09/02/08 07:39:28 GYP/C8Hn
十二月の再開の時期まで特に問題がなければ候補作紹介として
主な作品のタイトル、作者、あらすじ、ネット全体での評価を
まとめていきたいと思います。
儚い羊たちの祝宴 米澤 穂信
「バベルの会」という、上流階級の子女が通う大学の読書サークルの
メンバーにまつわる事件を描いた連作短編集。
帯に書かれている『ラスト一行の衝撃』を期待すると肩透かしを覚える。
はっきり言って誇大広告。ラスト一行はどんでん返しというより、
気の利いた物語のシメという感じ。
とは言え、作品自体のレベルは高く、お嬢様や同年代の使用人を中心とした、
ダークで陰惨な読み応え十分な作品が並ぶ。
中でも「玉野五十鈴の誉れ」はラストが衝撃的な傑作。
「山荘秘録」のどんでん返しも見事。
しかし、唯一最終作の「儚い羊たちの晩餐」だけは好きだという人と
良くわからないという人に二分され、賛否両論となっている。