『読みました』報告・海外編Part.3at MYSTERY
『読みました』報告・海外編Part.3 - 暇つぶし2ch683:書斎魔神 ◆vVXVsEKCZ.
08/02/09 18:22:15 3125sX7L
アントニイ・ギルバート『薪小屋の秘密』を読んだ。
ヒッチにより映画化(ただし、大幅に脚色)もされたフランシスの古典を想起させる青髭もの、
幽霊話も絡ませた怪奇探偵小説風の設定が期待を持たせるが、正直言うて期待外れな作、
97年の刊行だが、この後、この著者の作品翻訳が途絶えたのは致し方あるまい。
特に作者にはサスペンス盛り上げの意図があったのであろうが、
終盤の「ひっかけ」は今時は安手のテレビドラマでもやらないネタであり、がっかりさせられること
この上ないものがあった。
茶色尽くめな弁護士探偵クルックは類が無い面白く個性的なキャラだし、
アガサ・クリスティ(ヒロインの名もアガサ)の名が出たり、おなじみシャーロックの格言(?)が
出て来たりとお遊びも楽しめる面はあるのだが、いかんせんメーンとなる謎が小粒過ぎる感があり、
これで邦訳300頁以上を繋ぐのはきついものがある。
250頁前後(邦訳換算)で収めれば、もう少しシャープなサスペンス・ミステリとして楽しめるものと
なったかと思う。
ヒロイン像(孤独な中年女性)をはじめ、ロンドンのハイアウォサ・クラブの面々、
バディス荘の住人、そして家政婦ミセス・ハート等の登場する女性たちの姿が活写されている点を
評価する手もあるが、(つまりミステリにしては「人間」が書けているということ。あくまでミステリに
してはということだが・・・)、くどい性格描写がミステリとしてテンポを阻害している恨みもある。


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