『読みました』報告・国内編Part.4at MYSTERY
『読みました』報告・国内編Part.4 - 暇つぶし2ch250:名無しのオプ
07/04/21 23:07:32 OK73C0Qo
>>249
> 里見弴「極楽とんぼ他一篇」を読んだ。

俺は里見弴は好きだからとっくの昔に読んでいるのだが、
『極楽とんぼ』のどこがミステリーなんだ?
何でもかんでもミステリー見えてしまう重度のミスヲタには困ったもんだ。

> ミステリ如きに耽溺している自己のむなしい人生

ミステリー板ばっかりに粘着している己の人生を見つめてみれば?
文学板にはちょこっと顔出したと思ったらすぐ消えるが、
ミス板は長期間過疎ったスレでも誰かがレスするとすぐさま飛んでくるくらい
毎日毎日徹底的にチェックしているほどの重症の ミ ス ヲ タ 人生をさ。

251:名無しのオプ
07/04/22 02:00:59 IIEMVyzT
東野圭吾『手紙』(2003→2006、文春文庫)【8点】

強盗殺人で服役中の兄を持つ直貴。恋愛、音楽、就職、結婚・・・・
人生の様々な場面でその現実を突きつけられた彼が最後にとった手段とは。

加害者の家族を正面から描いた作品だが、シンプルというか真っ正直な展開に
ちょっと意外な思いがした。兄貴からの暢気な手紙にいらだつ直貴の感情や、
周囲の反応もよく解る。救いのあるようなないような終盤の展開も含め、
東野のいつもの技量が冴える佳作。


252:書斎魔神 ◆qGkOQLdVas
07/04/22 21:23:40 IxkkfcXh
黒木亮「アジアの隼」を読んだ。
前に紹介した「巨大投資銀行」以上に経済冒険小説の色彩が濃い作、
本作で描かれた金融ディール、巨大プロジェクト受注合戦等は、
まさに「現代の冒険」と呼ぶにふさわしいものがあるやに思う。
メーンな舞台は、ドイモイ政策による投資ブームに沸く90年代前半のベトナム、
関連して触れられるマレーシアのマハティール首相と巨大ヘッジファンドの
頭首ジョージ・ソロスとの通貨防衛を巡る対立等は、
今でも記憶に新しいところではあるが、既に5年前の作であり、全体的に見ると時代背景が古くなっているのはこのジャンルの作の避け得ないものであろう。
日本長期債券銀行(無論、モデルは長信銀の方)ベトナム支社長の真理戸、
香港の新興証券会社ペレグリンの債券部長リー(韓国系アメリカ人)、
米大手銀行ハノーバー・トラストのシン(ポートピープルだったベトナム人)、
キャリアが異なるこの3人のアジア人がメーンキャラとなるが、
いずれも挫折への道を辿るのが異色な展開か。
(ただし、人間ドラマとしての基本線は勧善懲悪、ハッピーエンドで締められているが)
ただし、ベトナムを中心とした風俗描写は作品に厚みを与えるものとなっている
ものの、後の「巨大投資銀行」では極力抑制されるラブフェアに筆を割き過ぎなのは
難である。この辺は、まだ従来の通俗的な企業ものの域を脱していなかったという感が
ある。

253:名無しのオプ
07/04/23 21:14:22 dB0J8GNk
「火蛾」古泉迦十
第十七回のメフィスト賞受賞作品を今さら読了。
イスラム教を絡めたミステリというのが新鮮で面白かったです。
密室殺人の部分が全体から浮いていて、むしろ不必要じゃないかという
気はしましたけど、奇怪な事件を綺麗に収束させていて感心しました。
早く第二作を出してほしいんだけど・・・もう無理なのかな・・・。

254:名無しのオプ
07/04/24 22:45:10 5LV/mpEB
大阪圭吉『とむらい機関車』(2001、創元文庫)【8点】

1930年代に発表された短篇9篇+随想。
アレ系真相のはしりであろう「とむらい機関車」、
陰鬱な鉱山での密室状況での殺人事件の顛末を描いた「坑鬼」が双璧。
寝る前に一篇づつじっくり味わって読むべき短篇集。

255:名無しのオプ
07/04/26 21:22:26 P0JeKPSd
「くらのかみ」小野不由美

ミステリーランドの一作。
子供向けだと思ってナメてかかったら、かなり複雑なパズラーで面食らう。
いっぺんに容疑者が登場して混乱するし、細かいタイムスケジュールと
にらめっこしながら読む羽目になるとは思わなかった・・・。
児童文学な雰囲気や、可愛げのない主人公の子供たちが良い感じ。
欲を言えば、もう少し”お蔵様”が目立ってほしかったかな。

256:書斎魔神 ◆qGkOQLdVas
07/04/30 14:49:03 93/+5Y2O
石川淳「至福千年」を読んだ。
乞食・非人を決起させ、江戸に千年王国を実現せんとするカルト集団の暗躍を
メーンとした伝奇時代冒険小説であり、
その内容もあって岩波とは思えぬ差別用語満載な娯楽性も強い作である。
まあ、評価し難い作ではあるが、読んでみろ。

257:名無しのオプ
07/04/30 16:09:32 Rt/WnRbI
真保裕一『ダイスをころがせ!』(上下、2002→2005、新潮文庫)【8.5点】

失職し妻子と別居する健一郎は、高校時代の友人天知から衆院選出馬の
手助けを依頼される。健一郎は、自分の失職と市の不正の関連に気づき、
天知の秘書として奮戦する。34歳中途半端男の再チャレンジ青春小説。

選挙戦の戦略とか、建設業界の不正とかも重要な要素だが、読みどころは
34歳というある程度先の見通しがつく年齢で、人生のやり残しを模索する
健一郎たちのドラマ。まるで高校時代の「文化祭」のように同級生の選挙を
手助けするスタッフの友情がいい。

物語の締めくくりも、ああいう風にするしかなかったのであろうが、
サキという女性の描き方に若干の不満はある。
それでも読後に爽快感と、自分ももうちょっとがんばろうかなと思わせる快作。

258:名無しのオプ
07/05/01 20:38:05 CDbx0ErX
「北列車連殺行」阿井渉介

とある有名な題材に見立てた連続殺人事件。
テレビドラマの脚本家という前歴のためか文章がかなり無機質。ドラマの脚本でも
読んでる気分になる。
連続殺人で見立てた題材、動機などでユニークだと思える点はあるものの、無理を
しすぎていて全体が破綻している。なんだかジョー・スタンプみたいな感じ。
ついでに登場人物がどいつもこいつも攻撃的で、あまり親近感が持てなかったのも
個人的にはきつかった。

259:名無しのオプ
07/05/03 20:46:14 MesBlbIA
「結婚って何さ」笹沢左保

笹沢左保の初期長編。
いきなり殺人事件に巻き込まれた女主人公が、身の潔白を証明する
ために真相を究明する・・・というお話。
ちょっと都合よく話が進みすぎる気がするけど、サスペンスフルな
展開で読ませる内容だし、密室状態の部屋に死体が出現するという
謎の真相も面白かった。

260:名無しのオプ
07/05/04 23:30:26 9pKhxBq0
荒山徹『十兵衛両断』(2003→2005、新潮文庫)【7.5点】

柳生一門と朝鮮からの刺客との対決を描いた連作中篇集。
表題作は、朝鮮の陰陽師の妖術ノッカラノウムによって、肉体を韓人に
奪われた十兵衛三厳の苦難の物語(正直これが一番出来がよくない)。
続く「柳生外道剣」「陰陽師坂崎出羽守」「太閤呪殺陣」はいずれも
妖術は馬鹿馬鹿しいが、これはおもしろい。

秀吉の朝鮮出兵を絡めた朝鮮と柳生との対決は、鉱脈を掘り当てた気がする。
(隆慶一郎+山田風太郎)÷3といったところか。ただ、隆の小説のように
すがすがしい男が一人もいないのは残念。すべてが「恨」のキャラなのはいかがか。
「侠」のキャラも見たい。あるいは柳生友景がそういう位置づけなのかな。
続篇に大いに期待。

261:名無しのオプ
07/05/05 20:08:31 VP3T5l+c
北森鴻『緋友禅 旗師・冬狐堂』(2003→2006、文春文庫)【7点】

旗師冬狐堂こと宇佐美陶子の連作集。
短篇の名手である作者お得意の古物系美術品ミステリ。
個人的には本格推理として読める「永久笑み」の少女がおもしろかった。

262:名無しのオプ
07/05/08 20:26:52 /8whgHHe
「真昼に別れるのはいや」笹沢左保

兄の死に異変を感じ、妹が事件の真相究明の乗り出す・・・という話。
いわゆるアリバイ物なんですが、容疑者からのアリバイ提出方法がかなりユニークで
自分は類例を知りません。少なくとも、ここだけは一読の価値があると思います。
あと動機も面白い。とある伏線から、こういう風に繋げるものかと感心しました。
残念なのは、それらに比べてアリバイトリックが貧弱すぎることでしょうか。

263:名無しのオプ
07/05/09 20:41:32 E6rz/udM
「六色金神殺人事件」藤岡真

雪で閉ざされた東北の田舎を舞台に、古史「六色金神伝紀」に見立てた
連続殺人事件が発生する・・・という話。
文章がゴタゴタしてますし、解決編でも整理が中途半端なまま突き進んで
いくので少し読みにくい作品だったのですが、ページを繰りなおしてみると
各所にダブルミーニングやミスディレクションが仕掛けられているのだと
わかって、その巧みさに驚きました。
ただ、アレがアレでしたというところだけがスッキリしない感じ。
きっちり落とし前をつけてくれていたら大傑作になんですけど・・・。

264:名無しのオプ
07/05/10 10:59:13 E4v3AplR
「探偵実話」(1957年4月特別号)
「愛欲情炎実話特集号」と銘打ってあった故か、エロ本の棚に100円で
紛れ込んでいた(エロ本を探していて見つけた訳には非ずw)。まあ
目次を見ても、「娘を姦殺される凶悪漢」「売春婦・克子の反抗」「スカ
ートをはいたお巡りさん-生理休暇の巻」といった調子ですから・・・。
で、どうしてこんな雑誌に、鮎川哲也「りら荘事件」が連載されたのだ
ろう?本号では、管理人の奥さんが殺され、彼女が持っていた紙片に
書かれた電話番号を探るべく、由木刑事が東京に向かっている頃、りら
荘に新しいキザな客が現れて・・・、という辺りが掲載されていました。
この新しいキザな客って、星影龍三でしたっけ?もう十数年も前に読ん
だきりだから忘れてしまった・・・。
あと、鷲尾三郎の短編「影を持つ女」があって期待したけど三流スリラー。
社長夫人の過去を知る脅迫者が現れて、という良くあるパターン。ピス
トルのすり替えに、ちょっとトリッキーな味があっただけ。その他、朝山
蜻一「夜の扮装」はゲイの三角関係の殺人だが駄作、牧竜介「少女の眼」
は特異な視力を持つ少女が暗闇の中、父親殺しの犯人を目撃する話。後味
悪いことこの上なし。須田京子「川底」は犯罪実話で三流週刊誌ネタ。
黒岩姫太郎「贋者綺譚」は俳優が旅行先で自分を名乗るニセ者に遭って
・・・。オチは読めた。
むしろ、ストリッパーの巡業一座の愛欲にまみれた復讐を描いた、永田
政雄「窖地獄」が、俗悪極まる内容だけど、物凄い迫力があり面白かった。

265:名無しのオプ
07/05/10 22:38:46 kr11Ejiu
北山猛邦のギロチン城殺人事件読みました

この作家の本は初めてだったんだけど、トリック一本勝負って感じだね
犯人とか動機とかどうでもいいという姿勢なのかなと思った

その肝心のパズル的トリックはなかなかよかったし、登場人物など記号だと言わんばかりの安易なネーミングも潔くていい
ただ探偵がどうやってトリックを解いたか等々一読しただけでは理解しにくい点も多々あった

266:名無しのオプ
07/05/10 22:52:56 8yKl/ZNZ
>>265
アリスミラー城も読んどけ

267:名無しのオプ
07/05/10 23:09:18 cWc9MsQV
>>260
スレ違い
荒山スレで思う存分感想を語ってくれ

268:書斎魔神 ◆qGkOQLdVas
07/05/12 14:57:36 Xpw0m/FF
>エロ本を探していて見つけた訳には非ずw
なんかしょうもない奴が紛れ込んでいるな(w

黒木亮「トップ・レフト ウォール街の鷲を撃て」を読んだ。
私がこの著者の作品を手にするのは、
先に紹介した「巨大投資銀行」「アジアの隼」に続いて3冊目となるが、
本作がデビュー作である。
既に金融経済情報満載ではあるが、後の「巨大投資銀行」あたりと比較すると、
登場人物たちの恋愛、情事、家庭事情等に筆が割かれており、通俗的な経済小説と
しての面が強く出ているのはデビュー作ゆえの「小説」としての配慮であろうか。
ゆえに、終盤の今西夫妻と龍花の恋人道子との偶然の出会いといった臭過ぎるシーン
まであったりするわけである。
物語は、トルコ・トミタ自動車(どう見てもトヨタだが)の巨大融資を巡る主幹事
(これがタイトルの「トップ・レフト」である)獲得を目指す邦銀と米投資銀行の
攻防を描いたものであり、ここに金融界のM&A、ヘッジファンドの投機等が
絡んで来る。
今、読んでもそれなりに読み応えがある経済冒険小説と言うてよいが、
NYのツインタワーの登場、最終章で簡単に触れられている邦銀のグループ化の状況等
を見ると、刊行当時(2000年末)には最新の情報読物でもあったであろう本書に
描かれた世界にも隔世の感がある。

269:書斎魔神 ◆qGkOQLdVas
07/05/12 14:59:25 Xpw0m/FF
興味がある者も多いかと思うので、ここで私のGW中の読書記録とでもいったものを紹介
しておく。
・黒木亮「トップ・レフト」 前記
・ 石川淳「至福千年」  紹介済み。格別面白くもないが奇妙な感がある作であった。
・ 江藤淳・松浦玲編「勝海舟 氷川清話」 何度読んでも面白い勝翁の正に『清話』。
・ 薄田泣菫「茶話」 気軽に読める実話小噺集といった趣の作なのが良し。
・ 里見弴「多情仏心」 前述した「極楽とんぼ」と並ぶ里見長編の代表作だが、
            やや冗長な面があるのが難か。

なお、海外作品に関しては別スレを熟読のこと。心して読め!

270:名無しのオプ
07/05/12 15:32:35 JWHr4caL
逢坂剛『配達される女』(2000→2004、集英社文庫)【7点】

御茶ノ水署生活安全課の斉木&梢田コンビの短篇集第二弾。

解説にあるように「軽ハードボイルド」と呼べばいいのかな、
とりあえずオッサン二人の軽妙な掛け合いや、行き当たりばったりの
捜査が楽しい。「才媛」こと五本松のキャラもいい。ミステリ的ひねりは
少ないが、表題作の意表をついた展開など、
逢坂らしい展開が随所にみられて飽きない。第一弾は読んでないけど面白かった。

271:名無しのオプ
07/05/12 16:59:27 JWHr4caL
逢坂剛『無防備都市 禿鷹の夜Ⅱ』(2002→2005、文春文庫)【8点】

神宮署生活安全課の警部補禿富鷹秋の長篇第二弾。渋谷を縄張りとする
南米マフィア系・悪徳警官とハゲタカとの対決を描く。

前作と異なり、ヒットマンよりも悪徳警官との対決がメインとなるが、
ストーリー的には同じ構造。しかし暴力シーンはやはり手に汗握る。
前作より少し大人し目になったような気もするが、まだまだ冷酷無比な
ハゲタカの非道ぶりが痛快。ハゲタカに降り回される渋六興業の面々の方が
よほど善人に見える。水間&野田コンビも相変わらずいい味出してる。

272:名無しのオプ
07/05/15 18:56:37 tyT5Sv6Q
歌野晶午 『密室殺人ゲーム王手飛車取り』

連作短編集みたいな趣であった。面白かった。
特にQ3、Q5、Q7が面白かった。

しかしタイトルはもう少し何とかならなかったのかね。

273:名無しのオプ
07/05/16 17:09:05 2QN13c4z
麻耶雄嵩「蛍」

まんまと騙されました
「翼ある闇」は駄作だったがこれは素晴らしい
文章力も確実に上がっている

同じ作家の本を2冊は読んでから評価を下す、というポリシーを持ってて良かった
こんな名作と出会えたんだから

274:名無しのオプ
07/05/16 18:36:13 uy55rgJQ
>269
>興味がある者も多いかと思うので、ここで私のGW中の読書記録とでもいったものを紹介しておく。

興味なんかあるか
キモいんだよ無職ジジイ

275:名無しのオプ
07/05/16 18:51:02 oVkAxTRt
>>274
自演乙

276:書斎魔神 ◆qGkOQLdVas
07/05/19 12:20:43 ObHT19p9
野村胡堂探偵小説全集を読んだ。
短編23作(内ジュブナイル6作)、評論・エッセイ等11篇を収録したものであるが、
特筆すべき著作は見当たらず、読み上げるのが辛いものがあった。
所詮、あらえびすは現代ミステリで名を成した人ではなく、捕物帳等の時代小説の人
であったのだという点を、あらためて痛感させられる結果となったのが残念である。
あえて本書の価値を見出すとすれば、資料的な観点からのみということになろう。
縄田一男氏が、本書をGWに推す作品の1冊に挙げていたが、確かに部厚いし、
まったりと休暇中に読むには最適やもしれぬ。
ただし、これは相当に気の長い暇人であろう(w

277:名無しのオプ
07/05/19 14:13:35 5C0F5Sjr
書斎は暇人なのか?

278:名無しのオプ
07/05/19 14:38:18 6ti0YYS+
         ハ,,ハ  
        ('(゚∀゚∩_ おいらをどこかのスレに送って!
      /ヽ   〈/\ お別れの時にはお土産を持たせてね!
     /| ̄ ̄ ̄|.\/
       | .モツ煮..|/
        ̄ ̄ ̄
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聖教新聞・ザビー・ゼクター・ブロント・コスモクリーナー・フラゲしたファミ通・単一宇宙全能能力・ヨミ
ショルダー式携帯電話・焼きそばパン・ 触手・テレビ石・ユグドラユニオン・ヾ(゚゚ω゚゚ω゚゚)ノ゙ ・一浩二・ 暴走庵
スプー・ふしぎ星の☆ふたご姫・バカ・こいつの持ち物7+8並に少なくね?・スマブラX・例のアレ・シレン・ゴリラ
ライター・コーヒー・ブラックブラック・枕・ケータイ電話エダのガム・ダッチのグラサン・外付けSCSI340MHDD
ネットランナー4月号TYG02・小嶋進社長・ゲルトモ・ディプスファンタジア・張さんの22LRバーボン・セガサターン
ベニーの秘蔵ファイル・バイブ・■e・リサ ステッグマイヤー・姉御の化粧10kg・ 桜蘭高校ホスト部・鳥肌実・末期少女手鏡
毬藻・死兆星・ソードカトラス・ジャギ様の仮面 南海8200系・ロベルタの若様・クリムゾン・苺柄のコップ・801穴
米製12.7cm38口径両用砲・ハルヒ・トーラスPT92・空鍋・月厨・カンフーファイタードラゴン藤浪(ツンデレver)
イーゼルボンバー・山田オルタ・麻枝・DDO・C鯖・ナカノ5+ニゼルsh→シャワフリ・胸パッド・日本酒・眉毛・包皮
オーストリー・北村ひとみ・辻野・幹事・デイジーコラージュ・草なぎ剛・バリカン・YAMAHAシネマステーション
GEOBIT・孫策・NIKON羊羹・風子・あっぴ・SD-W2002・0.6mmのほうのWiiストラップ・炊飯器・犬養毅・立花誾千代
パームリフト・野村胡堂探偵小説全集

279:名無しのオプ
07/05/20 09:10:31 hkkTqpp7
>>278
書斎馬人やるよw

280:名無しのオプ
07/05/20 21:42:15 EExIGFJM
野沢尚『魔笛』(2002→2004、講談社文庫)【6.5点】

新興宗教の教祖の死刑判決が下りた瞬間、渋谷で起きた無差別テロ。
刑事鳴尾は僅かな手掛かりからその実行犯の照屋礼子にたどり着くが、
なぜか公安はその情報を握りつぶす。照屋礼子とは一体何者なのか?

照屋礼子の手記という体裁をとっているため、あちこちに「私」が出てきて
物語に入りにくい。ふつうに三人称多視点で良かったと思う。
乱歩賞最終候補作の改訂だと思うが、もっと大胆に構成を変えたほうがよかった。
女が夫に殺されかかったり、刑事が獄中のその女と結婚したりというパートは
果たして必要だったのだろうか。緊張感あるドラマチックな展開はさすがだが、
ちょっと物語自体は消化不良の感じがする。

281:名無しのオプ
07/05/22 03:35:18 HsjYOdYT
垣根涼介『ヒートアイランド』(2001→2004、文春文庫)【8点】

渋谷でファイト・クラブを主宰するアキとカオル。
あるメンバーが喧嘩の結果強奪したバッグには大金が詰め込まれていた。
ヤクザ・プロの犯罪者に追われるアキたちが打った一か八かの大博打。

ストーリー自体はありふれているのだが、これはおもしろい。
とくに「計画」が動き出す後半三分の一のスリルとアクションは一気読み。
アキとカオル以外のメンバーの書き分けが若干弱いのと、チンピラの
リュウイチが見せ場らしい見せ場もなく退場するのはもったいない気がするが、
つづく「ワイルド・ソウル」に共通する爽快感と疾走感にあふれた物語。

282:名無しのオプ
07/05/25 16:16:01 pQqRqoxT
『三年坂 火の夢』 早瀬乱

行方不明の父を探し、「三年坂で転んだ」という謎の言葉を残して死んだ帝大生の兄
「兄に何があったのか?そして三年坂とは?」
一高入学を目指して上京し、兄の痕跡を追う弟、実之

雑誌編集者から奇妙な依頼を受ける予備校講師メッキ。東京には発火点が何ヶ所かあるという
そしてその発火点に同時に火をつければ東京は炎上するという
同僚の講師、立原とともに発火点を探すメッキ

この2人のストーリーが交互に語られ、「三年坂」の謎が徐々に明かになっていく


明治維新後の東京を舞台にした変わったミステリーという感じ
東京で三年坂を探しながらもだんだん挫折していく受験生実之の苦悩とか、青春ものの要素もある
また、読んでいて島田荘司の火刑都市あたりの江戸・東京論とかを思い出した
今後、メッキを探偵役にした続編を書いていく予定があるのかもしれない
下宿の女中トキの「ごじゃります」に萌えた

283:読後感
07/05/26 18:30:06 iU/2ZjmB
「そして犯人もいなくなった」司城志朗(立風書房)

死体が歩いた!?
死亡推定現場の歩道から数メートル離れた反対側の歩道に横たわる
死体の謎。それ以降に断続的に起こる奇妙な変死事件の数々……。
それらの裏側に隠れているものとは―?

久々某スレからのセレクト。戦後から新本格以前までのベスト3に
入る傑作らしいと聞き楽しみに読んだが……イマイチ期待外れ。
中盤で明らかになる大きなネタを前半で中途半端に開示しているから
台無し。もっと巧くぼかせるのに不手際だとしか思えない。
まあ、その後どんでん返しがあったりして飽きることは無かったけれども。

284:読後感
07/05/26 18:49:26 iU/2ZjmB
「The unseen 見えない精霊」林泰広(光文社)

伝説の大シャーマンをカメラに収めるべくインドの奥地へ向かった
「僕」は、現地で凄腕の同業者ウィザードの姿を目撃する。
しかし、その直後に出会った老婆は彼は死んだと言う。
そして老婆によって呼び出されたウィザードの霊は摩訶不思議な
物語を語り始める……。

一時期局地的盛り上がりを見せた本作も読んでみれば余りパッとせず
当時知らなかったのもむべなるかなといった感じ。
全ては一つのトリックのために存在しており、そのための展開の
持って行き方が強引で不自然だしインドの雰囲気も皆無に近い。
そこは推薦人である泡坂妻夫と同じくマジシャン作家の特徴と思って
割り切ればいいんだけど、このトリックがまた切れ味が鈍いの。
一応伏線もあるし様々な謎が一発で解ける快感は担保してるけど
どうしても非現実的に思われて仕方がない。
「塀の角で転校生とぶつかる」みたいに良く聞くが有り得ない類のもの。
やるなら短編までかなぁ。

285:書斎魔神 ◆qGkOQLdVas
07/05/26 22:33:08 mtsLK7Na
野上弥生子「海神丸」を読んだ。
野上作品の代表作にして、日本文学史上に残るドキュメント・ノヴェルの佳作、
漂流文学の傑作であり、鬼気迫る海洋冒険小説として読むことが可能な作でもある。
くだらない密室ネタやライト・ノヴェルで盛り上がっているミスオタにこそ突き付けて
読ませたい1作であり、ふやけた精神に火箸を当てられたような覚醒効果があるかと思う。
本編と付録である『海神丸』後日談を読み比べて1番面白く思うたのは、
救助船に発見された時に、海神丸の船員たちは本編では普段着とされているのに対して、
事実は、後生着(正確にはgo shore着であるが、場にいっそ適した言葉として
あえて残す旨を記した作者のカッコ書きが挿入されている)なる一張羅の銘仙を着込んで
いたこと、まさに「事実は小説よりも奇なり」の小さなひとつの例として面白いものがある。

286:名無しのオプ
07/05/28 01:39:38 tKPqyJm1
重松清『流星ワゴン』(2002→2005、講談社文庫)【8.5点】

自分はリストラで退職、息子は家庭内暴力、妻は不倫、父親は危篤。
駅前のベンチで「もう死んでもいいかな」と中年男「僕」の前に現れたワゴンには、
交通事故で死んだ橋本さん親子が乗っていた。3人の深夜のドライブの結末は。

初重松。時間旅行+家族の絆をテーマにしたよくあるストーリーと思いきや、
何気ない描写や小道具の使い方が達者で、物語に没頭した。とくにチュウさんと
「僕」の会話や意地の張り合いは、読んでいて何度もうんうんと頷き、笑った。
読み終わって元気が出る。今さらだろうが、かなりよい物語。

287:書斎魔神 ◆qGkOQLdVas
07/06/03 14:48:05 hBypIYhd
新田次郎「蒼氷・神々の岸壁」を読んだ。
俺は、新潮文庫と文春文庫でこの作者の作品集を読み漁った時期
(現在よりも刊行点数が多かった)があるが、
HMCの識者のひとり曰く「新田氏は山上の松本清張である」という評は
まさに言い得て妙である。
4作を収録した本作品集は、表題作は、前者は冨士山頂の気象観測所をメーンな舞台とし、
後者はロッククライマーを主人公とした、いずれもリアルな描写が光る冒険小説として
読める作に仕上がっている。
「疲労凍死」は遭難死を巡る山岳ミステリ、「怪獣」はホラータッチの作である。
いずれも恋愛絡み(「怪獣」は相当過去のエピであるが)、この点が俺の新田文学渉猟期と
でも称すべき時期に本作品集をオミットし、今日まで未読であった因である。
ストイックに徹した「強力伝」(直木賞受賞作)から新田作品に親しんだ者としては、
山岳小説に下界の俗、かつ、甘過ぎる要素を物語のメーンに持ち込んで欲しくないと
いう個人的気分が強いのである。

288:名無しのオプ
07/06/04 08:12:03 2JnJxbCZ
>>287
またもやホモマゾクラブとやらを持ち出す。下品だなあ。

289:名無しのオプ
07/06/05 17:25:29 TGIv71RJ
>>283
読後感さま、某スレの>3です。
その作品を紹介しましたが、ご期待に添えず残念です。が、

>戦後から新本格以前までのベスト3に
>入る傑作らしい

は勘違いですよ。某スレで色々紹介した後に、本作を未紹介の
うちでは切り札、隠し玉になる傑作、として紹介しただけで、
確か評価は★★★★☆でしたっけ?
当然、★5つの満点の作品は他に幾つもあるので、ベスト3と
いうことはないです。

290:読後感
07/06/08 11:03:27 fV9Gqgno
>>289
や、ご指摘の通りでした。訂正します。

291:名無しのオプ
07/06/14 20:20:51 ZiLd84wP
タイムカプセル 折原一

ブコフで300円だったんで購入した。なるほど、300円だ。
いろんな意味でがっかりした一冊。この人は、もっと人を喰った様な話が書ける人だと思ってただけに残念。

292:名無しのオプ
07/06/14 22:53:00 SIp77U1O
小杉健治『裁かれる判事 越後出雲崎の女』
(1987→1992、集英社文庫)【7点】

堅物の判事である義兄が、被告人の妻の殺した容疑で逮捕。
杉原早紀は義兄を救うべく、アリバイを証明してくれるはずの赤いコートの
女を捜し出そうとするが、容易にその存在は見つからず・・・

某スレよりのセレクト。
2時間サスペンスのような内容だが、適度にあっさりとした文章で読みやすい。
分厚い人間ドラマを期待する人にはおすすめできないが、肩のこらない読書、
適度なサプライズが効いている。個人的には作者の熱意が空回りしていた
『土俵を走る殺意』よりも楽しめた。


293:名無しのオプ
07/06/14 22:58:56 SIp77U1O
小川勝己『彼岸の奴隷』(2001→2004、角川文庫)【7.5点】

誰一人まともなキャラが出てこないミステリー小説。
スゴイことはスゴイが読んでていやーな気分になった。
おもしろかったけど。



294:読後感
07/06/17 10:30:56 2618Aeqw
「赤朽葉家の伝説」桜庭一樹(東京創元社)

製鉄で財を成した山陰地方の旧家・赤朽葉家の女性たちを
三代に渡って描く年代記。

「とてつもない傑作」(北上次郎)とか推協賞受賞とか聞いて
あのラノベ作家がどんな傑作をものしたのかと期待に股間を
膨らませて読んだ。……が、期待外れだったよぅ。なんつーか、
浅いというか嘘臭いというか……。
赤黒の対比、出目金との関係、ニートの捜査など安っぽくて
非現実的な要素が多く、年代記という重厚なスタイルにそぐわない。
「初期の代表作を」ということで書かれたらしいがそれがまず
無理があったと思う。代表作かどうかなんて後にならんと判らんし。
器は事前に用意出来ても中身はそうは行かないからね。

殊に酷いのは第二部の母親の生き様。全て嘘臭い。こりゃ何だ。
舐めてんのか?ファミ通じゃねえぞ。特に職業とか笑うしかない。
笑えないけど。「ラノベ脳全開でお送りしております」とテロップでも
流しとけ。

あと腹立つのは詰まらんオリジナル設定。ぶくぷく茶とか字を見る度
軽くイラっと来る。
何だこの狸が化けたみたいなネーミングは?
北杜夫からパクったのか?
創作するにしてももっと表意的な名前にしろよと。
他にも燃やしたら供養しに来る草とか。もう名前も思い出せんわ。
久城君でも立ち読みしながら舌打ちするだろうよ。

「確かに推理小説では初めて読んだよ。ただしラノベでは嫌と
言うほど読んだことがある。ラノベなんて低俗な小説を読んだ
ことのない評論家は騙せるかも知れないが俺は騙されねえよ。
GOSICKを毎巻読んでたからな」

295:読後感
07/06/17 10:33:45 2618Aeqw
ろよと。
他にも燃やしたら供養しに来る草とか。もう名前も思い出せんわ。
久城君でも立ち読みしながら舌打ちするだろうよ。

「確かに推理小説では初めて読んだよ。ただしラノベでは嫌と
言うほど読んだことがある。ラノベなんて低俗な小説を読んだ
ことのない評論家は騙せるかも知れないが俺は騙されねえよ。
GOSICKを毎巻読んでたからな」

296:読後感
07/06/17 10:34:51 2618Aeqw
二重投稿失礼しました。

297:名無しのオプ
07/06/17 10:39:33 LxnJc5J7
落ち着けw
余程合わなかったのか。
良い点も書いて欲しかったな。

298:読後感
07/06/17 10:43:22 2618Aeqw
良い点は読み進め易い点でしょうか。

299:名無しのオプ
07/06/17 10:48:19 /M0DmyGc
>何だこの狸が化けたみたいなネーミングは?
>北杜夫からパクったのか?
これは酷い・・・

気に入らなかったら気に入らなかったで、もっと冷静に感想書けよ
下品な批判だけの、ヒステリックな感想なんて参考にも何にもならない

300:名無しのオプ
07/06/17 11:27:49 QbpW1rAH
最後のはシュノーせんせのパロかw

301:名無しのオプ
07/06/17 15:12:21 e5CHniYW
もう読後感は書斎と同レベルだな……何様だよこいつ

302:名無しのオプ
07/06/17 15:21:25 3/vvbt5Z
ほっとけ
俺は読んだ作品に一々文句付けだしたあたりからNGにしてる

303:名無しのオプ
07/06/17 17:58:46 2CgLSVH4
>>301
読まずに感想書いてる書斎と一緒にしたら可愛そうだろw

304:書斎魔神 ◆qGkOQLdVas
07/06/17 21:35:55 UoYJ4+oK
田中貴子「検定絶対不合格教科書古文」を読んだ。
あとがきに、この著者がミステリ好きである旨がさらっと記されているが、
さもありなん、教科書に採用されることが多い古文を文学的に読み解いた
第1部「教科書を読み直す」は、まさにミステリの「謎解き」そのものである。
「宇治拾遺物語」の「児のそら寝」に僧と児の性愛関係を読み取り、
「平家物語」の「木曾の最期」の義仲と今井四郎に「うほっ」を見る等々。
また、明治時代の子規の「仰臥漫録」から古代まで遡って古文を読んでゆく
第2部「教科書には載らない古文を読む」も非常に面白い趣向であった。
惜しまれるのは、およそ「教科書」の名にふさわしくない著者の現行教科書批判等が
展開されている第3部「論説編―国語教科書の古文、ここがヘン!」である。
いかにも本書版元(朝日新聞社)らしいものがあり、著者が最も書きたかった部分でも
あろうかと思うが、1部、2部と比較した場合の内容的違和感は大きい。
2部までの280頁でもボリューム的には十分であるし、3部の内容はあとがき等で
軽く論及する程度にして欲しかったものである。
また、こうした方が古文の楽しさを伝えるいう著者の意図には、
より沿う形と成り得たのではなかろうかと思う。

305:書斎魔神 ◆qGkOQLdVas
07/06/17 21:39:00 UoYJ4+oK
稲垣恭子「女学生と女学校」を読んだ。
女学校という存在そのものが、現代ではまさに「ミステリ」と言い得る面があるが、
明治時代に端を発する旧制高等女学校は、現代の女子校とは異質に見えて、
そこに現代の女子学生の諸形態の原型を見ることが出来るのが面白い。
腐女子(第1章「文学少女」)、百合(第2章「女学生の手紙の世界」)
ヤリマン等(第3章「堕落女学生・不良少女・モダンガ-ル」)、
お嬢(第4章「ミッション女学生」)、そして現代の多数の女子校や短大にも
見て取れるであろう現象(終章 「軽薄な知」の系譜)。
元祖JKに対する興味本位ではなくして、現代歴史書として手に取ってみるべき書と
言い得る。

野上弥生子「大石良雄」を読んだ。
表題作は、大石内蔵助こと大石良雄(「よしたか」と読む)が、
句や庭を愛する風流人として生きることが許されず、
吉良邸討ち入り決行へと追い詰められてゆく過程が、
妻子(妻の名が「くり」となっている)や同志等周囲の人々との絡みで描かれてゆく
心理サスペンス・ミステリ風の作であり、短い作ながら読み応え十分。
併録された作者晩年の作「笛」は、母子家庭を材にし、戦後の庶民生活を活写した
アットホームな市井小説と見えながら、ショッキングなラストを迎える。
タイトルが効いて来る締めの淡々とした一文も印象的な作。
「人間」というものが何ら描けていないくだらない新書・文庫ミステリに耽溺している
ミスオタよ、悔い改め、心して読め!

306:名無しのオプ
07/06/17 22:32:14 xDuC1ANM
>>301
何でもミステリにしちゃう書斎と一緒にしたら可愛そうだろw

307:名無しのオプ
07/06/17 22:44:17 GngvvmCb
>>306
何でもミステリにしてるかどうかともかく、感想の内容はもう完全に同レベルだよ

308:名無しのオプ
07/06/18 00:03:59 AC6Fe8LO
>>304-305
こいつは謎解きやらサスペンスやらがあれば「ミステリ」と思い込むんだろうけどさ、
こういう何でもミステリーに見える重度のミスヲタって、傍から見てるとキモいよなw

309:名無しのオプ
07/06/18 00:08:19 AC6Fe8LO
スレッド絞込み遊びその1: 感想スレを「読み応え」で絞り込んでみよう

310:名無しのオプ
07/06/18 02:22:51 hKfWUWqk
小杉健治『崖』(1989→1992、講談社文庫)【7.5点】

数年前に行方不明となった男の白骨死体が発見された直後、
被害者の妻の現夫が自宅で焼死した。刑事たちは妻の周辺を洗うが、
証拠は見つからない。謎めく妻の過去。そして事件の真相とは・・・

登場人物の性格が途中で変わったりするなど、人物設定がイイカゲンなのは
いただけないが、事件の真相はちょっと予想外で驚いた。
簡潔かつ場面転換の早い文章を、テンポがいいと評価するか書き込みが浅いと
するかは評価の分かれるところだが、個人的には楽しい読書だった。

89年だと大長篇は無理な時代かもしれないが、もうちょっと書き込んだら
かなりおもしろい作品になったはず。ブッコフの100円コーナーででよく見かける。

311:名無しのオプ
07/06/18 02:32:48 hKfWUWqk
大沢在昌『氷の森』(1989→1992、講談社文庫)【7点】

私立探偵緒方は政治家の依頼で、行方不明になった女子大生を捜索。
女子大生と一緒にいた若者に殴り込みをかけられるが、事件は殺人事件に一転。
緒方はヤクザの追跡をかわしつつ、背後に見え隠れする謎の存在に立ち向かうが・・・

『新宿鮫』の原点として評価が高いらしいが、やはりサメには及ばない。
真相が明らかになり、事件に一本線が通ったときの爽快感にやや欠けるというか。
キャラクターもいまひとつ型どおりで印象に残る人物がいないのも残念だが、
文章の妙な迫力と泥臭さは、最近の大沢にはない魅力。


312:名無しのオプ
07/06/18 05:49:49 9Q7deA0J
鯨統一郎『北京原人の日』
5点

銀座の通りのど真ん中に落下してきた軍服姿の老人のポケットには
北京原人の化石の一部が入っていた。
たまたま落下地点に居合わせた主人公の経済的に困窮しているカメラマンの青年は
この事件をスクープにして名を売ろうと考えるが事件は思い掛けない展開へ。。。

太平洋戦争直前の北京原人の化石紛失という実話をもとにした歴史ミステリーの
一種かと思って期待すると肩透かしを食わされる。
以下、気になった点。

・北京原人そのものの謎は前半でちょっと触れられるだけで、
それが主要テーマではないせいか後半では言及されなくなってしまう点。
面白い仮説を出しておいてミスディレクションの積もりだったのだろうか。
・北京原人の化石紛失の謎が現代の事件の背景にあるのだが、その紛失の
理由(事件の動機)は太平洋戦争の謎にも関わるのだが、荒唐無稽過ぎ。
・登場人物の描写が雑なので誰にも感情移入できないし、
初めは各々打算で結びついていた主人公達にいつの間にか本当の仲間意識が
芽生える辺りの展開が安易。
・主人公が絶体絶命のピンチに陥ると決まって助けが入るご都合主義。
・文章(地の文・会話文とも)が雑。これは主人公の人格が軽薄なので
わざとなのかもね。

とにかく作者がテーマをうまく料理できず消化不良を起こしている感がある。

313:312
07/06/18 10:12:34 9Q7deA0J
ちょっと訂正
登場人物の描写が雑なので→登場人物の造形が雑なので

314:名無しのオプ
07/06/18 10:19:44 9Q7deA0J
>>294
ブクブク茶というのは沖縄の伝統的な茶として実在するんだが。

315:名無しのオプ
07/06/18 11:07:07 6nHSQFsp
本ではぷくぷく茶じゃなかったっけ?モデルには違いないだろうけど。

316:読後感
07/06/18 17:59:19 Aq1G6tuX
「水車館の殺人」綾辻行人(講談社)

人里離れた山奥に立つ異形の館・水車館。そこに住むのは
白いマスクで顔を隠した男と一歩も外を出ずに育った彼の若い妻。
そして今年もあの日がやって来る。唯一館に客人を迎える日が。
去年は忌まわしい連続殺人が起こった。そして今年もまた……。

やられたなあ。何で解んなかったんだろ。本当オーソドックスな
仕掛けだったのに。ここんとこ本格を読んでないから鈍ったのかしら?
いやだわ。

追伸 由良三郎っていいやつ!

317:名無しのオプ
07/06/21 11:10:38 7AoIWtUT
>鈍ったのかしら?
何言ってるのこいつ。
確かに書斎レベルになったな。

318:名無しのオプ
07/06/21 15:04:16 NG/Glba6
もう触るな。
こうなったら治らない。

319:名無しのオプ
07/06/21 15:32:40 zxXJKuKV
叩かれてこそ読後感て感じ
今まで寂しかったぜw

320:書斎魔神 ◆qGkOQLdVas
07/06/23 12:06:20 6mjQZZRr
原武史「鉄道ひとつばなし2」を読んだ。
著者のどこか文学的筆致が良、好評だった前作も同様だが、
本書もトラベル・ミステリファンには必読な鉄道ネタが満載である。
特に第七章(「鉄道の明日を思う」)にある「一分の盲点」は、正に「鮎の世界」そのもの。
著者は、マニアックな鉄オタにあらず、「鉄道」という交通機関を通して「文化」
を洞察するというスタンスなのが、私のような一般的な読書人にも面白く読めるもの
となっている因であろう。
今では歴史ミステリの素材足り得る第一章「天皇と東京」は、
鉄道を通して官と民の問題を取り上げており、著者の専攻が活かされた読み応えが
ある作となっている。

321:書斎魔神 ◆qGkOQLdVas
07/06/23 12:07:25 6mjQZZRr
武藤康史「旧制中学入試問題集」を読んだ。
一見、ミステリとは無縁、著者もミステリ関係の著作は皆無な慶應出身(マスター)
の評論家であるが、入手困難なものが多い旧制中学入試問題の徹底した紹介・分析
により浮かび上がって来るのは、時代の影、国家の意思といったものである。
(天皇に関する一連の国語の問題、算術の問題に頻出する戦争ネタ等々
この点には明解な記述はないものの、示唆する記述は散見される)
この辺の展開は、歴史ミステリそのものと言い得る。
なお、過去問を見ていて思うのは、合格・高得点狙いには、教科書(「尋常小学読本」等)
の熟読(教科書記載の漢字、文章からの出題が圧倒的に多い)、
過去問研究(繰り返し出題される頻出問題が多い)等が必須という受験の基本は、
今でも不変なものがあるのは、面白くもあると共に、ペーパーテストという制度の限界
をかいま見る気もした。

322:名無しのオプ
07/06/23 12:30:28 o+Sdz+6N
普通に板違いだな
削除依頼出したら通る予感

323:名無しのオプ
07/06/23 23:02:43 IbeEm7/V
>>320-321
最早「ミステリーとして読む」ことさえ止めた模様。

324:名無しのオプ
07/06/23 23:04:14 IbeEm7/V
また「読み応え」w

本の評価これしかないのか

325:名無しのオプ
07/06/24 08:59:27 UgLeLVMs
なんだかかわいそうになってくるよなw

326:名無しのオプ
07/06/24 16:32:48 r0sUjV6K
>>324
言い回しで叩くのは止めたが良いよ
じゃあ他の人がそれ使ったら荒らしなのかってことになる

327:名無しのオプ
07/06/24 17:12:30 5g5MDMWu
コピペ元で反論したらいいじゃん。
それ誰がコピペしたやつだぜ。本人に言いたければ最悪板でやって。

ってかそもそも「荒らし」ということを324は言ってないんだがなw

328:書斎魔神 ◆qGkOQLdVas
07/06/24 21:33:13 TdYWdYY2
久々に森博嗣「すべてがFになる」を読んだ。
95年の執筆という点を考慮すると、バーチャル・リアリティに対する洞察や
ウィルスの問題等のいまだに難題となって事項にも言及されているのは、
作者のキャリアが活かされており、今読んでもさすがという感はある。
ただし、携帯電話が普及していない(登場人物の台詞には出て来る)等、
時代の変遷を感じさせるものはあり、現在では本作のクローズド・サークルは成立
し得ないものとなっている。
また、ミステリという観点からは、タイトルに関する謎解きが非常にわかり難いもの
であり大衆向き読物としては問題があること、機械的なトリックのスケール感と奇抜さは
ある程度評価し得るとしても、人的なトリックに関しては、
見て・調べてわからないはずがないものであり、この犯人キャラが、
なぜこんな雑な犯罪が成立し得ると考えたのか疑問を残すものとなっている。
第1作ということもあって、後にアホなミスオタを熱狂させることになる、
ワトスン役萌絵の露出は色々な面でやや抑え気味。

329:書斎魔神 ◆qGkOQLdVas
07/06/24 21:35:52 TdYWdYY2
髙木彬光「死美人劇場」を読んだ。8篇を収録。
大好評な収録作品全話講評いってみよう!!
「血ぬられた薔薇」
収録作品中で一番のボリュームながら、内容は都会スリラーといった類の作であり、
見るべきものはない。
「原子病患者」
ちょっとヤバいネタではあるが、時事(第五福竜丸事件)に絡めたトリックが巧く
決まっている。オチも妙にリアルで見事。
「恐しき馬鹿」
タイトルは2ちゃんねらーのことにあらず(w、
探偵小説に多用されるエイプリルネタである。
死体発見時の混乱した状況をもっと丁寧に描かないと説得力を持たない展開と言い得る。
「魔笛」
差別用語濫発、今ならこのままでは到底無理ぽな作。
耳なし芳一(なぜか「保一」と表記されている)風の怪談仕立てながら
殺人トリックは「刑事コロンボ」でも使用されていた近代的なものである。
ただし、笛に関するトリックはオールド・ファッション、かつ、展開そのものに無理有り過ぎである。

330:書斎魔神 ◆qGkOQLdVas
07/06/24 21:37:08 TdYWdYY2
「盲目の奇蹟」
今もあるマネービルネタ、神津探偵談には珍しい経済ネタでもある。
殺人(狙撃)トリックは、最早、「名探偵コナン」ちゅーか、「探偵学園Q」ちゅーか、
トンデモ過ぎる漫画レベルである。
「目撃者」
熱海の住宅街の夜から始まる語りは惹き込むものがあるだけに、
その後、ストーリーの肝心な部分を偶然性に頼り白けさせるのが惜しまれる。
「冥府の使者」
これも探偵小説にはありがちなアムネジアネタ。
謎の女を巡るミステリアスな出だしながら、御都合主義な展開で特に見るべきもの無し。
「死美人劇場」
表題作でありながら、出来はいまイチ感が強い。
トリックは、鮎・清張先生風だが、短編ゆえか細かくは書き込まずあっさりと
流されている。
本作も戦後の廃墟化した映画館を舞台にした怪奇探偵小説風の出だしはおもろいだけに、
その後の適当な展開が残念。

331:名無しのオプ
07/06/24 22:55:37 OHTONs+Z
今野敏『隠蔽捜査』(新潮社、2005)【8点】

都内で起こる連続殺人事件の被害者は、過去の少年犯罪者たち。
保身第一の上層部・マスコミ対策に神経をすり減らす警察庁のキャリア竜崎。
しかし家庭内でも問題が起こり、しかも現場でささやかれる被疑者の身元が・・

警察庁総務課の課長という、これまでにないキャリアを主人公に据え、
警察庁の上司や警視庁刑事局との熾烈な駆け引きを描くのがおもしろい。
焦点も「変人」竜崎の手腕の発揮ぶりと家庭問題に限定し、
連続殺人事件はあくまで材料にすぎないが、実に緊迫したストーリー展開。
続篇も出たようなので楽しみ。

332:名無しのオプ
07/06/25 08:57:48 nkcduJch
「F」って、出たのは最初だけど四作目じゃなかったっけ。

333:名無しのオプ
07/06/25 10:44:21 Ru/AybyB
確かに携帯電話がこれほど普及すると、それ以前の過去の推理小説を読むと、
「その当時の」と念頭に置いとかないと違和感はある。
昭和三十年代の推理小説で、電話そのものが、下宿人とか中流以下の家庭には
また普及していなかったのを、昭和五十年代以降に読んだ時のような。

334:名無しのオプ
07/06/25 21:05:26 alWYpwvj
高橋克彦『パンドラ・ケース よみがえる殺人』
(1988→1991、文春文庫)【8点】

最初に死んだ大学サークルのメンバーの13回忌にあわせ、集まったメンバーたち。
開かれたタイムカプセルには、干乾びた指とある事件を告発するような新聞記事が。
雪深い民宿でひとり、またひとりメンバーが殺されていく。犯人は誰なのか。

いわゆる「吹雪の山荘モノ」だが、メインは70年代に青春を送った男女の
回顧物語。たぶん作者の70年代に対する強烈な印象が原点だろう。
塔馬双太郎・チョーサク・アリサという作者のレギュラーキャラがメンバーの
中にいるので、これ以降の作品を読んだことのある読者は真相にたどりつきやすいかも。

犯行がやや綱渡り的なのと粗いのが不満だが、物悲しい終盤も含めて、水準以上の良作。
昭和は遠くなりにけり。

335:名無しのオプ
07/06/26 03:23:19 peR1r62/
多島斗志之『龍の議定書』(1985→1988、講談社文庫)【7.5点】

中華人民共和国と台湾とを和解させようとする「S2キャンペーン」。
華僑劉偉南から話しを持ち込まれた大手広告代理店の塔原は、孫文を題材に
着々と計画を進めるが、孫文狂言誘拐説やフリーメーソン暗躍説など、
次第に国際謀略に巻き込まれていく。果たして事件の真相は?

とりあえず孫文の死にまつわる仮説は興味深く読んだ。どこまでオリジナルなのかは
分からないが、作者の独創だとしたらこれは大したものだと思う。
素っ気無い文体と深みのないキャラは、このデビュー作ではややマシな方だが、
物足りなさも覚えるのは確か。また『密約幻書』や『バード・ウォーズ』のような
どんでん返しが弱いのも確かだが、まずまずの佳作。


336:名無しのオプ
07/06/29 05:03:48 Trri0FNu
>>331のレビューが面白そうだったんで読んでみたけど、
こりゃもはやミステリーじゃないな。警察小説とも言いがたい。
ある種のサスペンスはあるけど、一種の「サラリーマン小説」か、
また、若者を題材にしたのが「青春小説」なら、これは「中年小説」。
中年世代の人生というのがこの作品のメインテーマ。


337:名無しのオプ
07/06/29 09:02:57 nSlTmY91
最近のミステリを読んだことないんだろうな

338:名無しのオプ
07/06/29 09:50:52 WigZGm33
>>336の中ではミステリーという言葉が、かなり狭い範囲の作品を指すものなのでは

339:336
07/06/29 18:34:52 LtjDc+Sv
作品自体はそれなりに面白かったよ。
文章がこなれてないのと人物造形が単純なのが弱点かな。
>>331の人も言ってるように事件は単なる小道具でしかない。
主題はあくまで人間ドラマ。
社会派っぽさやサスペンスの展開は松本清張あたりを思わせないでもない。
上で警察小説とも言い難いと書いたけど、まあ現代型警察小説なのかも知れない。

340:名無しのオプ
07/06/29 21:10:19 jYEyRGv0
話題になった本で、なにを今さら

341:名無しのオプ
07/06/30 11:09:24 39Av0ymQ
お前ら人の感想にあーだこーだいちゃもん付ける暇があったら
自分の感想書けよ

342:名無しのオプ
07/06/30 11:28:44 JROSqj8e
高橋克彦『聖豹紀 バンドネオンの豹』
(1996→2000、講談社文庫)【5点】

地球征服を狙う魔人サーベル・タイガーは、アガルタの古代機械を
手に入れるためトルファンに。アガルタの戦士ジャガー、ネモらは
それを阻止しようとトルファンに集結するが、そこには恐ろしい敵が。

冒険小説「バンドネオンの豹」の続篇。
まあ、少年向けと作者が言い切っているだけあって、正義対悪の対決パターン。
それでも前作はナチスとか地底王国アガルタとか伝奇要素だけは楽しめたが、
今回はサイキックな戦闘がメインで少々退屈。いかにも少年少女向けの
ロマンスらしきものもあるが、現代の少年少女はどういう感想をもつのだろう。

343:名無しのオプ
07/06/30 17:37:57 FT5+1l5J
最近のミステリーがそんなに凄いのか?

344:名無しのオプ
07/07/01 11:29:25 4ERKdwCn
本多孝好『MISSING』(1999→2001、双葉文庫)【7.5点】

小説推理新人賞受賞作「眠りの海」ほか、死にまつわる「喪失」を
テーマとした短篇集。いわゆる「推理小説」とみた場合は物足りなく、
きわめて普通小説に近いが、広義の意味でなら、
まあミステリー小説の範疇(「瑠璃」以外)。

個人的には、老人ホームの老人が女子高生を尾行させるのはなぜか、
という「蝉の証」がいちばんおもしろかった。

345:名無しのオプ
07/07/02 02:02:50 kzqDk+Z7
海渡英祐『積木の壁』(1981→1985、徳間文庫)【6点】

経営コンサルタントを名乗り企業の調査を行う調査員岩岡。
自らの独立のきっかけとなった、ある企業の合併問題に調査を進めるうち、
恋人の紀子が何者かに殺害される。現場のマンションに残されたマッチ箱の
中のキーは? そして手帳に記された「he」「she」は何の符牒なのか?

思ったよりは古臭くないが、いかにも地味な社会派推理小説。
展開は逢坂剛の岡策モノのような感じだが、けれんはほとんどない。
トランプのクイーンやマッチ箱のキー、手帳の符牒など思わせぶりな要素は
若干あるものの、真相はきわめて拍子抜け。真犯人も予想の範囲内にとどまる。

ただ文章は読みやすく確かであるから、地に足の着いた堅実な推理小説ではある。
もっとも出てくる女がすべて主人公に好意を持つというのはいかがなものか。

346:書斎魔神 ◆qGkOQLdVas
07/07/07 23:39:13 YNTMW1dj
蘇部健一「六とん2」を読んだ。
最近「3」も刊行されたが、なぜか積読にしてしまっていた作品集。
蘇部先生らしいバカミスモードは相変わらず全開とはいえ、
「六枚のとんかつ」「動かぬ証拠」と比較すれば、展開やオチのパワーダウンは
否めないものがある。
グループA
「最後の事件」「三色パンの秘密」「甘い罠」
この3作はバカミスとしてそれなりに面白い。
最初の作はあまりにバカバカし過ぎる絵オチが笑える。
グループB
「午前一時のシンデレラ」「行列のできるパン屋さん」「姿なき目撃者」「読めない局面」
半下石シリーズの三篇だが、どれも出来は今ひとつである。
そもそも古畑風のダンディな半下石は、意外にまともな長編ミステリ向きのキャラ
なのである。
グループC
「誓いのホームラン」 
モデルは元巨人の河合。泣かせる美談と見せて…ラストがなかなか効いている。
「地球最後の日?」
このラスト(絵オチ)?
「叶わぬ想い」
ビターな絵オチは良いのだが、するとそれ以前に問題が出て来る。
フェアプレー厳守とまで言わぬまでも、もう少しぼかして書く必要があるのではないか?
「きみがくれたメロディ」
正直に書くが、蘇部先生がこういうものを書いては駄目である。

347:名無しのオプ
07/07/08 00:43:21 18mnzNc2
久間防衛大臣の辞任問題が新聞紙上を賑わしている。しかし、ここまで愚かな内閣だとは思わなかった。
そもそも総理の実力もなく人選ミスばかりしている安倍首相。松岡農水相の自殺も腑に落ちないが、今回の「しょうがない」発言も国民を馬鹿にしているとしか言いようが無い。
辞任は当然であろう。

 そもそも世界で唯一の核被爆国であり、核の悲惨さを訴えなければならない国の立場にあるべき防衛大臣が、なんたる無責任発言をしてしまうのだろうか。こいつも大臣の器ではないなあ。
どうみても落とした側のアメリカ側に立って物を言っているとしか思えない。アメリカは戦争を仕掛けたのは日本であり、戦争終結を早めるのには核爆弾が効果的だったと、考えているかもしれないが、
アメリカ国民は、核の悲惨さを何処まで認識しているかも疑わしく、20世紀の偉大なる発明の一つに核爆弾をリストアップしているほどだ。
またアメリカの識者までが、原子爆弾を日本に投下したことにより、戦争の犠牲者をこれ以上出すのを食い止められたと、トンチンカンなことを言っているのだ。だから日本が中心になって、
核廃絶を訴えたところでアメリカは、何処まで核問題に真剣になっているか疑問符がつくのである。

んな中で、防衛大臣という要職につく人が、被爆者遺族を逆なでするようなことを平然と言って、けして許されるものでは無いだろう。
本当に安倍内閣は瀕死の重傷と言ってしまってもいい状態である。
ところで、防衛庁が何時の間にか、ドサクサにまぎれて防衛省に昇格して、長官が大臣になってしまった。
これでますます憲法第九条の改憲が現実味をおびてきそうだが、なんか気づかない間に、どんどんときな臭くて保守的な国家になっていく。それで、まさか宮内庁までが宮内省にならないだろうなあ・・・・・。
ああ、コワ! 主権在民は何処へいく!


348:いまのところ0点
07/07/08 09:12:50 GFoUElmI
志水辰夫『行きずりの街』(1990→1990、新潮文庫)【0点】

読み中。読み続けるべきか思案中。

私(主人公)は40代の塾講師。十数年前、東京の名門女子校を
女生徒との交際が発覚し、退職を余儀なくされた。十数年ぶりに
かつての学校を訪れた私は、十数年前の事件の裏とともに、
事件に巻き込まれていく(はずだ)。

・・と、ここまで読んで0点。
(はずだ)と書いたのは、だいたい四分の一読んでるのに
まだ事件が起きていない。主人公は何が目的なのかよくわからないが
東京の街やら、かつて勤めていた女子校やらを歩き回っているだけ。

とにかく全然盛り上がらない。
この小説は某書店で、店員お勧めの小説として平積みになっていたし
1990年の「このミス」で1位にもなったミステリーらしいが、
本当かよ! と思うほどつまらない。
「このミス」、1990年はよっぽど不作の年だったんだろうな。

349:名無しのオプ
07/07/08 09:20:41 gjrJ7Ijs
ページめくってすぐ死体が転がってないと駄作認定か
そもそも読みおわってないなら書き込むなよ
チラシの裏にでも書いてろカス

350:いまのところ0点
07/07/08 09:20:56 GFoUElmI
現代ミステリーのお約束の構成。つまり早く事件を起こして
読者を引き込んでいく、というストーリーになっていない。

それに名門女子校を舞台にしたミステリーならば、たとえば
学園を巻き込んだ大スキャンダルが背景に・・とか、
女子校生とのエロチックな濡れ場とかを期待するが、
そんなもの全然ない。
誰を面白がらせようとしているのか、読者に対するサービス
精神がまったく感じられないんだ。

主人公は魅力の感じられないうらぶれた40男で
そいつが靴をすり減らして、東京の街を歩き回っている、
というストーリーがここまで延々続いている。

綾辻行人が「うらぶれた刑事が、靴をすりへらして歩きまわり
しょぼくれた事件の真相を明らかにしていく。・・こんな
ミステリーは読みたくない。」
といった趣旨のことを言ってミステリー批判をしていたが、
この小説は綾辻の批判にぴったり当てはまる。

ものすごくつまらない。

351:いまのところ0点
07/07/08 09:23:07 GFoUElmI
>>349
そういうのは、ふつう駄作だろう。

映画でも開始5分で観客の心をがっちりつかみ、
盛り上がらせられなければ駄作、というのはお約束だぞ。

352:名無しのオプ
07/07/08 09:35:43 DhwEgtia
GOTHで一貫して登場してるのは神山樹と森野夕でおk?
何か最後の話で気になる表現(乙一特有の詰めの甘さ)があった。

353:名無しのオプ
07/07/08 09:50:18 Fb/0eHQq
現代ミステリーのお約束の構成
エロチックな濡れ場を期待
サービス精神
綾辻
映画でもお約束


釣りかなんかだと思ったらただの馬鹿だったか

354:名無しのオプ
07/07/08 09:55:11 hgE125M7
>>348
少なくとも全部読めよ。
『読みました』報告・国内編Part.4、だぜ。

355:名無しのオプ
07/07/08 09:55:31 gjrJ7Ijs
>>353
シーッ!

356:名無しのオプ
07/07/08 11:20:29 2XtCTL47
>女子校生とのエロチックな濡れ場とかを期待するが
ねーよw

357:名無しのオプ
07/07/08 11:28:51 7Sl2Rh7I
つまらんのだけは同意だな

358:いまのところ0点
07/07/08 16:51:28 rfznVRZL
そう言われたので、もう少しだけ読んでみた。
その感想は・・

   ↓

ヘドが出そうなくらいつまらん。
こんなものを1位にするとは「このミス」も落ちたものだ。

359:名無しのオプ
07/07/08 17:09:33 SHQsGtVZ
>>358
 >こんなものを1位にするとは「このミス」も落ちたものだ

って、「行きずりの街」が1位取ったのは「このミス」4年目のことだぞw
おまえ、ひっこんでたほうがいいな。

360:名無しのオプ
07/07/08 17:10:40 aWAcjcN1
>>358
アンチシミタツ粘着乙

もうわかったよ

361:いまのところ0点
07/07/08 18:14:14 FeVnDuku
ひっこんでいるべきは沁みた痛のほうだろう

フッフッフッ

362:名無しのオプ
07/07/08 18:19:43 g1m5k64T
>>361
もうわかったよ。あらすじだけにしておけばいいものをw

363:名無しのオプ
07/07/08 18:24:39 Mf6rIgCb
>>361
なんだ、「あらすじごめん」くんかあw

 >ひっこんでいるべきは沁みた痛
解説してくれw

364:いまのところ0点
07/07/08 18:29:42 FeVnDuku
ならば説明してやろう。

主人公に魅力全く無し。さえない四十男でこいつがどうなろうが
知ったことではない、という気にさせる。
事件が起きない。もう四分の一読んでるのに誰も死なない。
このまま誰も死なないんじゃないか?
主人公もただ歩き回っているだけ。その理由もわからない。
まあ、こんな四十男の理由なんか知りたくもないがw

365:名無しのオプ
07/07/08 18:32:26 H9lzcOS2
小説読むの向いてないってだけだな
女子校が舞台というだけで濡れ場期待してミステリ読むようなアホだし

366:名無しのオプ
07/07/08 18:32:45 7Sl2Rh7I
つか>>361>>364は別人だろ
ID違うしコピペだし

367:いまのところ0点
07/07/08 18:56:05 FeVnDuku
↑フッフッフッ

ID入れ替えのトリックを見破れないおまいは、ミス板から
去るがよい。

368:名無しのオプ
07/07/08 19:04:05 f5vEOsUj
まあ、沁みた痛み、ならわかるがなw

369:名無しのオプ
07/07/08 20:15:11 nFlJ3NBY
今年の横溝賞作品、だれか読んだ人いたら、コメント頼みます。綾辻先生が
激賞したとかで、気になるんだが

370:名無しのオプ
07/07/11 18:07:27 CXE64tVv
>>369
週刊文春で千街がレビュー書いてた。首挽はあんまり評価高くなかったな…

371:読後感
07/07/12 20:27:56 8aRcyThm
「寝台特急『出雲』+-の交叉」深谷忠記(勁文社)

健康食品を騙った詐欺事件が発覚し、推薦文を書いた美緒の父親の
同僚の大学教授に非難が及ぶ。そんな中被害者達の急先鋒だった
女性が殺害された。警察はこの大学教授を容疑者とみたが、
彼もまた死体となって見付かるのだった。果たして真犯人は一体―。

久々に某スレからのセレクト。
読殺まで大分かかった。トラミスは肌に合わんのかなぁ。
アリバイ崩しかと見せかけてフーダニットかと見せかけてやっぱり
アリバイ崩しだった。トリックは良く出来ていたし解明の過程も
ミステリーの定石に則った形で手堅い造りであった。
でもイマイチカタルシスを感じられないんだよなぁ。
若輩者にはまだトラミスは敷居が高いのかも。

372:名無しのオプ
07/07/14 00:54:57 Tl9BmzRW
湊かなえ「聖職者」(短篇、2007)【8点】

第29回小説推理新人賞受賞作。

ある中学教員(女)の「語り」形式の短篇。
学期末のホームルームで女教師が淡々と語りだし、徐々にある事件の
顛末が明らかになるという趣向。選評でもいわれているとおり、
文章が安定していて伏線の張り方もなかなか上手い。
ここ10年の同賞受賞作の中では疑いなくトップクラス。
すでに先輩の永井するみよりも力はあると思う。長篇を読んでみたい。

>>348 そこまで読んでおもしろくないなら、シミタツとは相性悪いのでは?
    無理に読まないほうが。

>>369 現在読んでます。東北の寒村、マタギ、五百羅漢、生き埋めの伝説など
    道具立ては、ばっちり。逆さまの死体も出てきます。

373:名無しのオプ
07/07/14 00:59:27 629Fw3oo
>>371
読殺ってなに?

374:名無しのオプ
07/07/14 01:17:29 eY0VWBn6
>>373
気違いはスルーで

375:名無しのオプ
07/07/14 01:39:03 629Fw3oo
>>374
了解

376:書斎魔神 ◆qGkOQLdVas
07/07/14 23:00:22 ef5V60/r
新田次郎「アルプスの谷 アルプスの村」を読んだ。
山岳小説のマエストロの軽い紀行エッセイという先入観に囚われて
今までノーマークな作であったが、60年代初頭におけるヨーロッパアルプス旅行は
正に「冒険談」そのもの、現代ほどに都市化・俗化が進行していない時代でもあり、
観光地とはいえ、状況によってはそこは死と隣り合わせの世界なのであるということが
わかる。
同行者が語呂から「異端者の谷」と称したエタンソンの谷踏査シーンなどは、
山岳冒険小説のワンシーンのまんまである。
一流の小説家らしい風景描写の美麗さは読む者を魅了して離さないが、
適宜、気象に関する客観的なコメントが挿入されるのは、いかにも気象庁勤務者で
あったこの作者らしく、良きコントラストを成しているのが、かえって面白い。
また、人や風物に対する所感が驚くほどストレートに綴られており、
この作者、意外に「難しい人」なのかと思わす部分も多い。
小説に関しては、「ユーモアが無い」「女性に関する描写が弱い」等の批判がある作者
ではあるが、本作に関しては、一部例外(チューリッヒ行きの列車で乗り合わせたピザな
シシリー女等)を除いて女性(特に若い女性)に対する優しい眼差しの数々が印象に
残るものがある(例えば、作者にサインをせがむショートパンツ姿のベルギーの
ガールスカウトたちとの出会い等)、
大氷河(メールドグラース)でのエピ。
『・・真紅のキルティングコートを着た女に出会った。二人は霧の中で言葉を交わした。
「どっちへ行ったらいいでしょうか」女が心細そうに私に訊いた。
「私の後へついて来るがいい」
もう心配のないところに来ていた。ちょっとした下り斜面があり、そこで女の手を
取ってやった。その青い眼の女の手はひどくやわらかで、つめたかった』

「私の後へついて来るがいい」って、イエスか?(w
このくだりは、新田先生は笑いを狙ったところであろうか?

377:名無しのオプ
07/07/14 23:15:43 a+WsLb/c
読後感の迷走ぶりを見るに付け、書斎さんの偉大さが浮かび上がるなぁ。

378:名無しのオプ
07/07/15 16:54:53 oDBRtVbF
大村友貴美『首挽村の殺人』(2007、角川書店)【6.5点】

友人杉の死の真相を調べるため、岩手の無医村に赴任した医師滝本。
過酷な間引きの伝承が残り、「おつかいさま」の儀式を続ける寒村。
やがて雪中で逆さに埋まった死体が発見され、さらに凶暴な赤熊も出没。
閉鎖的な東北寒村に、伝承をなぞるかのような連続殺人事件が横行する!
第27回横溝正史賞受賞作。

完全なクローズド・サークルではなく、外界との行き来も自由で警察が捜査。
現代的な高齢化問題や町村合併・産業廃棄物問題も絡めており、単なる
山村モノにはしていない。作者が岩手県滝沢村在住ということで、東北山村の
生活やマダギの習俗などはなかなか詳しくリアリティがあり、読み応えがある。

しかしこうした舞台設定であれば当然期待される血族のドロドロや、過去の
因習などの要素が連続殺人事件の真相と乖離しており、肩透かしをくらう。
犯人像や動機もなんだかなあ。(メール欄)カワイソス。 (´・ω・`)






379:読後感
07/07/15 17:51:11 OOluksoE
>>377
氏ね!!!

380:読後感@読殺魔
07/07/15 18:54:49 wPbW+85n
6年目にして初めて騙られました。
以後トリップ付けます。

381:読後感 ◆VkkhTVc0Ug
07/07/15 18:56:24 wPbW+85n
訂正。
もうやり方も忘れていました。

382:名無しのオプ
07/07/15 19:19:37 bC7T6StZ
>>372
そこまでするだけの存在感もないし、もう消えてもらってもいいんだけどねえ。

383:書斎魔神 ◆qGkOQLdVas
07/07/15 23:14:35 LVTnCUbt
半村良「雨やどり」を読んだ。
新宿の盛り場を舞台にした独自の哀愁に富んだ連作集。
冒頭に意外やSFミステリ的展開となる「おさせ伝説」が収録されている。
(ゆえに本作は、新宿という地の日常に足が着いた感じで書かれた他の収録作品と
比較して異色であるとは言える。SFも書く作者であること、
そもそも当初から連作を意図したものではなく、各編がばらばらに雑誌に掲載された
故であろう)
直木賞受賞作である表題作「雨やどり」は、ラストに来てこの「タイトル」が効いて来る
佳作であるが、新宿人生物語とでも称すべき「新宿の名人」と
「新宿の男」(本作には「雨やどり」の主人公であり、連作のメーンキャラである仙田
という人物がなぜか登場しない)
シリーズメーンキャラ集合による「昔ごっこ」(雑誌掲載時の「新宿西部劇」という
タイトルの方が内容に沿う感がある)もそれぞれに独自の哀感があって面白く読める
ものとなっている。
昨今では、こういった大人の読物をとんと見かけなくなったのは残念至極である。

384:書斎魔神 ◆qGkOQLdVas
07/07/15 23:16:15 LVTnCUbt
蘇部健一「届かぬ想い」を読んだ。
これもタイトルと表紙(手を繋いだ美少女と若い父親と思われるイラスト)で
敬遠していた作なのだが、良い意味で裏切られた。
さすが蘇部先生ダークなねたをしっかりとかましてくれるものである。
ただし、新書上下2段組200頁にも届かない作ではあるが、メーンストーリー上は
無駄な描写も多いやに見える。
出版上の問題であろうが、誤解して投げ出される恐れがあるし、作品的にはもっと
刈り込んで書いて欲しかったものである。
メーンなねたは、タイムパラドックスというSFねたながら、奥底にある作品テーマは
父娘の愛と言え、これが正にキーになって来るわけである。

385:読後感 ◆Y7Vs9ZO5ao
07/07/15 23:48:20 NlTBjLVg
ウンコー!(゚∀゚)!

386:名無しのオプ
07/07/16 00:23:34 s3uD/Rou
まんまと引っかかった感じ?

387:名無しのオプ
07/07/16 00:34:44 os65anWH
森雅裕『あした、カルメン通りで』(1989→1993、講談社文庫)【6点】

マリア・カラスの札幌公演より15年後、タルガ・パルフェッタを
プリマとする「カルメン」が再演された。そして、カラスゆかりの
十字架が盗まれた。カラスの晩年にまつわる秘密とは?

鮎村尋深シリーズ第2弾。前作は読んでいないが、視点人物の美術講師との
掛け合いは楽しい。ただ、登場人物の誰も彼もが警句を吐いたり、凝った言い回しを
するので、若干鼻につく。推理小説としては「会話」による謎解きがメインなので、
謎が明らかにされていく、という過程のおもしろさは薄い。

また森氏のオペラに関する凝り性が、物語のおもしろさに直結しているとは
言いがたいのが残念だが、ココは読者によって大きく評価の分かれるところか。

388:名無しのオプ
07/07/16 11:00:29 JirC2U4f
>>380にモロにひっかかったのかw

389:名無しのオプ
07/07/17 03:05:23 +Zaytgm9
三津田信三『首無の如き祟るもの』(2007、原書房)【8.5点】

戦中の奥多摩。ある旧家の儀式の最中、深夜の井戸から死体が発見。
そして戦後、次期当主の花嫁選びの儀式でまたも首無し死体の女性が。
村の伝承の首無しが跋扈しているのか?「如き」シリーズ第三弾。

まず「マジモノ」「マガドリ」に比べ、文章はずいぶん読みやすい。
(それでも普通からすれば読みにくいが・・・)そして、おなじみの
旧家の確執・血族・土俗要素・密室など本格要素のオンパレードで、
好きな人にはもうたまらない。ただ、「マジモノ」のあの真相が炸裂した
瞬間に較べれば、「うまくつくってあるな」とは感じるものの、
一歩及ばない。大小の技を組み合わせ、読者を幻惑させるという印象。

もっとも文章が読みやすくなった分、「マジモノ」よりも読書としての満足度
は高い。伏線もカンのいい読者は気づくだろうが、それが何を意味している
かはなかなか分からないだろう。若干「つくりこみすぎ」かもしれないが。

話からすると「マジモノ」「マガドリ」よりも前の話のようだが、本書よりも
先に「マジモノ」は絶対に読んでいた方がよい。

390:名無しのオプ
07/07/18 18:56:45 TuI4UEMW
さとうふみや/天樹征丸『金田一少年の事件簿 雪霊伝説殺人事件』
(2007、講談社コミックス)【7点】

雪霊タカハシの伝説がある雪山に集められたはじめたち。
数日間をそこで過ごせば資産家の遺産が贈与されるというが・・
吹雪の山荘に死体がひとつ、またひとつ!

いつもの金田一少年。ただ、こういうCCモノであの手を使うと
それだけで評価は低くなる。もちろん、いくつもの小技を用いて
独自性を出そうとしているが・・。密室状態からの死体の出現は
個人的にはおもしろいと思った。

391:名無しのオプ
07/07/18 23:39:28 TuI4UEMW
高橋克彦『おこう紅絵暦』(2003→2006、文春文庫)【6.5点】

同心を夫にもつおこうを主人公とする短篇集。
ミステリーとしては小粒な話ばかりであるが、安心して読める。
もっとも『だましゑ歌麿』のような殺伐さはないので、
物足りなさも覚えるかもしれない。


392:名無しのオプ
07/07/19 13:23:19 jxniaunG
加治将一『幕末維新の暗号』(2007年 祥伝社) 6点

歴史作家望月のところに送られてきた古写真、
それは通称「フルベッキ写真」と呼ばれる、
明治維新の立役者達が一堂に会しているといわれる集合写真で、
送り主はアマチュア歴史研究家で、彼によると、
この写真に明治維新の秘密が隠されているという。
そして自分はこの件で狙われているという。
望月はその送り主のアマチュア歴史研究家の老人に会うが、
のち、その老人は失踪し死体となる。
望月は弟子のユカとともに写真に潜む明治維新の謎の解明に
とり掛かるが、現れてきたのは驚くべき「真相」だった・・・
この国の成り立ちを根底から揺るがしかねない「陰謀」があったのだ・・・

(評)このネタ自体はわりと有名なので知っている人にとっては
どうということもない。また小説自体の作りもあまり上手くはなく、
歴史エッセイをただ小説形式にしただけという感じだ。
元ネタを全然知らない人にとってはちょっとびっくりするかもしれない。


393:名無しのオプ
07/07/19 23:15:01 YVkh+/gh
加藤元浩『Q.E.Dー証明終了ー(27)』
(2007、講談社コミック)【6.5点】

最近はコマも大きくなり話もネタもパワーダウンしていたが、
今回はやや復調傾向か。陪審員制度を扱った模擬裁判は
展開がおもしろい。最後の主人公の台詞もかっこいい。


394:名無しのオプ
07/07/21 05:02:53 jn4ptl49
青木知己『偽りの学舎』(2007、小学館)【7点】

元警察官僚の来生は、大手進学塾の依頼で講師として潜り込み、
脅迫状事件の調査を開始する。脅迫状の差出人は前教務部長深山。
しかし深山は2年前の社員旅行で焼身自殺を遂げていた・・・

携帯配信ということもあってか、文章は簡潔で読みやすく、テンポも速い。
ミステリとしては4分の3くらいまではかなり地味な展開で、残り4分の1で
ようやくエンジンがかかりだすといった印象。
ただ、トリック自体は小粒であるが、全篇に散りばめられた伏線が張り方は
念入りであり、きわめてフェアである。青木氏の短篇は数本読んでいるが、
今後も手堅い本格ミステリ作家として期待できそう。

もっとも本書に限れば複数の登場人物の言動に少なからぬ違和感を感じた。
とくに元キャリアで現在はペンションを営むという設定の来生は、
その人物設定と言動とがかなり乖離しており、最後まで馴染めない。
また青木氏の職歴に関係する進学塾という舞台も地味であり、展開的に読者を
牽引する力が弱い。短篇を読んでいなかったら、自分はおそらく序盤で読むのを
やめていたと思う。


395:名無しのオプ
07/07/22 10:50:57 KF9MrRuL
蘇部健一『木乃伊男』
「ああ…」
「なんということだ…」
「かわいそうに…」

396:名無しのオプ
07/07/22 22:21:40 UZW2eJ26
柳広司『はじまりの島』(2002→2006、創元文庫)【7.5点】

ビーグル号の航海に博物学者として乗り込んだダーウィン。
ガラパゴス諸島に上陸中、宣教師が絞殺死体で発見され、乗員たちも
次々と殺傷される。犯人は島に徘徊するというスペイン人の銛打ちなのか?

これまで読んだ中では、最も不自然でない舞台設定の孤島ミステリー。
連続する殺傷事件も、舞台装置と深く関係しており評価高し。
(ただその分真相にはたどり着きやすいかもしれない)
また孤島での事件が、ダーウィン理論のある謎と関連していた、
という理解もおもしろい。文章も安定しており読みやすく、
よく出来た孤島+フーダニットの佳作。


397:名無しのオプ
07/07/24 01:18:15 52x/qz/A
逢坂剛『牙をむく都会』(2003→2006、講談社文庫)【7点】

大手広告会社・新聞社の依頼で「クラシック映画祭」「スペイン内戦60周年」の
企画を担当することとなった岡坂神策。その過程で岡坂は、終戦時の日本と
ソ連との密約の存在をめぐり、戦後史の謎に巻き込まれていく・・・

逢坂お得意のスペイン内戦史に関してはとくに目新しくはないが、
連載媒体がオッサン向け週刊誌であったため、昔のハリウッド映画の薀蓄が
てんこ盛り。とくに前半はその傾向が強く、映画に興味がない人は結構タイクツ。
(自分は知らない人なりに楽しく読んだが・・)
うさんくさい横山や、自己中な阿久津老人、小森のおばちゃまなど登場人物と
岡坂の掛け合いは楽しいが、やはり逢坂モノとしては若干散漫な印象を受ける。
小説としてのバランスを無視しても作者が薀蓄を語りたかったのだろう。
それでも終盤の展開は逢坂ならではのツイストが見られ、読後感もよい。
ところで最後まで読んでもタイトルの意味がよくわからないのですが。

398:名無しのオプ
07/07/24 13:34:58 52x/qz/A
東野圭吾『夜明けの街で』(2007、角川書店)【7.5点】

派遣社員秋葉に惹かれ、不倫関係をもつに至った渡部。
徐々に深みにはまっていくが、秋葉の過去には殺人事件の影がちらつく。
「男」ではなく「夫」や「父親」になった中年サラリーマンの選んだ道は?

ミステリー小説ではあるが、過去の事件はあくまで脇筋。
読みどころは主人公渡部がどんどん秋葉に引かれていく葛藤。
「中年リーマンが過去にワケアリの派遣社員と不倫する」といった
シンプルな物語をここまで読ませるのは、さすがに東野。
秋葉の造形が、いかにも中年のオッサンが好きそうなところもよい。

ただ、本篇終了後の「番外篇」は物語の余韻を損ないはしないだろうか。
アレによって読後のもやもやを払拭させるのが狙いかもしれないが。
推理小説を期待してはいけないが、物語として愉しめた。

399:名無しのオプ
07/07/26 10:17:19 k+64fi7K
大村友貴美『首挽村の殺人』(2007、角川書店) <92点>

まさに現代に蘇った横溝正史の作品。
しかしながら現代的テーマを古典的舞台に巧みに織り込んだ作風は、
ある意味では横溝を越えています。
選考担当の鮎川氏も絶賛したという新人の傑作です。
採点は100点満点で92点。-8点は、もっともっと厚くしてほしかったから。
第2作が久しぶりに待ち遠しい。

400:名無しのオプ
07/07/26 19:52:42 O7fhWNW9
突っ込みどころが多過ぎて困る

401:名無しのオプ
07/07/26 21:37:14 TNYlsEH3
すべての行に突っ込みたいと鮎川先生もおっしゃっています。

402:399
07/07/26 23:56:45 k+64fi7K
間違えました。
綾辻氏でした。
ハズカシー
でも『首挽村の殺人』がおもしろいのは本当ですよ。

403:名無しのオプ
07/07/27 02:15:30 tqfLuAH6
選評読んだけど、別に綾辻絶賛してなかったぞ?

404:名無しのオプ
07/07/27 02:46:24 ZXwRwqS3
なんという浮いたレス
工作員といわれてもしかたが無い寒さ

405:名無しのオプ
07/07/27 06:36:53 7vMKV7bD
工作員と言うより本人じゃあるまいかと

406:名無しのオプ
07/07/27 10:24:34 eWXjnGXp
他人の感想にグダグダ言う奴らは何なの?
たかが個人の主観なんだから放っとけよ
報告もせんとレスの無駄遣いして荒らしと変わらん

407:名無しのオプ
07/07/27 10:44:05 7vMKV7bD
はいはい、正義の味方でちゅか

408:名無しのオプ
07/07/27 11:35:55 /FwYRZBV
ボケたらツッコムのはむしろ礼儀だと思います

409:名無しのオプ
07/07/27 13:47:40 HCZsb7Zg
>>378
>>399

アヤツジは絶賛してないの?65点と92点だと、結構評価に差があるんだが。

410:名無しのオプ
07/07/27 13:56:10 eWXjnGXp
人によって評価が変わるのは当然のことじゃん

411:名無しのオプ
07/07/27 21:06:21 HCZsb7Zg
>>403 創作版によればこういう意見も。

815 :名無し物書き@推敲中?:2007/07/23(月) 20:21:10
北村は「『首挽村』はないな。横溝のパクリだし」と思って選考会に臨んだ。
しかし、綾辻が猛烈にプッシュし、大賞受賞。

412:書斎魔神 ◆qGkOQLdVas
07/07/28 20:09:44 3VA4mKZg
久々に織田作之助の作品集「夫婦善哉」(6篇を収録)を読んだ。
相変わらずの面白さであった。
ミステリ的には収録作品中の「世相」に注目、あの阿部定事件をネタに
作者がマジで創作を意図していたことがわかるが、早逝もあって実現しなかったのが
惜しまれる。作者の優れたストーリーテリングを以ってすれば、
正に稀代のクライム・ノヴェル足り得たのではなかろうか…
また、ミスオタには夫婦のなんともいえない腐れ縁を情緒豊かに描き上げて間断
するところがない表題作「夫婦善哉」、故郷大阪の上町にまつわる想い出をリリック
に綴った「木の都」等を熟読し、是非、ミステリに耽溺している己の身の虚しさを
省みるきっかけとして欲しいものである。
読み捨てな「ミステリ」の類とは異なり、ここには「人生」=人間の生き様が描かれて
おり、短編ながら長編に匹敵するボリューム感を以って読む者に迫って来るのである。
各人、心して読め!

413:名無しさん@そうだ選挙に行こう
07/07/29 14:45:21 jqLTru8I
乾くるみ『イニシエーション・ラブ』(2004→2007、文春文庫)【8点】

僕こと「たっくん」と「マユ」の恋愛物語。

すでにアレ系ミステリーということはよく知られているが、
読後の気分は、

(´・ω・`)?→ (゚д゚)! →((((゚Д゚ ;)))ガクブル

自分は気持ちよく騙されて再読とあいなりました。

414:名無しさん@そうだ選挙に行こう
07/07/29 16:15:49 A7Wlgh5k
アレ系?

415:名無しさん@そうだ選挙に行こう
07/07/29 17:23:11 GTXpntZe
『生きいそぎ』志水辰夫の短篇集。ラストの作品にグッときた

416:書斎魔神 ◆qGkOQLdVas
07/07/29 22:17:23 +FyRraIQ
逢坂剛「禿鷹の夜」を読んだ。
神宮署の悪徳刑事、禿富鷹秋(通称ハゲタカ)シリーズの第一弾である。
一部で人気があるシリーズながら、大藪春彦作品を読み慣れた目には、
はじけ方が足らず物足りないものがある。
また、解説にあるとおりハメットの世界を逢坂流に描くことを意図したもの
であるとすれば、視点が定まらない点が印象に残るだけであり、到底、成功しているとは
言い難いものがあり、もっと禿富の行動のみに焦点を絞って書き込んでゆけば、
東京人であり作品の舞台となる東京を描く筆致には定評がある作者だけあって、
臨場感があり、迫力溢れる作に仕上がったのではないかと思われるのが残念だ。
個性的ではあるものの、渋六興業のメンツもアウトローにしては優し過ぎで、
こちらはキャラ面から迫力不足、これが日本のヤクザと南米マフィア(マスダ)
との対決に悪徳刑事が絡むという本来は緊迫感ある物語を間延びした印象にしてしま
っている感がある。

417:てつや
07/07/30 19:44:52 Ha/LIpw3
三津田信三「首無の如き祟るもの」 ・・・かなり面白かった
北村薫「秋の花」 ・・・まあまあ面白かった
山口雅也「play」 ・・・普通
東野圭吾「放課後」 ・・・まあまあ面白かった
歌野晶午「密室殺人ゲーム王手飛車取り」 ・・・普通
大沢在昌「天使の牙」 ・・・面白くなかった
竹本健治「闇のなかの赤い馬」 ・・・普通


418:書斎魔神 ◆qGkOQLdVas
07/08/04 16:42:46 4keRLVJ6
桂望実「県庁の星」を読んだ。
かなり売れ、大幅に脚色されたとはいえ映画化もされた作品である。
県庁職員が地元スーパーに派遣されるという設定とその後の展開は、
まさに現代において成立し得る冒険でありファンタジーである。
ただし、映画で柴咲コウが演じた若きヒロイン(パートタイマー)は、
原作では40半ばのバツいち、成人の子有りというロマンの欠片も無い設定、
(ただし、映画でも気が強くしっかり者だが、性根は優しいという内面のキャラは
しっかりと活かされていたやに思う)
映画には登場しないあいちゃんという女性キャラが絡み、映画版以上に詳細に
役所と民間の発想の相異を細かく書き込んだ前半は非常に面白く読めるのだが、
県庁さんの活躍により、まさに現代のファンタジー化してしまう後半は、
県議会シーン等を取り入れ、やや辛口のラストへと脚色した映画の方が優れているやに
思う。
また、主語を省略した独自の文体に読み辛い部分があるのは難である。

419:名無しのオプ
07/08/04 17:38:02 UFm6mGwq
とりあえず読んだ本をミステリ板に書き込んでしまう書斎さんの
ずうずうしさには頭が下がります。
これからもがんばってください。

420:名無しのオプ
07/08/04 19:28:48 H0SFYKr1
大きな口をきくのは、書斎以上の読後感を書いてからだ。

421:名無しのオプ
07/08/04 19:40:00 6xayODUB
>>420
ピントがずれた書き込みの上を行くのはかなり難しいやに思う。

422:書斎魔神 ◆qGkOQLdVas
07/08/05 15:57:49 BZ/vfDND
蘇部健一「六とん3」を読んだ。
今風なんだろうが、幼女のイラストの表紙がなんとも…
内容にも全く無関係なのもどうかと思う。
大好評につき全話講評いってみよう!
「もうひとつの証言」
絵によるオチが効いている。刑事捜査としては問題有りなのだろうが、
コロンボ警部あたりが使いそうな手である。
「アリバイの死角」
作者あとがきには、あまりに下品という理由でラストの絵がカットされてしまった
とあるが、その分、オチのインパクト(?)が薄れてしまった感があるのが残念。
文章による謎解きではなく絵で落して欲しいネタであった。
「生涯最良の日」
占いブームネタをシニカルに書いた作だが、既にミステリの枠外の作となってしまって
いるのが残念。
「×××殺人事件」
作者らしいバカミスだが、それ以上のものではないという感じの作。
「殺ったのはだれだ!?」
和洋双方の典型的名探偵ものの文体模写が巧く、趣向は活きているかと思う。
「瞳の中の殺人者」
最後の絵を見るまでもなくオチが読めた。ミステリとしてもっと工夫が必要だった作
である。

423:書斎魔神 ◆qGkOQLdVas
07/08/05 15:59:25 BZ/vfDND
「死ぬ」
まさにシニカルの極致。黒パンの「生きる」の世界の対極に位置する世界だ。
「嘘と真実」
前作「死ぬ」も同様であるが、蘇部健一=単なるバカミス作家と思っていると、
良い意味で裏切られる作だ。
ミステリか否かはともかくとして、世相を巧く斬った問題小説と言い得る。
本作を読んでいて、ふと思うたのだが、蘇部先生は年甲斐も無く長澤まさみのファンなの
であろうか?
「栄光へのステップ」
少し面白くし過ぎようとしているきらいもあるが、絵オチが巧く活きたバカミス
としては楽しめる。
「秘めた想い」
作者あとがきによれば、「届かぬ想い」「叶わぬ想い」に続く想いシリーズの掉尾を飾る
作品(?)とのこと、いずれもタイム・パラドックス・ネタで面白く読ませ。
ビターなオチが効いた良作に仕上がっている。
「赤い糸」
作者あとがきによれば、「六とん2」の収録作品中では「きみがくれたメロディ」が
一番人気だったそうであり、本作のような作に対する需要は存在し、書かざるを得ない
という面もあるのだろうが、やはり蘇部先生にはこの手のものを書いて欲しくはない。
作品集の最後は、やはり十八番のバカミスで締めて欲しかったものである。

424:名無しのオプ
07/08/05 17:39:10 na2qkFMa
書斎さんの鋭い視点、さすがです。
ぜひ読まなきゃならない気になりました、その本。

425:名無しのオプ
07/08/05 18:20:39 K6yWCbVe
大好評の全話講評、ご苦労様です。
で、過去ログ読んでも「大好評」とはどこにも出てこないのですが、
見落としがあるやも知れません。どのあたりを探せばよろしいでしょうか?

426:名無しのオプ
07/08/06 02:26:58 dl2kNOYU
野沢尚『呼人』(1999→2000、講談社文庫)【6点】

ひと夏の冒険を共有した呼人・潤・厚介・小春の4人。
親友たちが大人になっていくなか、ひとり12歳で成長の止まった呼人。
出生の謎をめぐり行方不明になっている母親の手掛かりを求めるが・・・

設定的には東野圭吾っぽいところもあるが、時代は近未来まで、舞台は
世界を股にかけるなど、かなりスケールは大きい。ただその分、各パートの
書き込みが浅く、登場人物の言動にも説得力を欠き、違和感を感じることが多い。
ただ、ラストはよかった。

「水源探し」は野沢脚本ドラマ「川、いつか海へ」でも踏襲されているから、
野沢氏のお気に入りのテーマなのかな。小説ではちょっと無理があったが・・・

427:名無しのオプ
07/08/06 16:35:21 8knlScwf
>>425
ヒント:サイレント・マジョリティー


428:427
07/08/07 00:46:40 uF8+JeUE
分かり易く言えば書斎の妄想

429:名無しのオプ
07/08/07 00:53:42 +0DOosEs
過疎板でトリップ付けてる書斎とかいうカスって

なんなの?(笑)

430:名無しのオプ
07/08/07 01:31:56 HXKxiguX
>>7-8

431:名無しのオプ
07/08/07 03:11:33 95uSfh0j
>>430
コピペだとか言い訳すんじゃね?
相手する奴も同等のカスってこった

432:名無しのオプ
07/08/07 20:41:47 Dz7JjVLa
三津田信三『禍家』(光文社文庫、2007)【7点】

祖母とともにある町に越してきた少年貢太郎。なぜか町並にデジャヴを感じ、
怪しい老人には「おかえり、ぼうず・・」と声を掛けられる。
近所の暗い森、幽霊屋敷、そして何かが徘徊する我が家・・。文庫書き下ろしホラー。

終盤までは【5.5点】ぐらいかな、と思うほど平凡な展開だった。
「如きシリーズ」とは異なり読者を引き付ける強烈な謎がないため、
三津田の素人くさい文章がより一層ひっかかるのである。

しかし、終盤で「おおっ!」と大幅に評価アップ。それまでご都合主義と
思っていた展開が伏線だったとわかり膝を打つ。しかし初めてこの作者の
小説を読む人は途中で投げ出すんじゃあるまいか。たまに引き込まれる
ホラー描写もあるが、基本的に文章が拙劣なのは、「ホラー」を銘打った
小説としては致命的だろう。600円という安価も勘案して【7点】。

433:名無しのオプ
07/08/07 20:55:39 MDJbh0aM
なんか、その感想文だけでトリック(ネタ)がおおよそ分かっちゃったな。
多分アレ系のネタだ。

434:名無しのオプ
07/08/07 21:14:17 95uSfh0j
自分は未読だがまさかまた叙述がネタバレとか言って騒ぐ厨が出たか

435:名無しのオプ
07/08/07 21:23:44 Dz7JjVLa
>>433
えーと、たぶん当たってないと思うので安心して読んでみてください。
(でも期待せず読むのが吉)
たぶん「如きシリーズ」に手を出しかねてる人向きの、三津田入門篇。

436:名無しのオプ
07/08/08 03:20:25 tFxmGPBP
あれを事前情報無しで見破れた人がいたら
たいしたもんです

437:名無しのオプ
07/08/08 03:20:29 nnpkQLEt
西澤保彦『殺意の集う夜』(1996→1999、講談社文庫)【8点】

友人の園子に連れられて高原の別荘に赴いた万理。折りしも外は嵐、
別荘に次々と駆け込んでくる一癖ありそうな男女。ひょんなことから
彼らを殺害してしまった万理だが、寝室では園子も何者かに殺害されていた。

いわゆる山荘モノだが、下界では別に刑事がホステス殺害事件を追っており、
交互に物語が展開する。文体が軽妙なこともあってサクサク読めるが、
そこに秘められた作者のたくらみは周到かつ大胆(というか無謀)。

すべての真相が明らかになったあと、タイトルを見て笑うか呆れるか。
自分は大いに楽しみ、そして巧みな伏線の横溢に満足しました。

438:読後感 ◆VkkhTVc0Ug
07/08/09 17:27:37 VglKgLbm
「中村雅楽探偵全集1 團十郎切腹事件」戸板康二(東京創元社)

老歌舞伎役者中村雅楽が探偵役の連作ミステリ。
いまひとつでございました。ミステリとしてやや弱い印象の話が多く、
楽しめたとは言えませんでした。短編ならば何か強烈なトリックなり
どんでん返しが欲しい所ですがそれが見当たりませんで、結局、
焼き直しが多かったりしたのが残念でございました。以前週刊文春に
ミステリを読まないが本書は買ったという様なエッセイがありましたが
おそらく歌舞伎との絡みを読むのが正しいのでございましょう。

何か選ぶとすれば、「不当な解雇」の奇妙な味、「奈落殺人事件」の締め、
そして表題作の意外性辺りになりましょうか。それから
「ある絵解き」はもう少し煮詰めていただきとうございました。

439:名無しのオプ
07/08/09 18:40:39 SjWm5oSq
道尾秀介『ソロモンの犬』(文藝春秋社、2007)【7.5点】

大学生秋内静(せい)は、自転車便のバイト中、知り合いの少年の事故死に
遭遇する。その直前、なぜか少年の飼い犬が突然走り出したためだった。
後日静は、その場に居合わせた友人京也・ひろ子・智佳にこう切り出す。
「この中に人殺しがいるのかいないのか―」

ちょいと妄想癖のある、オクテな秋内静のドキドキ大学生活恋愛篇。
正直読んでて恥ずかしかったが、作者はさりげなく伏線を張っている。
従来の道尾作品に較べれば、ややその騙しの技巧があざといような
気もするが、物語のおもしろさは及第点。奇人風の大学助(准)教授は
笑ったが、真相において(①)が重要な位置を占めていることは、
伏線や説明が充分なされているとはいえ、やや評価が分かれるところか。

ところで(②)に関しては・・・・
オヤジな道尾に完敗もとい乾杯! 「ぶつぞう!(ノ∀`) アチャー 」
とはいえ、こういう物語も書けるんだなあ、とさらに評価アップ。
ただ、サプライズに関しては「シャドウ」「片目の猿」よりは下か。

440:名無しのオプ
07/08/10 01:25:21 blu5MLxb
同じ土俗的本格に分類されるのに、三津田信三が評価高くて
大村友貴美が低評価なのはなんでだろ~

441:名無しのオプ
07/08/10 06:32:59 LNQHT07I
トリック◎ 文章微妙な三津田
その逆の大村。
ミステリ板なら三津田>大村になるだろう。

442:名無しのオプ
07/08/10 18:11:28 blu5MLxb
三津田信三ってそもそも文章むちゃくちゃ下手じゃん。
微妙とかじゃなくてさ。
いくらトリックがすごくても小説として読めないならクイズと一緒。
ここでの三津田の評価が【8.5】とか【7】とか疑問すぎ。

443:名無しのオプ
07/08/10 18:23:56 blu5MLxb
「厭魅の如き・・・」<32点>文章超最悪、トリック前例あり
「凶鳥の如き・・・」<44点>文章最悪、トリック不成立、下調べ不足
「首無の如き・・・」<56点>文章最悪、複雑すぎる、メタじゃなくて下手

少なくとも読んでいて面白い本ではない。
最新の「禍家」は読んでないけど、まあ想像はつく。
西尾は本屋でパラ見したけど、妙に伊坂を意識した作風が好きではない。
「骸」とか、京極風味のシリーズも二番煎じでは。

444:名無しのオプ
07/08/10 18:26:08 W/TT39NF
一冊一冊の具体的な感想書いてくれよ
そういうスレなんだからさ

445:名無しのオプ
07/08/10 23:37:07 EuLMlk+L
>>442
だから各人の主観なんだから文句付けたって仕方がないだろうが
気に入らないんならお前はお前で【2.5】【3】とかの感想書いてろよ

446:名無しのオプ
07/08/11 00:19:45 QAFCQ+6a
西尾維新って伊坂を意識した作風かなあ

読みもしないで想像がつく>>443は二階堂黎人先生ですか?w

447:名無しのオプ
07/08/11 00:20:50 YEhkeBle
>>442
お前が三津田嫌いなのは分かったからさ、とりあえずもっと詳しく感想書いてみ?
そしたらこっちも反応しようがあるし。

あとここは読んだ本の感想を書くスレなのね。
読んでない本に対するお前の印象書かれても困るわけ。
スレが盛り上がるようなレスしましょうぜ?子供じゃあるまいし

448:名無しのオプ
07/08/11 02:33:51 dpUU9ib0
松本清張『張込み 傑作短編集5』(1965→2001改、新潮文庫)【8点】

表題作ほか「顔」「声」「地方紙を買う女」など全8篇を収録。
いわずと知れた有名作ぞろいだが、ミステリー的仕掛けという点では
シンプル。しかし犯行にいたる過程や動機をていねい(ある意味執拗)に
描き、清張独特の暗く陰湿なトーンで貫いた物語は読み応えあり。
個人的には「顔」「鬼畜」が双璧。

>>442
個人的には「ラストで驚かせてくれたら評価高し」なので、三津田とか道尾は
好きな作家なのですが・・・あ、>>443の西尾ってのは道尾秀介の間違い?

449:名無しのオプ
07/08/11 03:00:20 iTFi6dvV
夏ですね。

450:書斎魔神 ◆qGkOQLdVas
07/08/11 11:24:43 RpGAittE
篠田鉱造「明治百話」を読んだ。
歴史・時代ミステリのネタ満載の書と言い得る。
文明開化の時代柄ゆえか、この種の聞きが語り集にしては怪談話は
ひとつも無いのが目を惹く、」
とかく怪談絡みで語られることが多い山田朝右衛門家のエピ(「首斬朝右衛門」)
が冒頭に収録されているが、八世朝右衛門(高橋お伝、雲井竜雄等の処刑を担当)
によれば怪談めいた話は一切無いそうな。
他のエピでは、「加波山事件の捕物」「実話花井お梅」「海軍ヶ原人殺し探偵書」
「巡査の昔話」「殺人犯中川吉之助」「破獄中川大八」等々、
読み応えがある探偵・犯罪実話が収録されている。
また、三越デパートの発起人ネタ「デパートの日比さん」にある三越小僧読本は、
現代の商法にも通じるものが多くあって興味深い。
「基本」というものは時代を経ても不変ということであろう。

451:書斎魔神 ◆qGkOQLdVas
07/08/11 11:25:52 RpGAittE
島尾敏雄「死の棘」を読んだ。
夫(作家)の浮気をきっかけに精神的に崩壊してゆく妻、
そして夫の精神もじょじょに変調を来たしてゆく…
私小説として評判を呼んだ作ではあるが、鬼気迫るサイコ・サスペンス・ミステリと
して読める作でもある。
しかし、さすがにこの夫婦間の凄まじいまでの相克を文庫本600頁強も読まされるのは
きついものがある。間にはさまれた子供たちが可哀想過ぎだし…
そして救いともいえないラストの顛末は悲愴としか言いようがないものがある。
小説の夫妻の名前もトシオとミホとなっており、島尾夫妻を想起させはするものの、
フィクション中の記号としての意味のみであり、現実は快癒しハッピーエンド
だったというのが救いか。
こういった意味では、「現実」が「小説世界」の救いとなるという面白い逆転現象も
見られる作でもある。

452:名無しのオプ
07/08/11 12:45:00 A5N7TSor
「塗仏の宴」京極夏彦

「宴の支度」
 ここまでの上中下巻3冊がまったくのプロローグに過ぎないことを知って、愕然とした。
「宴の始末」 
 ここまでの3冊+3冊が今後の京極堂シリーズのプロローグに過ぎないことを知って呆然とした。

「おんもらきの瑕」京極夏彦
 前回の6冊が伏線にもなんにもなっていなかったことを知って、失望した。(3冊)
 ちなみに、この作品では序盤の数ページでどんな話なのかわかってしまい、
 残り1000ページが非常に辛いものとなった。



453:名無しのオプ
07/08/11 14:08:45 V0YZ396k
純文までカバーするとは流石書斎さんだ。

454:名無しのオプ
07/08/11 14:47:26 JDBfMVpA
何でもミステリw

455:名無しのオプ
07/08/11 14:54:00 17gmRnM4
子供が新しいおもちゃを自慢するのと同じだな。

456:名無しのオプ
07/08/11 21:31:19 FobZROLq
東山彰良「逃亡作法」
リトル舞城という感じ
十点満点で7点

457:名無しのオプ
07/08/11 22:27:16 emwb0R8P
川村義夫 「イタリア野郎の別居殺人」

最初の20ページでガツンとやられた。作者の思惑に見事に嵌められた感じか。
中盤にかけて心地よいサプライズが次々と展開し、まったく飽きさせない。
しかしそれらも全てはラストへの伏線。ミステリー史上に残るといってもいい
終盤のトリックは衝撃的。これぞ本格派!
そして何よりストーリーそのものが心に残る。受賞だけのことはある。
村田さんの気持ちになってみたいと心から願う一冊。超お奨め!

458:名無しのオプ
07/08/11 23:11:02 BTOGkR0/
「コズミック」 清涼院流水

酷い酷いと言われてる割にはそこまででもなかったような。
とりあえず投げつけたくなるほどじゃなかった。
かといって面白かったか、次も読みたいかと言われると…
もういいや、というのが本音。
感想は「世の中にはこんな本もあるんだな」の一言に尽きる
暇だったから読んだけど、忙しい合間を縫って読んでたとしたら、
時間を返せ!と嘆いていたかもしれない
図書館で借りて読んだけど、買って読んでたとしたら、
金返せ!と叫んでいたかもしれない

余談だけど、被害者たちの中に明らかに森博嗣を意識した名前があった上、
さらに「猛邦」という名前(漢字も同じ)があったのは
予言めいてるなあ、と思った。それだけ。

459:名無しのオプ
07/08/12 00:22:39 ad1Mt9UO
>>456
舞城?

460:名無しのオプ
07/08/12 00:29:58 zpgapTbs
「夜の蝉」 北村 薫
殺人がない推理小説で新鮮味を感じた。
名前と文体から100%女流作家と思っていたが、男性作家だったんだ・・・
同じ薫でも高村薫さんは男性顔負けのハードボイルドなのに、全く対照的なのには驚かされた。
ミステリー夏バテ気味の時の癒し系。

461:書斎魔神 ◆qGkOQLdVas
07/08/12 14:33:52 X+cRaQDC
「明治百話」を非常に興味深く読めたゆえ、続いて同じ著者(篠田鉱造)の
「幕末百話」を読んだ。
これも面白く、やはり歴史・時代ミステリのネタ多数あり。
(巻末の尾崎秀樹氏の解説によれば、新刊当時は一般的には話題にならなかった
ものの、時代小説家の虎の巻として読み継がれて来たそうな)
まず冒頭におかれたエピ「江戸の佐竹の岡部さん」が凄い、
タイトルから想起するのはのんびりまったりした懐旧談なのだが、
生涯に81人を斬った佐竹家の家臣岡部菊外という物騒な人物のホラーまがいの
逸話が語られる。
ただし、幕末に関する聞き語りであり、「明治百話」よりも時代を遡るとはいえ、
怪談めいた話は皆無、著者の志向もあるやもしれぬが、時代が怪談を許さないほどの
殺伐とした動乱期(1番恐いのは人間)という時代性ゆえであろうか。
(「正月の夜江戸の物騒」というエピには、『夜寝ていても女が「助けてェ」と泣叫ぶのを往々聞きました』とある)
ミステリねたとしては、本所五百羅漢の金貸し殺しの顛末を描いた「因縁探偵羅漢の殺人」、
日本橋の意気な町医者が実は盗賊だったという池波ワールドまがいの「探偵実話強盗医者」、
時代警察小説とでも称すべき作を著す際には参考になりそうな「昔の刑事の話」等が
面白い。
余談ながら、「幕末百話の後に題す」の著者が期待していたという
隅田沿岸に関する雄編が遂に著されずに終わったのは、誠に残念至極なものがある。

462:名無しのオプ
07/08/12 16:08:05 e8TWwyaG
書斎さんの濫読ぶりには驚嘆しますね。

463:名無しのオプ
07/08/12 16:36:57 tVC+dF9Y
「ミステリ」って言葉が一つでも入っていればいいのねw

464:名無しのオプ
07/08/12 22:11:07 7iU+C4KJ
>西尾は本屋でパラ見したけど、妙に伊坂を意識した作風が好きではない。
え?

465:名無しのオプ
07/08/13 00:09:00 Rcf5CV8y
三浦明博『滅びのモノクローム』(2002→2005、講談社文庫)【7点】

骨董市で若い女から、貴重なリールの入った柳行李を安価で購入した日下。
スチール缶のフィルムを再現してみると、そこにはある人物と風景が。
やがて女から「返してほしい」と連絡が入り、日下の身辺で失踪事件が発生。
フィルムに秘められた謎とは? 第48回江戸川乱歩賞受賞作。

評判サイアクな割にはそこそこおもしろく読んだ。文章も下手ではないし、
冒頭のつかみ→事件の展開などはなかなか引き込まれた。ただ、550枚の
制限のせいか後半の展開が駆け足気味で、敵方の複数の人物の書き込みが薄い。
テーマが手垢がついているのは措くとしても、それ以外の新鮮味がほしかった。

惜しいのはフィルムの内容が「アレ」だったのなら、実は黒幕が・・・という
意外性を狙ってもよかったのでは。ところで文庫解説者が、文春ベスト10では
3位だが「このミス」にかすりもしなかったのは若い世代の戦争に関する意識が
どーのこーのという箇所は、どうかと思う。書評家なら文春のアレが乱歩賞に
甘いことぐらい知っているだろうに。

466:名無しのオプ
07/08/13 13:45:57 Z1pdFBi8
>463
文学板で女コテハンにふられて追い出されて泣く泣くこっちに書いてるんだよ
ほっといてやれ

467:名無しのオプ
07/08/13 15:48:27 f4/d/j73
それなりに情けない理由があるのねw

468:書斎魔神 ◆qGkOQLdVas
07/08/13 22:18:29 js7soalB
有栖川有栖「月光ゲーム」を読んだ。
平成元年1月に刊行された本作は文庫化もされ、既にクラシックと言うても
よいかもしれぬが、全体的に若書きが目立つ作ではある。
解説でやんわりと指摘されている点のダイイングメッセージ解釈は無理有り過ぎ、
動機の掘り下げも説得力を欠き、売りであるはずの噴火によるクローズドサークル形成
(携帯もPCも皆無の時代性を感じさせる)によるサスペンスも学生が多数登場する
軽い青春小説風の展開とはミスマッチで、今ひとつ盛り上がらないまま終わる。
ミステリとして見るべきものは、マッチ箱に関する推理という小ネタ程度ではないか。
個人的には、火村助教授と作家有栖コンビのシリーズの方がアダルトな作風で好みな
こともあるが、学生有栖シリーズ作品中でも、後の「双頭の悪魔」の方が、
謎解きミステリとしては質両共に読み応えがあるとは言える。
だが、今読むと、学生が主人公の豊島ミホの青春小説あたりが好きな者には、
1番抵抗感無く読めるミステリの類ではないかと思う。
内輪のサークルの駄弁り、他大学生とのキャンプ活動等の描写は活き活きとしたものが
感じられ、この作者のこの方面の筆力を確認させるものである。

469:名無しのオプ
07/08/13 22:50:13 +6yiIaNN
おお、ちゃんと書けるじゃん。
いつ読んだか知らんけどw

470:名無しのオプ
07/08/13 23:21:08 Cc5VRsaP
当たり前だよ。
書斎の実力を舐めたらいけない。

471:名無しのオプ
07/08/13 23:35:02 Xh3nfeAi
直球は棒球、変化球はすっぽ抜けw

472:名無しのオプ
07/08/14 19:16:12 4+D8T16N
>>469
どーせまたパクリだって

473:名無しのオプ
07/08/14 19:55:07 2IkL63dI
どくごかんカムバック

474:名無しのオプ
07/08/14 22:59:02 MqBnUYYy
『しあわせの書 迷探偵ヨギ ガンジーの心霊術』
泡坂妻夫 新潮文庫

話の中身は行き当たりばったりでB級映画を見ているような感じ。

だが最大の仕掛けは見事としか言いようがない。
これより後に出された他の作者の本で
似たような仕掛けを事前に味わっていたにも関わらず
読み終えると、本当に感心した。

475:名無しのオプ
07/08/15 00:15:54 GvYek9GX
奥田英朗『イン・ザ・プール』(2002→2006、文春文庫)【8点】

伊良部総合病院の地下にある神経科。デブオタ医師伊良部一郎のもとに
訪れる、さまざまな患者たちのケッタイな物語。

初奥田。ミステリーとは言いがたいが、何も考えずに笑って楽しめる。
エンターテインメントの短篇集としてはかなり上出来。
個人的には「フレンド」が好き。

伊良部=田口浩正に変換して読んでいたが、すでに映像化されてたのね。
続篇読むのが楽しみ。

476:名無しのオプ
07/08/16 03:06:31 XaVOoVF1
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477:書斎魔神 ◆qGkOQLdVas
07/08/18 11:52:19 HAwtwyui
半額で入手した新潮新書2冊を一気読みした。
河内孝著「新聞社 破綻したビジネスモデル」
著者は、元毎日新聞常務取締役、現場の編集・営業両面に渡るキャリアが豊富であり、
新聞の現状と将来に関するレポと提言は一読に値する。
身近でありながら、新聞業界のことを書いた書籍でも今まであまり触れられて来なかった
新聞販売店の実態、折込広告の意義等をミステリを読むが如く謎解きした
第2章が特に興味深いものがあった。
著者の提言は、近年は協調傾向にある朝日・讀賣の2大連合に対し、毎日、産経、中日に
よる新聞製作体勢全般に及ぶ広範な業務協力実現であるようだが、
これなら最終章である第5章で予想されているIT社会化における電子瓦版時代
にも形を変えながら対応出来ようかと思う。

郷原信郎著「『法令遵守』が日本を滅ぼす」
著者は私立大のロースクールに出向中の検察官、東大理学部卒という理科系出身の法曹
のせいもあってか、現実の事件を素材にしたクールな現状分析に基づく「法令遵守」
というものに対する考え方
(コンプライアンスは形式的な法令の遵守ではなく、組織の社会的要請に対する適応
とする。まず時代に即した立法趣旨を考えよということか)は、十分に傾聴に値するものがあるやに思う。
現実の事件(ライブドア、村上ファンド、耐震強度偽装、パロマ等近年の著名な事件が
主として取り上げられているものの、鉄道用保守作業車不正車検事件というのは初耳で
あった)を著者独自のコンプライアンスの概念から読み解いてゆく展開は、
ミステリの謎解きの興趣を凌駕する知的刺激に溢れたものとなっている。
しかし、本書中で著者が公判の行方を懸念していたライブドア事件、村上ファンド事件が
共に意外にあっさりと一審有罪判決が出たのは意外であった。


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