08/05/12 10:02:45 cHRtuu4q
どんでん返し=本格という発想
740:名無しのオプ
08/05/12 13:21:43 XkwUILWV
どんでん返しだけで小説が評価されるわけじゃないからなあ。
>>737の理屈だとカラマーゾフの兄弟も『この程度の謎解きなんて国内ミステリならざらにある。
こんなんでロシアでは文豪扱いなの?』ってことも言えてしまうわな。
741:名無しのオプ
08/05/12 21:54:21 fNNczPJt
>>739
どんでん返しの巧拙だけで作品を評価するのは本格ファンが多いけどな
742:名無しのオプ
08/05/13 22:03:00 9vERRO4o
現代海外ものを読むと
日本はミステリ先進国だなァと思う
743:読後感 ◆VkkhTVc0Ug
08/05/14 11:25:46 WEXdrdwJ
「査問」ディック・フランシス(早川書房)
大方の予想を裏切りレースで2着になったケリイは八百長の疑いを
かけられ査問会で免許停止処分を受けてしまう。何故か自らに不利な
証言や証拠が次々と現れたのだ。納得の行かないケリイは
不信と軽蔑の眼差しに耐えながら自分を陥れた人物を突き止めようとする。
これも前回の「度胸」と同じく「興奮」の系譜に連なる正統な
ディスられもの。査問会のシーンなんか良い感じに煽ってくれます。
そして巻き返しが始まるわけですが、段々と復讐が尻すぼみに
なっていくのは少し残念かなあ。敵の情状を酌量しちゃうとどうもね。
でもやっぱり主人公はカッコイイす。
しかし競馬界ってやなとこだなあ。特に馬主とはあんまりお友達に
なりたくないや。
744:名無しのオプ
08/05/15 23:09:45 1XqTGOyW
>>742
本格・変格モノに限ればそうかもね。特に変格は。
ハードボイルドやノワールとかエスピオナージュだとつらいけど。
ただ女性作家の本格はイギリスに負けてるな。
745:名無しのオプ
08/05/16 20:20:12 TVy24JI9
あんなやつらに勝てるかよw
746:読後感 ◆VkkhTVc0Ug
08/05/16 21:04:42 jqYvZv5o
「ランドルフ・メイスンと7つの罪」メルヴィル・ディヴィスン・ポースト(長崎出版)
弱気を助け悪事を奨める弁護士の暗躍を描く連作短編集。
いやぁ待ってました! どう凄いのか読みたかった。確かに狙いは面白い。
話のパターンとしては、悪人というより心の弱い人に泣きつかれた
メイスンが法の抜け穴を潜れる悪事を紹介してやるというもの。
冒頭の「罪体」は模倣犯が頻発して法改正に繋がったくらいと聞いて
楽しみに読んだだが、感想は絵空事だなという印象。このやり方によって
刑事は免れても民事で損害賠償されたり、罪名を切り換えて
逮捕されたりしそうだし、そもそもこんなにきっちり法律は
運用されて行かないよ。キムラ弁護士に読ませたら何ていうかな。
しかしアブナー伯父と対決したらどっちが勝つかな。あの人あんま
法律に忠実じゃなさそうだが。
747:読後感 ◆VkkhTVc0Ug
08/05/18 15:01:51 eanEIt63
「ロジャー・シェリンガムとヴェインの謎」アントニイ・バークリー(晶文社)
従弟のアントニイと休暇旅行を楽しんでいたシェリンガムは
急遽新聞社の特派員としてある事件現場に赴くこととなった。
ある女性が崖から転落したのだが、その手には他人の服のボタンが
握り締められていたのだ。単純に見えても裏があると睨むシェリンガムは
ヤードの腕利きモーズビー警部とある時は協力しある時は競いながら
真相を暴き出そうとする。
第3弾。頭は切れるが補正はかかってない探偵と、優秀な警官と、
お約束の騎士道精神に骨の髄まで毒された助手が
事件を蚕食していくと、そこには捻れが産まれ歪みが産まれ面白くなる。
やっぱバークリーはブルースより凝ってるね。良いのう。
でも、指紋調べりゃ解るんじゃないか?
748:書斎魔神 ◆AhysOwpt/w
08/05/18 17:18:09 xG/PLxMd
W・H・ホジスン「幽霊狩人カーナッキの事件簿」を読んだ。
勘違いして「おれだけのナッキーキター!!」とか絶叫したアホなミステリオタもいるかも、
ナッキーにあらずカーナッキである(w
全10編を読破した感は、天才ラブクラフトとの差を痛感した、というのが正直なところか。
ゴースト・ハンターものに限定しても、レ・ファニュ、ブラックウッドにも遠く及ばず、
低評価のクインとどっこいどっこいといったところか(どちらも独自の読み難さがある。
ホジスンはくど過ぎる感がある情景描写、クインはレトリックを多用した文体)
収録作品中、格別推すべきものは見当たらないものの、
カーナッキがママンと同居していた頃の怪異談「角屋敷の怪」は、
リットン卿の古典を想起させるオーソドックスな設定と展開なので、怪奇小説好きは一読してみても
よかろうかと思う。
海洋怪談の名手というイメージがあっただけに、カーナッキが最後にトンデモ理論こねまくりな
「魔海の恐怖」には失望、同様にホジスン版「エクソシスト」という感がある「異次元の豚」には
さらにパワーアップした同様な欠点があるため、「笑い」狙いでない限り読むのが厳しいものが
あろうかと思う。実質的にシリーズのとう尾を飾るべき作で、これはなかろう。