08/12/08 00:55:35 +r2iBEZc
◆HAGEkUFLrE氏がこないが去年と同じルールで投票はじめちゃいます。
毎年恒例のこのミステリーがすごい! のルール(一部変更アリ)でミステリ板の
このミスを作ろうという投票企画スレです。ルールを確認の上でご参加下さい。
【以下のルールを守ってください】
・投票スレの>>1-3は無視してください。
・対象は奥付表記で2007年11月~2008年10月の期間内に発行された広義のミステリー作品。
・6作品以内で順位をつけて投票すること。
・必ずしも6作挙げる必要はなく、1作でも投票可とするが、上記のように順位はつけること。
・1位=10点、2位=9点~6位=5点で集計。
・国内作品と海外作品は別々に投票する。
・各作品に一行以上の総評必須(ネタバレ禁止)
・宝島社の作品は対象内
・投票期間は12月8日~1月20日まで
テンプレです
1位,
2位,
3位,
4位,
5位,
6位,
<総評>
267:名無しのオプ
08/12/08 00:57:32 +r2iBEZc
このミステリーがすごい! 国内編
01位 『ゴールデンスランバー』 伊坂幸太郎
02位 『ジョーカー・ゲーム』 柳広司
03位 『完全恋愛』 牧薩次
04位 『告白』 湊かなえ
05位 『新世界より』 貴志祐介
06位 『カラスの親指』 道尾秀介
07位 『黒百合』 多島斗志之
08位 『山魔の如き笑うもの』 三津田信三
09位 『ディスコ探偵水曜日』 舞城王太郎
10位 『ラットマン』 道尾秀介
11位 『テンペスト』 池上永一
12位 『傍聞き』 長岡弘樹
13位 『決壊』 平野啓一郎
14位 『きのうの世界』 恩田陸
14位 『芝浜謎噺』 愛川晶
14位 『ありふれた死因』 芦川澄子
17位 『TOKYO BLACKOUT』 福田和代
18位 『聖女の救済』 東野圭吾
19位 『聖域』 大倉崇裕
20位 『退出ゲーム』 初野晴
20位 『倒立する塔の殺人』 皆川博子
268:名無しのオプ
08/12/08 00:58:22 +r2iBEZc
本格ミステリ・ベスト10 国内編
01位 『山魔の如き嗤うもの』 三津田信三
02位 『ラットマン』 道尾秀介
03位 『完全恋愛』 牧薩次
04位 『聖女の救済』 東野圭吾
05位 『青銅の悲劇』 笠井潔
06位 『裁判員法廷』 芦辺拓
06位 『妃は船を沈める』 有栖川有栖
08位 『ペガサスと一角獣薬局』 柄刀一
09位 『エコール・ド・パリ殺人事件』 深水黎一郎
10位 『官能的』 鳥飼否宇
10位 『狐火の家』 貴志祐介
12位 『ジョーカー・ゲーム』 柳広司
13位 『君の望む死に方』 石持浅海
14位 『遠海事件』 詠坂雄二
15位 『芝浜謎噺』 愛川晶
16位 『カラスの親指』 道尾秀介
17位 『犯罪ホロスコープⅠ』 法月綸太郎
18位 『黒百合』 多島斗志之
19位 『しらみつぶしの時計』 法月綸太郎
20位 『堕天使拷問刑』 飛鳥部勝則
269:名無しのオプ
08/12/08 01:00:17 +r2iBEZc
週刊文春ミステリ・ベスト10 国内編
01位 『告白』 湊かなえ
02位 『ゴールデンスランバー』 伊坂幸太郎
03位 『ジョーカー・ゲーム』 柳広司
04位 『ラットマン』 道尾秀介
05位 『聖女の救済』 東野圭吾
06位 『完全恋愛』 牧薩次
06位 『山魔の如き嗤うもの』 三津田信三
08位 『黒百合』 多島斗志之
09位 『新世界より』 貴志祐介
10位 『カラスの親指』 道尾秀介
270:名無しのオプ
08/12/08 01:00:55 +r2iBEZc
ミステリが読みたい! 国内編
01位 『ゴールデンスランバー』 伊坂幸太郎
02位 『山魔の如き嗤うもの』 三津田信三
03位 『告白』 湊かなえ
04位 『カラスの親指』 道尾秀介
05位 『おそろし』 宮部みゆき
05位 『ラットマン』 道尾秀介
07位 『相棒』 五十嵐貴久
08位 『ジョーカー・ゲーム』 柳広司
09位 『もう誘拐なんてしない』 東川篤哉
10位 『ディスコ探偵水曜日』 舞城王太郎
PLAYBOYミステリー大賞 国内編
01位 『新世界より』 貴志祐介
02位 『きのうの世界』 恩田陸
03位 『ゴールデンスランバー』 伊坂幸太郎
04位 『ラットマン』 道尾秀介
05位 『鼻』 曽根圭介
06位 『ジョーカーゲーム』 柳広司
06位 『完全恋愛』 牧薩次
08位 『芝浜謎噺』 愛川晶
09位 『羊の目』 伊集院静
10位 『告白』 湊かなえ
271:名無しのオプ
08/12/08 01:06:19 +r2iBEZc
このミステリーがすごい! 海外編
01位 『チャイルド44』 トム・ロブ・スミス
02位 『フロスト気質』 R・D・ウィングフィールド
03位 『運命の日』 デニス・ルヘイン
04位 『20世紀の幽霊たち』 ジョー・ヒル
05位 『スリーピング・ドール』 ジェフリー・ディーヴァー
06位 『タンゴステップ』 ヘニング・マンケル
07位 『冬そして夜』 S・J・ローザン
08位 『最高の銀行強盗のための47ヶ条』 トロイ・クック
09位 『荒野のホームズ』 スティーヴ・ホッケンスミス
10位 『ウォリス家の殺人』 D・M・ディヴァイン
11位 『深海のYrr』 フランク・シェッツィング
12位 『北東の大地』スコット・ウォルヴン
13位 『ザ・ロード』コーマック・マッカーシー
14位 『極限捜査』オレン・スタインハウアー
15位 『ラジオキラー』セバスチャン・フィツェック
16位 『霧と雪』 マイケル・イネス
16位 『道化の町』 ジェイムズ・パウエル
18位 『狂犬は眠らない』 ジェイムズ・グレイディ
19位 『ナポレオン剃刀の冒険』 エラリー・クイーン
20位 『ダルジールの死』 レジナルド・ヒル
272:名無しのオプ
08/12/08 01:16:43 5YzroKj8
ID:+r2iBEZcさん、乙です!
1位,『造花の蜜』 連城三紀彦
2位,『完全恋愛』 牧薩次
3位,『告白』 湊かなえ
4位,『退出ゲーム』 初野晴
5位,『ジョーカー・ゲーム』 柳広司
6位,『カラスの親指』 道尾秀介
<総評>
毎年不作という意見が見受けられますが、今年は文句無く豊作でした。
残念だったのが10月発売された良作を読みきれなかったこと。
その中でも、各誌の対象には遅すぎた『造花の蜜』が個人的に最高でした。
せめてこのスレでは1位になってほしいw
273:名無しのオプ
08/12/08 10:45:14 We97IjQM
このミス以外の海外ランキングとインポケが抜けておりますえ。
274:名無しのオプ
08/12/08 12:12:35 tI+ChASf
>>273別人ですが協力します
週刊文春ミステリ・ベスト10 海外編
01位 『フロスト気質』 R・D・ウィングフィールド
02位 『チャイルド44』 トム・ロブ・スミス
03位 『スリーピング・ドール』 ジェフリー・ディーヴァー
04位 『20世紀の幽霊たち』 ジョー・ヒル
05位 『運命の日』 デニス・ルヘイン
06位 『冬そして夜』 S・J・ローザン
07位 『ザ・ロード』コーマック・マッカーシー
08位 『ウォリス家の殺人』 D・M・ディヴァイン
09位 『深海のYrr』 フランク・シェッツィング
10位 『狂犬は眠らない』 ジェイムズ・グレイディ
ミステリが読みたい! 海外編
01位 『運命の日』 デニス・ルヘイン
02位 『フロスト気質』 R・D・ウィングフィールド
03位 『ザ・ロード』コーマック・マッカーシー
04位 『チャイルド44』 トム・ロブ・スミス
05位 『深海のYrr』 フランク・シェッツィング
06位 『ブルー・ヘヴン』 C・J・ボックス
06位 『ウォッチメーカー』 ディーヴァー
08位 『ロミオ』 ロバート・エリス
09位 『タンゴステップ』 ヘニング・マンケル
10位 『ダルジールの死』 レジナルド・ヒル
早川の「ミス読み」は対象刊行期間が微妙に他社ベストとズレてるので
『ウォッチメーカー』が今年の対象内だったりで違和感あるんだよな
275:名無しのオプ
08/12/08 15:38:02 I1WE9uyE
本格ミステリ・ベスト10 海外編
01位 『ウォリス家の殺人』 D・M・ディヴァイン
02位 『霧と雪』 マイケル・イネス
03位 『七番目の仮説』 ポール・アルテ
04位 『ナポレオンの剃刀の冒険』 エラリー・クイーン
05位 『ロジャー・マーガトロイドのしわざ』 ギルバート・アデア
06位 『ケンブリッジ大学の殺人』 グリン・ダニエル
07位 『ポッターマック氏の失策』 R・オースティン・フリーマン
08位 『道化の町』 ジェイムズ・パウエル
09位 『検死審問-インクエスト』 パーシヴァル・ワイルド
10位 『絞首人の手伝い』 ヘイク・タルボット
IN-POCKET 各部門総合(読者投票+作家+翻訳・評論家)
01位 『フロスト気質』 R・D・ウィングフィールド
02位 『チャイルド44』 トム・ロブ・スミス
03位 『深海のYrr』 フランク・シェッツィング
04位 『異邦人』 パトリシア・コーンウェル
04位 『ウォリス家の殺人』 D・M・ディヴァイン
04位 『還らざる日々』 ロバート・ゴダード
07位 『20世紀の幽霊たち』 ジョー・ヒル
08位 『タンゴステップ』 ヘニング・マンケル
09位 『新訳シャーロック・ホームズ全集』 アーサー・コナン・ドイル
10位 『狂犬は眠らない』 ジェイムズ・グレイディ
9位ドイルのホームズってなんだよ!と思ったら新訳だから対象内なのね
インポケは各部門別に分かれていて読者部門だけはホームズが上位にきた
276:名無しのオプ
08/12/08 15:50:08 GUCsxSLH
+r2iBEZcさん、tI+ChASfさん、I1WE9uyEさん
御三方、乙です!
277:名無しのオプ
08/12/08 22:05:09 BVvzdEgJ
1位,『ラットマン』 道尾秀介
2位,『山魔の如き笑うもの』 三津田信三
3位,『造花の蜜』 連城三紀彦
4位,『新世界より』 貴志祐介
5位,『退出ゲーム』 初野晴
6位,『堕天使拷問刑』 飛鳥部勝則
<総評>
1位には完全に騙されたラットマンを。道尾の今の所の最高傑作だと思う。
山魔は首無には劣るが終盤の怒涛の謎解きには近作も唸らされた。
ランク外では「少女ノイズ」や「聖女の救済」なんかも楽しんで読んだ。
来年は麻耶の新作が読めますように。
278:名無しのオプ
08/12/08 23:24:17 +r2iBEZc
PLAYBOYミステリー大賞 海外編
01位 『深海のYrr』 フランク・シェッツィング
02位 『ザ・ロード』 コーマック・マッカーシー
03位 『20世紀の幽霊たち』 ジョー・ヒル
04位 『チャイルド44』 トム・ロブ・スミス
05位 『狂犬は眠らない』 ジェイムズ・グレイディ
06位 『荒野のホームズ』 スティーヴ・ホッケンスミス
06位 『運命の日』 デニス・ルヘイン
08位 『蒸気駆動の少年』 ジョン・スラデック
09位 『最高の銀行強盗のための47ヶ条』 トロイ・クック
10位 『道化の町』 ジェイムズ・パウエル
279:名無しのオプ
08/12/08 23:34:05 BVvzdEgJ
去年は全体的な総評でもokだったからテンプレ変えた方がいいと思うよ。
280:名無しのオプ
08/12/10 20:28:23 tqPblCvB
そうだね
281:266
08/12/13 21:46:24 hlVYpUAN
>>139の訂正を見ずに、コピペしてしまいました。
申し訳ありません。
282:名無しのオプ
08/12/15 20:46:22 RoxUJm34
1位,『ランポール弁護に立つ』 ジョン・モーティマー
2位,『道化の死』 ナイオ・マーシュ
3位,『不思議なミッキー・フィン』 エリオット・ポール
4位,『踊るドルイド』 グラディス・ミッチェル
5位,『サファリ殺人事件』 エルスペス・ハクスリー
6位,『タナスグ湖の怪物』 グラディス・ミッチェル
<総評>昨年は不作だった海外古典だが今年は豊作だったのでは?
直球ド本格なら断然マーシュだが、1位はランポール弁護士で。
本格とはちょっと違うのだが味わいのある話が面白かった。
今年はミッチェルが各社計三冊も出たのには驚いた。
長崎出版の「ワトスン」だけはちょっと落ちるが。
283:名無しのオプ
08/12/18 19:41:43 l92kZS9H
〆切、1月いっぱいにして頂くのは無理でしょうか?
各種ベストをチェックして読み落としを補っていくのにちょっと
短いかなー、と……
284:名無しのオプ
08/12/18 20:01:49 WtkuPQNG
>>283
気持はわかるが、所詮11日くらい、2~6作って所だろう。
今回は、今回はこの期限を飲んで、次回はそういう風にしようと持っていくという事でどうでしょ?
まぁ、2~6作って相当大きいと言えば大きいんだけどさ…。
285:名無しのオプ
08/12/24 00:30:31 kRXEd87K
1位,『ラットマン』 道尾秀介
2位,『エコール・ド・パリ殺人事件』 深水黎一郎
3位,『完全恋愛』 牧薩次
4位,『山魔の如き嗤うもの』 三津田信三
5位,『青銅の悲劇』 笠井潔
6位,『ディスコ探偵水曜日』 舞城王太郎
<総評>
今年は飛びぬけた作品はなかったという印象を受けたな。
去年が凄い作品多かったというのもあるが。
思わずやられたーと叫びたくなる『ラットマン』が1位かな。
286:名無しのオプ
09/01/01 17:52:35 V2SwNR5j
1位,山魔の如き嗤うもの
2位,新世界より
3位,ラットマン
4位,少女ノイズ
5位,1/2の騎士
6位,ペガサスと一角獣薬局
<総評>
1は首無に勝るとも劣らない傑作。終盤のしつこいぐらいのどんでん返しに満腹。
2は上巻だけなら1位だった。余りの面白さに一気読みして慌てて下巻買いに走ったね。
3は作者の仕掛けにまんまとやられたね。アレはやられるよお見事。
4はなんとなくGOTH思い出した。本格好きも楽しめるよ。
5構成が良くできてる作品。ファンタジーだがミステリー好きも楽しめるはず。
6は本格短編集の傑作。堪能しました。
287:名無しのオプ
09/01/03 16:11:34 FYE37nmn
1位,『ルイザと女相続人の謎』アンナ・マクリーン
2位,『紫雲の怪』R・V・ヒューリック
3位,『教会の悪魔』ポール・ドハティ
4位,『検死審問-インクエスト』パーシヴァル・ワイルド
5位,『ダルジールの死』レジナルド・ヒル
6位,『夜ふかし屋敷のしのび足』コニス・リトル
<総評>
1、2、3はすべて歴史物です
5は題名見たらまさかと思って手に取らないわけには…
288:名無しのオプ
09/01/03 20:47:53 XoBM5fsk
1位,『新世界より』貴志祐介
2位,『弥勒世』馳星周
3位,『エコール・ド・パリ殺人事件』深水黎一郎
4位,『完全恋愛』牧薩次
5位,『山魔の如き嗤うもの』三津田信三
6位,『官能的』鳥飼否宇
<総評>
1、2位とも大作ながら時間を忘れて貪り読んだ。
1位の世界観、2位の圧倒的な重さに惹かれた。
3位は事件と美術史が見事に絡み合っていた。
6位は色々としびれた…。
2008年は面白い本に沢山出会えてよかった。
今年も沢山出会えますように。
289:名無しのオプ
09/01/04 11:58:03 UfYW2yN9
1位,『山魔の如き嗤うもの』 三津田信三
2位,『造花の蜜』 連城三紀彦
3位,『カラスの親指』 道尾秀介
4位,『ラットマン』 道尾秀介
5位,『トスカの接吻』 深水黎一郎
6位,『十三回忌』 小島正樹
<総評>
正月休みも終わりだし去年の総括をします。
山魔というかこのシリーズは毎年1位にしてます。
個人的にこの雰囲気がすきです。
連城さんは久しぶりの新作だったけど面白かったです。
読者を惑わせる仕掛けは一級品です。
道尾作品は向日葵が合わなくてそれ以降読んでなかったんですが、
勧められて読んだラットマンが大変面白かったです。
仕掛けも優れてるし読み終えた後胸が熱くなりました。
2作ランクインしましたが大技が光るカラスを上にしました。
技巧はラットの方が優れてますが、
小説自体の出来はこっちが上でしょう。
深水作品はエコールよりトスカを選びました。
三津田作品のような派手さはないですが、
細かい技巧を凝らした秀作でしょう。
オペラに詳しければもっと上の順位だったでしょうね。
6位の作品は最後の一撃もそうなんですが、
それまでのコード型本格が好みです。
ただ探偵役に魅力がないのが欠点ですね。
290:名無しのオプ
09/01/10 11:33:33 BZN84i5f
締め切りまで10日age
291:名無しのオプ
09/01/10 11:49:29 j4UKD1VZ
月末までだったらいいのにナ……
292:名無しのオプ
09/01/10 11:51:23 vVqD9z/I
借りてる奴が図書館に『造花の蜜』を返してくれないと投票できないぜ
293:名無しのオプ
09/01/10 13:22:47 l/fxIvHK
1「ゴールデンスランバー」伊坂幸太郎
2「ドリーミング・オブ・ホーム&マザー」打海文三
3「少女ノイズ」三雲岳斗
4「狐火の家」貴志祐介
5「ラットマン」道尾秀介
6「とある飛空士への追憶」犬村小六
1は今更だけど本当に良かった。ついに伊坂が一皮むけた。
貴志は新世界よりも力作だけど、一編で長編分の満足感が味わえる4に。
6はラノベだがど真ん中ストライクの冒険小説っぷりにしびれた。
294:名無しのオプ
09/01/11 15:29:44 FB3+ec6h
国内
>>272,277,285,286,288,289,293
海外
>>282,287
前回と比べると票数が少なすぎる
295:名無しのオプ
09/01/11 15:31:20 7veTefd8
積極的にageていこうか
296:名無しのオプ
09/01/11 15:58:39 gqKj1UHh
>>294
そう思うなら〆切延長してくんろ
297:名無しのオプ
09/01/11 17:03:19 FB3+ec6h
>>296
個人的には一定の票数に達しない場合は
締切り延長もやむ無しと思う
298:名無しのオプ
09/01/11 17:59:22 7veTefd8
まぁまだもう少し日があるし様子見でいいでしょ。
299:名無しのオプ
09/01/11 18:37:24 Xf29eHms
>85 :名無しのオプ:2007/11/25(日) 13:14:12 ID:Mld+raCZ
>「スレタイに年号が入っているから投票が伸びない」と言い張って
>ごり押しでこのスレを立てたくせに、また新スレ立てるって正気か?
>
>ルールをまったく守る気のない奴が、投票だの集計だのほざくな!
これじゃレスが増えないわな。まるでヤクザ見たい。
300:名無しのオプ
09/01/11 18:52:15 gqKj1UHh
流石にそれは関係ないでしょう
301:名無しのオプ
09/01/12 00:29:54 GZTRUPEM
1位,『エコール・ド・パリ殺人事件』深水黎一郎
2位,『山魔の如き嗤うもの』三津田信三
3位,『官能的』鳥飼否宇
4位,『完全恋愛』牧薩次
5位 『堕天使拷問刑』飛鳥部勝則
6位 なし
1位から3位までは黄金の羊毛亭とまったく同じになってしまった。URLリンク(www5a.biglobe.ne.jp)
4位と5位は個人的にかなりツボだった。
302:名無しのオプ
09/01/12 10:06:04 l9xOv4Ny
>>294
メチャ投票が多かった昨年がむしろ異常だったのかも
303:名無しのオプ
09/01/12 10:21:48 yZDXaiVV
昨年は本格が当たり年だったからかな
304:名無しのオプ
09/01/12 15:19:08 Ou1a7evn
ageとくか
305:名無しのオプ
09/01/12 15:59:27 eAMPVoYU
今回も前回みたいに自演しまくればよかった
306:名無しのオプ
09/01/12 23:58:49 avgGL63Q
1位, 『堕天使拷問刑』飛鳥部勝則
2位, 『山魔の如き嗤うもの』三津田信三
3位, 『ラットマン』 道尾秀介
4位, 『狐火の家』貴志祐介
5位, 『遠海事件』 詠坂雄二
6位 『聖女の救済』 東野圭吾
<総評>
1位の堕天使は完全に好みだったので。あのぶっとびよう好きですw
確かに本格は昨年は数はあるけど強烈な作品がなかったですね。
『造花の蜜』を読んで投票したかったけど金欠で当分読めそうもないので。
あと過疎ってるので三連休最後だしageときますね。
307:名無しのオプ
09/01/13 00:27:01 i/gen/qz
ageられて目についたからと言ってすぐレスがつくような性質のスレでは
ないかと……
自分みたく必死こいて読んでる途中の人も結構いるんじゃないかと予想
308:名無しのオプ
09/01/13 03:51:17 EkDGfR5K
本格ばっかだな
309:名無しのオプ
09/01/13 17:56:08 EapdK3wr
1位, 『堕天使拷問刑』飛鳥部勝則
2位, 『山魔の如き嗤うもの』三津田信三
3位, 『ラットマン』 道尾秀介
4位, 『狐火の家』貴志祐介
5位, 『遠海事件』 詠坂雄二
310:名無しのオプ
09/01/15 21:29:49 BL71ENr8
締め切りまで5日age
311:名無しのオプ
09/01/15 21:39:39 zlVize6L
もちっと待って
312:名無しのオプ
09/01/15 22:24:47 hz+ovpSh
<国内>
1位 『堕天使拷問刑』飛鳥部勝則
2位 『山魔の如き嗤うもの』三津田信三
3位 『青銅の悲劇』笠井潔
4位 『狐火の家』貴志祐介
5位 『遠海事件』詠坂雄二
6位 『退出ゲーム』初野晴
<海外>
1位 『フロスト気質』ウィングフィールド
2位 『ナポレオン剃刀の冒険』クィーン
3位 『荒野のホームズ』ホッケンスミス
4位 『チャイルド44』スミス
5位 『ダルジールの死』ヒル
個人的には、国内のほうが良作が多かったなあ。
とはいえ、海外にはまだ読んでない本がたくさんあるけど。
313:名無しのオプ
09/01/15 22:59:27 h1bdRHyZ
自演するならもっと分かりにくくすればいいのに
314:名無しのオプ
09/01/16 02:55:09 DXx97LAV
なんだかな
315:名無しのオプ
09/01/16 03:48:05 licb6M2i
海外の方もこのミスからちょっと拝借しただけぽいしね
何より各作品に対するコメントが全く無いのが怪しい
316:名無しのオプ
09/01/16 22:05:35 Igtyaa/o
1位, 『堕天使拷問刑』飛鳥部勝則
2位, 『完全恋愛』牧薩次
3位, 『ラットマン』 道尾秀介
4位 『造花の蜜』 連城三紀彦
5位,『山魔の如き嗤うもの』三津田信三
『堕天使拷問刑』はおもしろさ、すごさでうけばここ数年
の№1だね。
317:名無しのオプ
09/01/16 22:35:05 KUh2/gXh
1作1行以上のコメント必須にすべきだったな
318:名無しのオプ
09/01/16 23:58:34 yiyDyO8/
なんだか酷いことになってしまったけど、未読積読消化したので一応投稿
1『聖女の救済』
2『倒立する塔の殺人』
3『完全恋愛』
4『山魔の如き嗤うもの』
5『妃は船を沈める』
6『しらみつぶしの時計』
1空前の大ブームの中、こんな馬鹿トリック一発な本格が来てくれたことに感動
2おばあちゃん頑張った
3おじいちゃん頑張った
4去年よりは落ちるけど、ド本格では出色の出来
5作家アリスでは久々のヒット、前半の「猿の手」が素晴らしかった
6正直なところ信者補正だけど、好きなんで
なんだか名のある人ばっかになったけど「少女ノイズ」「退出ゲーム」「ジョーカー・ゲーム」あたり
結構初めて読んで拾い物だった作家さんなんかも多くて
これこそ1位!みたいに大嵌りした作品こそないものの、08年は概ね満足でしたね
319:名無しのオプ
09/01/17 00:03:24 nOLFrGz6
倒立をあげてくれる人がいたことに安心した
あのお歳であれ書けるってのはすげえわ
320:名無しのオプ
09/01/17 01:09:14 2PZyr+6l
土屋氏の人形が死んだ夜もよろしく!
321:名無しのオプ
09/01/17 17:40:48 uHdtfuEN
人形が死んだ夜は土屋さん乙としか言えない
探偵役の巡査カナシス
322:名無しのオプ
09/01/17 22:14:51 3D2CMVCN
1 『造花の蜜』連城三紀彦
2 『ディスコ探偵水曜日』舞城王太郎
3 『完全恋愛』牧薩次
4 『ゴールデンスランバー』伊坂光太郎
5 『黒百合』多島斗志之
6 『1/2の騎士』初野晴
1 まるで新人並に飛ばしまくり。誘拐ものオールタイムベスト級の傑作。
確かにラストのアレは完成度を落としてる。でもこのミステリ魂をあえて支持したい。
2 どこを切ってもトンデモ。後半に至ってはバカSF。だけど「愛」が物語を支えた。
3 ささやかな抵抗と友情についての物語。もう戻れなくても残るものはある。
4 大御所が守りに入らず現代のミステリに挑んだ名作。道尾秀介はもちろん西尾維新までターゲットにいれてる感が。
5 感傷コンパスは今作のための前哨戦だった。ザコ呼ばわりする奴には分からない名人芸。
6 退出ゲームもいいけど特殊な世界観を見事に生かしたこっちを。今年の2作で最も次が楽しみな作家に。
次点は『MM9』山本弘。見事な構成。
323:名無しのオプ
09/01/17 22:15:58 3D2CMVCN
すまんコメント3と4が逆だった
324:名無しのオプ
09/01/19 01:21:36 rKo+3CXn
締め切りまで1日age
325:名無しのオプ
09/01/19 01:35:34 otPuvh1B
1位『ラットマン』道尾秀介
2位『聖女の救済』東野圭吾
3位『遠海事件』詠坂雄二
4位『名前探しの放課後』辻村深雪
5位『ようこそ無目的室へ』在原竹広
1は文句なしに1位。「シャドウ」だけかと思ってたけど、これで一皮むけた。直木賞は残念だったね。
2はブームの中、世間体など気にせず投げてくれたド本格。前作には及ばんけど、やっぱ東野はすごいと思った。
3はあの禍々しい雰囲気の中で語られるくそまじめなロジックが笑えた。しかも上質。
4はあんまり評価されてないけど、いい出来だよ。近年の青春ミステリものならベスト。
5はラノベ。だからといって無視はしないでほしい作品。本格ファンは必読書。
時点は湊かなえ『告白』。一発屋じゃないことを祈る。
326:名無しのオプ
09/01/19 01:37:28 otPuvh1B
↑だけど、6位までおkなんだな。じゃあ6位は『告白』で。
327:名無しのオプ
09/01/19 02:23:10 7FzG80VB
集計人様、締め切りを延ばして頂けないでしょうか。
先月から各ベスト企画を参考に国内・海外の読み落としを集めて必死に
読んでるんですが、まだ10冊近く残っていて、とても明日中には
消化しきれないのです。
月末までには確実に片付けられるのですが……。
勝手な言い分ですが、決して当てもなく言っている訳ではないです。
何でしたら、リストを晒します。
何卒、御一考の程お願い致します。
328:名無しのオプ
09/01/19 06:06:45 rKo+3CXn
勝手ながら20日を締め切りとした266です。
一票でも意義のある票が増えるのであれば、個人的には延長してもいいと思いますが
私ひとりで決めることはできませんので、スレのみなさんで検討していただければと思います。
国内:14票
>>272,277,285,286,288,289,293,301,306,312,316,318,322,325
海外:3票
>>282,287,312
329:名無しのオプ
09/01/19 09:42:08 AKNVy2AN
316も有効票なのか
330:名無しのオプ
09/01/19 09:55:54 hKITLWcq
1.『ラットマン』 道尾秀介
2.『流星の絆』 東野圭吾
3.『七つの海を照らす星』 七河迦南
4.『堕天使拷問刑』 飛鳥部勝則
5.『君の望む死に方』 石持浅海
6.『少女ノイズ』 三雲岳斗
1.わかっていてもやられる快感。2.エンタメ小説としては言うことない出来。
3.新人とは思えない。読み応えもあり仕掛けもいい。4.意外とまっとうな本格。
5.構成の勝ち。6.ラノベ風ミステリ。
次点は『誰が疑問符をつけたか』太田忠司、『もう誘拐なんてしない』東川篤哉。
331:名無しのオプ
09/01/19 10:53:29 /tV6IXSt
1位, 『冬そして夜』S・J・ローザン
2位, 『タンゴステップ』へニング・マンケル
3位, 『グリーンサークル事件』エリック・アンブラー
4位, 該当作なし
5位, 『アトラスの使徒』サム・ボーン
6位, 『運命の日』デニス・ルへイン
<総評>
1位ローザンはシリーズ最高傑作か
1位2位3位と5位6位の間に段差があるのは
文庫版か文庫ではないかの値段の差
332:名無しのオプ
09/01/19 21:34:52 AGjj8u1L
>>328
延長でいいと思う。理由は>>328さんと同じ。
ただ延長の更に延長とかになっちゃうとグダグダになるので
月末なら月末までと確定させた方がいいかな。
333:名無しのオプ
09/01/20 12:08:22 bk+m1Gts
自分も延長に賛成
投票数が少ない(特に海外)し、
月末ならキリも良いし
参考にするためにも分母が多くなるのを期待!
334:名無しのオプ
09/01/20 13:21:13 M6BIK9wZ
コメントが全くないのは無効にしたら?
疑うわかじゃないけど、309さんにはもう一度コメントつきで投票しなおしてもらいたい
335:名無しのオプ
09/01/21 23:07:13 +pbUAyHO
1位ラットマン
2位少女ノイズ
3位1/2の騎士
4位ディスコ探偵水曜日
5位君の望む死に方
6位聖女の救済
<総評>
去年はラットマンが僕の中では飛びぬけて面白かった。上手いとしかいいようがない。
2位と3位は全く期待してなかったけど面白かったので逆に点が甘くなったかな。
4位は延々と続く推理合戦が楽しかった。後半のSF展開はちょっとだけど
5位6位はそつなくまとめた感じ。驚愕することはないけど安定した面白さです。
336:名無しのオプ
09/01/22 00:47:14 sITagolB
きりよく月末までかね。
337:名無しのオプ
09/01/24 19:15:48 2YZ8GFI8
改めまして、締め切りまで7日age
338:名無しのオプ
09/01/30 12:31:16 i8SQ8dR2
1「もう誘拐なんてしない」東川篤也
2「官能的」鳥飼否宇
3「告白」湊かなえ
4「退出ゲーム」初野晴
5「芝浜謎噺」愛川晶
6「モダンタイムス」伊坂
1、テンポがよかったです。
2、ばか丸出しが読んでて心地良いです。この人は最終章でひっくり返すけど蛇足に感じます。
3、途中のだるさが気になり、最後まで集中力が持ちませんでした。
4、米澤不在の穴埋めを果たした気がします。2つ目の話がとても素敵でした。
5、ひとつひとつがとても濃密でした
6、漂う不穏な雰囲気が好きですが、後半はややぐだぐだっだったかも。
339:名無しのオプ
09/01/31 00:15:56 esqIxZsx
1「告白」湊かなえ
2「黒百合」多島斗志之
3「完全恋愛」牧薩次
4「耳をふさいで夜を走る」石持浅海
5「裁判員法廷」芦辺拓
6「退出ゲーム」初野晴
1、新人賞受賞という好機を最大限生かして生まれた作品だと感じた。
こういう悪ノリは個人的にかなり好きです。
2、ミステリ的な仕掛けで驚かされた作品としてはこれがベスト。
このスレでの評価が低いのは新本格の衣を纏っていないせいか?
3、味わい深いキャラが多くて読み応えがあり、ミステリとしても面白い。
4、これもなかなかの悪ノリ作品。勢いで読めました。著者の新境地では。
5、制約が多いフォーマットの中でこれだけの驚きを与えられるのは凄い。
6、僕も二話目が好きです。文章も平凡すぎず凝りすぎずで上手いなあと思う。
340:名無しのオプ
09/01/31 00:46:40 VynzHoAk
タイムリミットは本日何時ですか?
341:名無しのオプ
09/01/31 01:00:39 7udXPOc9
日付変更とともにでいいでしょ
342:名無しのオプ
09/01/31 01:35:37 VynzHoAk
了解
ラストスパートかけます!
343:名無しのオプ
09/01/31 11:10:12 iSYRn1ei
1「ディスコ探偵水曜日」舞城王太郎
2「カラスの親指」道尾秀介
3「ゴールデンスランバー」伊坂幸太郎
4「傍聞き」長岡弘樹
5「ジョーカー・ゲーム」柳広司
6「きのうの世界」恩田陸
ディスコ探偵は愛
カラスの親指は絆
ゴールデンスランバーは対抗
傍聞きは発見
ジョーカーゲームは硬派
きのうの世界は神話
344:名無しのオプ
09/01/31 11:12:10 iSYRn1ei
1「チャイルド44」トム・ロブ・スミス
2「極限捜査」オレン・スタインハウワー
3「検死審問 インクエスト」パーシヴァル・ワイルド
4「20世紀の幽霊たち」ジョー・ヒル
5「狂犬は眠らない」ジェイムズ・グレイディ
6「タンゴステップ」ヘニング・マンケル
チャイルド44は苦闘
極限捜査は決断
検死審問は古典
20世紀の幽霊たちは思い出
狂犬は眠らないはROCK
タンゴステップは渋味
345:名無しのオプ
09/01/31 17:26:24 OhiA8Wry
滑り込みで投票します。東野や連城読み終えれなかったけど。
1位,『山魔の如き嗤うもの』 三津田信三
2位,『ラットマン』 道尾秀介
3位,『1/2の騎士』初野晴
4位,『ジョーカー・ゲーム』柳広司
5位,『堕天使拷問刑』 飛鳥部勝則
6位,『少女ノイズ』 三雲岳斗
<総評>
文章がとっつきにくいとは思わない俺にとって三津田は神。
山魔も文句なしの傑作。どんでん返しの連続に酔った。
ラットマンは騙されないぞど構える人に勧めたい傑作。
初野は今年最も期待できる作者。この作品は文句なしの良本格。
カバーなどでスルーしてる本格好きは読まないと損だよ。
ジョーカーゲームは良作が多い。長編が読みたいけどこのレベルを維持できるか?
堕天使はキワモノと思われがちだがまっとうな本格。
個人的にはもっとキワモノしてくれたほうがいいんだけど。
少女ノイズ飛び抜けて面白い話はないけど全部読み終えると面白かったなと思えた。
346:名無しのオプ
09/01/31 18:02:47 Vif1ka+x
特に海外はあまり読んでいないのですが、枯れ木も山の賑わいということで……。
〈国内〉
1.『エコール・ド・パリ殺人事件』深水黎一郎
2.『山魔の如き嗤うもの』三津田信三
3.『官能的 四つの狂気』鳥飼否宇
4.『君の望む死に方』石持浅海
5.『堕天使拷問刑』飛鳥部勝則
6.『モザイク事件帳』小林泰三
1~3.のコメントはここ↓に書いたので省略。
URLリンク(www5a.biglobe.ne.jp)
4.前作以上に倒叙ミステリの形式をひねり倒した意欲作。
5.やりたい放題やっておきながら最後にきれいにまとめてしまう豪腕。
6.邪悪な鬼才がミステリのお題をおもちゃにした怪作。
〈海外〉
1.『ロジャー・マーガトロイドのしわざ』ギルバート・アデア
2.『七番目の仮説』ポール・アルテ
3.『ウォリス家の殺人』D.M.ディヴァイン
4.『紫雲の怪』ロバート・ファン・ヒューリック
1~3.については同上。
4.シリーズ随一の複雑怪奇な構図と多重解決風の展開が見事。
347:名無しのオプ
09/01/31 19:09:57 AISTFj04
宣伝乙
348:名無しのオプ
09/01/31 19:33:07 7udXPOc9
もうすぐ終了だね。
349:名無しのオプ
09/01/31 21:42:13 ahRMUcXT
1位,
2位,『新世界より』貴志祐介
3位,『山魔の如き嗤うもの』三津田信三
4位,『みなさん、さようなら』久保寺健彦
5位,『賢者の贈り物』石持浅海
6位,『ファイナル・ゲーム』黒武洋
<総評>
1位,『造花の蜜』や『黒百合』『聖女の救済』など
気になった作品が未読なので空白で。まずかったら繰り上げて下さい。
2位,問答無用に面白い。自走式図書館タソ萌え。
3位,細かい伏線と過剰なほどのどんでん返しに酔った。誤植は萎えた。
4位,ジャンル外な気もするけど、団地内冒険小説ということでひとつ。
5位,玉石混交というか多彩なラインアップ。
結末もいいけど侃々諤々意見を戦わせる過程が楽しい。
6位,デスゲーム枠。『出口なし』と迷ったが小説としての体を
幾分成しているこちらに。人には薦めません。
去年は読書にあまり時間を割けなかった。
今年は読書ともどもゆとりある生活が送れますように。
350:名無しのオプ
09/01/31 23:04:52 ahRMUcXT
残り1時間切った
>>342はもう投票したのかな
351:名無しのオプ
09/01/31 23:08:52 wUOBOAS/
1位,『冬そして夜』S.J. ローザン
2位,『運命の日』 デニス・ルヘイン
3位,『フロイド気質』R.D. ウィングフィールド
4位,『チャイルド55』トム・ロブ・スミス
5位,『深海のYrr』フランク・シェッツィング
6位,『スリーピングドール』ジェフリー ディーヴァー
<総評>
1位,アメリカの学生達の腐った部分を(日本人にはそう思える)
描いた重苦しいけど傑作だと思う。
2位,家族と友を描いた大作だった。
3位,様々な難題がこれでもかと押し寄せるあたりがよかった。
4位,元ネタがあったことに驚愕。
スターリン支配下のロシアという連続殺人を否定する条件が、言葉は悪いが面白かった。
5位,超大作にして作者が美形。でもって、ハリウッド映画化か……。
6位,題名が合っていなかった気がする。キネシクスは最強すぎ。
今回初めて、翻訳物に投票できてよかった。
もうちょっと、マイナー作にも手を出せたらな。
352:名無しのオプ
09/01/31 23:48:50 VynzHoAk
<海外>
1、「ラジオ・キラー」セバスチャン・フィツェック
2、「ウォリス家の殺人」D・M・ディヴァイン
3、「赤き死の香り」ジョナサン・ラティマー
4、「ロミオ」ロバート・エリス
5、「ナツメグの味」ジョン・コリア
6、「アトラスの使徒」サム・ボーン
「総評」
1は文句無しの傑作エンターテイメント。これだけのものを書く作家が
まさかドイツから現れようとは。
相変わらず高水準の2。あの伏線は解んねー。残りもどんどん邦訳して。
3はハードボイルドでありロマンティックコメディであり
そしてちょっぴり本格風味も。万人にお薦め出来ると思う。
4は装丁や粗筋で敬遠してる人がいるかも知れないが、是非読んで欲しい。
読後良い意味で裏切られたと感じるはず。
独特の世界観に浸れた5は近年の奇妙な味系短編集の白眉かも。
6は壮大なホラ話或いは究極のバカミス。インパクトを買って投票。
しかし自分以外に挙げる人がいるとは思わなかったw。
この他には「八一三号車室にて」や「荒野のホームズ」等が良かった。
353:名無しのオプ
09/01/31 23:57:39 Of7RZTyT
346は黄金の羊毛亭の管理人さんですか?
だったら感激。
いつも参考にさせてもらってます。
354:名無しのオプ
09/02/01 00:02:41 d6IGVnib
<国内>
1、「山魔の如き嗤うもの」三津田信三
2、「肺魚楼の夜」谺健二
3、「十三回忌」小島正樹
4、「堕天使拷問刑」飛鳥部勝則
5、「裁判員法廷」芦辺拓
6、「ジョーカー・ゲーム」柳広司
「総評」
毎度の事ながら前半やつぎばやに飛び出す怪奇趣味が後半
バシバシ解かれていく様に酔う1。本当凄いわこの人。
2は久々の新作だったが面白かった。まさか本当にアレが……という驚き。
そして……。
3は如何にも島荘の直弟子らしい作風でミステリーもドラマも良かった。
ただこれ以上は師匠に似ないでね。
4は世界観がぶっ飛び過ぎてるけど、ネタとしてはかなり衝撃的だった。
ホラーガイドも良い。
タイムリーなテーマで見事な本格に仕上がっている5。作者の狙いに
まんまとはまった。
6はスパイもので短編集という難業に挑戦した意気を買う。
我が侭を言って延ばして貰ったお陰で無事投票出来ました。
皆さん、ありがとうございました。
355:名無しのオプ
09/02/01 00:17:24 FZYB+DGv
2chが選ぶこのミステリーがすごい!2009年版 国内編 【23票】
>>272,277,285,286,288,289,293,301,306,312
>>316,318,322,325,330,335,338,339,343,345
>>346,349,354
1 位 (119pt) 『山魔の如き笑うもの』 三津田信三
2 位 (96pt) 『ラットマン』 道尾秀介
3 位 (67pt) 『堕天使拷問刑』 飛鳥部勝則
4 位 (64pt) 『完全恋愛』 牧薩次
5 位 (44pt) 『造花の蜜』 連城三紀彦
6 位 (37pt) 『エコール・ド・パリ殺人事件』 深水黎一郎
7 位 (35pt) 『新世界より』 貴志祐介
8 位 (34pt) 『少女ノイズ』 三雲岳斗
9 位 (31pt) 『告白』 湊かなえ
9 位 (31pt) 『ディスコ探偵水曜日』 舞城王太郎
11位 (30pt) 『官能的 四つの狂気』 鳥飼否宇
11位 (30pt) 『退出ゲーム』 初野晴
13位 (29pt) 『聖女の救済』 東野圭吾
14位 (27pt) 『1/2の騎士 harujion』 初野晴
15位 (25pt) 『ゴールデンスランバー』 伊坂幸太郎
16位 (24pt) 『ジョーカー・ゲーム』 柳広司
17位 (22pt) 『カラスの親指』 道尾秀介
18位 (21pt) 『狐火の家』 貴志祐介
19位 (20pt) 『遠海事件』 詠坂雄二
20位 (19pt) 『君の望む死に方』 石持浅海
356:名無しのオプ
09/02/01 00:18:03 FZYB+DGv
21位 (15pt) 『黒百合』 多島斗志之
22位 (14pt) 『青銅の悲劇 瀕死の王』 笠井潔
23位 (13pt) 『十三回忌』 小島正樹
24位 (12pt) 『裁判員法廷』 芦辺拓
25位 (10pt) 『もう誘拐なんてしない』 東川篤也
26位 ( 9pt) 『弥勒世』 馳星周
26位 ( 9pt) 『倒立する塔の殺人』 皆川博子
26位 ( 9pt) 『ドリーミング・オブ・ホーム&マザー』 打海文三
26位 ( 9pt) 『肺魚楼の夜』 谺健二
26位 ( 9pt) 『流星の絆』 東野圭吾
31位 ( 8pt) 『七つの海を照らす星』 七河迦南
32位 ( 7pt) 『名前探しの放課後』 辻村深月
32位 ( 7pt) 『みなさん、さようなら』 久保寺健彦
32位 ( 7pt) 『耳をふさいで夜を走る』 石持浅海
32位 ( 7pt) 『傍聞き』 長岡弘樹
36位 ( 6pt) 『妃は船を沈める』 有栖川有栖
36位 ( 6pt) 『賢者の贈り物』 石持浅海
36位 ( 6pt) 『芝浜謎噺』 愛川晶
36位 ( 6pt) 『トスカの接吻』 深水黎一郎
36位 ( 6pt) 『ようこそ無目的室へ』 在原竹広
41位 ( 5pt) 『きのうの世界』 恩田陸
41位 ( 5pt) 『しらみつぶしの時計』 法月綸太郎
41位 ( 5pt) 『ペガサスと一角獣薬局』 柄刀一
41位 ( 5pt) 『とある飛空士への追憶』 犬村小六
41位 ( 5pt) 『ファイナル・ゲーム』 黒武洋
41位 ( 5pt) 『モザイク事件帳』 小林泰三
41位 ( 5pt) 『モダンタイムス』 伊坂幸太郎
357:名無しのオプ
09/02/01 00:18:34 FZYB+DGv
2chが選ぶこのミステリーがすごい!2009年版 海外編 【8票】
>>282,287,312,331,344,346,351,352
1 位 (24pt) 『チャイルド44』 トム・ロブ・スミス
2 位 (20pt) 『冬そして夜』 S・J・ローザン
3 位 (18pt) 『フロスト気質』 R・D・ウィングフィールド
4 位 (17pt) 『ウォリス家の殺人』 D.M.ディヴァイン
5 位 (16pt) 『紫雲の怪』 ロバート・ファン・ヒューリック
6 位 (15pt) 『検死審問-インクエスト』 パーシヴァル・ワイルド
7 位 (14pt) 『運命の日』 デニス・ルへイン
7 位 (14pt) 『タンゴステップ』 へニング・マンケル
9 位 (12pt) 『ダルジールの死』 レジナルド・ヒル
10位 (11pt) 『アトラスの使徒』 サム・ボーン
11位 (10pt) 『ラジオ・キラー』 セバスチャン・フィツェック
11位 (10pt) 『ランポール弁護に立つ』 ジョン・モーティマー
11位 (10pt) 『ルイザと女相続人の謎』 アンナ・マクリーン
11位 (10pt) 『ロジャー・マーガトロイドのしわざ』 ギルバート・アデア
358:名無しのオプ
09/02/01 00:19:04 FZYB+DGv
15位 ( 9pt) 『極限捜査』 オレン・スタインハウワー
15位 ( 9pt) 『道化の死』 ナイオ・マーシュ
15位 ( 9pt) 『七番目の仮説』 ポール・アルテ
15位 ( 9pt) 『ナポレオン剃刀の冒険』 エラリー・クイーン
19位 ( 8pt) 『赤き死の香り』 ジョナサン・ラティマー
19位 ( 8pt) 『教会の悪魔』 ポール・ドハティ
19位 ( 8pt) 『グリーンサークル事件』 エリック・アンブラー
19位 ( 8pt) 『荒野のホームズ』 スティーヴ・ホッケンスミス
19位 ( 8pt) 『不思議なミッキー・フィン』 エリオット・ポール
24位 ( 7pt) 『踊るドルイド』 グラディス・ミッチェル
24位 ( 7pt) 『20世紀の幽霊たち』 ジョー・ヒル
24位 ( 7pt) 『ロミオ』 ロバート・エリス
27位 ( 6pt) 『狂犬は眠らない』 ジェイムズ・グレイディ
27位 ( 6pt) 『サファリ殺人事件』 エルスペス・ハクスリー
27位 ( 6pt) 『深海のYrr』 フランク・シェッツィング
27位 ( 6pt) 『ナツメグの味』 ジョン・コリア
31位 ( 5pt) 『スリーピング・ドール』 ジェフリー・ディーヴァー
31位 ( 5pt) 『タナスグ湖の怪物』 グラディス・ミッチェル
31位 ( 5pt) 『夜ふかし屋敷のしのび足』 コニス・リトル
359:名無しのオプ
09/02/01 00:38:01 2f9h50Gm
FZYB+DGvさん、サンクス&乙!
飛鳥部はちょっとアヤシ気だなw
360:名無しのオプ
09/02/01 00:42:45 agLRmaA5
>>355
おっつー
361:名無しのオプ
09/02/01 01:09:39 vrZSKD44
集計お疲れー
362:名無しのオプ
09/02/01 02:39:01 FZYB+DGv
『山魔の如き笑うもの』 三津田信三
・山魔は首無には劣るが終盤の怒涛の謎解きには近作も唸らされた。
・首無に勝るとも劣らない傑作。終盤のしつこいぐらいのどんでん返しに満腹。
・山魔というかこのシリーズは毎年1位にしてます。個人的にこの雰囲気がすきです。
・去年よりは落ちるけど、ド本格では出色の出来
・文章がとっつきにくいとは思わない俺にとって三津田は神。
山魔も文句なしの傑作。どんでん返しの連続に酔った。
・傑作ホラーミステリ・シリーズ第4弾。大量の伏線が回収される怒涛の解決が圧巻。
・細かい伏線と過剰なほどのどんでん返しに酔った。誤植は萎えた。
・毎度の事ながら前半やつぎばやに飛び出す怪奇趣味が後半
バシバシ解かれていく様に酔う。本当凄いわこの人。
『ラットマン』 道尾秀介
・1位には完全に騙されたラットマンを。道尾の今の所の最高傑作だと思う。
・思わずやられたーと叫びたくなる『ラットマン』が1位かな。
・作者の仕掛けにまんまとやられたね。アレはやられるよお見事。
・道尾作品は向日葵が合わなくてそれ以降読んでなかったんですが、勧められて読んだ
ラットマンが大変面白かったです。仕掛けも優れてるし読み終えた後胸が熱くなりました。
・文句なしに1位。「シャドウ」だけかと思ってたけど、これで一皮むけた。直木賞は残念だったね。
・わかっていてもやられる快感。
・僕の中では飛びぬけて面白かった。上手いとしかいいようがない。
・騙されないぞど構える人に勧めたい傑作。
『堕天使拷問刑』 飛鳥部勝則
・完全に好みだったので。あのぶっとびよう好きですw
・個人的にかなりツボだった。
・おもしろさ、すごさでいけばここ数年の№1だね。
・意外とまっとうな本格。
・キワモノと思われがちだがまっとうな本格。
個人的にはもっとキワモノしてくれたほうがいいんだけど。
・やりたい放題やっておきながら最後にきれいにまとめてしまう豪腕。
・世界観がぶっ飛び過ぎてるけど、ネタとしてはかなり衝撃的だった。ホラーガイドも良い。
363:名無しのオプ
09/02/01 02:39:41 FZYB+DGv
『完全恋愛』 牧薩次
・個人的にかなりツボだった。
・おじいちゃん頑張った
・大御所が守りに入らず現代のミステリに挑んだ名作。
道尾秀介はもちろん西尾維新までターゲットにいれてる感が。
・味わい深いキャラが多くて読み応えがあり、ミステリとしても面白い。
『造花の蜜』 連城三紀彦
・各誌の対象には遅すぎた『造花の蜜』が個人的に最高でした。
・連城さんは久しぶりの新作だったけど面白かったです。読者を惑わせる仕掛けは一級品です。
・まるで新人並に飛ばしまくり。誘拐ものオールタイムベスト級の傑作。
確かにラストのアレは完成度を落としてる。でもこのミステリ魂をあえて支持したい。
『エコール・ド・パリ殺人事件』 深水黎一郎
・事件と美術史が見事に絡み合っていた。
・一見地味で手堅い雰囲気の陰に大胆で意欲的な仕掛けを潜ませた傑作。
『新世界より』 貴志祐介
・上巻だけなら1位だった。余りの面白さに一気読みして慌てて下巻買いに走ったね。
・大作ながら時間を忘れて貪り読んだ。世界観に惹かれた。
・問答無用に面白い。自走式図書館タソ萌え。
『少女ノイズ』 三雲岳斗
・なんとなくGOTH思い出した。本格好きも楽しめるよ。
・ラノベ風ミステリ。
・全く期待してなかったけど面白かったので逆に点が甘くなったかな。
・飛び抜けて面白い話はないけど全部読み終えると面白かったなと思えた。
『告白』 湊かなえ
・一発屋じゃないことを祈る。
・途中のだるさが気になり、最後まで集中力が持ちませんでした。
・新人賞受賞という好機を最大限生かして生まれた作品だと感じた。こういう悪ノリは個人的にかなり好きです。
364:名無しのオプ
09/02/01 02:40:11 FZYB+DGv
『ディスコ探偵水曜日』 舞城王太郎
・どこを切ってもトンデモ。後半に至ってはバカSF。だけど「愛」が物語を支えた。
・延々と続く推理合戦が楽しかった。後半のSF展開はちょっとだけど
・ディスコ探偵は愛
『官能的 四つの狂気』 鳥飼否宇
・色々としびれた…。
・ばか丸出しが読んでて心地良いです。この人は最終章でひっくり返すけど蛇足に感じます。
・増田助教授の変態ぶりと、“変態の論理”に基づく超絶推理が凄まじい、文句なしのバカミス。
『退出ゲーム』 初野晴
・米澤不在の穴埋めを果たした気がします。2つ目の話がとても素敵でした。
・僕も二話目が好きです。文章も平凡すぎず凝りすぎずで上手いなあと思う。
『聖女の救済』 東野圭吾
・空前の大ブームの中、こんな馬鹿トリック一発な本格が来てくれたことに感動
・ブームの中、世間体など気にせず投げてくれたド本格。
前作には及ばんけど、やっぱ東野はすごいと思った。
・そつなくまとめた感じ。驚愕することはないけど安定した面白さです。
『1/2の騎士 harujion』 初野晴
・構成が良くできてる作品。ファンタジーだがミステリー好きも楽しめるはず。
・退出ゲームもいいけど特殊な世界観を見事に生かしたこっちを。
今年の2作で最も次が楽しみな作家に。
・全く期待してなかったけど面白かったので逆に点が甘くなったかな。
・初野は今年最も期待できる作者。この作品は文句なしの良本格。
カバーなどでスルーしてる本格好きは読まないと損だよ。
『ゴールデンスランバー』 伊坂幸太郎
・今更だけど本当に良かった。ついに伊坂が一皮むけた。
・ささやかな抵抗と友情についての物語。もう戻れなくても残るものはある。
・ゴールデンスランバーは対抗
365:名無しのオプ
09/02/01 02:41:15 FZYB+DGv
『ジョーカー・ゲーム』 柳広司
・ジョーカーゲームは硬派
・良作が多い。長編が読みたいけどこのレベルを維持できるか?
・スパイもので短編集という難業に挑戦した意気を買う。
『カラスの親指』 道尾秀介
・(道尾作品は)2作ランクインしましたが大技が光るカラスを上にしました。
技巧はラットの方が優れてますが、小説自体の出来はこっちが上でしょう。
・カラスの親指は絆
『狐火の家』 貴志祐介
・貴志は新世界よりも力作だけど、一編で長編分の満足感が味わえる狐火の家に。
『遠海事件』 詠坂雄二
・あの禍々しい雰囲気の中で語られるくそまじめなロジックが笑えた。しかも上質。
『君の望む死に方』 石持浅海
・構成の勝ち。
・そつなくまとめた感じ。驚愕することはないけど安定した面白さです。
・前作以上に倒叙ミステリの形式をひねり倒した意欲作。
『黒百合』 多島斗志之
・感傷コンパスは今作のための前哨戦だった。ザコ呼ばわりする奴には分からない名人芸。
・ミステリ的な仕掛けで驚かされた作品としてはこれがベスト。
このスレでの評価が低いのは新本格の衣を纏っていないせいか?
『十三回忌』 小島正樹
・最後の一撃もそうなんですが、それまでのコード型本格が好みです。
ただ探偵役に魅力がないのが欠点ですね。
・如何にも島荘の直弟子らしい作風でミステリーもドラマも良かった。
ただこれ以上は師匠に似ないでね。
366:名無しのオプ
09/02/01 02:42:27 FZYB+DGv
『裁判員法廷』芦辺拓
・制約が多いフォーマットの中でこれだけの驚きを与えられるのは凄い。
・タイムリーなテーマで見事な本格に仕上がっている。
作者の狙いにまんまとはまった。
『もう誘拐なんてしない』 東川篤也
・テンポがよかったです。
『弥勒世』 馳星周
・大作ながら時間を忘れて貪り読んだ。圧倒的な重さに惹かれた。
『倒立する塔の殺人』 皆川博子
・おばあちゃん頑張った
『肺魚楼の夜』 谺健二
・久々の新作だったが面白かった。まさか本当にアレが……という驚き。
そして……。
『流星の絆』 東野圭吾
・エンタメ小説としては言うことない出来。
『七つの海を照らす星』 七河迦南
・新人とは思えない。読み応えもあり仕掛けもいい。
『名前探しの放課後』 辻村深月
・あんまり評価されてないけど、いい出来だよ。近年の青春ミステリものならベスト。
『みなさん、さようなら』 久保寺健彦
・ジャンル外な気もするけど、団地内冒険小説ということでひとつ。
『耳をふさいで夜を走る』 石持浅海
・これもなかなかの悪ノリ作品。勢いで読めました。著者の新境地では。
367:名無しのオプ
09/02/01 03:14:32 FZYB+DGv
『傍聞き』 長岡弘樹
・傍聞きは発見
『妃は船を沈める』 有栖川有栖
・作家アリスでは久々のヒット、前半の「猿の手」が素晴らしかった
『賢者の贈り物』 石持浅海
・玉石混交というか多彩なラインアップ。
結末もいいけど侃々諤々意見を戦わせる過程が楽しい。
『芝浜謎噺』 愛川晶
・ひとつひとつがとても濃密でした。
『トスカの接吻』 深水黎一郎
・深水作品はエコールよりトスカを選びました。
三津田作品のような派手さはないですが、細かい技巧を凝らした秀作でしょう。
オペラに詳しければもっと上の順位だったでしょうね。
『ようこそ無目的室へ』 在原竹広
・ラノベ。だからといって無視はしないでほしい作品。本格ファンは必読書。
『きのうの世界』 恩田陸
・きのうの世界は神話
『しらみつぶしの時計』 法月綸太郎
・正直なところ信者補正だけど、好きなんで
『ペガサスと一角獣薬局』 柄刀一
・本格短編集の傑作。堪能しました。
『とある飛空士への追憶』 犬村小六
・ラノベだがど真ん中ストライクの冒険小説っぷりにしびれた。
368:名無しのオプ
09/02/01 03:15:02 FZYB+DGv
『ファイナル・ゲーム』 黒武洋
・デスゲーム枠。『出口なし』と迷ったが小説としての体を
幾分成しているこちらに。人には薦めません。
『モザイク事件帳』 小林泰三
・邪悪な鬼才がミステリのお題をおもちゃにした怪作。
『モダンタイムス』 伊坂幸太郎
・漂う不穏な雰囲気が好きですが、後半はややぐだぐだっだったかも。
369:名無しのオプ
09/02/01 03:16:31 FZYB+DGv
『チャイルド44』 トム・ロブ・スミス
・チャイルド44は苦闘
・元ネタがあったことに驚愕。
スターリン支配下のロシアという連続殺人を否定する条件が、言葉は悪いが面白かった。
『冬そして夜』 S・J・ローザン
・シリーズ最高傑作か
・アメリカの学生達の腐った部分を(日本人にはそう思える)描いた重苦しいけど傑作だと思う。
『フロスト気質』 R・D・ウィングフィールド
・様々な難題がこれでもかと押し寄せるあたりがよかった。
『ウォリス家の殺人』 D.M.ディヴァイン
・ひたすらいやな感じの人間模様と、シンプルで大胆な決め手が出色。
・相変わらず高水準。あの伏線は解んねー。残りもどんどん邦訳して。
『紫雲の怪』 ロバート・ファン・ヒューリック
・シリーズ随一の複雑怪奇な構図と多重解決風の展開が見事。
『検死審問-インクエスト』 パーシヴァル・ワイルド
・検死審問は古典
『運命の日』 デニス・ルへイン
・家族と友を描いた大作だった。
『タンゴステップ』 へニング・マンケル
・タンゴステップは渋味
『ダルジールの死』 レジナルド・ヒル
・題名見たらまさかと思って手に取らないわけには…
370:名無しのオプ
09/02/01 03:17:01 FZYB+DGv
『アトラスの使徒』 サム・ボーン
・壮大なホラ話或いは究極のバカミス。インパクトを買って投票。
しかし自分以外に挙げる人がいるとは思わなかったw。
『ラジオ・キラー』 セバスチャン・フィツェック
・文句無しの傑作エンターテイメント。
これだけのものを書く作家がまさかドイツから現れようとは。
『ランポール弁護に立つ』 ジョン・モーティマー
・1位はランポール弁護士で。
本格とはちょっと違うのだが味わいのある話が面白かった。
『ロジャー・マーガトロイドのしわざ』 ギルバート・アデア
・黄金時代の古典本格に対するオマージュにしてパロディ。
そして作者の周到な企み。
『極限捜査』 オレン・スタインハウワー
・極限捜査は決断
『道化の死』 ナイオ・マーシュ
・直球ド本格なら断然マーシュ
『七番目の仮説』 ポール・アルテ
・突拍子もない発端から、一転してスリリングな展開、そして底の見えないどんでん返し。
『赤き死の香り』 ジョナサン・ラティマー
・ハードボイルドでありロマンティックコメディであり
そしてちょっぴり本格風味も。万人にお薦め出来ると思う。
『20世紀の幽霊たち』 ジョー・ヒル
・20世紀の幽霊たちは思い出
371:名無しのオプ
09/02/01 03:17:31 FZYB+DGv
『ロミオ』 ロバート・エリス
・装丁や粗筋で敬遠してる人がいるかも知れないが、是非読んで欲しい。
読後良い意味で裏切られたと感じるはず。
『狂犬は眠らない』 ジェイムズ・グレイディ
・狂犬は眠らないはROCK
『深海のYrr』 フランク・シェッツィング
・超大作にして作者が美形。でもって、ハリウッド映画化か……。
『ナツメグの味』 ジョン・コリア
・独特の世界観に浸れた『ナツメグの味』は近年の奇妙な味系短編集の白眉かも。
『スリーピング・ドール』 ジェフリー・ディーヴァー
・題名が合っていなかった気がする。キネシクスは最強すぎ。
372:名無しのオプ
09/02/01 03:35:51 31yJIw8B
集計ならびにコメント、マジ乙です!!
やっぱ1作ずつコメントあった方がいいな。読むの楽しいし。
集計人さんは大変だろうけど…
373:名無しのオプ
09/02/01 16:44:55 gtWHMx4W
集計人さん乙です。
各作品のコメントを集めるの。
どれくらいの作業量なのかわかんねーけど
これがあるのは本当にいいですね。
本家の方、本ミスでもやって欲しいよ。
今回は投票できなかったけど、次回は投票できたらなぁ。と思います。
本当に乙でした。
374:346
09/02/01 22:16:18 6SMwxnWF
集計&コメントまとめ乙です。
手抜きで省略した分まで引っぱってきてもらって恐縮です。
>>353
こちらこそ、ありがとうございます。
375:名無しのオプ
09/02/01 23:21:58 FZYB+DGv
2007 国内 >>48-51 コメント >>53-62
2007 海外 >>52 コメント >>63-64
2008 国内 >>215-216 コメント >>221-224
2008 海外 >>217-219 コメント >>225-226
2009 国内 >>355-356 コメント >>362-368
2009 海外 >>357-358 コメント >>369-371
「2chが選ぶこのミステリーがすごい!2009」
約二ヶ月の間でしたが、お付き合いありがとうございました。
投票いただいたみなさまも、そうでない方も
このスレに集まってくれたみなさんに感謝いたします。
それではみなさん、今年の十二月、またこのスレでお会いしましょう。
ごきげんよう。さようなら。
376:名無しのオプ
09/02/08 07:39:28 GYP/C8Hn
十二月の再開の時期まで特に問題がなければ候補作紹介として
主な作品のタイトル、作者、あらすじ、ネット全体での評価を
まとめていきたいと思います。
儚い羊たちの祝宴 米澤 穂信
「バベルの会」という、上流階級の子女が通う大学の読書サークルの
メンバーにまつわる事件を描いた連作短編集。
帯に書かれている『ラスト一行の衝撃』を期待すると肩透かしを覚える。
はっきり言って誇大広告。ラスト一行はどんでん返しというより、
気の利いた物語のシメという感じ。
とは言え、作品自体のレベルは高く、お嬢様や同年代の使用人を中心とした、
ダークで陰惨な読み応え十分な作品が並ぶ。
中でも「玉野五十鈴の誉れ」はラストが衝撃的な傑作。
「山荘秘録」のどんでん返しも見事。
しかし、唯一最終作の「儚い羊たちの晩餐」だけは好きだという人と
良くわからないという人に二分され、賛否両論となっている。
377:名無しのオプ
09/02/08 21:14:53 CC79eGDB
『1/2の騎士』『退出ゲーム』が共にトップ20にランクインした
初野晴のスレを立てました。即落ち回避に書き込みお願いします。
スレリンク(mystery板)
378:名無しのオプ
09/02/09 01:25:09 8S/3nHOF
>>376
楽しみにしています
色々、参考にしたいと思いますので頑張ってください。
379:名無しのオプ
09/02/10 07:23:54 ZLgJiwXl
>>378
どうもありがとうございます。
それではもう一度この企画についての説明を。
○これは個人の書評ではなく、ネット全体の書評をなるべく最大公約集的に
まとめたものです。もし偏りがありましたらご指摘お願いします。
○次回の投票までの本選びの参考資料やこのミス順位予想の基本データー
としてご利用ください。
○ネット全体のレビュー数がある程度出てからまとめますので
紹介は作品発売後1ヶ月以上先になると思われます。
ご了承ください。
380:名無しのオプ
09/02/10 07:29:07 ZLgJiwXl
後、具体的なネタばれはしてませんが、『ラストのどんでん返し』とか
『感動的な結末』と言った抽象的なネタばれはありますので、
予備知識なく作品を楽しみたいという方はご遠慮ください。
381:名無しのオプ
09/02/10 07:29:38 ZLgJiwXl
儚い羊たちの祝宴 米澤 穂信
あらすじ
「バベルの会」という、上流階級の子女が通う大学の読書サークルの
メンバーにまつわる事件を描いた連作短編集。
ネット評まとめ
帯に書かれている『ラスト一行の衝撃』を期待すると肩透かしを覚える。
はっきり言って誇大広告。ラスト一行はどんでん返しというより、
気の利いた物語のシメという感じ。
とは言え、作品自体のレベルは高く、お嬢様や同年代の使用人を中心とした、
ダークで陰惨な読み応え十分な作品が並ぶ。
中でも「玉野五十鈴の誉れ」はラストが衝撃的な傑作。
「山荘秘録」のどんでん返しも見事。
しかし、唯一最終作の「儚い羊たちの晩餐」だけは好きだという人と
良くわからないという人に二分され、賛否両論となっている。
エッジ 鈴木光司
あらすじ
各地で次々と消えていく人々。調査をはじめたフリーライターの冴子は
未曾有の世界的変異を嗅ぎとる。彼女の父もまた18年前に忽然と消息を
断っていたのだった。
ネット評まとめ
ホラーテイストかつ壮大なストーリーでつかみはOK。しかし、宇宙規模まで
話が広がっていくところで胡散臭くなり始め、ラストのしょぼさに愕然。
ホラー小説からハードSFになり、最後はラノベみたいなギャップの
激しい作品。場面場面を読ませる技術は一流だが、全体の構成力は今ひとつ。
382:名無しのオプ
09/02/10 07:34:46 WrkzAjB0
少女 湊かなえ
あらすじ
「人が死ぬ瞬間を見たい」という想いを胸に抱くふたりの少女。
由紀は病院へボランティアに行き、重病の少年の死を、敦子は
老人ホームで手伝いをし、入居者の死を目撃しようとする。
少女たちの無垢な好奇心から始まった夏が、複雑な因果の果てに
むかえた衝撃の結末とは?
ネット評まとめ
友情を軸に描かれており、前作ほど暗い話ではないがラストの底意地の
悪さはこの作者ならではのもの。衝撃度では『告白』に一歩譲るが、
逆に告白に見られた荒唐無稽さや短編に後日談を付け足したために
生じた無理やり感はない。巧みな構成といい、伏線回収の見事さといい、
完成度の高さでは『告白』を上回る傑作である。
人間関係にややご都合主義が見られるのが欠点と言えば欠点。
383:名無しのオプ
09/02/10 07:36:44 WrkzAjB0
オリンピックの身代金 奥田英朗
あらすじ
昭和39年夏。10月に開催されるオリンピックに向け、世界に冠たる
大都市に変貌を遂げつつある首都・東京。そんな中、警察を狙った
爆破事件が発生。同時に「東京オリンピックを妨害する」という
脅迫状が当局に届けられた。しかし、この事件は国民に知らされる
ことがなかった。警視庁の刑事たちが極秘裏に事件を追うと、一人の
東大生の存在が捜査線上に浮かぶ…。
ネット評まとめ
高度成長期の中で富める者と貧しき者の矛盾に怒りを覚え、巨大な権力に
ひとり立ち向かう犯人を描いた本格的な社会派ミステリー。
東京オリンピックに対する国民の熱狂ぶりを始め、昭和という時代の濃密な
描写が本書の魅力。ただ背景描写が濃密な分、本筋のテンポが悪くなっている
きらいがある。
とは言え、犯人側と刑事側の両者の視点で時系列ずらしながら事件の進行を
追っていく構成はスリリングで犯人のキャラクターも魅力的。
*全体的には絶賛に近い評価だが、犯人の動機に対する説得力の希薄さや
その結末に不満の声もあり。
384:名無しのオプ
09/02/10 07:38:50 WrkzAjB0
太陽の坐る場所 辻村深月
あらすじ
高校卒業から10年。クラス会に集まった男女の話題は、女優になった
クラスメートの「キョウコ」。彼女を次のクラス会へ呼び出そうともくろむが、
「キョウコ」と向かい合うことで思い出される、高校時代の「幼く、罪深かった」
出来事―。よみがえる「教室の悪意」。
ネット評まとめ
いつまでも高校時代を引きずっている女たちのドロドロの心理描写が
最大の読み所。自意識過剰で悪意に満ちた女の怖さを余すところなく
描いている。ただ表面的なストーリーは淡々としており、ミステリー的な
興味も薄く、濃厚な心理描写に反してキャラが立っているわけでもないので、
読み手を選ぶ作品ではある。
385:名無しのオプ
09/02/10 07:42:11 ZLgJiwXl
臨床真理 柚月裕子
あらすじ
臨床心理士の佐久間美帆は、勤務先の医療機関で藤木司という
青年を担当することになる。司は、同じ福祉施設で暮らしていた
少女の自殺を受け入れることができず、美帆に心を開こうと
しなかった。
それでも根気強く向き合おうとする美帆に、司はある告白をする。
少女の死は他殺だと言うのだ。
その根拠は、彼が持っている特殊な能力によるらしい。
ネット評まとめ
新人としては、文章力はかなりのものでサスペンス小説として
テンポよく読めるが、一方でストーリー自体はひねりがなく、
途中で先の展開が容易に予想できてしまう。
犯人の正体もみえみえなのでサスペンスとしてはともかくミステ
リー的な興味は薄い。
医学的な間違いが多いのも気になるところ。
。
386:名無しのオプ
09/02/10 07:44:50 ZLgJiwXl
屋上ミサイル 山下貴光
あらすじ
美術の課題のため、屋上にのぼった高校二年生の辻尾アカネ。
そこで、リーゼント頭の不良・国重嘉人や、願掛けのため言葉を
封印した沢木淳之介、自殺願望を持つ平原啓太と知り合う。
屋上への愛情が共通しているということから、国重の強引な提案で
“屋上部”を結成することになった四人。屋上の平和を守るため、通
行人を襲う罰神様騒動、陸上部のマドンナ・ストーカー事件、殺し屋との
遭遇などに巻き込まれることになる。
ネット評まとめ
泣きあり笑いありの非常に気持ちのいい青春ミステリー。
個性的なキャラの造詣やセリフ回しのセンスの良さは秀逸。
ただ、ミステリーとしては場当たり的でご都合主義が目立つ。
ミステリー的な要素は期待せず、キャラクター小説と割り切って
読むのが吉だろう。
ただし、伊坂幸太郎の影響を露骨に感じさせるのはマイナス点。
387:名無しのオプ
09/02/10 07:52:36 ZLgJiwXl
殺人鬼フジコの衝動 真梨幸子
あらすじ
一家惨殺事件のただひとりの生き残りとして、新たな人生を歩み始めた
十歳の少女。だが、彼女の人生は、いつしか狂い始め、またひとり、
またひとりと彼女は人を殺す。何が少女を伝説の殺人鬼・フジコにして
しまったのか?
ネット評まとめ
少女フジコに対する虐め、虐待、暴力。やがて自分の人生に障害となる
者を次々と殺し始めるフジコとひたすら重くダークな展開が続く。
女の嫌な部分を濃密に描き、後味の悪さはこの上ないが、それを圧倒的な
筆力で描くことによって異様な迫力を持つ作品に仕上がっている。
さらにこの作品自体が、とある人物がフジコの生涯を書いた本という
メタ構造になっており、その事が最後の意外な展開に繋がっていく。
伏線を十分に貼っているわけではないので本格ミステリー的な鮮やかさ
には欠けるが、なかなかの衝撃である。
ただし、かなりヘビーな内容なのでこの手の話が苦手なひとにはおすすめ
できない。
388:名無しのオプ
09/02/10 08:03:47 ZLgJiwXl
約束の地 樋口明雄
あらすじ
法で猟を規制され不満を募らせるハンターたち。
密猟でもいいから「害獣」を殺して欲しいと願う農家。
ヒステリックに動物愛護を叫ぶ団体。
親の利害関係が生み出した子供の苛め。
どうせエリートの腰掛け人事、と冷ややかに自分を見る部下。
そして人間を餌にし始めた巨大野生動物。
心の闇が生み出した死亡事件。
そんな四面楚歌の地に、キャリア官僚の七倉は孤独癖のある娘を
ともない野生鳥獣保全管理センターの所長として赴任する。
ネット評まとめ
自然との共存のテーマをはっきりと打ち出し、色々な立場の人間を
描くことによって環境破壊の問題点を多面的にあぶり出していき、
同時に奥深いドラマを展開していく手腕は見事。生活感あふれる
丹念な描写、魅力的な登場人物、野性動物の暴走に殺人事件が
からんで激しく盛り上がる物語と小説としての完成度はきわめて高い。
中でも圧巻なのは化け物じみた強さを誇る野生動物、「稲妻」「三本指」と
猟師との死闘である。
*全体的には絶賛に近い評価だが、詰め込みすぎ、描写がくどすぎという
批評もあり。
389:名無しのオプ
09/02/10 08:07:08 ZLgJiwXl
仮想儀礼 篠田節子
あらすじ
男二人が金儲けのために始めたネット宗教。しかし、信者の抱える闇は、
ビジネスの範疇を超えていた。家族から無視され続けた主婦、愛人として
ホテルで飼われていた少女、実の父と兄から性的虐待を受ける女性・・・。
居場所を失った女たちが集う教団は、次第に狂気に蝕まれてゆく。
ネット評まとめ
上巻は新興宗教の仕組みを丁寧に描き、それを利用して成り上がる
主人公たちサクセスストリー。ユーモアを交えて面白く書けており
一種のハウツー本のような感じだ。下巻は宗教に依存した女たちの心が
壊れていく様をリアルに描いたほとんどホラーな展開。とにかく下巻の
壮絶さは半端ではない。宗教が怖いというより、むしろ人間の心が怖い。
あまりの迫力にページをめくる手がとまらない。
篠田節子の新たな代表作の誕生である。
390:名無しのオプ
09/02/10 08:16:48 ZLgJiwXl
チェーンポイズン 本多 孝好
あらすじ
誰にも求められず、愛されず、歯車以下の会社での日々。簡単に想像できる
定年までの生活は、絶望的な未来そのものだった。死への憧れを募らせる孤独な
女性にかけられた、謎の人物からのささやき。「本当に死ぬ気なら、1年待ちませんか?
1年頑張ったご褒美を差し上げます」それは決して悪い取り引きではないように
思われたが・・・。
ネット評まとめ
死を決意した女性の一年間を追っていく物語と、複数の自殺者の特異な
共通点に気がつき、その真相を調査していく週刊誌記者の物語。
2つの視点から描かれた物語が、次第にシンクロしていくのが本編の見所。
単体で見た場合も、死ぬことしか考えなかった女性がボランティア活動を
通じて生きることについて考えはじめる前者のパートはひとつのドラマとして
充実しており、素晴らしい出来である。その反面、新聞記者のパートは
調査中心でやや単調な印象を抱かされるが、最後にたどり着く真相の意外さは
かなりの衝撃度だ。全体に重い内容だが、救いがあり、さわやかな読後感を
抱かせる良書である。
*最後のオチに驚いたという人が大半だが、オチが読めた、ミステリー的な
な仕掛けは蛇足という人も意外に多い。(その反面、ミステリー仕掛けが
なければイマイチの作品だという人も)
391:名無しのオプ
09/02/10 08:18:10 ZLgJiwXl
無貌伝~双児の子ら~ 望月 守宮
あらすじ
人と“ヒトデナシ”と呼ばれる怪異が共存していた世界―。
名探偵・秋津は、怪盗・無貌によって「顔」を奪われ、失意の日々を
送っていた。しかし彼のもとに、親に捨てられた孤高の少年・望が
突然あらわれ、隠し持った銃を突きつける!そんな二人の前に、
無貌から次の犯行予告が!!狙われたのは鉄道王一族の一人娘、榎木芹―。
次々とまき起こる怪異と連続殺人事件!“ヒトデナシ”に翻弄される望たちが
目にした真実とは。
ネット評まとめ
基本設定がわかりづらく、中だるみも感じられる。
だが、独特の世界観を構築しつつ、謎解きにその荒唐無稽な
『ヒトデナシ』や『無貌』、『匂色』といった設定がきっちり生かされて
いるところは秀逸である。
その反面、事件の真相自体は凡庸でひねりがなく、ミステリーしての完成度
としては高いとは言いがたい。
語り口は面白く、才気は感じられるが、内容には深みが感じられない凡作。
*全体としては漫画っぽいキャラ、設定に魅力を感じる人と浅い、イマイチ
と感じる人の2つに分かれている。
392:名無しのオプ
09/02/10 09:52:48 wG8GHk7A
どうせやるんだったら海外物も紹介してもらえるとありがたいんだが
393:名無しのオプ
09/02/10 14:17:28 ZLgJiwXl
>>392
海外は後回しになりますが、順次まとめていく予定です。
394:名無しのオプ
09/02/10 15:04:54 ZLgJiwXl
女神記 (新・世界の神話) 桐野 夏生
あらすじ
遥か南の海蛇の島、巫女の家に生まれた二人の姉妹。姉は大巫女を継ぎ、
島のために祈り続けた。
妹は与えられた運命に逆らい、島の掟を自ら破った。16歳で死んだ妹は、
地下神殿で黄泉の国の女王イザナミに出逢う。
ネット評まとめ
「古事記」のイザナキとイザナミの物語をベースに描かれた女たちの
執念と愛憎の物語、といういつもの桐野ワールドを神話に置き換えた作品。
しかし、18番のエログロ描写は大幅に抑えられているので割と軽く読む
ことが可能。
神話に置き換えている分、テーマ性はより純化しているとの言えるが、
結局は神に置き換えただけの通俗的な人間ドラマなのでその点では
不満を覚える人がいるかもしれない。
なら現代劇の方がいいという意見もある。
とは言え、女史のストーリーテラーぶりは十分に発揮されており、
彼女の持つ毒も健在で描写も素晴らしいので興味のある人は
読んで損のない作品です。
395:名無しのオプ
09/02/10 15:48:24 ybDd6rWy
相変わらずミスリードバリバリ
396:名無しのオプ
09/02/10 16:06:12 fC+zhX5j
>>393
海外読みなのでそういうのマジ助かる
新刊紹介スレは機能してないし
期待してます!!
397:名無しのオプ
09/02/11 06:31:32 2x0zE7AP
プラスマイナスゼロ 若竹七海
あらすじ
葉崎市シリーズの最新刊。真っ赤な髪の不良少女ユーリ、才色兼備のお嬢様
なのにどこまでも運の悪いテンコ、歩く平均値のミサキの三人娘が海辺の
町・葉崎を駆け抜ける! ドタバタ×学園×青春ミステリー!
ネット評のまとめ
ミステリーとしては、はっきり言って小粒である。この作品集の魅力の
土台はあくまでも凸凹な三人娘のキャラクターに立脚している。
青春ミステリーというより、むしろ青春コメディの方に重点が置かれており、
ハチャメチャな女子高生達の活躍がストレートに気持良いと感じる1冊である。
*若竹ミステリーのブラックな味わいがなくて物足りないという意見と
ドタバタの中にも随所に毒気やブラックな味わいは散りばめられて
いるというふたつの意見あり。
398:名無しのオプ
09/02/11 07:52:18 2x0zE7AP
ジョニー・ザ・ラビット 東山彰良
あらすじ
マフィアのボスに飼われていたが、そのボスが殺されたために逃げ
出して自然界に帰り、孤高の探偵になったウサギのジョニーの話。
ウサギの視点から語られるウサギの世界のハードボイルド
ネット評まとめ
主人公はハードボイルが板についた探偵。でもウサギだけにいつも
発情しており、美人ウサギとみると即その場で押し倒す。本格的な
ハードボイルド小説でありながらウサギの本能に忠実な数々の描写が
上質なバカミスの世界を作り出している。
しかし、本書は決してコミカル一辺倒な作品ではなく、物語の核は
あくまでもシリアス。人になりたいという決して適わぬ夢に正面から
向き合うジョニー。ペットのウサギにしか心を許せないマフィアの悲しみ。
やがて交錯する人間とウサギの生き様。
おかしくてやがて悲しきハードボイルドノワールの傑作。
399:名無しのオプ
09/02/11 14:42:25 2x0zE7AP
警官の紋章 佐々木譲
あらすじ
北海道警察は、洞爺湖サミットのための特別警備結団式を一週間後に控え
ていた。そのさなか、勤務中の警官が拳銃を所持したまま失踪。津久井卓は、
その警官の追跡を命じられた。一方、過去の覚醒剤密輸入おとり捜査に疑惑を
抱き、一人捜査を続ける佐伯宏一。そして結団式に出席する大臣の担当SPと
なった小島百合。それぞれがお互いの任務のために、式典会場に向かうのだが…。
道警シリーズ第3弾。
ネット評まとめ
シリーズ前2作を読んでいることが前提となっているストーリー。
特に1作目の「うたう警官(笑う警官)」はそれ自体が伏線となっているので
本書を読む前には必読である。シリーズの主要キャラクターたちが別々の
任務を遂行していく内にやがてそれが一点に収斂していく過程が緊迫感を
もって描かれていて、その卓越した筆致はさすが佐々木譲である。
1作目の事件がリンクするその構成もシリーズものならではのスケールの
大きさを感じさせる。ただ、それだけに本書単体での評価は難しく、また、
過去シリーズに対する説明的な文章が多くなっているため、テンポを
削がれる面もある。未解決部分が大きいのも人によっては不満を覚える
かもしれない。
とは言え、面白い作品であることは間違いないのでシリーズのファンの方は
迷わず読んでほしい。
400:名無しのオプ
09/02/11 16:36:44 i39W+z2L
どれもつまらなそうだな
401:名無しのオプ
09/02/13 01:49:06 KxYmV6bX
ハーモニー 伊藤計劃
あらすじ
21世紀後半、「大災禍」と呼ばれる世界的な混乱を経て、人類は
医療経済を核にした福祉厚生社会を実現していた。誰もが互いのことを気遣い、
親密に“しなければならない”ユートピア。体内を常時監視する医療分子により
病気はほぼ消滅し、人々は健康を第一とする価値観による社会を形成したのだ。
そんな優しさと倫理が真綿で首を絞めるような世界に抵抗するため、3人の少女は
餓死することを選択した―。それから13年後、医療社会に襲いかかった未曾有の
危機に、かつて自殺を試みて死ねなかった少女、現在は世界保健機構の生命監察
機関に所属する霧慧トァンは、あのときの自殺の試みで唯ひとり死んだはずの
友人の影を見る。これは“人類”の最終局面に立ち会ったふたりの女性の物語
ネット評まとめ
極端な管理社会によって押し付けられた、自由意志なき理想郷・ディストピアを
いたSF作品。
良くあるテーマではあるが本書は単純な管理社会批判の小説ではない。
意識とは何か?人類の幸福のために意識は必要なのかという問題を徹底的に
問い詰めていく。単純な善悪を超えた人間のあり方について深く考えさせら
れる物語だ。そしてその問いに対し、ロジックを突き詰めた末の答えに思わず
慄然とする。この科学的に正しく狂った世界観の構築には目を見張るものがある。
その反面、登場人物はややプロトタイプに感じられ、ドラマ自体もシンプル。
そういう面では食いたりなさを感じるかものしれない。
とは言え、話のスケールは大きく、スパイアクション的演出も盛り込まれ、
エンターテイメント性は十分だ。
おそらくは今年の日本SF小説の中心的存在となる傑作。
402:名無しのオプ
09/02/13 02:53:19 G+kUgtyx
踊るジョーカー 名探偵 音野順の事件簿 北山猛邦
あらすじ
推理作家の白瀬は、とっても気弱な友人・音野順が秘める謎解きの才能を見込んで、
仕事場の一角に探偵事務所を開いた。今日も白瀬は泣き言をいう音野をなだめつつ、
お弁当のおにぎりを持った名探偵を事件現場へ連れてゆく。
引きこもり探偵とその相棒が活躍する連作ミステリー。作者の新境地を感じ
させる、キャラクター小説の一面を持った軽妙な作品である。いわゆる狙った
キャラが多く登場するが、特に音野は名探偵なのに自分の推理に自信がもてず、
クライマックスの推理でもしょっちゅう口ごもるというありえなさ。女性読者
からも可愛い、萌えると好評のようである(読んでいてイライラするという声もあるが)。
一方でミステリー部分も充実。無理矢理感のあるバカミス風味ながらトリックは
よく考えられており、本格ファンにも満足できる出来である。
独自の世界観に大トリックといった従来の作者の特徴は抑えられているが、
その分、気軽に楽しめるミステリーの佳品に仕上がっている。
403:名無しのオプ
09/02/13 04:10:59 G+kUgtyx
ミレニアム1 ドラゴン・タトゥーの女 スティーグ・ラーソン
あらすじ
月刊誌『ミレニアム』の発行責任者ミカエルは、大物実業家ヴェンネルストレムの
違法行為を暴露する記事を発表した。
だが、名誉毀損で有罪になり、彼は『ミレニアム』から離れることになる。
そんな彼に大企業グループの前会長ヘンリック・ヴァンゲルがコンタクトを
取り、兄の孫娘ハリエットがおよそ40年前に失踪した事件の調査を彼に依頼する。
ハリエットはヘンリックの一族が住む孤島で忽然と姿を消していた。
ヘンリックは一族の誰かが殺したものと考えており、事件を解決すれば、
ヴェンネルストレムを破滅させる証拠資料を渡すという。
ミカエルは依頼を受諾し、困難な調査を開始する。
ネット評まとめ
全世界で8百万部突破のスウェーデン発のミステリー。3部作の第1部だが、
今回の話はこの上下巻で完結している。
なんとも豪華絢爛な作品である。孤島という舞台、不可能状況下での失踪事件、
死者からの贈り物、暗号解読、連続殺人、見立て殺人等々、ミステリー趣味が
これでもかと詰め込まれている。さらには社会派ミステリーとしてのテーマが
大きく取り込まれ、ヨーロッパの歴史ミステリーとしての一面もある。
そして何よりドラゴンのタトゥーを持つ女性調査員リスベットのキャラクター造詣が
秀逸で、そのクールな魅力が、この作品の面白さをより一層引き立てている。
とは言え、不満点もいくつか存在する。
主人公のミカエルがヒロインに比べ、存在感が薄いこと、前半にスウェーデン経済の
解説を詰め込みすぎてテンポを悪くしていること、登場人物は数十人に上り、
耳慣れないスウェーデン人の名前が飛び交うので誰が誰か分かりずらいこと。
しかし、そんな欠点は些細なものと思えるぐらいの本書には多くの魅力が詰まっている。
幾重もの入れ子構造による複雑にして精緻な構成、リスベットを始めとして、
深く掘り下げられた登場人物の魅力、そして芯を貫く社会問題への意識の高さ、
批判精神。様々な要素を緻密に組み合わせ、第一級のエンターテインメントに
仕上げた作者の力量には脱帽するしかない。
*そこまで凄い作品ではない、なんでこんなに絶賛されているか分からないという意見も何点かあり。
404:名無しのオプ
09/02/13 04:35:37 G+kUgtyx
まいなす 太田忠司
あらすじ
那須舞。通称まいなす。中学生の舞は不愉快なニックネームに苦しみながらも、
意地を貫き通す毎日だ。そんなある日、同級生の茅香に頼まれて仕方なく
乳母山に登った舞は、学校内の有名人・立岡先輩が倒れているのを発見する。
やがて、病院で意識を取り戻した立岡が橋の崩落を予知、実際に橋が崩落の
危機にあることが判明すると町は大騒ぎ。さらに立岡が、中学校の女子生徒が
襲われると予言したため、学校はパニック状態に…。
ネット評まとめ
青春小説の意味合いの強い作品でミステリー要素はヒロインの成長物語を
盛り上げる演出のような位置づけである。
ミステリーの部分に期待すると肩透かしをくらう。
はっきり言ってがっかりレベル。
しかし、この作品の核になっているのはひたむきなヒロインの瑞々しい
魅力であり、思春期特有の痛々しさや窮屈さと向き合って成長していく姿だ。
「ミステリーYA!」というレーベルにふさわしい同年代の読者におすすめの
作品である。
*周りの脇役が非常識な人たちばかりで、特に同級生の茅香にはイライラさせ
られたという意見が複数あり。その反面、そのわがままぶりが可愛いという声も。
405:名無しのオプ
09/02/13 15:08:00 KxYmV6bX
豪華客船エリス号の大冒険 山口芳宏
あらすじ
荒城の探偵事務所に届けられた、伝説の犯罪者・夜叉姫からの挑戦状。
それはヨーロッパへと向かう、豪華客船エリス号の乗船チケットだった。
船上で勃発する連続殺人、次々と発見される夜叉姫からの挑発的メッセージ。
荒城、真野原、そして殿島は、夜叉姫の正体とその目的を、暴くことが
できるのか。探偵たちが豪華客船上で繰り広げる新感覚の推理活劇。
ネット評まとめ
ルパンやホームズのような古き良き時代の冒険推理活劇といった作風。
まったくと言っていいほどリアリティはないし、トリックもバカミスっぽい。
その点に不満を覚える読者はいるだろうし、事件が陰惨なのも好みが分かれる
所だろうか。
でも終始、勢いがあってキャラの魅力が際立っている。
馬鹿馬鹿しいにもほどがあるという展開が逆に楽しい。
肩の力を抜いて楽しめる娯楽作である。
406:名無しのオプ
09/02/13 15:11:24 G+kUgtyx
暗黒街の女 ミーガン アボット
あらすじ
貧しい娘だったわたしは、ビジネススクールに通いながら怪しげなクラブで
経理の仕事をしていた。そんなある日、わたしの前にグロリアという女性が
現れた。エレガントな衣服を身にまとった彼女はギャングの幹部で、
暗黒街で一目置かれる存在だった。何が気に入ったのか、彼女はわたしに
仕事を手伝わせ始めた。わたしは賭博、運び屋などの仕事をこなして報酬を
受け、彼女の信頼を勝ち取って、裏社会でしだいに顔を知られていく。
が、ろくでなしのギャンブラーに心を奪われてしまい、大きく運命が
変わることに…。
情感豊かに描くノワールの逸品。MWA賞、バリー賞最優秀ペイパーバック賞受賞作。
ネット評まとめ
若い女が裏社会でのし上がろうとする姿、不安におののく姿が主人公の
一人称でテンポよく描かれている。
何よりもグロリアの描写が魅力的。エレガントでいながら、非情な暗黒街の
女としての存在感が際立っている。また、ダメ男に惚れて身持ちを崩していく
主人公のバカ女ぶりの描写も上手い。物語はギャングの世界を舞台にしながら、
あくまでも狭い人間関係の中での男女のどろどろした愛憎劇を主眼としており、
いかにも女流らしい作風である。
407:名無しのオプ
09/02/14 05:39:51 9HLGBoKG
メアリー‐ケイト ドゥエイン スウィアジンスキー
あらすじ
毒を盛ったから、あなた十時間後に死ぬわ。
バーで飲んでいたジャックは、隣の席に座った美女の言葉に耳を疑った。
さらに、解毒剤がほしければいうことをきけと言い、奇妙奇天烈な要求を
してくる。片時も離れず、女がトイレに行く時も一緒についてこいというのだ。
やがてムラムラしたジャックは彼女に襲いかかってしまう。そんな馬鹿なことを
している間に悲劇は着々と進行し…。
ネット評まとめ1
10時間というきわめて限定された時間の中で物語がスピーディに展開して
いくノンストップサスペンス。時としてシニカルな笑いを織り交ぜ、バイオレンス、
謀略、エロチック、SF等の盛りだくさんの要素をごった煮して詰め込み、まさか
というような無茶な設定を力技でねじ込んでいく。
これぞオフビートの極北。
ネット評まとめ2
上記のあらすじをよく読んでください。嘘は書いていません。
書いてはいないのですが、ある大事な事を書いていないために、
実際の内容と恐ろしく乖離したものになっています。何を書いて
いないのかはネタバレになるので言えません。とにかく100ページも
読まないうちにとんでもない衝撃に襲われます。
イロモノ好きにはたまらない逸品です。
これぞ世界のバカミス.
408:名無しのオプ
09/02/14 06:09:55 0DLohzgh
レッド・マスカラの秋 永井するみ
あらすじ
ティーン向けのファッションショー、東京ガールズフェスティバルは、
トレンドに敏感な女の子たちで大盛況。私は、三浦凪、17歳。ファッションに
興味がないわけじゃないけど、今日ここに来たのは、モデルの友人、ミリの
晴れ姿を見るため。ランウエイを颯爽と歩くミリはレッド・マスカラを塗った
アイメイクも印象的で、文句なくカッコよかった。でもその舞台裏は、彼女が
勧めたマスカラのせいで、まぶたが腫れたモデルがいるという噂で持ちきり。
あんなに仕事に情熱とプライドを持っていたミリが、モデルを辞めようとまで
思いつめている。マスカラに問題があるのか、モデル仲間の嫉妬なのか?
ミリには胸を張ってランウエイに立ってほしい。私は調査に乗り出す決心をした。
ネット評まとめ
なにより人物造詣に優れた作品である。登場人物はみな個性豊かに描かれ、
若者らしい爽やかな喜怒哀楽、青春の躍動に満ちている。そしてその裏に
秘めた将来に対する不安、青春の影といったものを実にうまくすくい
あげている。話もファッション界を扱って華やかで、テンポがよく、
すらすらと読めるがややご都合主義なのが残念。
ミステリーとしては小粒で物足りない部分もあるが、エンターテイメント
として十分に楽しめる作品である。
409:名無しのオプ
09/02/15 14:49:43 5/QYDxKh
ポジオリ教授の冒険 T S ストリブリング
あらすじ
名探偵ポジオリ教授が帰ってきた! 姿なき脅迫者に怯える男に助けを
求められたポジオリが超自然的な怪事件に遭遇する「つきまとう影」、
失踪した女性が残した一枚の写真から意外な真相を解き明かす「尾行」
など全9篇。
ネット評まとめ
ポジオリ教授シリーズはこのミス'98で6位選出の1期作品集「カリブ海の手がかり」
と現在絶版状態の3期作品集「ポジオリ教授の事件簿」が紹介済みですが、
これはその中間期にあたる第2期作品集です。「カリブ海の手がかり」では
名探偵ポジションであるポジオリ教授の推理が真相のほんの一部しか明らかに
しておらず、最後にはその背景にあるもっと異様な事実に直面するという、
従来の名探偵=神のごとき存在といった図式のアンチテーゼが魅力でした。
また、名探偵の異文化交流という趣向の面白さもありました。それに比べると
本作はずいぶん普通の名探偵ものに近づいています。
とは言え、典型的な本格ミステリーと比べるとそれでもかなり異色ではありますし、
眩暈のするような結末の「つきまとう影」や結末にいたるまでの仕掛けが素晴らしい
「尾行」など上質な作品が揃っています。「カリブ海の手がかり」を読んで過剰な
期待をしなければ十分に楽しめる作品集だと思います。
410:名無しのオプ
09/02/15 15:19:14 5/QYDxKh
虎の首 ポール・アルテ
あらすじ
フランスでの休暇から戻ったツイスト博士を出迎えたのは、事件捜査で
疲れきったハースト警部だった。郊外のレドンナム村で、次いでロンドンで、
切断された女性の手足がスーツケースに詰められて発見されたのだ。警部の
依頼を待つまでもなく事件に興味を抱いた博士。だが、自分のスーツケースを
開いたとたん、顔色が変わった。
いっぽう、事件の発端となったレドンナム村では奇怪な密室殺人が起きていた。
インド帰りの元軍人が密室で殴殺されたのだ。犯人は、インドから持ち帰った
杖に住む魔神だというのだが…。
ネット評まとめ
フランスのディクスン・カーことポール・アルテの1991年発表作品。
次々に発見される女性のバラバラ死体の入ったトランク、目撃者の前から
忽然と姿を消す犯人、意味不明なものばかりが連続して盗まれる事件、
そして魔神による密室殺人。
魅力的な謎をこれでもかというほどばら撒かれている。また、事件のパートと
平行し、事件以前の過去に遡って描かれている、レドンナ村の人間模様も
クリスティ風味で魅力的。
さらに複雑なプロットや伏線を端正にまとめていく手腕も巧みでこれはなかなかの
傑作ではないかという感じなのだが、惜しむらくは真相が地味。
トリックも巧妙ではあるが小粒で、派手な前振りに比べてどうもバランスが悪い。
結局、ポール・アルテの作品としては中位ぐらいの出来ではないだろうか。
411:名無しのオプ
09/02/15 17:57:17 0IkwMjpK
>>409
×カリブ海の手がかり
○カリブ諸島の手がかり
412:名無しのオプ
09/02/16 05:55:12 IO7HOdit
あらすじ
人口わずか二百数十人の小さな島。
信之は、その島で一番美しい美花と体を重ねることに夢中な14歳。
そんなふたりについてまわる、父親に殴られている可愛そうな輔(たすく)。
ある夜、津波が島を飲み込み、すべてが消えた。
生き残った3人はある秘密を抱えたまま、島を離れる。
それから20年後、それぞれ別の場所で生きていたはずの
彼らの運命の歯車が軋み、そして再び近づいていく・・・。
ネットレビューまとめ
純文学とミステリーの中間的な作品である。
二十年前に起こったことに対する謎や次々と視点を変えて展開していく物語が
次第に繋がっていく構成などはいかにもミステリー的だ。
だが、そうした要素はあくまでも副次的なものにすぎない。
この作品の中に一貫して流れる主題は「暴力」である。
暴力の形はさまざまだ。天災、人為的な暴力、精神的な暴力。そして暴力に
対抗するための暴力。ここにあるのは果てしない暴力の連鎖である。
一見、平凡に見えて性格破綻者ぞろいの登場人物。安易に共感できそうな人物は
誰もいない。
最初から最後まで空気が重く、息が詰まりそうだ。それでも読む手が止まら
ないのは一重に作者の力量である。
ラスト、一筋の光が射しているように見えてなお、それが希望の光とは
思えない異様な感覚にゾクゾクとする。
これまで青春小説のイメージが強かった三浦しをんが描く、絶望に満ちた異色傑作。
*無理に今まで違うものを狙っている。上辺だけで真に迫るものがない等と
いう意見も数点あり。
413:名無しのオプ
09/02/16 05:56:32 /ztlMP77
>>412
光 三浦しをん
414:名無しのオプ
09/02/16 06:21:23 /ztlMP77
チャーリー・チャン最後の事件 E.D. ビガーズ
あらすじ
サンフランシスコの屋敷で、オペラ歌手である美しい女性と四人の男が一堂に
会した。四人の男は全員がその女性の別れた夫。それぞれの思惑が交錯するなか、
突然その女性が殺害される。ある調査で屋敷に招かれていたホノルル警察の
チャーリー・チャン警視が捜査にあたる。
ネットレビューまとめ
中国系アメリカ人探偵の活躍を描く、チャーリ・チャンシリーズの中で
これまで唯一の未邦訳だった1932年の作品。
当時、大衆に人気だったシリーズだけあって読みやすく、謎解きとしても
それなりにまとまってはいるが、さすがに古臭さはいなめない。
ミステリーとしては同時代作家のヴァン・ダインやエラリー・クインより
むしろ後退している印象を受ける。
決してつまらないというわけではないのだが、歴史的価値以上のものを
見出すのも難しい。
そんな作品である。
415:名無しのオプ
09/02/18 03:28:42 4ZbUIQA9
覇王の番人 真保裕一
あらすじ
斎藤道三に仕える明智光秀は、城を追われて流浪の時を過ごす。
流れ着いた越前に、将軍を目指す足利義秋が逃げ落ちてきた。
戦乱の世を嘆く光秀は、幕府を支える細川藤孝とともに、
尾張の英傑・織田信長の担ぎ出しへと奔走する。さらには、その信長を
親の敵として恨む若い忍び―小平太。
天下統一へ向けて、時代が大きく動き出す。
ネット評まとめ
信長を悪、光秀を善の観点から描いた真保裕一初の歴史小説。
当時の言葉が多用され、筆がやや固い印象もあって、序盤の内は読みにくい印象が
あるが、読み進める内に徐々に面白くなっていく。
長い割りに盛り上がりに欠けるとの意見もあるが、真保裕一ならではの綿密な
取材に基づく歴史描写は読み応え十分。
主人公の光秀を始めとして秀吉や悪役の信長さえ実に魅力的に描かれている。
オリジナルキャラの忍者・小平太のパートが本筋と交互に挿入されるのも
物語が単調にならないためのいいアクセントとなっている。
ただ、本能寺の変がクライマックスではなく、通過点にすぎないことやその後の
展開は賛否が分かれるところだろう。
また、信長暗殺の動機にさほど独創性がないという感がないではない。
しかし、少なくともこの作品が歴史小説の力作であることは間違い事実である。
416:名無しのオプ
09/02/18 04:05:48 4ZbUIQA9
天外消失 クレイトン・ロースン、ジョルジュ・シムノン他
あらすじ
かつて〈世界ミステリ全集〉の最終巻として刊行された『37の短篇』は、
古典風のパズラー作品から、ハードボイルド、クライムストーリーに
いたるまで、傑作中の傑作を結集した画期的アンソロジーだった。
35年の時を経て、その精髄がここに復活。
密室不可能犯罪の極致ともいわれる、クレイトン・ロースンの
「天外消失」をはじめ、ブレット・ハリデイの名作「死刑前夜」、
メグレ警部登場のジョルジュ・シムノン「殺し屋」、スパイ小説の
巨匠アンブラーの本格ミステリ「エメラルド色の空」など多士済々の
十四篇を収録!
ネット評まとめ
『37の短篇』の内、現在入手困難な14作を収録したアンソロジー。
全体的に古めかしい感はいなめないがさすがに傑作ぞろい。
人間消失トリックの名作『天外消失』、ターザンが探偵役の『ジャングル探偵ターザン』
実験的な叙述で読者の恐怖を煽る『後ろを見るな』、至高のリドルストーリー『女か虎か』
幽霊探偵ものの嚆矢『探偵作家は天国へ行ける』などバラエティに富んだセレクションが
楽しい。
417:名無しのオプ
09/02/18 05:22:28 u4d3MNTg
アインシュタイン・セオリー アルパート マーク
あらすじ
科学史学者デイヴィッドの平穏な日々は、突然終わりを告げた。
恩師の物理学者が何者かに襲撃され、謎の数字を言い残して死んだのだ。
実はその数字は、アインシュタインが封印した、究極の真理「統一場理論」への
鍵だった。理論が悪の手に渡れば、世界の破滅は避けられない。
FBIや冷酷非情なロシア人傭兵に狙われたデイヴィッドは、女性物理学者モニークと
決死の逃亡を図る!
ネット評まとめ
難解なアインシュタインの理論が話のベースになっていますが、作者は
サイエンスライター出身というだけあって、その辺りは分かりやすく
噛み砕いて説明されています。
ストーリーは強大な敵に追われる主人公というサスペンスのものの王道で
スピーディでスリリングな展開で読者を一気に物語の世界に引き込みます。
エンターテイメントとしてはかなり良質な部類でしょう。
しかし、良くも悪くもハリウッド映画的な作品であらゆる部分が王道的
すぎて深みがありません。
結末部分もどちらかというと陳腐で余韻に欠けます。
暇つぶしには最適ですが、何度も読み返したくなる類の小説ではありません。
418:名無しのオプ
09/02/18 23:27:15 7HMt2YB6
ありません
419:名無しのオプ
09/02/19 04:05:27 ehvu2e7g
審判 ディック フランシス
あらすじ
弁護士のジェフリイ・メイスンは、法律事務所に勤務しつつ、
休日はレースに出場するアマチュア騎手。
ある日、トップ・ジョッキーのバーロウが干草用のピッチフォークで
串刺しにされるというショッキングな殺人事件が起き、
ライバル騎手のミッチェルが逮捕された。あくまでも濡れ衣を主張する
ミッチェルだったが、被害者と犬猿の仲であったことは周知の事実で、
凶器が本人のものであったこと、被害者の携帯電話に彼の名前で脅迫メールが
送られていたことなど不利な状況証拠も揃っていた。
騎手仲間であるメイスンは弁護を依頼されるが、
その直後から「弁護を引き受けてわざと負けろ」という奇妙な脅迫の
電話やメールが届き始める。
恐怖と職業倫理の間で揺れ動くメイスン。
ネット評まとめ
ディック・フランシス88歳の作品。
実際の執筆は、息子のフェリックス フランシスが行っているようで
そのためシリーズのファンからすれば、主人公に漢気が足りないとか
最後にとった行動が納得いかないだとか不満点はいくつかある。
だが、その一方で迫力の競馬シーン、手に汗握る法廷サスペンスと
見せ場は盛り沢山だ。
さすがに全盛期の代表作と比べると完成度は一歩ゆずるが
その面白さは一級品である。
420:名無しのオプ
09/02/21 13:44:10 TCd/Zhm+
1位イニシエーション・ラブ 乾くるみ
2位容疑者Xの献身 東野圭吾
3位殺人鬼 綾辻行人
4位クラインの壺 岡嶋二人
今まで読んだ中でおもしろかった4冊です。ほかの小説はダメだった。
421:名無しのオプ
09/02/21 16:37:28 9w7xC2h+
>>420
◆◆◆マイベスト5 作品編2◆◆◆
スレリンク(mystery板)
422:名無しのオプ
09/02/26 18:25:27 1kmAiOcv
鬼の跫音 道尾 秀介
あらすじ
ミステリー、ホラー、幻想小説のテイストを取り込みながら
おぞましい犯罪を描いた著者初の短編集。
ネット評まとめ
六つの短編に必ず出てくるSという男。それぞれ別人なのだが同じ
呼称でくくることでそれぞれが連作短編の色を強め、作品の底に流れる
不気味さをより強固なものにしている。
大げさな血まみれの恐怖ではなく、ひたひたと背後から忍び寄る恐怖が
たまらない。
「人の心に潜む鬼」を巧みに描き、また著者ならではの小技も光る好短編集だ。
ただし、著者十八番の騙しのテクニックは本作では控え目なのでミステリー
としての過度の期待は禁物である。
*「驚愕の傑作」「すごく怖い」など絶賛の声が挙がる一方で、少数ながら
「うまいが深みはない」「可もなく不可もなく」などの意見も。
個別作品では時系列を逆にして最後の衝撃へと至る「冬の鬼」、ホラーと
ミステリーのダブルスタンダードを効果的に用いた「悪意の顔」が特に
好評のようである。
423:名無しのオプ
09/02/27 07:55:02 hDqL18r+
ブラザー・サン シスター・ムーン 恩田陸
あらすじ
町に出かけて、住民から聞き取り調査をするという奇妙な高校の授業で
知り合った3人。
小説好きの楡崎、ジャズ好きの戸崎、映画好きの箱崎。
彼らは空から蛇がふってくるのを目撃する
水路に落ちた蛇は、絡まりあうように数匹で泳いでいたが、やがてバラバラに
なって、違うところを目指して泳いでいく。
彼らはやがて同じ大学に進む。
親元を離れて暮らす3人は、大学生活の最初の頃、時々あっていたが、
しだいに自分たちの道を歩き出していく…。
ネット評まとめ
おそらくは恩田陸自身の青春時代を投影した作品。
ドラマッチックな展開はほとんどなく、3人の主人公がそれぞれの道を
歩みだすまでが淡々と描かれている。ストーリーと呼べるものすら
はっきり言ってない。
そのため、「独特の空気に引きこまれた」「なにげない台詞に考えさせられる」
といった肯定的な意見がある一方で「盛り上がらず退屈」「さらりと流れすぎて
何も残らない」など否定的な意見も少なくない。
大きく賛否の分かれる作品である。
424:名無しのオプ
09/02/27 08:29:49 EN6I12Ma
たまさか人形堂物語 津原 泰水
あらすじ
人形の修理店を経営する澪は、人形にマニアックな知識と愛情を持ち、
とかくマイペースに生きる青年富永君と、素性が謎に包まれた腕の良い
職人の師村さんとともに、壊れたテディベアや持ち主そっくりな人形、
チェコの人形遣いなどに微妙に潜められた謎に挑む。
ネット評まとめ
ラノベっぽいキャラ設定に切れ味のいい会話。事件には多少の狂気を
含みながらも全体としてほのぼのとした空気。
人形のうんちくも興味深く、現実とファンタジーが同居しているような
不思議な雰囲気は著者ならでは。
口当たり軽く、それでいて奥深い味のする一級の連作ミステリーです。
425:名無しのオプ
09/02/27 14:27:46 EN6I12Ma
呪眼連鎖 桂修司
あらすじ
受刑者の自殺が相次いだ北海道・北見刑務所。自殺を不審に思った遺族から
調査依頼を受けた弁護士の伊崎晋介は、独房を視察中に意識を失ってしまう。
原因の分らぬまま逃げるように東京に戻った伊崎の右眼には、不思議な影が
浮かび上がるようになっていた。鎖で繋がれた死体、サーベルを持った男、
眼に映る黒い影…。現代と過去がリンクし、伊崎たちに“呪い”が猛威を
振るい始める。事件のカギは、明治維新後の北海道開拓の歴史にあった。
第6回『このミステリーがすごい!』大賞優秀賞受賞作。
ネット評まとめ
あまり知られていない北海道開拓の暗黒史、囚人強制労働に光を当て、
そのあまりにも過酷な労働条件の中で生き、死んでいく人々を描いた
過去パートが素晴らしい。文章は少し硬いが読み応えは十分で
これだけでひとつの物語として成立するのではないかと思えるほどだ。
ただ、それに比べて現代パートがいかにも印象が薄い。
まず、主人公に魅力が乏しいし、肝心のホラーとしての部分にほとんど怖さを
感じない。結末もイマイチだ。
捨てがたい魅力はあるがホラーやミステリーとしては凡作といわざるを得ない
だろう。
426:名無しのオプ
09/03/14 21:42:53 oaPHtN3X
賛否両論となっている
427:一ヶ月ぶりにアク禁解除
09/03/27 08:36:54 REDGVEgX
神器―軍艦「橿原」殺人事件 奥泉 光
あらすじ
昭和20年、探偵小説好きの石目鋭二上等水兵が乗艦した軽巡洋艦「橿原」には、
当初より不穏な空気が漂っていた。吊り床に休業札を下げて横たわる男が
漏らした、艦底には潜水服を着た天皇陛下がつかまっている、という奇怪な話。
艦内に広がる幽霊話。そして5番倉庫付近で立て続けに起こったという変死事件。
やがて異例の第一艦隊編入となった橿原の担う「特別の使命」とは何なのか。
艦に乗り込んできた正体不明の客人たちは、陸軍関係者かあるいは民間人か。
謎をはらんだまま航行する橿原のその腹中には何かが潜んでいる。
爆発的に増え続ける鼠たち。ドッペルゲンガー、自殺者、行方不明者。
徐々に狂い始める橿原の中で石目が体験することになるのは・・。
ネット評まとめ
途中まではミステリー好きの水兵の視点から描いた軍記ミステリーと言った
赴きなのだが、次第に狂気とカオスに包まれ、終盤になってくると
あまりの展開にミステリー的な謎などもはやどうでもよくなってしまう。
ユーモアと狂気をひとつの物語に混在させ、ドッペルゲンガー、龍、
七色光線、鼠、衆道、さまざまな推理小説への言及、天皇陛下の贋物、
伊勢神宮、ムー大陸、タカマガハラと思いつく限りのネタを押し込み、
ミステリー、SFで怪談、純文学、メタフィクションと、あらゆるジャンルを
内含した豊饒と混沌の一大スペクタクル。
奇才ここに極まりといった天才の書だが、普通のミステリーを期待していた
読者は呆然とするしかないだろう。
激しく読者を選ぶ傑作である。
428:名無しのオプ
09/03/27 09:13:36 REDGVEgX
川は静かに流れ ジョン・ハート
あらすじ
殺人の濡れ衣を着せられ故郷を追われたアダム。苦境に陥った親友のために
数年ぶりに川辺の町に戻ったが、待ち受けていたのは自分を勘当した父、
不機嫌な昔の恋人、そして新たなる殺人事件だった。
アメリカ探偵作家クラブ賞最優秀長篇賞受賞作。
ネット評まとめ
ミステリーとしては特にほめるところはない。後半は失速感すら感じる。
だがミステリーとしての謎はこの作品の表層にすぎず、その核になるのは
家族そして父子の物語である。
この描写が実にうまく、台詞やその心情にぐいぐいと引き込まれる。
嘘・憎悪・愛という要素が複雑に絡み合う構成も見事だ。
また、アメリカの農村の風景やその住む人たちを瑞々しく描き、その対比として
の権力者や悪役のアクの強さも物語のアクセントとなって、最後まで飽きる
ことなく読むことができる。
簡潔な文章の中に切なさを湛えた哀愁漂う傑作。
429:名無しのオプ
09/03/27 09:52:36 REDGVEgX
宮部みゆき 英雄の書
あらすじ
ある日、小学五年生の友理子の周囲から、当たり前と思っていたものが、
みんな消えてしまった。中学二年生の兄・大樹が、クラスの男子生徒を
ナイフで刺し、行方不明になったのだ。
成績優秀でスポーツ万能で人気者のお兄ちゃんが、なぜ―。そんなとき、
友理子は大樹の部屋にあった赤い本の声を聞く。
大樹はあらゆる物語の源泉がある“無名の地”に封じ込められていた“英雄”を
召喚したのだという。
友理子は最愛の兄を追うため、物語の世界へと向かう。
ネット評まとめ
いじめや10代の犯罪といった現実の問題をからめて物語の暗黒面を
暴き出すアンチファンタジー小説。
宮部みゆきの筆力でそれなりに読ませるのだが、世界観の説明に
手間取ってテンポが悪い印象を受ける。
結果、世界観自体は魅力的でも物語としての盛り上がりに欠け、
ラストも中途半端。
ヒロインもステレオタイプの小学生で、その割には思考が妙に大人びた
りしていてバランスが悪い。
子度向けのような内容なのにやたらと難解な用語が頻発するのも疑問が
残る。
ラストで泣いた、世界観が深いなどの肯定的な意見もあるが宮部みゆきの
作品としては全体的に低調な評価の目立つ作品である。