真梨幸子の作品が一番印象に残った。
フェチにまつわるホラーをテーマにしたものなんだけど。
タイトル通り、爪にまつわるホラーなんだが。
もちろんホラーなんだけどミステリでもあって、おもしろかったな
509:名無しのオプ
07/09/08 04:49:16 AuMV7/P4
ホームページ! ホームページ!
アドレス!アドレス!
教えて!教えて!教えて!!!!!!!!!!!!書斎さんw
510:名無しのオプ
07/09/08 08:22:14 hzyKPK0e
遂に読後感まで叩かれだしたか。
とにかくミステリ板のアホどもはコテハンなら誰彼構わず叩くからなあ。
それで去っていった名コテハンの多いことよ。
511:名無しのオプ
07/09/08 08:49:34 BJOV/Q3I
叩いてたのはお前ら書斎シンパだろうがw
512:名無しのオプ
07/09/08 13:26:25 6aVznhBA
読後感氏を最初に叩き始め
それを未だに延々と続けているのは書斎信者だよなw
513:名無しのオプ
07/09/08 13:47:45 pdGCyPQ/
読後感、最初のうちは普通にいい感想だと思ってたが
だんだん偉そうになっていって残念だった
トリップつけだしてからはただ偉そうなだけになったのでもう読んでない
514:名無しのオプ
07/09/08 14:22:18 ySgQcdxG
別に傲慢でもいいが、感想の中身まで傲慢なのが
515:名無しのオプ
07/09/08 15:09:08 Y9ANsjUX
>>512
あんな感想を書く奴を叩いたからって馬一派と一緒にするな
本気で言ってるのならあなたの思考回路の単純さは
書斎信者とやらと変わらないレベルだよ
516:名無しのオプ
07/09/08 16:06:31 BJOV/Q3I
全員ではないにしろ書斎信者が混じってたのは事実
つか、基本他人の感想を叩くスレじゃないんでね
517:名無しのオプ
07/09/08 19:26:43 WgebSQ7u
>>515
>>512は510に対する皮肉だと思うが
518:書斎魔神 ◆qGkOQLdVas
07/09/08 20:40:42 7q26NhUj
田中森一「反転 闇社会の守護神と呼ばれて」を読んだ。
売れているのが納得出来る著作。とにかく面白い。
撚糸工連事件、平和相互銀行事件、イトマン事件等々、バブル時代に世間を騒がせた
経済事件の裏(裏の裏か)が、今、ミステリも顔負けに謎解きされる。
(ただし、著者の命運を左右したとも言える「石橋産業事件」ってのは私の記憶には
ないのだが)
もし、本書に書かれた内容が、田中先生(?)から俺に「ネタ」として提供されていたと
したなら、リーガル・サスペンス風のピカレスク・ロマンとして仕上がっていたかと思う。
従って、内容的にはこの板で紹介する不自然さはないと言い得る。
元特捜検事、いわゆるヤメ検の弁護士がバブル時代の闇社会の実態をビビッドに語った作
であるが、著者自身も実刑判決(2審)を受けている状態にありながらも、
タッチは暗くなく、その赤裸々な語りは爽快ささえ感じさせるものがある。
法律家としては後暗いところはないと語る著者だが、
検事時代に自衛隊のヘリで里帰りしたり(故郷に錦を飾るのはいいが、明らかに公費の
無駄使いである)、許永中、高橋治則等いわゆるバブル紳士たちや山口組幹部との絡み
による巨額な報酬と豪華な便宜、これによる豪遊の様は、
時代の特殊性があったとはいえ、唖然とせざるを得ないものがあるのだが、
むしろ、新幹線車中で1000万円入りのバッグを盗まれたが、
バッグの中にあった弁護士バッジや裁判資料の紛失の方に慌てたとか、
株取引の資金として事務所の机の下に1億円入りのゴルフバッグを置きっぱなしに
していた等の細かいエピにその金銭感覚の異常性を感じさせるものがあると共に、
副題にもある闇社会の守護神(本書の最後には、こう呼ばれた著者自身の術懐がある)
という凄味がある呼称ながら、たまらぬ人間臭さを感じさせる部分でもあるのだ。
519:名無しのオプ
07/09/08 20:48:57 pRS2AcAc
書斎魔神、最悪版から逃亡し、読みにくい感想文を書いて、また逃走、
もう死ね!
520:名無しのオプ
07/09/08 22:58:55 eJuCP7hi
>>505
素晴らしい本に巡り合えた。貴方のおかげです。ありがとう。
521:名無しのオプ
07/09/08 22:59:32 hzyKPK0e
いや週末は書斎の論評が掲載されていないと話しにならないでしょ。
522:名無しのオプ
07/09/08 23:12:01 dykOxaYe
>>281
で面白そうだったので「ヒートアイランド」読んだ。
これ映画化するのね。
523:名無しのオプ
07/09/09 01:16:46 u4PJUumO
佐藤雅美『影帳 半次捕物控』(1992→1995、講談社文庫)【6.5点】
相模屋で雪駄を盗んで捕まった仙八。出入りの岡っ引半次は事を調整しようと
奔走するが、事件の裏に潜む「何か」を敏感に感じ取る。そんなさなか、
元手下の常吉が水死体で発見された・・半次捕物帖第一弾。
佐藤の特徴である「江戸の経済」「町人の生活」知識が織り込まれており、
正直「書き込みすぎ」と思わないでもないが、その知識を生かした事件は
他の作家にはなかなか書けないだろう。とりあえず豆知識はおもしろい。
ただ半次のキャラにまだ深みがないのと、黒幕として大物を出してたせいか、
事件の解決が尻つぼみな感じがするのが残念。八州廻りの桑山十兵衛の名前が
出てきたのはご愛嬌。第二弾『揚羽の蝶』は既読だがおもしろかった。
524:名無しのオプ
07/09/09 01:18:50 u4PJUumO
>>522
有名だからいまさらですけど『ワイルド・ソウル』もよかったですよ。
525:名無しのオプ
07/09/09 04:57:12 Lbep5eTB
三津田信三『作者不詳』(2002 講談社)【6.5点】
怪しい手製本『迷宮草子』を古本屋で勧められて購入した主人公(語り手)の親友。
それは現実の事件を元にして書いた手記集という体裁の作品集であったが、
ただし解決編のない尻切れトンボのものばかりだった。
この本を手に入れて読み始めると主人公と親友の周囲では怪異現象が起こる。
一話読むごとに発生する怪異は、作品の解決を付けてやる(主に主人公の親友の推理で)
ことで消え去るが、次の作品を読むとまた別の怪異が……
作中作ネタであるがミステリーというよりホラー。
作中作とそれを推理するという過程は面白いが、最後にカタルシス、『迷宮草子』
その物の秘密も、ホラーとしてであってもきっちり解明されるのかと思ったが、
そうでもなく、なんだか混乱のままに終ってしまう。
だからミステリーとしては読めないな。
所で『迷宮草子』の最後でこの短編集の作者の「本名」が記されているのも唐突だし、
変な字面のペンネームと本名の関連づけまではされていない。
ここは非常に意味あり気なんだけど読者がそれを解けってことなのか?
526:名無しのオプ
07/09/09 12:07:24 nX1fS4bp
522
>>524
サンクス。
明日「ワイルド・ソウル」を買ってみる。
作家名は知っていたけどカタカナ題名は内容が想像しにくくて今まで未読でした。
527:あらすじごめん
07/09/09 13:35:28 u4PJUumO
森福都『吃逆』(1998→2002、講談社文庫)【7点】
「吃逆(しゃっくり)」をすると不思議な能力が発動する陸文挙。
宋のみやこ開封で就職活動をしながら、市井の話題を扱う「間話小報」で
「偵探」をつとめるが、さまざまな怪奇事件に巻き込まれ・・・
中国宋を舞台にした本格ミステリ中篇集。ラノベっぽい人物設定もあるが、
作者は松本清張賞出身ということもあり、文章は堅実で本格度も低くない。
宋代の官僚制や政治の知識の扱いがまだこなれておらず、中国史に興味のない
読者は若干読みにくいかもしれないが、当時の社会状況とつながる犯罪事件は、
なかなか読み応えがある。中国史好きに特におすすめ。
>>244 一応『ワイルド・ソウル』の自分の感想です。
528:名無しのオプ
07/09/09 17:11:01 feKB6M7B
いい加減そのコテ止めたら?
529:あらすじごめん
07/09/09 22:01:36 u4PJUumO
佐藤雅美『疑惑 半次捕物控』(2003→2006、講談社文庫)【6点】
材木町の岡っ引き半次を主人公とする連作短篇集。半次モノの第四弾。
大小の事件に、ヒール蟋蟀三郎とのからみと、半次の女房の不審な行動が
ところどころ描写され、それがラストで解決されるという結構。
『影帳』と比較するとずいぶんスカスカになったのは否めないが、逆に
肩のこらない読書としてはこっちのほうが楽しい。ただ著者の得意分野である
経済ネタ・判例ネタまでがずいぶん小ネタになったのが残念。
>>528 一応>>244と同一人物だよ~という意味で、久々に名乗ってみました。
530:名無しのオプ
07/09/09 22:39:56 erpEwY07
コテに過剰反応するやつウザい
531:名無しのオプ
07/09/09 23:16:25 qRxoYTa6
>>505のイタリア物語は本当に名作。読めた人は幸せもの。
532:名無しのオプ
07/09/09 23:24:28 feKB6M7B
>>530
だって「あらすじごめん」は以前いた荒らしを気遣ったネーミングだもん
言わば荒らしを容認しているも同然
ただのコテとは違う
533: ◆XjFtIkbasQ
07/09/09 23:58:43 u4PJUumO
(´・ω・`) 何か自分怒られてる・・・ごめんね。
読書日記としても使っているから、
抽出のために識別標識つけるけど、ほんとにごめんね。
534:名無しのオプ
07/09/10 02:30:40 13lks9br
>>533
気にすんな!
535:名無しのオプ
07/09/10 07:21:57 ItevEPSF
>>533
もうコテもトリップもやめとけ。荒れる原因になっているのがわからないのか?
536:読後感 ◆VkkhTVc0Ug
07/09/10 18:15:13 eQ8OoDMm
「首無の如く祟るもの」三津田信三(原書房)
奥多摩の山村媛首村の旧家秘守家に付きまとう怪異。
次期当主の双子の兄妹は井戸に落とされて死に、その十年後には
見合い相手の女性が殺され、犯人と目された男もすぐに死体で
発見される。二体とも首が切り取らた姿で。
当時必死に捜査を行なっていた巡査の妻で今は作家となった
高屋敷妙元はこの事件を元にした小説を書き真実に迫ろうとするが―。
「僕僕先生」が思いの外つまらなかったので早々に切り上げ、
取っておいた本書を読むことに。3作目だが相変わらず引き込まれる。
頑として見取図を付けない変なこだわりや厨臭いネーミングも
相変わらずだけど。
閑話休題。大きなトリックがあるわけじゃないが、とにかく謎が
噴出して読み手を飽きさせない。解明部はあっけないものだし
終盤の二転三転する真相もがっちり付強されてるというわけじゃないが、
とにかくインパクトがある。甲子園の審判と同じく実技以上に
見せ方が巧いと評価されるものだ。
このクオリティがいつまで続くのか楽しみだ。
ただ、毎回神様と化物がニコイチなのは何故だろう。
祟りを含んでるんだから神様だけで良いと思うんだ。
537:読後感 ◆VkkhTVc0Ug
07/09/10 18:16:29 eQ8OoDMm
訂正
×如く
○如き
538:名無しのオプ
07/09/10 22:24:31 ItevEPSF
読後感もいい加減消えろや。
539:名無しのオプ
07/09/10 22:34:25 8ubusH89
>>538
君が消えた方が早いと思うよ
540:名無しのオプ
07/09/10 22:56:51 e/HNoWvN
両方消えてくれ
541:名無しのオプ
07/09/10 23:01:10 m+L/MnQ6
コテ叩き、いい加減ウザイんですけど。
542:名無しのオプ
07/09/10 23:47:30 EXOaHrHw
>「僕僕先生」が思いの外つまらなかったので早々に切り上げ、
>取っておいた本書を読むことに。
これ書く必要ないよな。ここはお前の日記帳じゃねえんだよ
543:名無しのオプ
07/09/11 01:51:18 MC803vGj
だわな。しかも「僕僕」はミステリでもなんでもないし
関係ないのにわざわざ書く必要はゼロ
まさに傲慢以外の何物でもない
544:名無しのオプ
07/09/11 02:13:59 u1Mcebly
お前の日記帳でもないから
グダグダ文句書くより何か報告してレスを使ってくれ
545:名無しのオプ
07/09/11 02:34:18 FPMPgM5Z
感想スレにアホな感想書いたらスレで批判されるのは当然ではないかと
一応言っとくけどオレは某気違いの信者じゃないからなw
546:名無しのオプ
07/09/11 02:40:43 u1Mcebly
だからここは叩くスレじゃないって
気にくわないならスルーすれば良い
グダグダ言ったってどうにもならんし無駄な神経とレスを消費するだけ
547:名無しのオプ
07/09/11 02:45:35 FPMPgM5Z
ここ以外言う場所ないし
叩くつーか、感想に対する感想みたいなもんでしょ
「その本読みたくなった」とかと同じ事で
548:名無しのオプ
07/09/11 08:08:17 eI97Zp4t
感想を発表する以上、いろいろ言われるのは覚悟の上だわな。
それがないならコテハン名乗って書き込むべからずだよ。
549:名無しのオプ
07/09/11 08:09:54 SZzGzzXL
読後感にレスするときはアンカーつけてくれ
そうすればそれらのレスも透明アボーンできるから
550:名無しのオプ
07/09/11 08:47:45 WTwWBHVe
読後感も要注意コテだよな。
551:名無しのオプ
07/09/11 21:17:51 I10cNgZH
読後感叩いてる馬鹿は自分で感想アップしてから叩けよ塵屑が
552:名無しのオプ
07/09/11 21:19:42 I10cNgZH
読後感叩いてる馬鹿は自分で感想アップしてから叩けよ塵屑が
553:名無しのオプ
07/09/11 22:16:03 eI97Zp4t
それなら書斎叩きに対しても同様の注意を喚起しろよ。
554:名無しのオプ
07/09/11 22:40:16 u1Mcebly
俺は書斎に対してもスルーを呼びかけてるよ
聞きゃしないけど
555:名無しのオプ
07/09/12 18:26:37 4ElP10EP
//
ヘ,(◎◎)y'^ 書斎叩きにも同様の・・
、 _L_;二;_.j_ , \\
 ̄ ト、~Y~,/| ̄
,|yΛ=スイ|、
' | | !;∀Y i| `
|イYト〉イY.|
レYy'`vレ|
Vy V'
ヨコハマクズウンチクゼミ
556:名無しのオプ
07/09/12 23:28:15 5oPBPgpo
「キマイアの新しい城」殊能将之
この人の小説はハサミ男が最高傑作で徐々に劣化
してる気が…。
もう殊能の本は読まないかも。
トリックは平凡だし道中は退屈。
「黒い仏」の時も批判が噴出したが、及第点をあげれるのは
ハサミと「美濃牛」のみ。
557:名無しのオプ
07/09/12 23:37:51 T3wp7ic4
トリックはしょぼいけど道中に関しては一番楽しいだろ
558:名無しのオプ
07/09/13 00:08:23 o7SILb8t
//
ヘ,(◎◎)y'^ 書斎叩きにも同様の・・
、 _L_;二;_.j_ , \\
 ̄ ト、~Y~,/| ̄
,|yΛ=スイ|、
' | | !;∀Y i| `
|イYト〉イY.|
レYy'`vレ|
Vy V'
ヨコハマクズウンチクゼミ
559:名無しのオプ
07/09/13 00:11:58 DEixOUcf
このスレで絶賛されまくってる「川村義夫」って誰?
検索してもまったく出てこないんだけど…
560:名無しのオプ
07/09/13 00:17:02 1zH7tN3A
ハサミは面白かったけど、美濃牛はつまらなかったな。
最初に出てきたのが誰なのかわくわくしてたけど、普通だし
どんだけ恐ろしい目にあったのかとわくわくしてたけど、別にたいしたことないし。
まあ、自分が勝手に意味ありげだと思い込んで期待しちゃったのが悪いんだな、きっと。
561:名無しのオプ
07/09/13 00:21:00 OErQ6lBD
シュノーは結構作品によって評価分かれるよね。
美濃牛絶賛する人もいるし、キマイラを酷評する人もいる。
その逆もある。
562:名無しのオプ
07/09/13 00:32:06 Ar2q1Iud
>>559
かなり古い作家なので検索しても出てこないかもしれないね。
でもミステリー作家として一流なのは確か。
563:名無しのオプ
07/09/13 00:42:44 iF4MkqUz
kudaranai
564:559
07/09/13 17:53:41 DEixOUcf
>562
あれからさらに調べたけど、国会図書館にも蔵書なさそうです…
どうやったら読めるんですか?
565:名無しのオプ
07/09/13 18:00:03 EAiQ4jgh
他人の脳内の妄想を読めるテレパシーのような能力がないと無理だよ。
566:559
07/09/13 18:33:18 DEixOUcf
もしかしてネタだったってこと?
そうだよな…ググったって、たった7件しか出てこないし、
国会図書館にすらないわけだし…
まんまと踊らされてたわけか…orz
567:名無しのオプ
07/09/14 21:46:15 F5yWtI2F
>>505は今までであったミステリーで最高
568:名無しのオプ
07/09/14 21:50:03 De1AkdhH
kudaranai
569:名無しのオプ
07/09/15 03:13:53 VmPrVzUE
>>566
この与太話を超好意的に解釈してやると、同人誌か自費出版という線も考えられ、
なら図書館に無いのも当然だが、それほどの傑作なら商業出版から声がかかりそうなものなので、
デマ確定。
こういうこと書くと同人誌だったとか設定変更されるかも知れないが。
570:書斎魔神 ◆qGkOQLdVas
07/09/15 11:47:46 moZivBgC
屋宮久光「南の島のたったひとりの会計士」を読んだ。
慶應経済卒の公認会計士(大学受験で2浪、会計士2次試験合格まで3年を経てはいるが)
大手監査法人勤務経験有り(福岡事務所)の著者による故郷(奄美大島)の町おこしの
顛末を綴ったノンフィクションだが、数々の苦難にめげず、自己流で故郷に錦を飾る
結果となったひとりの男の冒険の半生を描いたドラマとしても読み得る
当初、都会のテンポと価値観に馴れた著者の帰郷そのものが、カルチャーギャップを生じ
「冒険」と化してしまう序盤の展開が皮肉である。
しかし、「反転」(著者の田中氏も長崎の平戸の漁村という地方出身者である)
を読んだ後だと、同様に難関資格に合格しキャリアを積みながらも、故郷を顧みること
なく(平戸に家だけ建てている)都会でバブリーな世界に身を投じてゆく田中氏、
専門職を辞し故郷で開業、町おこしに身を投じてゆく屋宮氏…
あまりに対照的な生き方にある種の感慨を抱かざるを得ないものがある。
571: ◆XjFtIkbasQ
07/09/15 12:03:57 uuK9wBj1
松本清張『或る「小倉日記伝」 傑作短編集(一)』
(1965→2004改、新潮文庫)【8点】
清張の非推理小説に分類される短篇を収録したものだが、
「火の記憶」をはじめ、ミステリー要素が強いものも多い。
それ以外の短篇も、本当ならこれ以降で事件が起きるんだが、という
状況で小説が終わっているものもある。
巧みではないが、雰囲気があり暗いイメージを喚起する筆致はさすが。
気づくと全篇を一気読みしていた。
表題作、「断碑」、「父系の指」、「石の骨」などがとくに印象深い。
572:名無しのオプ
07/09/15 22:33:41 pFTt4I6M
川村義夫をネタ扱いすんなやボケ!知らんなら黙っとけ!
573:名無しのオプ
07/09/15 23:48:27 KCfRmO0s
>>566
あ、あんな面白いミステリは読んだことがない。とても話せない・・・・・
574:名無しのオプ
07/09/16 00:11:11 VBW41HX1
もし川村義夫なるミステリー作家がいて、
そのイタリアなんとやらという作品をものしているなら
それを実証してくれたら、いかなる金品の支払いにも応ずるよ。
ただし無名の同人誌作家だったとかいうのはダメ。プロに限る。
その代わり実在の証拠を示すことができねばそちらは同じくこちらの要求通りの
金品を支払う、
この賭けに乗るものはいるかい?
575:名無しのオプ
07/09/16 00:35:22 +crWCl7T
>>574
逆に聞くが、そこまで川村義夫をなきものにしようとする理由があるのか?
確かに古い時代の作家ではある。大衆かもされていなかった。
残存資料は少ないかもしれない。しかし少し調べれば分かるはずだ。
俺は文学を賭け事の材料にするような真似は許さない。
576:名無しのオプ
07/09/16 00:45:39 mBf9MyFu
少し調べればそんな作家いないことぐらい、すぐに分るよ。
賭けなんかするまでもない。
何が「残存資料は少ないかもしれない」だ。ふざけるな。
577:名無しのオプ
07/09/16 00:56:42 VBW41HX1
「賭け」という言い方で気に入らないなら「読者への挑戦」でもいいよ。
もっともこの場合、読者が「作者」(川村実在論者)へ挑戦してるという稀な
ケースのミステリーだね。だから「作者への挑戦」だ。
578:名無しのオプ
07/09/16 01:08:13 UAZPkgqi
|| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄||
|| ○荒らしは放置が一番キライ。荒らしは常に誰かの反応を待っています。
|| ○放置された荒らしは煽りや自作自演であなたのレスを誘います。
|| ノセられてレスしたらその時点であなたの負け。
|| ○反撃は荒らしの滋養にして栄養であり最も喜ぶことです。荒らしにエサを
|| 与えないで下さい。 ΛΛ
|| ○枯死するまで孤独に暴れさせておいて \ (゚ー゚*) キホン。
|| ゴミが溜まったら削除が一番です。 ⊂⊂ |
||___ ∧ ∧__∧ ∧__ ∧ ∧_ | ̄ ̄ ̄ ̄|
( ∧ ∧__ ( ∧ ∧__( ∧ ∧  ̄ ̄ ̄
~(_( ∧ ∧_ ( ∧ ∧_ ( ∧ ∧ は~い、先生。
~(_( ,,)~(_( ,,)~(_( ,,)
~(___ノ ~(___ノ ~(___ノ
579:名無しのオプ
07/09/16 03:43:33 w7hTDqNO
何度か必死こいてageで書いてるの見てたけどね
初めて反応しちゃったのが>>559なんだな。
580:書斎魔神 ◆qGkOQLdVas
07/09/16 11:10:18 7+OBymel
小鷹信光「私のハードボイルド 固茹で玉子の戦後史」を読んだ。
ハードボイルド・ミステリ翻訳のマエストロの手になる著作。
研究篇と資料はマニア向き過ぎるものがあるが、
3分の2程度のボリュームを占める私的ハードボイルド史は、コメントと突っ込み(以下に*で記した)を入れながら読んでゆくと非常に面白い。
「…(60年)「アラモ」「許されざる者」「バファロー大隊」など爽快感に欠ける大作風の
つまらない西部劇映画が顕著に増えはじめた。(39頁)」
* そりゃあないぜノブちゃん(注 「ラブコン」に出て来る子ではない(w )
自分はそれぞれに特色があるテーストのウェスタンとして3本共面白く見た。
「アラモ」のスケールある悲壮感に魅せられし、
「バファロー大隊」は内容は意外にハード、フーダニット+リーガル・サスペンスとして面白い。
「…私にとって読んで一番おもしろかったのはガードナーのペリィ・メイスン・シリーズ
だった。一番というのは、ハメットやチャンドラーやスピレインよりも上という意味で
ある。(85~86頁)」
* 学生時代には翻訳まで試みたとも記されているが、これは意外。
小鷹氏にはハメットオタ、スピレインも結構好きというイメージがあったのだが…
まさかガードナーとは。
ただし、後における氏の広範な活躍を見ると(特に「探偵物語」)、
リーガル・サスペンスという要素もありながら軽妙なタッチのアール作品を好んだのは
わからぬでもないが。
581:書斎魔神 ◆qGkOQLdVas
07/09/16 11:15:20 7+OBymel
「私が知るかぎり、「ハードボイルド」をヘミングウェイ文学の全容を読み解くキーワード
として論を展開させた評論家は海外には存在しない。
…私自身は、短篇「殺人者たち」「五万ドル」および長篇「持つと持たざると」
(映画「脱出」の原作)ぐらいにしかヘミングウェイのハードボイルド性を認めない。
(108頁)」
* なるほど感がある。日本ではハードボイルドの代名詞のように言われるヘミングウェイ
だが、「殺し屋」以外のニック・アダムズもの、デガダンな感がある「日はまた昇る」等
の代表作を見ると、ハードボイルドの作家と言うに違和感大。
ただし、文体のみでなく、作品の背後に存するその精神性に着目した場合「老人と海」は、
西部小説の伝統下にある海洋ハードボイルド作品と解する余地はあろうかと思う。
(70年代の洋画公開作品を概観して)
「…粒よりの名作、傑作、快作が並んでいる。
今にして思えば、こんな10年間は二度とないといえるだろう。(243頁)」
* 同感。60年代が名画の時代と言われることが多いようだが、
今見ても面白い作はむしろ70年代に多いように思う。
最後に、著者が下戸だというのも意外中の意外だった。
面識まであるクラムリーとの親交が今ひとつ深まらない要因のひとつは、
やっぱりこの点にあるんじゃ?
582:名無しのオプ
07/09/17 02:17:38 kQuOFXVE
そうなんだ?
583: ◆XjFtIkbasQ
07/09/17 03:02:47 P3UeS8m8
西澤保彦『彼女が死んだ夜 匠千暁第一の事件』
(角川ノベルス、1996)【7.5点】
アメリカ行きの前日、帰宅すると自宅の床に転がっていた見知らぬ女。
友人を呼び出して始末させようとする女子大生浜口美緒だったが・・・
タック・シリーズ第一弾。既読の『麦酒の家』で言及された「例の事件」が
気になって読んでみた。ボアン先輩やタカチとの会話による推理は、
最初は若干スベってるような気もするが慣れると実に楽しい。彼らの
ディスカッションが気に入るか否かでこのシリーズの評価は分かれそう。
ミステリーとしてはオーソドックスな展開だが、作者の大胆な企みはまずまず
成功しているといえる。ただ、脇筋の「紛失したサイフ」の推理はちょっと。
天網恢恢祖にして漏らさず。
584:書斎魔神 ◆qGkOQLdVas
07/09/17 13:33:33 P+zHFLOC
2ちゃんには「横溝正史翻訳コレクション 鍾乳洞殺人事件・二輪馬車の秘密」に
関する論考を挙げておかなかったようなので、ここに記しておく。
横溝オタ以外にはとても薦められるシロモノでなく、手軽に入手出来る資料としての
価値は別として、ミステリとしての面白さは全く期待出来るものではない。
「鍾乳洞殺人事件」は、出来が悪いジョン作品(特に無理過ぎるメーントリックが顕著、
このネタを一番自然、かつ、、有効に使用したのは「時間の習俗」かと思う)といった趣
であり、時代を考えると豪州の有閑階級の宵っ張りぶりに驚かされる「二輪馬車の秘密」に至っては、
ハーレクイン・ロマンスのミステリバージョンといった風、
ミステリファンからすれば、謎解きの展開が見え見えといった感がある作である。
後者に関しては、付録として横溝改作バージョンが収録されているが、
こちらの方が省略が効いた切れ味の良さをがあり、改めて御大が稀代のストーリーテラー
であったことを実感させる。
小鷹信光氏の著作を読んだ後のせいもあって、「です・ます調」と「である調」が混交した
読み難い解説も頂けないものがある。
585:書斎魔神 ◆qGkOQLdVas
07/09/17 13:36:33 P+zHFLOC
竹本健治「狂い壁 狂い窓」を読んだ。
バブル前にはまだ東京に存在したやもしれぬ老朽化したアパート(元は医院)を
舞台にした怪奇探偵小説
この著者独自の形容詞多用の文体に馴れれば、それなりに面白く読める作には仕上がってはいるものの、果して復刊(昭和58年刊行)するほどの作かどうかは疑問である。
トリック等に特筆すべきものはなく、ひたすら雰囲気で読ませる方向の作、
古い作にしては、いかにも大乱歩の愛読者らしいショタ傾向を覗わせる点が面白い程度か。
586:名無しのオプ
07/09/17 13:55:26 2KmFq6aH
論考? 落書きの間違い、だろw
587:名無しのオプ
07/09/17 14:03:50 IMFVfsld
ショタって言うか美少年趣味。(結局おんなじか)
『匣の中の~』にもそんなのが出てきたし、
『狂い壁~』のは別の作品の主人公の将棋指しだったか碁打ちの少年だったっけ。
588:名無しのオプ
07/09/17 19:37:50 2ZnkL9q5
川村義夫「リトルイタリー事件」
最高
589:名無しのオプ
07/09/17 22:00:57 vY+ddhEq
>>587
スルーしろ
590: ◆XjFtIkbasQ
07/09/19 02:37:48 fPvcSXeK
横溝正史『三つ首塔』(1972→2002改、角川文庫)【7点】
伯母夫婦の下で平穏に暮らす音禰に、突然告げられた莫大な遺産相続。
しかしある男との結婚が条件として挙げられており、遺産に群がる
佐竹一族の妖しい面々が、次々と殺害される。謎の三首塔はどこにある?
事件に巻き込まれ謎の男との逃避行を続ける音禰視点で物語は展開し、
金田一の出番はかなり少ない。頽廃的な軽いエログロ風の味付けは、
なかなか興味深く読ませる。
ただ三つ首塔での因縁や舞台装置をもう少し事件に絡めてほしかった。
本格推理的手続きも、もうちょっとていねいに伏線張ってほしいが、
物語そのものは快調で、予想以上に楽しんだ。
591:名無しのオプ
07/09/19 21:58:02 ++CrP1mh
「招かれざる客たちのビュッフェ」読了。
後半はなんとなく勢いが衰えてしまったような・・・
592: ◆XjFtIkbasQ
07/09/20 04:26:03 4ih8aw1T
西澤保彦『仔羊たちの聖夜』(1997→2001、角川文庫)【7点】
イヴの夜、マンションの最上階から墜落死した女性。その現場では、
数年前にも男子高校生が自殺していた。偶然現場に居合わせたタックたちは、
女性の遺品と思しいプレゼントを手掛かりに真相にせまろうとするが・・・
匠千暁シリーズ第三弾。キャラクター小説としては相変わらず楽しめるが、
推理小説的結構としてはやや平凡。三番目の事件の真相・動機も見当は
つけやすい。ただ女性の墜死事件の真相は、なかなか印象深く、評価高し。
それにしてもここの大学&学生たちって・・・
593:名無しのオプ
07/09/20 11:01:28 /GlbvOcq
タックでたーーーーーーーーー
クダラネーーーーーーーーーーーーーー!!!!
594: ◆XjFtIkbasQ
07/09/20 21:41:00 4ih8aw1T
中町信『奥只見温泉郷殺人事件』(1985→1991、徳間文庫)【7.5点】
奥只見温泉で発生したバス転落事故。事故死体に混ざって発見された
女の扼殺死体。容疑者としてマークされた編集者牛久保は、
容疑を晴らすため関係者への聞き込みを開始するが、連続殺人が・・・
いつもの中町信。お得意のアレ系トリックは律儀な伏線のせいで若干
分かりやすいが、いくつもの小技を組み合わせて完成度を高めている。
著者の作品のなかでは上位に位置する出来だが、昨今のすれからしの
読者にはうけないかもしれない。個人的には中町だいすきだが。
595:名無しのオプ
07/09/23 22:44:04 zNr5q/cU
1989年 天安門事件
1996年 台湾総統選挙恫喝、台湾沖にミサイル攻撃
1997年 日本の尖閣諸島の領有を宣言
2003年 スーダンのダルフール大虐殺を強力支援
2005年 日本EEZ内のガス資源を盗掘
-----------------------------------------------------------------
2007年現在でも、非漢族に対する大虐殺、婦女子を強制連行・中絶・不妊手術、
まさしく民族浄化を継続中である。
侵略と虐殺の限りを尽くすナチより凶悪・残虐な中国共産党。
そんな奴らにシンパシーを感じる馬鹿サヨ連中はキチガイとしか言いようがない(`・ω・´)。
596:書斎魔神 ◆qGkOQLdVas
07/09/24 14:48:35 WEdzxBLF
豊島ミホ「神田川デイズ」を読んだ。
どう見ても早稲田大学がモデルの連作青春小説集。
ただし、メーンキャラは各話ごとに異なっている。
今でいうところのFラン大学、正反対の東大等はフィクションの舞台になりやすいのだが、
近年では意外に一流私大を舞台にした小説が少ないように思われる。
本書は、一流私大(夜間部生も多く登場するが、早稲田の場合は二文もまずまずの難関と
言えなくもない。ちなみに作者は二文OB)
の学生の意外に知られていないビビッドな意識をユーモアをまじえて描いたものとして
面白く読めるものとなっている。
登場する学生の情熱(?)の対象は、学内お笑いライブ、サークル活動、恋、映画製作、就職活動、小説、そして自分探し…と様々であるが、エリート国立大生ほど気負いはなく、
真から浮ついたところも無く、本質的にはひたむきで真面目な気質の持主たちである。
見事に活写されるキャンパスの四季の移り変わりと共に彼ら彼女らの織り成す物語は、
一読、あなたを捉えて離さないものがあるであろう。
源氏鶏太「家庭の事情」を読んだ。
父子家庭である三沢家の当主平太郎(定年退職者)と五人の娘たち、
平太郎が退職金を娘たちに分配したことから起こる数々の顛末はいかに…
今は死語となった家庭小説(テレビのホームドラマに相当)のテースト満載の一編。
しかし、善悪のはっきりし過ぎた人物設定(この点は、松本清張作品と比較して解説でも
指摘されている)はこの作者の持ち味、意図どおりだとしても、
後半の超御都合主義は、今読むと、到底、大人の鑑賞に耐え得るものではない。
597:名無しのオプ
07/09/24 15:47:40 4snRIyfX
>>596
いつものスレ違い。
598:名無しのオプ
07/09/25 08:36:26 /fBFKR6z
横溝正史「八つ墓村」
横溝先生の作品は初めて読んだが…
前半~中盤の展開は見事。よく練られた構想に引き込まれた。
後半は想像どおりというか、つじつま合わせに終始してる感じで謎解きのカタルシスはなかった。
金田一の活躍を期待したが、まったく存在感ない。毛利小五郎程度にしか役に立たない。
女性がみんな、こんな女いねーだろって感じの理想像。だからか、ドロドロした話のはずなのにあんまり生々しくない。
今のミステリーにない大掛かりな仕掛けとか、読んでて江戸川乱歩を思い出した。
さすが巨匠、完成度の高いミステリーでした。読んで損はなし。
599:名無しのオプ
07/09/25 20:57:20 Xgkov9Rd
「夜明けの街で」東野圭吾
いやー、怖かった。
普通のホラー小説より、よっぽど。
自分も主人公と同じ30代後半で、家庭持ちだったから、
こういう状況にあったら…と読んでて、そればっかり気になった。
家庭内がうまくいっている人間にとって、
それが壊れることほどのホラーはない、って気がした。
正直、謎解きはどうでも良かった。
600:名無しのオプ
07/09/26 02:53:37 6dio7g02
>>598
次は獄門島オススメ
601:名無しのオプ
07/09/27 01:18:50 A3DgBOoG
>>599
気持ちは分かる
妻子もちには背筋が寒くなるものがある。
602:名無しのオプ
07/09/27 13:14:26 Jq8IOH9P
147 :書斎魔神 ◆qGkOQLdVas :2007/09/26(水) 22:05:44 ID:loWIESfZ
評価という問題で思い出すのは、清張先生のキャノン機関に関する記述。
これは過大評価とする声が多い。
清張説に従えば「ミッション・インパサブル」まがいの凄い謀略機関なのだがw
148 :名無しのオプ:2007/09/26(水) 22:12:00 ID:a9L6xwK7
>>147
あーあ、またお得意のw
149 :名無しのオプ:2007/09/26(水) 22:30:59 ID:lZ76rrUG
ミッション:インポッシブル Mission:Impossible (スパイ大作戦)ですよ
書斎のだんな
603:名無しのオプ
07/09/27 14:01:42 QEWpH8jZ
何でもいいから書斎に絡めて荒らしたい奴がいるようだな。
604:名無しのオプ
07/09/27 17:29:37 9SXT8eqm
どうせ「書斎アンチが荒らしてる」と言うための自演だろ。
いいから無視しようぜ。
605:名無しのオプ
07/09/27 20:07:37 v9K00C3E
>>604
賛成
606:名無しのオプ
07/09/28 15:05:52 ugJs7288
uraaaaaa!
,,,,,,,,,,,,
[|,,,★,,|,]
ミ゚Д゚,,彡
┯==∩=⊂ン~ )ニヌ
 ̄ ̄ ̄ i==|=[]j
/_/ヽ___i
し' \)
シベリア自警団
607:名無しのオプ
07/09/28 17:09:13 L434RTYC
保坂正康『昭和史の謎』『昭和史の謎パート2』(2003・2004講談社文庫)
文字通り昭和史の謎の考察のノンフィクション。
というか今まであまり謎と認識されていなかった事柄にもスポットを当てている。
章立て通りではないが以下のようなテーマが扱われている。
515事件~266事件にかけて日本人が如何に国際感覚を放棄しおかしくなっていったか?
太平洋戦争を始めた軍部はいかなる状態をこの戦争の勝利と考えていたのか?
戦後日本の半分がソ連に占領されていたら?
(これに絡めて、終戦近く、満州に政府を遷しソ連の庇護下で社会主義化されて構わないから米英と
戦争を続ける、という案が軍部の一部にあったという話にはびっくり)
組織立った反GHQ活動が起こらなかったのはなぜか?
大本営発表の内幕。
陸軍中の学校の謎。
田中角栄は社会主義者?
昭和天皇の戦争責任や東京裁判といったテーマは珍しくないが
この本では視点を変えて考察している。
松本清張の『昭和史発掘』『日本の黒い霧』の現代版といったところか。
この手の本は妙に著者のイデオロギーが出がちで読んで白けるものが多いがこれは安心して読める。
パート1パート2とも巻末に天皇をテーマにした対談が付録についていて、
皇太子は皇室改革を目指しているのだろうが、秋篠宮の第三子に男が生まれれば、
女帝論議も何もかもひっくるめておじゃんになるだろう、とあったが、
本が出たあと、それは現実のものとなった。
608:名無しのオプ
07/09/28 17:22:31 L434RTYC
↑
著者名訂正
保阪正康 です。
609:名無しのオプ
07/09/28 19:37:13 L434RTYC
↑
↑
タイトルも違ってた。
『昭和史七つの謎』
が正しい。たびたび済まん。
610:ID:L434RTYCの代理
07/09/28 19:39:41 CwZHv/AV
↑
↑
↑
ジャンルも違ってた。
この本はミステリーでもなんでもなかった。
たびたびたび済まん。
611:名無しのオプ
07/09/28 20:38:05 Nao4cTS3
↑
↑
↑
↑
陸軍中の学校の謎、中の学校とは何か? 中野学校なら知ってるが、
と言う謎を解明する本であるw なんちて
たびたびたびたび済まん。
uraaaaaa!
,,,,,,,,,,,,
[|,,,★,,|,]
ミ゚Д゚,,彡
┯==∩=⊂ン~ )ニヌ
 ̄ ̄ ̄ i==|=[]j
/_/ヽ___i
し' \)
シベリア自警団 書斎魔神 監視所
612:607
07/09/29 01:29:22 Zjnt6V6/
まあ誤字脱字はご愛嬌と思ってくれ。
陳腐な言い方だが、事実は小説より奇なり、と思って、
こういうノンフィクションを紹介してみたのだから。
613: ◆XjFtIkbasQ
07/10/01 13:43:36 /z/Mzv/D
連城三紀彦『美女』(1997→2000、集英社文庫)【8.5点】
男と女+秘めた愛憎をテーマとした短篇集を再読。
文章の上手さはあらためていうまでもないが、トリッキーな趣向も
冴えている。「超絶技巧」と謳うコピーにも偽りはなし。
ただ、一番読み応えがあったのはそういう趣向は控えめな表題作で、
凝ったつくりの「喜劇女優」よりもすき。
614: ◆XjFtIkbasQ
07/10/01 13:54:28 /z/Mzv/D
小杉健治『殺意の川』(1994→1998、集英社文庫)【6点】
「人間派」弁護士水木・検事桐生の短篇集(『緋の法廷』改題)。
サクサク読めるのはこの作者のいいところであるが、展開上ご都合主義な
悪癖もまま見られるのは残念。この短篇集に限っていえば悪癖の方が
まさっており、とくに本書の半ばを占める中篇「真実の川」に顕著。
下手に「感動するイイ話」にもっていこうとするのも気になるところで、
ミステリーとしての意外性やヒネリをもっと意識したら、本格好きにも
人気が出ると思うのですが。
615:名無しのオプ
07/10/02 01:20:13 rk/+UI+K
『ぼくのミステリな日常』 若竹七海
連作短編集という奴である。
全体を通しての謎解きは自分にはちと難解。
丁寧に作りあげたんだろうなぁって印象は受けるがインパクトは余り感じない。
それぞれの短編はミステリーではないと言うか
読者の側から推理していくのはまず難しいようなものや
これはホラーかなというものも含んでいる。
高い前評判ほどは楽しめなかった一冊。
しかし『バレンタイン・バレンタイン』という一編のトリックは素晴らしかった。
もう少し見せ方を工夫すればかなり強烈な短編に仕上がるであろうに
連作短編集の一つとして使ってしまうのは勿体無く感じた。
616:名無しのオプ
07/10/03 10:52:45 wy2fNabW
上甲宣之「そのケータイはXXで」
普段はほとんど翻訳物しか読まないのだが映画の予告編を観て興味を引かれたので読んでみた。
新人賞応募作なので当然なのかもしれないが、冒頭から文章の素人臭さにちょっと引いた。
”・・・・・・。”の多用や過剰な擬音など、ここ数年で読んだ最も若い日本人作家は福井晴敏、
という自分にとってはちょっとしたカルチャーショックだった。
ジェットコースターノベルとしては楽しめるものの(コーナリングはかなり危なっかしいが)
愛子の言葉遣いや、緊迫した状況下で交わされる説明ゼリフなどとも相まって、
途中で冷めて読書を中断したこともしばしば。
女子大生の一人称、という語り口を敢えて選択した意欲は買いたいが、
語り手の性格と作者の文章の癖に乖離が見られる場面も多い。
とはいえ、文章力については措いておくとしても、前述のようにハッタリの
効いた娯楽小説としては十分楽しめた。ただ、こんだけ無茶をやっている
小説なのだからもっと破壊的なオチを期待していた自分としては、
落とし所がきれい過ぎてちょっと肩透かしの感もあった。
617:名無しのオプ
07/10/03 18:48:21 h82cp7UF
ところで誰ぞ有栖川の「女王国の城」を読了した奴は居らんかい?
618:名無しのオプ
07/10/05 09:30:45 ejdASM/p
Kawamura Yoshio
619:名無しのオプ
07/10/05 18:37:58 D9zVtsTG
>>617
有栖川スレッド覗けばいいのでは
620:名無しのオプ
07/10/05 20:57:19 livi/0Xg
>>619
一応覗いてみたんですが、矢張りというか当然というか有栖川ファンばかりの為
いまいち公平に評価されてないような気がするのです。
ロジックは甘いがシリーズの登場人物に再会できただけで嬉しいみたいな。
自分は本格ミステリは余り得意じゃなく、作者のファンでもなんでもない
のですが前作の「双頭の悪魔」は面白く読めました。
遡って同シリーズ前二作を読んでそこそこ、他のシリーズ?は正直感心
しませんでした。
果してシリーズの新作は期待していいものかどうか・・・
621:名無しのオプ
07/10/05 21:08:46 Nb3iufHj
なんだこいつ……
622:名無しのオプ
07/10/05 21:13:49 /t4WFJTf
ってか読まなきゃいいんじゃねえの、もう?
そんなことばかり考えてるならさ。
623:名無しのオプ
07/10/05 21:22:21 DDVZB4D+
読むか読まないかの情報収集にあてた時間で結構読めたりするよね。
624: ◆XjFtIkbasQ
07/10/06 01:03:36 jtvp7+/t
佐野洋『高すぎた代償』(1959→1980、徳間文庫)【6.5点】
連れ込み宿の女将のヒモとして宿に居候する久世は、客室の情事を
録音して小金を稼いでいた。ある日会社役員とOLらしい会話で
気になる話題を耳にした久世は、探偵社を立ち上げて調べ始めるが・・・
「某スレ」よりのセレクト。労働争議とか組合長とか古びた話題が
時代を感じさせる。淡々とすすむ展開にやや退屈さを覚える。
ラストの真相も、当時はともかく現代のミステリーでは驚けない。
ただ、平凡な道具立てでも最後までそこそこ楽しめたのは、
さすがに佐野洋の腕でしょうか。
625: ◆XjFtIkbasQ
07/10/06 01:10:49 jtvp7+/t
加藤元浩『Q.E.D 証明終了(28)』(講談社コミックス)【7点】
榊森羅もチョイ役登場の「ファラオの呪い」「人間花火」2篇収録。
考古学者の友人に頼まれ新たに発見された墓の「正体」を探る前者は
タイトルほどはおどろおどろしくない(あの絵柄だし)。
むしろ人間の深層心理をテーマとした後者の方がぞくりとした。
626: ◆XjFtIkbasQ
07/10/06 06:29:55 jtvp7+/t
有栖川有栖『女王国の城』(2007、東京創元社)【8.5点】
江神の跡を追い、岐阜と長野の境にある神倉に赴いたアリスら4人。
そこは宇宙神ペリパリを信奉する人類協会の「宗教都市」だった。
協会本部に足止めされた彼らを襲う連続殺人事件!シリーズ第四弾。
フーダニットとしての犯人の絞込みには、一段階の上の切れ味が
欲しかったところだが、ラストの展開もよく、1300枚という
ボリュームも含めてミステリーの読書としては十分に満足。
最初は展開にノれなかったが、後半は一気読みでした。
ただ『双頭の悪魔』がページ数と謎解きの密度がバランスが
とれていたのに対し、新作はちょっとアンバランスかな、とは思った。
シリーズ最終作に大いに期待。
627:書斎魔神 ◆AhysOwpt/w
07/10/06 20:24:58 h6RGAOu4
石原千秋「秘伝 大学受験の国語力」を読んだ。
大学受験問題、特に国語、とりわけ現代文の解法は、その長文化の傾向もあって、
作られた謎(=ミステリ)解きというにふさわしいものがある。
受験経験がある者はわかるだろうが、上智は相変らず難解で読み難い文章がセレクト
されている(英語試験問題のボリュームや多様性が話題になることが多い大学だが、
意外に国語が難物でもある)、そして早稲田は学部の特性に沿った読み応えがある骨太な
文章(本書では法学部の問題が掲載されている)である。
国立大の東大、東北大、広島大の問題は、それぞれに難易度差は見られるものの、
相当程度の記述力を要するものであり、私大卒が多い2ちゃんねらーには
厳しいところか(w
本全体の「創り」としては、受験本なのか、大学受験入試問題を素材とした国語教育を
論じたものなのか、やや焦点が定まらないところがあるのが難か。
例えば、私大入試問題の解法のテク(謎解きのツールと言い換えてもよい)
として、二項対立整理能力を挙げているが、問題はこのテクをいかに修得するかかが肝要であるにもかかわらず、この点に関する言及は、ほとんど無いに等しい。
628:名無しのオプ
07/10/06 21:36:19 1AhfUgdE
高校中退の書斎さんは、司法浪人で、正式採用の就職は、出来なかったんですよね?W
629:名無しのオプ
07/10/06 21:40:17 1AhfUgdE
上智より難解で読み難い書斎さんの文章W
あとさあ、IPアドレスと、メールアドレスが、見えるんですけど?
630:名無しのオプ
07/10/07 14:30:47 Jf1w/1i/
629のも見えてるね。
何でも丸見えになるように、2ちゃんの仕様が変わったのかな?
631:名無しのオプ
07/10/07 14:57:45 rSeDDMKT
あれ?知らなかったの?
2ちゃんの入り口に
「今月の上旬から、荒らし対策の為に、各板の設定が順に変更されて、
IPアドレス等が表示されるようになります。」
ってアナウンスがあったじゃん。
「ただし当分の間は、「壷」を導入するか、
「2ちゃん専用ブラウザ」を導入するかしないと表示されません。」
とも書かれていたね。
632:名無しのオプ
07/10/07 15:44:20 eY6me883
>>631
書斎はバカだから知らなかったんだろうねW
633:名無しのオプ
07/10/07 16:05:23 7hgdeIpO
書斎! ナニ自演してんだよ! ID見てみなW
>>631 は、本当だぜ、ミス住よ、いつまでフリチンで歩いてるんだ? お前?
634:216023041033.kime.net
07/10/07 16:06:38 Jf1w/1i/
ほんとだ。出たぞ。
不思議だなあ。
635:名無しのオプ
07/10/07 16:39:09 7hgdeIpO
なに遊んでんだか、壷とプラウザ入れねーと見えね-の、
633で書き込んだ解析が早かったろ?
前ならIDNo検索していかないと、わからなかったけど、
プラウザだと、リモホもIPも一発でわかるからな(だいたい、ずらっと並んで、出ている)
ただ、注意書きに、荒らしのリモホやIPが、判明しても、
表の掲示板に書き込むと、運行側としては、書き込んだ者も、荒らしと見なすと
記載されてるので、みんなそれを守ってるだけ、あとメールアドレスが、
見えるってぇのは、デマ、
お前、自分のメールBOXに、ファンレターらしきメールが、入ってきてないんで、
安心してのこのこ出てきたんだろう、壷とプラウザ入れて、料金支払わなきゃ
見えるわけないじゃん! お前みたいな奴をフリチン大王・はだかの王様って
言うんだよW
636:216023041033.kime.net
07/10/07 16:42:25 Jf1w/1i/
出るもんは出るんだから仕方ないな。
俺のはマックだからかなぁ?
とにかく不可思議だ。
637:名無しのオプ
07/10/07 16:47:00 7hgdeIpO
お前が、自分を安心させるために、どう判断しても、お前の勝手だけどなw
「メールBOXに、あやしいメールは、入ってきてないでちゅ、
掲示板もかわったようすは、ないでちゅ、へんな電話もないでちゅ
郵便もOKでちゅ、誰もボクチンの家にこないでちゅ・・・・・
なあーんだ、デマでちゅ、はったりでちゅ、安心したでちゅ、ほっ! 」
なんて、考えてんだろ? あまい・あまいw
638:名無しのオプ
07/10/07 16:51:21 7hgdeIpO
ID:eY6me883=ゴキブリAA
支持者とやらのしわざか? ミス住本体の解析ももうじき終わる、
今後は、早いぞ
639:名無しのオプ
07/10/07 16:53:00 JQkyMSp/
プラウザ
640:名無しのオプ
07/10/07 16:55:36 7hgdeIpO
プラウザの使い方が、わからないミス住さんw
641:名無しのオプ
07/10/07 16:58:11 7hgdeIpO
どうした? へタレのミス住
でてこいよ
642:名無しのオプ
07/10/07 16:59:49 7hgdeIpO
ミス住く~ん!
どうしたの~?
643:名無しのオプ
07/10/07 17:03:55 7hgdeIpO
お~い! へたれ~! 逃げてんじゃぁねえよ~っ!
それでも男か~?
おおっ! 失礼、きみは、棒無し、玉無しの ホ・モ だったな ゲラゲラ
644:名無しのオプ
07/10/07 17:46:07 7hgdeIpO
プルプルふるえながら、ROMってる書斎さんw
あまいねぇ
645:名無しのオプ
07/10/07 18:24:35 mqLeIHXM
病的だな……
633 名前: 名無しのオプ Mail: sage 投稿日: 07/10/07(日) 16:05:23 ID: 7hgdeIpO
635 名前: 名無しのオプ Mail: sage 投稿日: 07/10/07(日) 16:39:09 ID: 7hgdeIpO
637 名前: 名無しのオプ Mail: sage 投稿日: 07/10/07(日) 16:47:00 ID: 7hgdeIpO
638 名前: 名無しのオプ Mail: sage 投稿日: 07/10/07(日) 16:51:21 ID: 7hgdeIpO
640 名前: 名無しのオプ Mail: ageさらしあげ 投稿日: 07/10/07(日) 16:55:36 ID: 7hgdeIpO
641 名前: 名無しのオプ Mail: sage 投稿日: 07/10/07(日) 16:58:11 ID: 7hgdeIpO
642 名前: 名無しのオプ Mail: sage 投稿日: 07/10/07(日) 16:59:49 ID: 7hgdeIpO
643 名前: 名無しのオプ Mail: ageはだかの王様 投稿日: 07/10/07(日) 17:03:55 ID: 7hgdeIpO
644 名前: 名無しのオプ Mail: ageはだかの王様 投稿日: 07/10/07(日) 17:46:07 ID: 7hgdeIpO
こんなことよりもスレタイ通りの読書報告書けよ。
646:名無しのオプ
07/10/07 18:47:23 JQkyMSp/
browser
647:名無しのオプ
07/10/07 19:46:27 WwnKRN61
>>645
アンチがいかに荒らしであるかを証明しているね。
648:名無しのオプ
07/10/07 20:06:20 3y0+8IGC
>>647
それでも、プラウザーの話は本物だぜ、書斎ちゃんよ
649:633~644
07/10/07 20:26:27 /I5SUwXL
>>645
いや、別に正体かくして投稿してるわけじゃないので、わざわざまとめてもらわんでも
けっこうですよ、
ただ、ププププ・ブラウザで、ミス住の動きは、今まで以上に把握できる、
まあ、フリチンでうろうろしてろ、
お前が、自分を安心させるために、どう判断しても、お前の勝手だけどなw
「メールBOXに、あやしいメールは、入ってきてないでちゅ、
掲示板もかわったようすは、ないでちゅ、へんな電話もないでちゅ
郵便もOKでちゅ、誰もボクチンの家にこないでちゅ・・・・・
なあーんだ、デマでちゅ、はったりでちゅ、安心したでちゅ、ほっ! 」
なんて、考えてんだろ? あまい・あまいw
650:名無しのオプ
07/10/07 21:43:45 76rqPJWY
ときどき書斎のことマジでぶっ殺したくなる
651:名無しのオプ
07/10/07 21:47:04 iNkPnbaU
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652:名無しのオプ
07/10/07 21:54:37 76rqPJWY
278 :最低人類0号:2007/10/01(月) 23:21:54 ID:i00OsVco
>>277
私にはネット上で
「私は頭良いんだ」
「俺は最強だ」
「余は崇高じゃ!!ゲラゲラ!!」
とか自分では言いたくないなぁ。
「ネタ」ではなく「素」で言ってるとなるとちょっと引くです…。
まあ私は全て「ネタ」として受け取っているけど。
だから代わりに平然と汚い言葉も送っちゃったりしますw
某神とかに「氏ね」とかw
653:名無しのオプ
07/10/07 21:56:38 76rqPJWY
書斎の首をへし折ったら、スカッとするだろうな・・・殺ってみてえな
654:名無しのオプ
07/10/07 21:58:51 76rqPJWY
書斎の頚動脈をバヨネットで、かき切ったら、気持ちいいだろうな、
本当にぶっ殺してやりてえな・・・
655:名無しのオプ
07/10/07 22:00:45 76rqPJWY
近所の溶鉱炉に突き落とすのもいいよな、最高の気分だろうな、なんか
ワクワクしてきた
656:名無しのオプ
07/10/07 22:02:02 76rqPJWY
書斎にコンクリの下駄はかせて、沈めるのもいいなあ、ゾクゾクするぜ
657:名無しのオプ
07/10/07 22:02:51 76rqPJWY
ヘヘヘヘヘっ
658:名無しのオプ
07/10/07 22:07:23 76rqPJWY
オラ、書斎! 出てこいや! こちとらまだ、人をぶっ殺しても
大丈夫な年齢なんだよ! 殺してやるぜ! 豚ヤロウ!
659:名無しのオプ
07/10/07 22:08:45 76rqPJWY
じゃましたり、ちくったやつも、同罪だ! ぶっ殺してやらあ!
660:650~659
07/10/07 23:10:05 RcRgLsRB
はーすっきりした、冗談だよ!
今のところ
661:名無しのオプ
07/10/08 00:57:07 KnrZSTu2
恨み
662:名無しのオプ
07/10/08 00:58:25 VoQCv2Ea
キチガイ モ タイヘン ダ
663:661
07/10/08 00:59:12 KnrZSTu2
まちがい・まちがい
恨みは深い、
書斎! お前恨まれすぎ
664:661
07/10/08 01:00:31 KnrZSTu2
>>662
私のことですか?
665:661
07/10/08 01:02:20 KnrZSTu2
>>662
お返事は?
666:661
07/10/08 01:04:02 KnrZSTu2
>>662
お~い!
667:661
07/10/08 01:06:22 KnrZSTu2
>>662
勘違いかな? もう行っちゃったらしいや
668:名無しのオプ
07/10/08 10:05:18 WdbvyL+j
「小説の匠 吉村昭5」の住人でございます。
おたくのミステリ板住人がこちらに来て迷惑しております。
お願いですから、はやく連れ帰ってそちらで管理して下さい。
669:名無しのオプ
07/10/08 11:56:53 hUHTiIKa
ミス住なら、殺しちゃっていいですよ!
670:名無しのオプ
07/10/08 11:58:39 hUHTiIKa
射殺してください
671:名無しのオプ
07/10/08 14:19:04 fzWXdJNG
この有り様じゃまともに感想投下なんて馬鹿らしくてやりたくないな。
ここも廃スレと化したか。。。
672:名無しのオプ
07/10/08 16:16:08 ew/NtEdd
俺たち支持者は書斎さんを応援します、書斎さんばんざーい!
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支持者軍団、支持者軍団、支持者軍団、支持者軍団、支持者軍団
673:名無しのオプ
07/10/08 16:17:30 ew/NtEdd
俺たち支持者は書斎さんを応援します、書斎さんばんざーい!
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支持者軍団、支持者軍団、支持者軍団、支持者軍団、支持者軍団
674:名無しのオプ
07/10/08 16:21:30 ew/NtEdd
俺たち支持者は書斎さんを応援します、書斎さんばんざーい!
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支持者軍団、支持者軍団、支持者軍団、支持者軍団、支持者軍団