『読みました』報告・海外編Part.3at MYSTERY
『読みました』報告・海外編Part.3 - 暇つぶし2ch668:書斎魔神 ◆AhysOwpt/w
08/01/19 14:00:20 rbKU2/9L
シーバリー・クイン『グランダンの怪奇事件簿』を読んだ。
ワセミスの仁賀克雄氏(昔から怪奇・幻想作品のアンソロジスとしても著名)が
監修するコレクションの1冊、名探偵に相当するキャラは登場するとはいえ、
実態は怪奇小説そのもの、この板で紹介するのが少し躊躇されるぐらいである。
獣人、吸血鬼、悪魔、ルー・ガルー・・・全て怪奇は怪奇のまま描かれ、そして解決される。
これは掲載誌がWTゆえ、当然といえば当然か。
今読むと、漫画的な作が多く(「死人の手」「ウォーバーグ・タンタヴァルの悪戯」などは
笑うしかないような展開の典型と言い得る)、
この点では、少年誌のホラー漫画を愛読しているような輩には最適な読物と言えるやもしれぬ。
探偵役の仏人ジュール・ド・グランダン(医師・大学教授そしてファントム・ファイター)は、
ポワロもどきに会話にフランス語をまじえる(この部分の訳は読み難く、ストーリーの勢いを殺ぐ
というデメリットあり)ファンキーなオヤジ、暗く、重くなりがちな物語群の救いになってはいる。
なお、著者略歴を見ると、ワシントン生まれ、ワシントン国立大学(現 ジョージ・ワシントン大学)
ロースクール卒の弁護士、第1次大戦に従軍後、葬儀社の法律顧問、業界誌編集、法医学教授
を勤めるとある。オカルトに関する薀蓄に学識を感じさせる部分があるとはいえ、
学歴、キャリア共に十分に地元の名士と言うてよい人物がこんな漫画ちっくな作を書いていた
というのにも驚いた。


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