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大村友貴美『首挽村の殺人』(2007、角川書店)【6.5点】
友人杉の死の真相を調べるため、岩手の無医村に赴任した医師滝本。
過酷な間引きの伝承が残り、「おつかいさま」の儀式を続ける寒村。
やがて雪中で逆さに埋まった死体が発見され、さらに凶暴な赤熊も出没。
閉鎖的な東北寒村に、伝承をなぞるかのような連続殺人事件が横行する!
第27回横溝正史賞受賞作。
完全なクローズド・サークルではなく、外界との行き来も自由で警察が捜査。
現代的な高齢化問題や町村合併・産業廃棄物問題も絡めており、単なる
山村モノにはしていない。作者が岩手県滝沢村在住ということで、東北山村の
生活やマダギの習俗などはなかなか詳しくリアリティがあり、読み応えがある。
しかしこうした舞台設定であれば当然期待される血族のドロドロや、過去の
因習などの要素が連続殺人事件の真相と乖離しており、肩透かしをくらう。
犯人像や動機もなんだかなあ。(メール欄)カワイソス。 (´・ω・`)