『読みました』報告・国内編Part.4at MYSTERY
『読みました』報告・国内編Part.4 - 暇つぶし2ch162:書斎魔神 ◆qGkOQLdVas
07/02/25 11:32:54 YWG+YrTq
加藤幸子「家のロマンス」を読んだ。
地味ながら芥川賞、芸術選奨文部大臣賞、毎日芸術賞等に
輝く純文学の実力派ヴェテラン作家の新作である。
ミステリと言い得る作は書いておらず、純文学不得手なミスオタは
この作者のキャリアを見て褌一丁の姿で逃げ出すやもしれぬ(w
ただし、本作に関しては多少ホラー風な部分(その合理的解釈も可能だが)
もあるゆえ、あえてこの板で紹介する次第である。
ミステリは、時間・空間・登場人物数のいずれかに大きな制約を受けるのが通例であり、
そこに読み捨て本としての物足りなさが生じるわけであるが、
これらの制約を脱した魅力を持つのが、いわゆる大河小説と言われるものである。
(「百年の孤独」「ブッテンブローク家の人びと」「エデンの東」「夜明け前」等々)
これらの作には、ちんけなミステリを読むことでは決して味わうことが出来ない
小説を読む醍醐味を味合うことが可能である。
本作は、「家」というものに対する人々の「思い」を、祖母ミヤと作者の分身と思われる
その孫娘ヨシノを中心に置いて描いた2部構成の作品、
筆者は最近、本書と同様に家族の系譜を描いた作として、原田康子「海霧」、
津島佑子「火の山 山猿記」等を読んだが、いずれも上・下巻に及ぶ大部なものと
なっているが、本作の場合は、わずか180頁強(活字2段組でもない)という
ボリュームでありながら、上記作品等に劣らない読む醍醐味を堪能出来る実に無駄がない佳作であると言い得る。
各人、慎んで読め!


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