『読みました』報告・海外編Part.3at MYSTERY
『読みました』報告・海外編Part.3 - 暇つぶし2ch506:書斎魔神 ◆qGkOQLdVas
07/09/23 10:59:09 6GgopRoo
小鷹氏の「私のハードボイルド」を読んだ余韻抜け切らず、
書斎からジェイムズ・クラムリー「酔いどれの誇り」文庫版を抜き出し、久々の再読。
正直言うて、この作品の良さは刊行当時は今ひとつわからず読了した記憶がある。
主人公の探偵ミロドラゴヴィッチを
当時のHMC顧問ミスターX氏が「汚れた街を行く孤高の騎士ならぬ、
汚れた街を行く汚れた男の中の男」と妙な賛辞をしたのが懐かしく思い出される。
ストーリーは、舞台が米西部の中規模な街ということもあって、派手な展開は無く、
ミロを筆頭とした酔いどれキャラ(?)を中心に、ひとりの青年の失踪事件を発端にして地味に人間ドラマが繰り広げられてゆき、ロスマク的な人間悲劇の結末を迎える。
(実際、「さむけ」を意識したような終章の対決(?)シーンである)
70年代ハードボイルド・ミステリの代表作のひとつである点は間違いなく、
それなりの読み応えはあり、ミロをはじめ魅力的なキャラが複数登場するものの、
今読むと、ミステリとして謎解きの伏線が無く、御都合主義の展開に走り過ぎているの
が気にかかる。
「当時」だからこそ「高評価」された作であり、「古典」というには弱い作というのが
現在時点における妥当な評価かと思う。


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