『読みました』報告・海外編Part.3at MYSTERY
『読みました』報告・海外編Part.3 - 暇つぶし2ch500:読後感 ◆VkkhTVc0Ug
07/09/19 13:21:55 i39Qpub3
「反射」ディック・フランシス(早川書房)

しがない騎手フィリップはある時絶縁状態の祖母に呼び出され
行方不明となっている異父妹の捜索を頼まれる。そんな折り
知り合いのカメラマンが死に、彼の家に強盗が入る事件が発生。
偶々遺品を譲り受けたフィリップにも何者かの魔の手が……。

4冊目だけど絶対タイトルから内容を連想できなくなるな。

主人公の設定が気に入り、読み安かった。写真に纏わる暗号も
興味深い。キャラクターも多面体で好印象。

でも(メル欄)が解らなかった。

アベレージヒッターではあるかも知れないがもてはやされ過ぎな気も。

501:読後感 ◆VkkhTVc0Ug
07/09/19 13:44:45 i39Qpub3
「消された時間」ビル・S・バリンジャー(早川書房)

喉を切られ裸で歩道に倒れていた男。一命を取り止めたものの、
自分が誰なのかも判らない記憶喪失。文字通り自分探しの旅に出る。
それと並行して語られるもう一つのストーリー。歩道で喉を切られた
死体が発見され刑事達が事件を追う。同じ場所で同じ―。
二つのストーリーは
どう交わるのか?

こないだのハル以上にディスってる作家です。よく「叙述トリックの
名手」みたいな触れ込みで紹介されたり(折原一も言ってた)するのは
ものっそい違和感があります。全作合わせても「アクロイド殺し」に
遠く及ばないでしょう。こんなもんただの(メル欄)―しかも
破綻してる―で「叙述トリック」なんて呼ぶことすら
おこがましいです。

問題 上の粗筋から考えられる最もしょぼい真相を考えてください。
考えましたか? 考えましたね? はい正解! 読む価値なし!

502:名無しのオプ
07/09/20 02:10:03 NNoAirPp
E・S・ガードナーの「緋の接吻」を読んだ。
レスター・リースもの2編、ペリイ・メイスンもの2編の短編集。
有名作家だけど、恥ずかしながら初読。期待を裏切らずかなりおもしろかった。

レスター・リースは、警察の手におえない難事件を独自に解決し、犯人が不正に儲けた金やお宝を掠め取る怪盗。
警察もそれには気づいてるが尻尾をおさえられず彼を逮捕できない。
マヌケな刑事部長がリースの先手を取ったとぬか喜びしたところで
見事に切り抜ける痛快さと小気味良いユーモアに笑ってしまう。
話のメインはそこなんだろうけど、前フリの難事件の謎解きもしっかりしてる。

ペリイ・メイスンは弁護士。法廷ものかと思いきやそうでもなかった。
1編は種明かしの場が法廷に移っただけ。もう1編は裁判すら起きない。
表題作の「緋の接吻」は、ちょっと凝ったプロットだったが、何か物足りないのは先にリースの方を読んでしまったからか…
ペリイ・メイスンが作者の代表的な探偵らしいけど、笑いもありなレスター・リースにハマっちまってます。
あと、文章が軽妙で海外物とは思えないほどグングン読ませるのが良い。まだ読んだこと無い人オススメ。

503:書斎魔神 ◆qGkOQLdVas
07/09/22 14:41:38 Ic8sUadm
ダシール・ハメット「コンチネンタル・オプの事件簿」を読んだ。
本書の訳者でもある小鷹信光氏編による本邦オリジナル作品集。
おれは(オプ風に(w )ハメットの短編も読んではいたが、
創元の稲葉明雄訳によるものであり、長編も創元で親しんでいたため、
小鷹訳のハメットを読むのは本書が初、90年代の新訳だが小気味良い訳文は健在だ。
オプ初登場作品「放火罪および…」、異色短篇として銘打たれている
「ジェフリー・メインの死」、オプ最後の事件となる「死の会社」の3編は出来の差は
あれど、一応、謎解きミステリしているのだが、
連作「ターク通りの家」と「銀色の目の女」、中篇連作「血の報酬」(第1部「でぶの大女」
第2部「小柄な老人」)は、大乱歩が引いてしまったのがわかる原初ハードボイルドの典型、
(連作と「血の・・」の第1部と第2部の終盤の繋ぎの展開が同様なパターン、
メーンの敵役キャラの逃亡になっているのは、初出が雑誌掲載ということもあって、
読者の興を惹くためと思われだ)
内容的には、ハードボイルド・ミステリというよりは完全に探偵が出て来るノワールと
化している感がある。
これらの作を読むと、ハメットの後継はレイモンドでもロスマクでもなく、
ゴアズやスタークでもなく、エルロイなのではないかという説に同感せざるを得ないもの
がある。(この点は、長編の場合も「マルタの鷹」「ガラスの鍵」を読んだ後に「血の収穫」を読んだ場合の同様な感ありか)
いずれにしろ、萌えアニメ画のような新書を耽溺しているアホなミスオタの覚醒剤代わりに突き付けて読ませたい書とは言い得る。

504:名無しのオプ
07/09/22 17:01:31 AugPDczH
そうですね、こなたたんが脳内彼女のミス住さんには強烈かもしれませんね、
ハメットスレの69の台詞の原典は、何だかわかります?w

505:名無しのオプ
07/09/22 20:05:20 AugPDczH
まあ70に、答えが書いてあるので、
どんな馬鹿でも、わかりますがねw

506:書斎魔神 ◆qGkOQLdVas
07/09/23 10:59:09 6GgopRoo
小鷹氏の「私のハードボイルド」を読んだ余韻抜け切らず、
書斎からジェイムズ・クラムリー「酔いどれの誇り」文庫版を抜き出し、久々の再読。
正直言うて、この作品の良さは刊行当時は今ひとつわからず読了した記憶がある。
主人公の探偵ミロドラゴヴィッチを
当時のHMC顧問ミスターX氏が「汚れた街を行く孤高の騎士ならぬ、
汚れた街を行く汚れた男の中の男」と妙な賛辞をしたのが懐かしく思い出される。
ストーリーは、舞台が米西部の中規模な街ということもあって、派手な展開は無く、
ミロを筆頭とした酔いどれキャラ(?)を中心に、ひとりの青年の失踪事件を発端にして地味に人間ドラマが繰り広げられてゆき、ロスマク的な人間悲劇の結末を迎える。
(実際、「さむけ」を意識したような終章の対決(?)シーンである)
70年代ハードボイルド・ミステリの代表作のひとつである点は間違いなく、
それなりの読み応えはあり、ミロをはじめ魅力的なキャラが複数登場するものの、
今読むと、ミステリとして謎解きの伏線が無く、御都合主義の展開に走り過ぎているの
が気にかかる。
「当時」だからこそ「高評価」された作であり、「古典」というには弱い作というのが
現在時点における妥当な評価かと思う。

507:名無しのオプ
07/09/23 12:01:36 wW64cLBg
>>506
チャンドラーの短編のオススメは「待ってる」だっけ?

508:名無しのオプ
07/09/23 14:05:35 zuvnb0Qy
>>506
ハメットスレの69の台詞の原典は、何だかわかります?w
まあ70に、答えが書いてあるので、
どんな馬鹿でも、わかりますがねw

509:名無しのオプ
07/09/23 14:07:20 zuvnb0Qy
ミスターX氏 だって! ゲラゲラ

510:名無しのオプ
07/09/23 15:09:29 v6FHL5Jo
ミスターX … ハート泥棒か?

511:名無しのオプ
07/09/23 15:39:52 UzZBvEDV
>>503
作家名の表記はラストネームに統一しろよ。
それすら出来ないという時点で、まともに論考として取り上げられるわけがないんだがw
まともな媒体に発表したことがないのがバレバレだなw

512:名無しのオプ
07/09/23 17:03:24 LNis0pIJ
まあ、らき☆すたの泉こなたが、俺の脳内妻だ~っ!と叫んでる書斎さんですから、
まともな文章を書くのは無理だと思われます。
(親方のポエムを読みたい人は、吉村 昭 で、2ちゃん検索して下さい
 驚異の世界が、待っていますw)

513:名無しのオプ
07/09/23 17:07:16 LNis0pIJ
あと、読後感 ◆VkkhTVc0Ug うざい、書斎と同レベル、ネタバレやめろ、
誰も読んでない、ひっこめ!

514:書斎魔神 ◆qGkOQLdVas
07/09/23 17:16:06 7DzvL4XB
ジョゼフ・ウォンボー「ブルー・ナイト」を読んだ。
タイトルは「青い夜」ではなく、当時のLA市警の制服のカラーから想起した
「青い騎士」の意。警察小説ならぬ警官小説のマエストロであるウォンボーが
「センチュリアン」に次いで著した作だが、前作と同様に現在では入手難となっている
のが惜しまれる。
本作の主人公は、勤続20年、早期退職を間近に控えたベテラン警官(巡査)
バンパー・モーガン、このバンパーの退職予定日前(正確には退職前の休暇に入る前)
3日間の行状を描いたものである。
彼氏は、喩えではなく、まさに「汚れた街をゆく孤高の男(騎士?)」なのだが、
管内では滅多に自腹を切って飯を食ったことがないという現物支給(?)
が身についたひとりの警官でもある。
(大食漢であるバンパーの食事風景(日本料理、アラビア料理、メキシコ料理等様々)には詳細な描写がなされており、文字どおり食指が動くものがあり、
本筋には関係無いものの読み所のひとつと言える)

515:書斎魔神 ◆qGkOQLdVas
07/09/23 17:27:14 7DzvL4XB
「センチュリアン」の新人警官たちなら眉をひそめるかもしれぬが、
バンパーはたかり体質が身についた悪徳警官ではない。
むしろ、多くの街の住民からは頼りにされ、親しまれてさえいるし、
身銭を切って情報屋を操り、犯罪摘発にいそしむような仕事熱心な警官という面が
あるのだ。
さすがに警官出身の著者だけあって、このあたりのキャラが綺麗事に走らずリアルに
活写されている。
ただし、パトロール警官バンパーの日常(単独行)を描く内容のため、
複数主人公の前作「センチュリアン」のような視点の広がりは欠き、
ロス暴動のような大きなクライマックスとなる見せ場は存在しない点は物足りない
ところか。
また、原書の責めに帰すべきものではないが、わりと古い翻訳作品ゆえ、訳文や注に疑問を残す面が目につくのは難。
例えば、オーバー・イージー・エッグを「卵の半熟フライ」と訳すのはいかがなものか?

516:名無しのオプ
07/09/23 21:16:01 LNis0pIJ
はいはい、よかったね

517:名無しのオプ
07/09/23 21:21:42 yFAquFhz
>>512
吉村昭で検索して読みました。
こちらがずっと面白いですね。
何よりも生き生きと書いてます。
ジジイの加齢臭プンプンする馬公など問題外です。

518:名無しのオプ
07/09/23 22:07:32 LNis0pIJ
>>517
親方ウオッチャーの輪をひろめましょうw

519:名無しのオプ
07/09/23 22:23:14 hcT/oHoX
わざわざそんなことをしなくても、目につくでしょw

520:名無しのオプ
07/09/24 01:36:19 ChtJnsxH
それもそうだね、でも、吉村 昭スレ(ふたつあるので注意)の
親方のブログ(?)&ポエムは、必見ですよw
大爆笑

521:名無しのオプ
07/09/24 02:23:21 ChtJnsxH
こんな事書いてますw


97 :ミステリ板住人:2007/08/31(金) 23:04:39
明日は女と食事する予定だ。
その後はお決まりの"まぐわい"であろう。
俺様にはこなたタンという婚約者がいるが
男の心情と股間は別物である。
しかし、こなたタンを裏切りたくない。
そこで一計を案じた。

俺様直筆でこなたタンお面を作って、女に被せてエッチ。
俺様が抱いてる女はこなたタン!決して君を裏切った訳ではない。
この計画を食事の最中に切り出そうかと思う。
明日は頑張るぞ。


愚民諸君、心しておけ!


522:名無しのオプ
07/09/24 02:39:12 SveJfEPk
もういい加減気違いの話は他所でやってくれないか

523:名無しのオプ
07/09/24 03:08:26 ChtJnsxH
粘着してるオッサンに言ってくれ

524:名無しのオプ
07/09/24 11:16:45 vRmJTlkw
>>523
アンタも馬同様スレ違いなんだよ
空気嫁

525:名無しのオプ
07/09/25 17:23:14 5ZgFo96I
異次元宇宙生物・書斎魔神でおま

526:名無しのオプ
07/09/27 13:15:51 Jq8IOH9P
147 :書斎魔神 ◆qGkOQLdVas :2007/09/26(水) 22:05:44 ID:loWIESfZ
評価という問題で思い出すのは、清張先生のキャノン機関に関する記述。
これは過大評価とする声が多い。
清張説に従えば「ミッション・インパサブル」まがいの凄い謀略機関なのだがw


148 :名無しのオプ:2007/09/26(水) 22:12:00 ID:a9L6xwK7
>>147
あーあ、またお得意のw


149 :名無しのオプ:2007/09/26(水) 22:30:59 ID:lZ76rrUG
ミッション:インポッシブル Mission:Impossible (スパイ大作戦)ですよ

書斎のだんな


527:名無しのオプ
07/09/27 18:45:29 LpXWg250
「ナインスゲート」読了。
映画を先に見てしまい、大した期待もせずに読んだが、なかなか歯応えがあった。
でも、三銃士とデュマに関する知識は前提条件として必要かな。
それがないと、「ミレディー」「ロシュフォール」などの概念が理解しにくいだろうし。
蘊蓄だらけで展開が遅いこともあり、万人にはおすすめできない。

まだ未読だけど、「ダンテ・クラブ」もこんな感じなのかな?


528:名無しのオプ
07/09/28 15:06:48 ugJs7288

          uraaaaaa!
         ,,,,,,,,,,,,
        [|,,,★,,|,] 
        ミ゚Д゚,,彡
    ┯==∩=⊂ン~ )ニヌ
  ̄ ̄ ̄   i==|=[]j
        /_/ヽ___i
         し' \)

      シベリア自警団


529:書斎魔神
07/09/29 19:07:31 Tr2C5Wpj
ヘンリー・ライダー・ハガード「二人の女王」を読んだ。
「漏れだけのアラン・クォーターメン、キター!」とアホな冒険小説オタの如く叫び
たくなるような一編ではある。(原題はそのものズバリ「アラン・クォーターメン」だ)
さほど期待しないで読んだら意外な面白さであった。
創元推理文庫では、「洞窟の女王」の続編が「女王の復活」、そして「ソロモン王の洞窟」
の続編がこの「二人の女王」である。
(余談ながら、二人の女王の白い方=ニレプタのおっぱいポロリの表紙にそそられて、
思わず本書を手に取ったアホな冒険小説オタもいるのでないか(w )
おなじみベテラン探検家(狩猟家か)のアラン、親友のヘンリー卿、グッド元海軍大佐の
3人が英国での安穏とした暮らしに厭き(アランの場合は最愛の子息を失ったということもある)、当時の暗黒大陸アフリカの奥地に存すると言われる幻の白人国を目指して
冒険の旅に出る。
「ソロモン王…」の場合と異なり、行方不明の肉親探しや宝探しという現実的動機が
絡まず、『冒険のための冒険』という、冒険小説の原典のような創りとなっているものの、
著者の文明社会に対する辛辣な見解が随所に見て取ることが出来る作でもある。
(この点は序の部分から顕著)

530:書斎魔神
07/09/29 19:10:35 Tr2C5Wpj
19世紀の作家にしては、キャラ立ちさせるのが巧いハガードだが、
女っ気が殆ど無かった前作「ソロモン…」と比較して、美貌の2人の女王(姉妹)が
対照的なキャラとして存在感を示しているが、メーンキャラの3人と2人の女王にも
増して強烈な印象を残すのが、ズル族の老戦士ウンスロポガースだ。
戦争大好き、戦闘用斧を自在に操る殺人マシーン、
どこか憎めないところもあるとはいえ、敵役とするのが妥当なキャラだが、
あえてアランたちのサイドに置いて超人的活躍(文字どおり)をさせたのは、
物語の興趣を増す意味では成功している。
(途中から一行に加わるおとぼけのフランス人シェフ、アルフォンスも
作者のフランス人観を見るようでいて面白い。捨てキャラかと思いきや、彼氏が意外に
物語のキーマンとなる展開も面白い)
洞窟やソロモンと同様に、実質的に秘境冒険小説と言い得るのは中盤までであり、
後半は美貌の二人の女王にヘンリー卿が絡んだ色恋沙汰に端を発する戦争小説的展開へと発展してゆく。
戦闘シーンのグロ過ぎるほどの詳細な描写は、戦国時代を舞台にした時代小説好きにも
受けそうな感じである。

531:書斎魔神
07/09/29 23:37:18 yuVYUs0h
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532:書斎魔神
07/09/29 23:42:44 yuVYUs0h
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533:書斎魔神 ◆AhysOwpt/w
07/09/30 17:39:04 CeeH83xj
ジョゼフ・ウォンボー「クワイヤボーイズ」を読んだ。
ウォンボーの第3作、現職警察官を辞し作家専業となって初作品でもあった。
前2作(「センチュリアン」「ブルーナイト」)とは、がらっとタッチが変わった
オフビートとでも称すべき異色作となっている。
ロス市警のとち狂った警官たちが織り成す集団ドラマ、しかも捜査よりも
聖歌隊(これがタイトルの「クワイヤボーイズ」)練習と称した公演での御乱行等に
相当の筆が割かれている。
彼に比較すれば、87分署の刑事連は超優等生、「センチュリアン」のロイら3人の
新人警官は模範生、「ブルーナイト」のバンパーは超真面目人間に見えてしまう
ハチャメチャぶり、しかし、戦争や少年課勤務による重いトラウマを抱えた警官
(いずれも白人、彼らが終盤の物語キーマンになって来るし、冒頭には重要な
伏線となる部分もある)もおり、(反面、一般には差別される者に区分される黒人や日系の警官は非常に図太くたくましい感じで描かれているのが面白い)
全編にスラング満載のダーティジョークが散りばめられ、警官たちの公私渡るドタバタが描かれるものの、笑いの要素は少なく、読後も暗い印象が残ってしまう。
ウォンボーはやはり前2作のようなシリアス路線が性に合うのであろう。
本国での売れ行きは悪くなく、映画化もされたにもかかわらず、以後、本作のような
タッチの作は書かれなくなってしまう。
(そして本邦では、早川書房がウォンボーは日本では売れないと判断するきっかけに
なった作のように思う。日本でも劇場公開された映画の原作でありながら、
本作は文庫化もされなかったのだ)
クワイヤボーイズの一味は残存者がいるので、カタルシスを感じさせるような続編を
期待したくもあったのだが、この点は残念であった。

534:名無しのオプ
07/09/30 21:16:48 95bD/551
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  `'i`ヽヽヽ`''ーi、、、: :                   、.,-‐'`   、/`
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535:名無しのオプ
07/10/01 19:09:28 5ik4/y8V
             ゙'.     ,ト `i、  `i、    .、″
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536:書斎摩神 ◆eZBM9E4bOU
07/10/01 19:17:02 jANNWvhY
A・H・Z・カー「誰でもない男の裁判」を読む。
このミス6位、文春5位にランクインした作品集だが、
全体を通しての感想は「甘ったれるな!」、この一言に尽きるかと思う。
作者は同じカーでも、カレッジ中退の米国版司法崩れ、売文業以外にはまともな職歴が無い
J・Dとは大違いのシカゴ大学学士号、コロンビア大学修士号を有し、
大統領経済学顧問まで務めた経済界では大成功したビジネスマンである。
しかし、この程度のものを書いているようではミステリという分野では駄目ぽ。
昨年の「歌うダイアモンド」「ヨットクラブ」にしても、一昨年の「壜の中の手記」
にしても、宝島社も文春も晶文社の海外作家の短編集に評価が甘過ぎる。
これでは、業界内のごっつあん相撲とか思われてしまうぞ。

537:名無しのオプ
07/10/02 17:36:02 /9/oqSAv
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 j".、'ヽ,".、".、"`''`ー、._、、、           、._,、..-‐:'''′   .、,:"  丿
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538:名無しのオプ
07/10/02 17:39:20 /9/oqSAv
書「オーバー・イージー・エッグを「卵の半熟フライ」と訳すのはいかがなものか? 」

Q「じゃあ君ならどう訳す?」

書「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

539:書斎魔神 ◆AhysOwpt/w
07/10/06 20:21:24 h6RGAOu4

ジョゼフ・ウォンボー「デルタ・スター刑事」を読んだ。
ウォンボーの標準作といった程度の作。
前半はこの作者の作品ではおなじみのキャラ立ちした警官たちが行状が
おもしろおかしく綴られるウォンボー節全開だが、
後半は、登場人物のひとりである殺人課刑事マリオをメーンとした娼婦転落死事件を
発端とする謎解きミステリとなってゆくが、
カルテックへの潜入捜査等、創りものめいた展開が目につき、謎解きそのものも
平板で面白いものではない(元々、パズラーというタイプの作家ではないから仕方ない面
もあるが)
警官物語に徹した従来の作から、
一捻り、新機軸を狙って「謎解きミステリしてみました」感がある作だが、
やはり柄にも無いことはするべきではなく、この試みは失敗に終わっている。
また、この部分に筆を割いたため、
小柄ながら元気印の婦警ドリーと相棒ののっぽのディルフォード、
死体大好きなへんてこ殺人課刑事チップとメロディ等のいつのまにかフェードアウト、
あるいは完全に脇に回ってしまい印象薄となっているのが非常に残念だ。
「クワイヤボーイズ」や「ハリウッド警察25時」の如く、集団ドラマに徹していれば
登場キャラを納まるべき位置に納めることも可能だったのではないかと思う。
(むしろ、ウォンボーがこの手の処理が巧い作家である)

540:名無しのオプ
07/10/06 21:43:51 1AhfUgdE
   ↑
アドレスフリチン

541:名無しのオプ
07/10/07 15:49:17 eY6me883
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      上、         \, ,/         ,エ
       `,ヾ         ,;;iiiiiiiiiii;、       _ノソ´
        iキ       ,;;´  ;lllllllllllllii、      iF
        iキ'     ,;´  ,;;llllllllllllllllllllii、    ナf
         !キ、._  ,=ゞiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiii!! __fサ
          `ヾ=;三ミミミミヾ仄彡彡ミミヾ=`´
           ,._Ξミミミミミヾ巛彡////iii_
         ;if≡|ヾヾヾミミミミヾヾ、//巛iiリ≡キi
          if!  |l lヾヾシヾミミミ川|ii//三iリ `キi
        ,if ,f=|l l lヾリリリリリ川川|爪ミミiリ=t、キi
          ;iナ,サ |l l l リリ川川川川|爪ミミiiリ キi キi
          iナ ;サ |l l リリリリ川川川川l爪ミミilリ キi キi
        iサ ;サ, |リ リリ川川川川川l爪ミミiリ ,キi キi
         iサ ;サ, | リ彡彡川川川川|爪ミミiリ ,キi :キ、
        ,i厂 iサ, |彡彡彡彡ノ|川川|爪ミミリ ,キi `ヘ、
      ,√  ;サ, |彡彡彡彡ノ川川|ゞミミミリ ,キi   `ヾ
     ´    ;サ,  |彡彡彡彡川川リゞミミリ  ,キi
         ;サ,  |彡彡彡彡リリリミミミシ   ,キi
         ,;#,    |彡彡ノリリリリミミミシ    ,キi
        ;メ'´    !彡ノリリリリリゞミミシ     `ヘ、
       ;メ      ヾリリリリノ巛ゞシ       `ヘ、
      ;メ        ``十≡=十´         `ヘ、


542:書斎魔神 ◆AhysOwpt/w
07/10/07 21:05:06 dvFWqYD7
ダシール・ハメット「影なき男」を読んだ。
小鷹信光氏による新訳にて再読。
翻訳書においては作者と訳者の相性(文体等の嗜好性)が重要なことはあらためて
言うまでもないが、やはりハメットの訳はこの人に限るという感を強くした。
内容的には、いささか強引な面はあれど、意外に謎解きに重点が置かれているのが、
ハードボイルド・ミステリとはいえ「古典」らしいとは言える。
そして、このハメット作品中ではスマートな作風にもかかわらず、
横溝正史風のドロドロねた(「悪魔が来りて笛を吹く」を想起)まであるのは、
怪奇探偵ハードボイルド・ミステリとでも称すべき「デイン家の呪」の作者らしい
と言えよう。
本作の探偵役ニック・チャールズに関しては、訳者みずから担当したあとがき(ネタばれ気味なのが気にかかるが)で、サム・スペードの成れの果て、引退したオプと評されて
いるが、「プレイバック」後のマーロウ、そして朝から酒を手離さないアル中気味のニックには70年代の病的な後継たちの先駆けを見ることも可能であろう。
さらには、ニックの妻であり相棒でもある若妻ノラの精神面のタフさは、
後の女性私立探偵ものの走りとも読み得る。
なにはともあれ、あとがきの最後にもあるとおり、ハメット作品にしては洒脱な作には
ややアンマッチな喩えかもしれぬが、スルメのように噛み続けると味が出て来る作という
評は極めて的を射たものと言い得る。
最後に、類型的・保守的な登場人物が多かった当時の本格ミステリを揶揄するかの如き、女性キャラたちのダーティな喋りも読ませどころであるが、
「サノバビッチ」は「下種野郎」の訳でOKとしても、「ボールズ」は「悪態」の意で
コンテクスト的にはOKだとしても、「キンタマ野郎」のニュアンスを活かして
欲しかった気もしている。

543:支持者
07/10/07 21:10:28 BXKh4kZi
誰か書斎さんにレスをしてくれ!

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         !キ、._  ,=ゞiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiii!! __fサ
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           ,._Ξミミミミミヾ巛彡////iii_
         ;if≡|ヾヾヾミミミミヾヾ、//巛iiリ≡キi
          if!  |l lヾヾシヾミミミ川|ii//三iリ `キi
        ,if ,f=|l l lヾリリリリリ川川|爪ミミiリ=t、キi
          ;iナ,サ |l l l リリ川川川川|爪ミミiiリ キi キi
          iナ ;サ |l l リリリリ川川川川l爪ミミilリ キi キi
        iサ ;サ, |リ リリ川川川川川l爪ミミiリ ,キi キi
         iサ ;サ, | リ彡彡川川川川|爪ミミiリ ,キi :キ、
        ,i厂 iサ, |彡彡彡彡ノ|川川|爪ミミリ ,キi `ヘ、
      ,√  ;サ, |彡彡彡彡ノ川川|ゞミミミリ ,キi   `ヾ
     ´    ;サ,  |彡彡彡彡川川リゞミミリ  ,キi
         ;サ,  |彡彡彡彡リリリミミミシ   ,キi
         ,;#,    |彡彡ノリリリリミミミシ    ,キi
        ;メ'´    !彡ノリリリリリゞミミシ     `ヘ、
       ;メ      ヾリリリリノ巛ゞシ       `ヘ、
      ;メ        ``十≡=十´         `ヘ、


544:名無しのオプ
07/10/09 20:11:58 1yYrh97/
なんなんだよこのスレは!!
書斎もその安置も支持者も出てけ!! 
見てるだけで気分が悪くなる!!

マイクル・イネス「ある詩人への挽歌」を読んだけど、
感想書きこむのやめた

545:名無しのオプ
07/10/10 00:01:37 1yYrh97/
「公園はおれのもの」
感想書きこもうと思ったが荒れてるのでやめる

546: ◆XjFtIkbasQ
07/10/10 00:42:11 CYFoV/FC
ミネット・ウォルターズ『蛇の形』(創元推理文庫、2004)【6.5点】

ある雨の夜、近所の鼻つまみ者の黒人女性アン・バッツが路上で息絶えた。
彼女の死を看取ったミセス・ラニラは、警察の「事故死」発表に疑問を
抱き、20年後に独自の捜査を開始する。バッツの死の真相は?

主人公の捜査パートに、検視報告書やEメールが挿入される構成だが、
あまり効果があがっていないような気がする。登場人物がみな
「嫌な人間」であり、ネコ虐待の描写も読みにくさに拍車をかける。

世評は高いようなのだけれど、個人的に合わないミステリーだった。
読者の誰もが抱くであろう「ある疑問」はラストで氷解し、それが実に
ぐっとくるのだが、それまでの道行きがつらかったのが正直な感想。

547:名無しのオプ
07/10/12 04:46:44 nSke4W2L
840 名前:ミステリ板住人 :03/08/31 19:58 ID:XwSn+BQ5
仕事を辞めて無職になった直後は非常に居心地がいいのだが、
やがて無職であることに焦りを覚えはじめ、禁断症状に近い
苦しみが押し寄せてくる。毎日同じことの繰り返し、
家族の目も怖い、何にも無いことにまで気を使うようになってしまう…
全く無関係の板に延々とゴミ屑を撒き散らして
正常なコミュニケーションを妨害するこういうダニをいつになったら駆除するのかね? > 管理者
お仕事御苦労様です。御迷惑をおかけしてすいません。了解しますた。
スレを入れる気持ち良さ、これは射精と同じものがあり病みつきになってしまったです。
もしかしたら、ぼくは病気なのかもれないですがきっとそうです。
スレの人も削除人さんもぼくの話しを聞いてくれませんか
ぼくはだめんぼ、だめおくん ありゃあれいてん とっちゃった そして共に語るにゃ(w
846 名前:ミステリ板住人 :03/08/31 20:15 ID:XwSn+BQ5
スーパーのバイトは慣れるまでが大変だぞ。
私も裏事情板にスレが立つ某大手スーパーで働いたことが
あったが、疲労と忍耐の3年間だった。
65 名前:ミステリ板住人 :03/09/07 01:05 ID:3bJhnVU1
今後の人生についてナンニモ考えたことの無いDQNがw
ここの連中に多い傾向だが、今後の人生について考え過ぎるだけ
お前たちも、何かに向かって必死になってみろよ。
今のお前たちは、県内随一の馬鹿の高校を卒業したやつよりも下だぞ。
予備校に行って、10ヶ月集中して勉強すれば、有名大学には入れる。
まして、私立文科系は3科目ないしは2科目である。
俺様のフィアンセこなたタンに見せたら感動のあまり泣き出しそうだな。
「サイコーだよ~、ありがとう、ありがとう、こんないいものを見せてくれて~」
「わかるか、こなたタンもわかってくれるのか!」
泣きながら、抱き合う俺様とこなたタンの姿が目に浮かぶ
こんな糞スレでリーダー気取ってる場合じゃないかな。
愚民諸君、心しておけ!


548:書斎魔神 ◆AhysOwpt/w
07/10/13 14:30:49 Q+v3vek5
「デイン家の呪」再読。
初読時にはなんとも思わなんだが、今読むと翻訳が古い感を強く抱いた。
エルの「Yの悲劇」に触発されたかのような呪われた血統ネタがメーンという
「影なき男」の評で言及したとおり、怪奇探偵ハードボイルドミステリとでも
称すべき異色作ということもあるが、
クラシックな本格ミステリ調であり、原初ハードボイルドであるハメット作品らしい
荒々しさを欠くのである。
ハメットスレでも指摘されているとおり、そろそろ新訳を期待したいところである。
ハメット長編5作中では、第3部で失速する感があり、解決そのものは強引に過ぎる点が目につくとはいえ、
最も謎解き色が濃いものであり、毎月のように粗製濫造されるお手軽過ぎる新書ミステリの類の追従を許すものではない。
各人、心して読め!

549:名無しのオプ
07/10/13 16:55:11 nCsNHWEo
ヲマエモナ~

550:ミステリ板住人
07/10/14 00:14:39 FpYrhv5r
幼女!幼女!!幼女~!!!
白倉Pが俺様のためにキャスティングしてくれたのだろう。
これからも感謝しながら鑑賞しよう。


551:名無しのオプ
07/10/15 16:41:11 gjK6TUhy
「バニー・レークは行方不明」イヴリンパイパー 

あまり自信ないんだけど、これ翻訳がへたくそな気がする。


552:書斎魔神 ◆AhysOwpt/w
07/10/20 13:28:51 7kZ4aNO6
ジャック・リッチー「クライム・マシン」を読んだ。
2006年度このミス海外部門1位作品だが、
これが1位になるイヤーとは、
当時の本誌主筆ミスターXの「不作なり」の一言が極めて納得がゆくものがある。
勿論、悪い作品集ではなくベスト10の下位(8位、9位あたり)にランクイン
したのであれば、文句無いほどの出来ではあるのだが、やはりこれの1位は無かった
のではないか。
表題作などは、J・DやE・D(解説によれば彼氏はこの作者を高く評価していたとのこと)
の読者なら、それなりに面白く読めるやもしれぬが、いかんせん主人公がプロの
ヒットマンにしては注意力に欠け間抜け過ぎるという感を否めない。
本作を見ると、スーパーナチュラルは書かない作家かと思いきや、
カルトムービー「ウイッカーマン」を想起させるような「縛り首の木」のような作も
収録されていたりして、バラェティに富んではいるものの、この作者の持ち味とはいえ、全体としてあまりに軽過ぎるという感がある。

553:書斎魔神 ◆AhysOwpt/w
07/10/21 14:25:28 WHjSIcqO
マイケル・イネス「アプルビイの事件簿」を読んだ。
論理で読ませるエル風の作あり、奇抜なトリックが売りのジョン風の作ありで
結構楽しめるシャーロック・ホームズのライヴァルシリーズのひとつとして刊行された
本邦オリジナルの短編集である。
解説でも触れられているが、一部には退屈冗長な作風という評もあるこの作者の作だが、
本作品集を見る限りでは、中・短編に関してはこの懸念は不要と言い得る。
では、大好評につき収録作品全話講評逝ってみよう!
「死者の靴」
タクシー乗場の偶然性が気にかかるが、怪奇性を排した論理的作風の一編。
まあ、そこそこに楽しめる作ではある。
「ハンカチーフの悲劇」
「オセロ」ねたを巧く活かした教養人好みの作。
小品ながらハンカチ絡みの謎解きも巧く決まっている。
「家霊の所業」
ジョンならいらぬロマンスを導入して通俗にしてまったかもしれぬ名家の廃屋敷を
舞台にした怪奇性高い作。なかなかムーディで読み応えあり。
「本物のモートン」
裏焼きねたを巧く活かした好SS。
「テープの謎」
これは推理に無理有り過ぎな作か。スパイ小説まがいの展開も不調和で頂けない。

554:書斎魔神 ◆AhysOwpt/w
07/10/21 14:30:08 WHjSIcqO
「ヘリテージ卿の肖像画」
後半のアクションが白ける一編。謎解きミステリとしての見るべき点がほとんど無いのが
致命的な作。
「ロンバート卿の蔵書」
アイデアが面白いSS。創りが実に巧い。
「罠」
探偵しか知り得ない手がかりがポイントというアンフェアな一編。
この作者らしいハムレットねたも十分に活かされていない。
「終わりの終わり」
論理で読ませるかと思いきや、ジョン風のトンデモトリックが炸裂する一編。
飄々としながらもシニカルな結末も良し。
これも根がヤンキーのジョンなら通俗ロマンス仕立てにしてしまったような作だが、
さすがにイネスは渋く決めてくれる。

555:読後感 ◆VkkhTVc0Ug
07/10/23 18:32:52 8jpNXrRZ
「モンキー・パズル」ポーラ・ゴズリング(早川書房)

大学教授が殺され舌を切り取られるという殺人事件が発生。
病み上がりのストライカー警部補が捜査に当たるが、次に英文学部長が
耳を切り取られてしまい―。

アヒルが逃げる話だけ書いとけば良いと思う。どこが本格だっつうの。
推理もトリックもねーし、ふーんて感じで進んで逮捕されるだけ。
ろくに伏線が張ってないから何の感慨もないし。
それともう一つ、作者の持ち味であろうロマンスなんだけど、
こ れ は ひ ど い 。
ハーレクイン読者でも失笑すると思うわ。普通に犯罪だしね。

ただそんな本作にゴールド・ダガーを上げちゃうのが
毛唐のダメな所。誤審の次に。

556:読後感 ◆VkkhTVc0Ug
07/10/23 18:34:32 8jpNXrRZ
「チムニーズ館の秘密」アガサ・クリスティ(早川書房)

アフリカでガイドをしていた青年アンソニーは旧友の誘いに応じて
二つの仕事を引き受ける。一つはさる政治家の回顧録をロンドンの
出版社に届けること、もう一つはある女性に伝言をすることであった。
しかし、彼女の家を訪ねたアンソニーは思いもかけない事態に遭遇する。

単純に比較は出来ないかも知れないが続けて読むと差が如実。
冒頭からハートをがっちりキャッチ。ページを繰るのが楽しみで喃。
三国の探偵達に怪盗の陰もチラつく等様々な要素が絡まり合って
一本に集束する様は流石女王様だとオモタ。
しかしその濃い内容故に映像化するとダイジェストじみて来るという……。

でも、どうしたらアイリーンがバンドルになるのだらう。


557:読後感 ◆VkkhTVc0Ug
07/10/23 18:43:07 8jpNXrRZ
「赤の女」ポーラ・ゴズリング(早川書房)

窓際に追いやられている中年領事館員チャールズの元に
殺人容疑で逮捕された英国人のフォローをする任務が回って来る。
強盗に入った男が殺されたという事件だったが容疑者は犯行を否認、
しかし被害者の息子は以前容疑者と共犯で詐欺を行なっており、
有罪宣告を受け護送中に事故死するという過去の経緯があった。
チャールズは容疑者の息子の元妻と一緒に行動を起こし始めるが……。

こうやってサスペンスを書けばそこそこ行けるんですよ。本格なんて
分不相応な物に手を出そうとするから良くなかったんですね。
謎とロマンスと活劇がわりかし良く絡まってて手堅く読める味でした。

こないだのはこれより新しいってのにあの体たらくで、
これが男なら離婚したのかと思う所だけどスケさんだし、ただの手抜きか。

558:名無しのオプ
07/10/23 19:11:29 RYi34+JD
>556
どの本か忘れたんですが、クリスティの舞台らしきところを巡る本の中で、
バンドルには「ひっぱる」とかって意味があるそうで、
そこから勢いがよい云々って渾名になったとかって
かいてあったんですが、本当なのか不明です

559:読後感 ◆VkkhTVc0Ug
07/10/23 19:14:18 8jpNXrRZ
「弓弦城殺人事件」カーター・ディクスン(早川書房)

海沿いに佇む古城を二人の学者が訪れた夜、凶事は起こった。
城の主人が甲冑の展示室で奇怪な死体となって発見されたのだ。
隣室にいた学者の証言によると被害者が入室して以来死体が
見つかるまで誰も部屋には入っていないという。
一体彼はどのようにして殺されたのか?

これ最初読んでて「うわ、バレバレじゃねーか」と思ったんですが
外れました(笑)。伏線もあからさまに張ってあったりしたのに
見抜けなかった馬鹿さに(^^)/▽☆▽\(^^)
おかしな点もありますがミステリーとしてはなかなかでした。

ただ小説としては全く面白くないです。ストーリーなんて何もないし
キャラクターも全然立ってません。そら一作で切られますわ。
お陰で読みにくうて。思うにこの頃カーは離婚(ry


560:読後感 ◆VkkhTVc0Ug
07/10/23 19:16:09 8jpNXrRZ
>>558
成程。スペルは関係なかいのですね。情報どうも。

561:読後感 ◆VkkhTVc0Ug
07/10/24 16:21:10 TTyEBCSP
「もうひとりのぼくの殺人」クレイグ・ライス(新樹社)

目覚めたとき、ぼくは列車の中にいた。何故ここにいるのだろう?
ぼくにはそれまでの記憶がなかった。ポケットには見知らぬ男の
名前が記された名刺と手紙が入っていた。傍らには新聞が置いてあった。
開いてみると殺人事件の記事があり、犯人の写真に写っている男は
僕だった。……

短編「うぶな心がはりさける」以来。マローン物はある偏見が原因で
読む気がしないのよね~。で・も! これはスルリと入れた。
探偵役が影薄いしね。

誰も自分を知らないという話や自分とそっくりの男に入れ替わられる話は
今までに読んだことあるけど、自分が別人になってしまうというのは……
あ、最近の国内物であったな、ひとつ。でも古典では寡聞にして
覚えがないや。閑話休題。

こういうの好き。突端の奇想は抜群。ただ、大き過ぎるはったりは
どうしても話を解りやすくしてしまうため、どんでん返しの楽しみは薄い。
前作もいつか読むかいのう。

そういや金田一少年で似たカラクリの物があったやに思うが
当時未訳だったし流石にこれはパクっちゃいまい。

562:読後感 ◆VkkhTVc0Ug
07/10/24 16:22:57 TTyEBCSP
「聖女の遺骨求む」エリス・ピーターズ(社会思想社)

時は12世紀。イングランドはシュリーズベリ修道院の副修道院長
ロバートは修道院に権威を持たせるため、奉るべき聖人の遺骨を
探していた。そんな中、若き修道士コロンバヌスが夢で聖人の啓示を
得たと宣言。驚喜したロバートは早速一団を従え遺骨を掘り出しに
向かうが―。

初カドフェル。ファルコの方が良かった。比較したらめ?
何かね、プロットはミステリーなんだけどロジックがよちよち
歩きじゃ話になりませんよ(byアーノルド)。だから解明が強引で
ガッカリする。ロマンスもやる気なしのやっつけ仕事。

後、セリフとセリフの間に発言者を示す文章が入るという文体に
違和感があ~る~♪

563:読後感 ◆VkkhTVc0Ug
07/10/24 16:26:35 TTyEBCSP
「殺人者と恐喝者」カーター・ディクスン(原書房)

催眠術実験の最中、被験者の女性が夫を殺害してしまう事件が発生した。
偽物のナイフがいつの間にか本物と摺り替っていたのだ。
しかも被害者には殺人を犯したらしい気配があり恐喝を受けていた
という……。

やられたなあ。てっきりアイツだと思ってたのに……。
伏線も通ってるし見事な赤い鰊だ。
これは読んでもいいカア。ただ、トリックはかなり無理無理。

564:名無しのオプ
07/10/24 18:08:09 CSPodH2H
>>562
カドフェルにロジック求めてもなあ
「遺骨」は第1作なので例のライバルはまだ登場してないし
ロマンス求めるのなら「死体が多すぎる」以後だし
ファルコは最初から本格を標榜してないから比べても意味ないし

565:名無しのオプ
07/10/25 00:09:24 MAdeN1PC
カドフェルよりファルコを先に読んだ人がいるのに
驚いた。自分はカドフェルの新刊をわくわくして待ち望んで
いた老人だが。

566:書斎魔神 ◆AhysOwpt/w
07/10/27 11:41:55 afQ8lDN7
クレイトン・ロースン「虚空から現れた死」を読んだ。
不可能犯罪ものの中編2作を収録。
探偵はクレイトン作品でおなじみのマーリニではなく、同じくマジシャンではあるが、
伊達男ドン・ディアボロである。
ディアボロの弟子の中国人青年、マジック助手の双子の美人姉妹をはじめとして
個性的なメンツが多く登場し、マーリニもの以上に軽快で華やかなアメリカン・ミステリの世界が展開され、
(こういった作風という点では、クレイトンは親友だった英国かぶれなジョンよりも
エル(初期)に近いものがあるのだ)
ディアボロの助手の名がチャン。チャンダラ・マンチュー、
俳優向けホテル<ドルリー・レーン>、ホームズ&ワトスン社の金庫等々、
ミステリファンの微笑を誘うようなお遊びも散りばめられている。
だが、内容面ではマジックはタネを明かしされると興醒めというケースが多いが、
マジシャンを本業とするクレイトン作品の読後感にもこれと共通するものがあるのが
残念ではある。
なお、直接ストーリーに関係はしないものの、主語がディアボロであったり、
ニック(ディアボロの愛称)とあったりと不統一となっており、
非常に読み難くなっている部分がある、こういった点は厳重にチェックして欲しいもの
である。

567:名無しのオプ
07/10/27 18:52:37 A7ZxE5sP
書斎と比べて読後感の無駄な駄文のことよ。

568:名無しのオプ
07/10/27 19:02:35 bg6BdO9O
コテハン叩きはルール違反だと言う一方でコテ叩きをする卑怯な書斎w

569:読後感 ◆VkkhTVc0Ug
07/11/05 00:50:14 fhm0q7TN
「本番台本」ギャビン・ライアル(早川書房)

かつて朝鮮で華々しい活躍をしたが今は中南米でしがないパイロットを
しているカー。ある時彼は映画ロケの一行に雇われる。しかし、
飛行中突然軍用機に襲われたの始め様々な危険に見舞われる。
カーは自分の周りで何が起こっているのか探ろうとするが―。

こないだの真下正義で「深夜プラス1」の名前が出ましたね。
その「深夜プラス1」がオーソドックスなプロットだったのに対し
本作は飛行機という専門分野を扱ったもので、プラス中々事件が
起こらないのでナンダカナァと思いながら読んでいましたが
話が動き始めてからはこっちも入り込めました。
正直水準作という感じだけれどまあ読んでみても……。


570:読後感 ◆VkkhTVc0Ug
07/11/05 00:51:41 fhm0q7TN
「ダイアルAを回せ」ジャック・リッチー(河出書房新社)

第3短編集。流石にプロットのパターンが何となく掴めて来るけど、
作風が好きなので楽しく読めた。アームスカトロングに通じるものが
あると思うんだよね。

いっち好きは「いまから十分間」かな。次は「殺人はいかが?」。
ヒッチコックが目を付けるのも解るような気がする。
後、「三階のクローゼット」は「のぞき魔バッド・ロナルド」を連想した。
それからターンバックルものも良い軽ミスで○。しかしカーデュラモのは
イマイチ設定を活かせてない印象。

571:読後感 ◆VkkhTVc0Ug
07/11/08 12:42:36 z8PmX/EO
「象は忘れない」アガサ・クリスティ(早川書房)

探偵作家のミセズ・オリヴァはパーティーで知り合った老婦人から
ある過去の事件についての調査を頼まれる。それは夫婦の心中と
判断されたもので、現場には二人の死体と一挺の拳銃が残されていた。
どちらが先に撃ったのか、それがミセズ・オリヴァの名付け子の
結婚を左右する問題らしいのだが……。

80を超えて書かれた作品で実質的にはポアロ最後の事件だそう。
以前「ブレイディング・コレクション」を読んだ時、本格度の低さに
作者の老齢を感じたことがあったけど、これも同じで他の部分は
ともかくプロット自体は極めて単純で恐らく全盛期のクリスティなら
短編の場合でももう一捻りはしたはず。「物狂い」とかを許せる人なら
どうぞ。

572:読後感 ◆VkkhTVc0Ug
07/11/09 01:09:42 cndN/CWB
「虚空から現れた死」クレイトン・ロースン(原書房)

中編2作収録。
「過去からよみがえった死」
死後の世界から舞い降りたコウモリ男が殺人を繰り返すというような話。
はっきり言って期待外れ。これでもかってぐらい荒唐無稽な演出は
好きな方なのだがトリックがやっつけに過ぎる。泡坂読んで出直せ。

「見えない死」
特殊装置によって透明になった男が人を殺したり美術品を盗んだりする
というような話。
こっちは良かった。トリックも相対的に言って納得の行くものだし
伏線も見事。

しかしまーた登場人物表が無い。

573:読後感 ◆VkkhTVc0Ug
07/11/09 17:32:24 cndN/CWB
「これが密室だ!」ロバート・エイディー+森英俊(新樹社)

海外の密室アンソロジーと言えば、「密室殺人傑作選」
「密室殺人コレクション」「密室大集合」(未読)ぐらいしか
知らないが他にあれば教えを乞う。

本格系ばかりではなくサスペンス作家の作品も入ってるのが嬉しい。
ただこれ中には「どこが密室だ!」というようなものも結構あるし、
単行本未収録というコンセプトのせいで出来も粒揃いとは言い難い。
良いと思ったのは
「見えないアクロバットの謎」(エドワード・D・ホック)
空中ぶらんこ乗りが実演の最中に消失するというもの。単純で巧い。
「死は八時半に訪れる」(クリストファー・セント・ジョン・スプリッグ)
殺人予告を受けた大臣が十重二十重に警戒される中、
ジャストに殺されるという飛び切りの不可能犯罪ミステリ。
これもシンプルイズベストで良い。
「ささやく影」(ジョン・ディクスン・カー)
青年が見えない男から狙われるというラジオドラマ。巧くまとめている。

「危険なタリスマン」(C・デイリー・キング)はタラントの復活と
期待したがダメな方だった。

574:書斎魔神 ◆AhysOwpt/w
07/11/10 17:04:48 IjTaK5jq
シリル・ヘアー『英国風の殺人』を読んだ。
クローズド・サークルものにして法律ネタ(上院ネタ)という異色作。
派手なトリックは無いものの、関係者一同に会した場での名探偵による謎解きシーン等も
あり、英国探偵小説らしい落ち着いた雰囲気が魅力な作である。
戯曲を小説化したもののせいか、描写がやや薄味なのが残念、
舞台となるカントリー・ハウスの情景、そこに集う登場人物をじっくりと書き込めば
非常に重厚なミステリ足り得たであろうと思われるのが惜しまれる。

575:書斎魔神 ◆AhysOwpt/w
07/11/11 16:50:37 jBcSaRMq
『P・G・ウッドハウス選集Ⅰ ジーヴスの事件簿』を読んだ。
刊行当時はこのミス等にもランキングされた作品集であるが、厳密にはミステリとは
言い難い作も多く含む英国国民文学的位置付けにあるシリーズである。
訳文が上品かつ軽妙にして読み易く、落語的面白さに富む。
時代性もあって御都合主義的展開が目立つものの、本シリーズの場合は目くじら立てずに
ゆったりと雰囲気を味わうべきものなのであろう。
しかし、ジーヴスという男、痛み入ります、とか言いながら、実に食えない男である(w

576:名無しのオプ
07/11/11 19:14:50 0Gi1LYXt
在日韓国・朝鮮人対象の“住民税減額措置”を利用し、伊賀市の前総務部長が1800万円着服か…三重


17 名前:名無しさん@八周年[] 投稿日:2007/11/11(日) 11:31:58 ID:b287LWMGO
減額の方がよほど問題だよ!
おかしいでしょ。
これ、日本人が差別されてる。


107 名前:名無しさん@八周年[] 投稿日:2007/11/11(日) 11:41:31 ID:iGQrDZNb0
>関係者によると、減額措置は、昭和30年代から40年代にかけ、
>旧上野市(現伊賀市)と地元の在日本大韓民国民団(民団)や
>在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)との交渉で始まったとみられ、
>納付額を半減するなどしていた。

黒幕は総連と民団。
たぶん全国でやってるぞこれ。



19 名前:名無しさん@八周年[sage] 投稿日:2007/11/11(日) 11:32:13 ID:WWwiKLKH0
在日特権は事実だったんだ…



URLリンク(blog.livedoor.jp)

在日様は減税されて、日本人は増税って・・・・。
明らかに日本人差別・・・・。



577:名無しのオプ
07/11/11 23:40:14 TC1TfD/2
『幼き子らよ、我がもとへ 上・下』ピーター・トレメイン 
                 創元推理文庫
 モアン王国内の修道院で、隣国ラーハンの尊者ダカーン
 が殺される。複雑な領土問題がからみ、タラの大集会での
 裁判で、モアン王国側に責任のないことを示さないと、
 モアンとラーハンの間に戦争がおきかねない。そのうえ、
 王国内では疫病がはやり、国王が死の床についている。
 モアン王国最大の危機を救うため、修道女フィデルマが故郷に
 呼び戻され、真相究明にあたる。

 本当におもしろかった。一気に読めました。
 大集会までの解決というタイムリミットによる緊迫感、いつ感染する
 かわからない疫病への恐怖、戦争や疫病で親を失った子供たちを襲う
 さらなる悲劇とそれに対するフィデルマの激しい怒り。
 前作よりフィデルマの人間味が増し、怒りによる失敗もします。
 大集会での、モアン、ラーハン両国関係者を前にした推理披露は、
 往年の本格推理の名探偵そのもの。
 久しぶりに、超人的な名探偵の活躍を、堪能しました。
 
 
 
 

578:読後感 ◆VkkhTVc0Ug
07/11/14 02:31:41 1hE5yvgM
「レイトン・コートの謎」アントニイ・バークリー(国書刊行会)

資産家のスタンワース氏が自邸の書斎で射殺体となって発見された。
被害者の客の一人であった作家シェリンガムは殺人とみて
親友アレックと共に事件解決を目指すのだが……。

出た端からがっつくんじゃなく一通り出揃った処でゆるゆると
発表順に読んでいくというのが賢者の読み方です。スレは立てたけどw

読んでみれば真っ当な本格ミステリという印象でした。主人公は
天才でも凡人でもない言わば秀才型探偵といった風で特に違和感は
ありません。プロットはそう複雑ではないのですが、犯人は
終盤になるまで気付きませんでした。これは風邪のせいです、はい。
あと(メル欄)が気になりました。

本作だけではまだ独創性を感じなかったので
これからどう伸びていくのか楽しみです。

579:名無しのオプ
07/11/14 12:12:10 JYe7QJf8
エラリー・クイーン「シャム双子の謎」

山火事に閉じ込められた山頂に立つ一軒の館で起こる連続殺人事件。
炎の脅威が迫り緊張しているのか、いつもより頭のキレが悪いエラリー。
親父のクイーン警視も失態を犯す。
山火事が強烈な緊迫感を演出し、論理ゲームが売りの従来のシリーズとは一線を画すドラマがある。

580:読後感 ◆VkkhTVc0Ug
07/11/15 16:10:11 IJKukyak
「雷鳴の中でも」ジョン・ディクスン・カー(早川書房)

中年画家ブライアンは知人の富豪から令嬢の説得を頼まれる。
彼女が誘いをかけられた女優に殺人容疑をかけられた過去があった
からだったが、ブライアンは失敗し令嬢は誘いに応じてしまう。
そしてそのせいで彼女は殺人事件に巻き込まれることに……。

本作はある不可能状況が設定されているのだが、種明かしが余りにも
強引に過ぎ(バカミスとかじゃなく)、トリックの考案を放棄している
のかとすら思えてしまった。ただプロットは中々良く出来ていたと思う。

581:書斎魔神
07/11/17 22:08:14 sa5qlxNN
デレック・スミス『悪魔を呼び起こせ』を読んだ。
幻の密室ものであり、国書刊行会により翻訳の陽の目を見たものの、
内容的には期待外れの感が強く、今は忘れ去られた感がある作で、
(本書の解説者は本作を高く評価しているが、
解説中に記された『不可能の解体、不思議の消滅とともに、作品の魅力もまた消え
失せてしまう場合』が多い密室ものの例外とは成り得ていない)
長く本邦未訳であった密室ものということであれば『魔の淵』方がまだその
トンデモぶりが楽しめる分だけ良い気がする。
とは言うても、曰く因縁つきの先祖の死の言い伝えが絡む謎の密室殺人、
これに続く派出所における第2の密室殺人とジョンまがいの怪奇探偵小説
(ただし、本作はジョンであればロマンス成就のハッピー・エンディングであったろう)
を意図した構成は、ミスオタなら見逃せないところではあろう。
ミスオタな素人作家の手になるものだけあって、名探偵が女に惚れっぽいイケメン、
ヒロイン(ガイシャのフィアンセ)がこの時代背景であればビッチと言われても仕方ない
『話がわかる』タイプ、ギディオンとヘンリーをミキシングしたような楽しい爺
(ヒロインの叔父)等々、同人誌風のキャラ構成が馬鹿馬鹿しくも楽しくはある。
それゆえにと言うか、理詰めを意図し過ぎて、突っ込み所も多く、
地味過ぎに終わった謎解きは今ひとつ物足りなさがあり、
ジョン作品(例えば『曲った蝶番』や『プレーグコートの殺人』等の如き)のような
ある種突き抜けたようなトンデモ感が欲しかったところだ。

582:名無しのオプ
07/11/17 22:26:04 x6cJwYjW
カッツェンバックの、精神分析医読みました。
上下巻とも厚くて疲れたけれど
良かった。
でもあれは、サスペンスなのかな。
ある日突然医師の前に不可解な手紙が。
14日間以内に自殺しないと、おまえの親戚を殺す。

そこで医師は、逃げたり名前を変えたり
そういったことで過去の自分と向き合っていく。

読み応えありました。

583:書斎魔神
07/11/18 21:35:45 2s1YAiVL
レオ・ブルース『三人の名探偵のための事件』を読んだ。
真田啓介氏(注 真田幸村ではない(w )の解説に詳しいが、
密室トリック、多重解決、アントニイ風の名探偵パロディと探偵小説論等、
盛り沢山の本格ミステリで、最終的な解決(=真相)も面白く、かなり堪能出来る。
しかも300頁程度とコンパクトに纏まって読み易いのも良し。
作品内容を離れた意外性ということでは、作者がこのような洒落っ気がある遊び心が
あるものを書く作者は、著名なプライベート・スクールからオクスブリッジ卒の
インテリ上流階級の紳士かと思いきや、転校、転職を繰り返したDQNなプロファイルの
持ち主であることである。

584:名無しのオプ
07/11/19 20:35:03 15n06iKH
>>583
魔神さん、英国でオックスブリッジに進学する贅沢な私立学校は
「パブリック・スクール」ですよ。イートンやラグビー、ハローなど。

585:名無しのオプ
07/11/20 03:23:50 I0sk+pvT
>>583
調べたらレオ・ブルース(Rupert Croft-Cooke)はパブリック・スクールの
トーンブリッジとウェリントンカレッジで教育を受けたインテリみたいだよ。
ジャーナリストをしたり、古書店を経営したり、ラジオの心理学に関するシリーズ番組
に出演したり、兵士になったり、確かに職業は転々としているけど、DQNとは対極だろ。

586:名無しのオプ
07/11/20 06:10:32 Ys+kHhg9
自演がウザいなあ・・・

587:名無しのオプ
07/11/20 14:24:34 cz+LHEZR
コージーミステリーなんだけどクッキングママシリーズ読みました。
怒涛のように話がすすんでいく中で
ややヒステリックなバツ一ママの気持ちや
ドタバタとした登場人物たち、イライラしたティーンエイジャー
その人たちの気持ちの描写や会話、話の流れ方、
とにかく読んでいるだけでどっと疲れる。
シリーズものだから仕方がないけど死体発見もワンパターン
唯一の魅力は落ち着いている警官のトムとレシピ、食事の描写
とにかく読んでいてすごく疲れるのでシリーズ揃えたのに捨てようか迷い中

588:名無しのオプ
07/11/21 00:31:19 zxeKPekF
■■■書斎ミス住警報発令中■■■
書斎は現在、全ての書き込みに対して
挑発的なレスを返してくる模様です。
ミス住の目的は、皆さんの感情を弄び、
板を機能不全に陥れて自己満足に浸る事にあります。
書斎の煽りに乗ってはいけません。
ミス住にマトモな返答を期待してはいけません。
■ただひたすらに無視し続けて下さい■
ひとりでも反応すれば、書斎は大喜びで更に挑発してきます。
煽り耐性の無い方は、当分の間書き込みを控えて下さい。
ミス住撃退には、皆さんのチームワークが、何よりも大切です。
ご協力よろしくお願い致します。
★★★基本に戻ろう★★★
★ 書斎は、放置されるのが一番キライ!
 → ウザイと思ったらそのまま放置!
★ 放置されたミス住は寂しくなって、煽りや自作自演であなたのレスを誘います!
 → 釣られてレスしたらその時点であなたの負け!
★ 反撃は書斎の滋養にして栄養であり、ミス住が最も喜ぶことです!
 → 書斎にエサを与えないで下さい
★そんなミス住を見かけたら、
 → 同情と哀れみの気持ちを込めて華麗に放置スルーしてあげましょう。


589:書斎魔神
07/11/23 08:48:20 9tsGmues
ジョン・スラディック『見えないグリーン』を読んだ。
エゲレスを舞台にしながらもメリケンの作家の手になるもののせいか、
テーストはライトなアメリカン・ミステリ、やや軽過ぎる感も受けるが、
逆に凄惨な連続不可能殺人のヘビーなムードを巧く中和する効果を上げているとも
言い得る。
第1の殺人はまさにジョン張りなトンデモトリックが炸裂して楽しめるオチだが、
第2の殺人はあまりに偶然性に頼った御都合主義が目立ち感心しない。
第3の殺人はS・Sやエル風の論理的な推理が展開されるが、
プロの殺し屋でもないのに必殺の一撃というのが、やや弱い(『悲鳴を上げないか』)感
がある。
しかし、全体を通じてはコンパクトに纏まった予想外に楽しめる作であり、
特に密室オタには必読である。なお、解説はマエストロ鮎(注 浜崎ではない(w )
が担当、相当に高い評価をしている。

590:書斎魔神
07/11/24 10:42:45 Ay2RLgCU
私の紹介によりこのスレでもおなじみになったH・R・ハガードだが、
『女王の復活』を読んだ。傑作『洞窟の女王』の続編(と言うても刊行は18年後とある)、
ゲットするのに苦労した一編なのだが、かなり不満が残る作であった。
例えば、チベットを舞台にしながらも秘境冒険小説としての内容は前半のみ、
全体の4分の1程度となっており、後は転生が絡んだ時空を超えた三角関係が
メーンストーリーとなってゆく。
この辺は読者の嗜好も関係はするだろうが、初期の大冒険ものを期待していると、
外れという感が強い。
加藤夏希風のイラストが付されたヒロイン、アシュリの語りも前作と比較すると、
柔らか過ぎて、やや切れ味を欠くものがあり、
恋をして生まれ変わり(まさに字義どおりだが)キャラが柔らかくなったのか。

591:名無しのオプ
07/11/24 11:19:21 ObDr/b+Z
スレリンク(books板:583番)

【コテ禁止】小説の匠 吉村昭5【コテ禁止】

583 :ミステリ板住人:2007/11/23(金) 20:31:22

オレも包茎だけど、カミサン喜んでむいてるよ。
むくだけむいてカリくびもって
シコシコしてくれる。単に皮が多少長いだけのこと、何の変わりもない。

ふろっ一緒に入って股開いてむいて洗わせてるよ。
オレも股を開かせてオマンコ
洗ってやってるけどね。初めはお互い恥ずかしかったけど、
いまはかみさんから
股を開いて要求するよ。

愚民諸君、心しておけ!


いや親方がカントン包茎だっていうのは、オレらみんな知ってるからさぁw


592:読後感 ◆VkkhTVc0Ug
07/11/27 12:42:12 70I2mceS
「嘘は刻む」エリザベス・フェラーズ(長崎出版)

旧友グレースに会うためイギリスの田舎町にやって来たエマリーは
そこで殺人事件に遭遇する。目撃者の証言によると当日被害者宅には
赤い服の女と茶色い服の女が訪ねていたと言う。エマリーはその片方が
グレースではないかと疑い、彼女のために事件を調査し始める。

検証シーンも結構ありミステリとしてはマル。だがストーリーがいまさん。
それにでっかいハッタリがあったりしてマイナス。あとなげーし。

593:読後感 ◆VkkhTVc0Ug
07/11/27 12:58:50 70I2mceS
「海中密輸ルートを探れ」クライブ・カッスラー(新潮社)

エーゲ海にある米軍基地が突如襲撃を受ける。襲ったのは
第一次世界大戦で使用されていたドイツ戦闘機。SOSを受け
救援に向かったピット少佐は首尾良く敵を撃退させるが
これは大事件の幕開けに過ぎなかった……。

シリーズ第一作。新規開拓に着手するも最初はダーク・ピットの暴力性に
やや引く。何もしてない女を力一杯殴るとかどんだけDQNやねん。
中盤まではストーリーもシンプルで可愛いもんだと思っていたが、
そこからややツイストしてちょっと眉を上げた。
ま、次には繋がったな。

594:名無しのオプ
07/11/27 20:16:38 OjYl079P
ピーター・トレメイン『蜘蛛の巣 上・下』 創元推理文庫
 
主役のフィデルマは王の妹で美人で法律家で修道女で馬も格闘術も達人並という完璧超人
ホームズやヴァンスや御手洗と違って性格もまともという凄さ
古代アイルランドが舞台なのだが、作者はその道ではかなりの権威らしい学者だそうで、
その時代へのわかりやすい偏見まみれのイメージを崩しまくる社会制度と法律が密に描かれていて
そういう部分では大変面白かったし、ローマ教会に同化されていく中での宗教論争が折り込んであってそのあたりも興味深い
ミステリとしては及第点止まりという感じだが、それを補って充分な作品ではあった

ただ訳者が巻末の註でシリーズのネタバレをしまくっているのはどうだろう

595:読後感 ◆VkkhTVc0Ug
07/11/30 14:15:51 hLdUEwsz
「探偵術教えます」パーシヴァル・ワイルド(晶文社)

通信教育で探偵講座を受けている運転手モーランが一人前気取りで
犯罪事件を解決しようとする連作短編集。

「悪党どものお楽しみ」と本作でユーモアミステリーの書き手として
達者なのは良く判ったが、それが制約になって話がワンパターンに
なってしまっている面も無きにしもあらぬ態にて候。
ここらで正当派の本格長編らしきミステリー・ウィークエンドを読みたい。

一番は「P・モーランと消えたダイアモンド」かな。
ネタバレ天国かも知れないが。

596:書斎魔神
07/12/01 15:02:11 8zQbFAKw
J・D・カー『囁く影』を読んだ。
定期的なジョン作品再読を怠らない俺ではあるが、出来栄えが芳しくないものが多い
せいもあって、ギディオン・シリーズ中期から後期にかけての地味めの作などは
どうも縁遠くなるものである。
本作はカーオタにはわりと評判が良い密室犯罪ものであるが、
訳者のノートと題されたあとがきにある、『・・・この作品の特に堅牢で緻密な構成は、
フェル博士登場の一連の作品の中でもずばぬけていると思われるが、どうだろう』
というヨイショに対しては、『それは違うだろう』としか言いようがない。
あとがきには、本作の手がかりの呈示の仕方を評価した部分もあるが、
トリックに関連した服装の件ひとつ見ても、これに気付けというのは無理というもので
あるし、第1の殺人トリック(密室)はあまりに老人というガイシャのキャラを
考慮すれば説得力が無さ過ぎ、ふと映画『ディアハンター』を想起させる第2の事件の
トリックの方が、まだ面白みがあるやに思う。
また、中期以降のジョンには珍しく吸血鬼ねたというオカルティズムを
導入しているが、初期のようなコテコテの怪奇色を施すわけでもなく、
あっさりと流されているのも、怪奇探偵小説好きとしては物足りないし、
ヒロインのフェイがハモンドに雇用される経緯その後の展開等、
いかに創り物を意図した謎解きミステリとはいえ、『小説』として無理が有り過ぎる感が
ある。そもそも、バーバラというキャラは不要だったのではないか?
意外性を持ったのは、ラストがジョン作品らしい恋愛成就のハッピー・エンディング
と思いきや、ビッチ(意外にもジョンは同情的)ねたを貫徹した点か。

597:書斎魔神
07/12/02 12:05:13 HQ+ylbHI
ジョン・スラディック『黒い霊気』を読んだ。
前に紹介した『見えないグリーン』が案外と楽しめたので手に取ってみたものの・・・
ジョン作品を想起させる交霊会絡みの怪奇探偵小説スタイルだが、
『見えない・・・』と同様に本作も英国を舞台にしながら軽快なアメリカン・ミステリの
タッチが貫かれているのが特色、テンポ良く読み易いものの、
オカルティズムによる恐怖感、サスペンスの盛り上がりが弱くなってしまっている
恨みもある。
そして、本作の最大の弱さは、錯覚とミステリではおなじみの小道具を使用した不可能犯罪
(人間消失、空中浮遊等)のトリックがあっけなさ過ぎることである。
はっきり言うて、一時期ミステリ板でも人気があった『名探偵コナン』レベルの
謎解きであり、文庫化までには至らなかったのが納得がゆく出来と言える。

598:書斎魔神
07/12/03 19:42:43 p64dJF70
アトゥール・ガワンデ著「コード・ブルー」を読んだ。
著者はハーバード大学医学部・同大公衆衛生大学院卒。現在は外科研修医。
あの「ニューヨーカー」誌のスタッフライターでもある。
2ちゃんねらー風情から見れば、雲の上のそのまた上の人と言えよう(w
ミスヲタ必読の章は、本書の第三部「不確定」第一章「乳児の死の謎」だ。
乳幼児突然死症候群(SIDS)とされた乳児10人の謎の連続死、
30年の歳月を経て母親が起訴されたが…
今流行の医学ミステリとなり得るネタが満載だ。
座して読め!


599:名無しのオプ
07/12/03 23:20:41 ztPJuLzA
求職活動、乙!

600:名無しのオプ
07/12/03 23:26:33 WO9Vy5As
中学校、いや小学校すら、お情けで卒業させてもらった書斎にとっては、
雲の上の上の上の上の上の上の上の上の上の上の上の上の上の上の
人と言う事かw

なあ、書斎、お前の文書、文法が変だぞ
主語と述語の位置がメチャメチャだったり、接続詞や形容詞もみんな変だぞ
パクッた文書の所だけ文法が正しくて、それ以外が、メチャクチャだから、
構成がまるわかりで、もはや喜劇だ、
その他の知識もみんな変、少しは勉強しろよ!

601:名無しのオプ
07/12/03 23:29:41 WO9Vy5As
つまらん論考なんかやってないで、小・中学校レベル(特に国語の基礎)から
やりなおせアホ!

602:読後感 ◆VkkhTVc0Ug
07/12/04 17:35:35 4CE/v48k
「ウイッチフォード毒殺事件」アントニイ・バークリー(晶文社)

とある実業家が毒殺され歳の離れた妻が逮捕された。このニュースを
知ったシェリンガムは発見された砒素の量が多すぎることから
事件の経緯に疑惑を持ち、友人アレックを誘い独自に調査を始める。

2作目。あくまでも「有罪とは言えないかも」という姿勢を取りながらも
段々推理に偏りが出てくるシェリンガムの人間味や、所々で開陳される
彼の価値観が印象深い。ただ、個人的にはもっと俗っぽさが欲しいところ。
今後に期待。

真相に関しては同時期のある作品を思い浮かべたが本作の方が
先と判りある作品にやや失望。本作の評価が上がった。

お尻ペンペンされて赤面するシーラタン(´Д`;)ハァハァ

603:注! ルールに変更点があります
07/12/06 01:38:24 IQ440aV+
現在、「2chが選ぶこのミステリーがすごい!2008」の投票を行っています
こちらに投票お願いします 

2chが選ぶこのミステリーがすごい!
スレリンク(mystery板:129-番)

【以下のルールを守ってください】
・投票スレの>>1-3は無視してください。
・対象作品は奥付表記で2006年11月~2007年10月の期限内に発行された広義のミステリー作品。
・6作品以内で順位をつけて投票すること。
・必ずしも6作挙げる必要はない。1作でも投票可とするが上記に書いてるように順位はつけること。
・1位=10点、2位=9点~6位=5点で集計。
・国内作品と海外作品は別々に投票する。
・一行以上の総評必須(ネタバレ禁止)投票スレ>>129の「各作品に一行以上~」は間違いです
・宝島社の作品は対象内
・投票期間は12月6日~1月15日まで


今年のこのミス、本ミスなどのランキングです。参考にしてください
国内編 スレリンク(mystery板:130-133番)
海外編 スレリンク(mystery板:134-138番)


604:読後感 ◆VkkhTVc0Ug
07/12/07 04:02:45 qSSUiJXv
「悪魔はすぐそこに」D・M・ディヴァイン(東京創元社)

横領疑惑をかけられ罷免の危機にあった大学講師が自宅で
中毒死を遂げた。彼は生前、過去に大学で起きたある醜聞の真相を
知っていることをほのめかしていた。そして程なく第2の殺人が起こり、
警察は前述の醜聞に関係の深い人物に疑いの目を向ける。
そんな中同じく醜聞に関わりのある若き数学講師や、公正を
旨とする法学部教授らが事件の解明に乗り出すのだが……。

ディヴァインキター!!!!!
と思いきや最大の見所たる「復縁のロマンス」が無い!
仕方ない本格ミステリとして読むかと思ったが本作のロマンスも
そう悪くは無かった。

本格としても流石の読み応えだが、フーダニットにこだわる余り
アンフェアすれすれになっていると感じた。この真犯人、
自分は二人目に疑った人物なのだが、読み返して断念したのだった。
つまり不自然なんですな。記述の正誤という以前に存在がね。
この作者ならもっと巧くまとめられるんじゃないかとつい思ってしまう。
まあエンタメ度を重視すれば見過ごせる瑕瑾かも?

追伸 解説ののりりん、国内でDVD化されてる映画ぐらい観ときなよ。

追伸の自乗 このミス5位、ミス

605:読後感 ◆VkkhTVc0Ug
07/12/07 04:06:07 qSSUiJXv
チャ3位、本ミス2位だって。前2つはこれまで本格を無視
し続けて来た人達が何故か投票したということかね。
そんな奴ら皆まとめて死ねばいいのに。
本ミスが「死の相続」を1位にしなかったのは自粛かな? そう思おう。

606:書斎魔神
07/12/08 17:05:42 +HFCcWyf
クライド・B・クレイスン『チベットから来た男』を読んだ。
解説では絶賛状態(『謎・論理・意外な結末の三位一体を、独創的なストーリー
とあざやかな雰囲気のなかでなしとげた、まさに本格好きの琴線をゆさぶる逸品と
いえます』だそうである)だが、全集初期の刊行物だったこともあって売らんかなという
気持ちはわからぬではないものの、あまりに持ち上げ過ぎである。
全327頁の作品であるにもかかわらず、メーンなネタである密室殺人の発生する
のは物語もとうに半ばを過ぎた第九章(224頁から)というのも気の長い話であり、
ここに至るまで、あくまで物語の装飾に過ぎない作者の仕入れたチベット密教ネタを
たっぷりと拝聴させられることになる。
(ネタ本に『西蔵旅行記』まで挙げられており、その薀蓄は結構本格的なものに
思えるが、読書人ならぬ単なるミスオタにはきついものがあろう)
そして、最大のセールスポイントである密室トリックもやや物理的小技過ぎるきらいが
ある。ジョンならロマンス等もまぶしながらも、もっと切り詰めて書いたのではないか。
探偵役の歴史学者の爺ちゃんのキャラも地味過ぎでインパクトを欠く。
ただし、謎解き終了によるあっさりとした幕切れはしっこさがなくて良し。
97年の邦訳作品だが、黄色人種に対する作者の蔑視を感じさせるような
部分もあってか、この作者の刊行物は後が続かなかったようである。
(第十三章で探偵と警部が日本料理屋で食事するシーンは、ちょっと面白いものがある。
タマネギ、キノコ、スライスしたヒシの実入りのスキヤキとは・・・(w )

607:名無しのオプ
07/12/08 17:32:34 ZRLLyXCV
その1
1.「チベットから来た男 クレイスン」でぐぐります
2.一番目にあるであろうアマゾンのページをひらきます
3.ピエロという人のレビューを読みます 
                                 以上

その2
1.URLリンク(www5a.biglobe.ne.jp)をひらきます
2.「チベットから来た男」の感想を読みます
                                 以上

そのほか、これまでもよく引用されておられる
URLリンク(www.h2.dion.ne.jp)
のページや、
URLリンク(www6.ocv.ne.jp)
あたりも見るとよいでしょう

608:名無しのオプ
07/12/08 19:03:54 FBUrjkNj
やめろ・・・

609:名無しのオプ
07/12/08 20:38:07 uMMdDQeS
さすが書斎。時間だけはたっぷりあるからなw

610:名無しのオプ
07/12/09 08:31:53 tdb6cIkk
書斎の文は、よそのレビューサイトかたの剽窃だっていうのは
前にも指摘されていたよな。
いくつかのレビューサイトの文を混ぜて、かと思う、やに思う、感があるで
文末を締める文体に書き直すだけ。姑息ぅ~~!!

611:名無しのオプ
07/12/09 10:11:53 NSsdqpbL
>>608
やめろも何も、もう投稿されたんだから手遅れだよ。
嫌なら削除依頼でも出せば?まずスルーされるだろうけどね。

612:書斎魔神
07/12/09 13:59:17 B+KBu3xU
トルーマン・カポーティの短編集「ミリアム」(新潮文庫)を読む。
カポーティ作品を「ミステリ」という文脈で語った例はあまり見かけないが、
クライム・ノヴェルの傑作「冷血」の著者なのは良く知られたところである。
表題作「ミリアム」は、伏線が十分に張られた短編サイコ・ミステリとしても
楽しめる作。しかし、そのテーマは奥深いものがある。
ミステリ板には、純文学と聞くと、「純文学キター!」とか絶叫して逃げ出す輩が
多いようだが、このような者たちにも突き付けて読ませたい作である。
そして、早くミステリのみが本ではないことを自覚して欲しいものである。

613:名無しのオプ
07/12/09 15:12:08 qT4R2l9s
これくらいだったらパクらなくても書けるな。
てか、ほんとに読んでる感じがしないw

614:書斎魔神
07/12/09 15:37:14 7vONORbQ
ピーター・アントニイ『衣裳戸棚の女』を読んだ。
結局、真相(犯人)は禁じ手なんだが、こういうバカミス的使い方なら納得、納得
という感あり。
著名な戯曲家兄弟の共作ゆえ、会話体が多くスピーディに読めるが、その分重厚さを欠く
のが難か。軽過ぎて未訳の他作を読みたい気がしない。
ジョンあたりが書けば、ロマンス(これに使える若い男女キャラもある)
もまじえて勿体ぶって書き込むのではなかろうか。

615:名無しのオプ
07/12/09 16:43:49 bT9gkpaP
>>610
いや、姑息なんていうレベルではないよ。

ハッキリ言って“盗用”だよ。

616:名無しのオプ
07/12/09 16:47:24 bT9gkpaP
書斎魔神は、書斎盗人とでも改名するべきだな。

617:名無しのオプ
07/12/09 17:45:04 R2g3yyFA
>>613
612なんて、ちょっと解説でも見れば読まなくても書ける程度のことだね。
いやむしろ本当に読んであの程度のことしか書けないのなら
わざわざここに書き込む必要なんかないよw。

618:名無しのオプ
07/12/09 17:48:30 x8W9gCzm
あらすじ書いてくれるほうがまだマシw

619:名無しのオプ
07/12/09 19:31:29 dAEJoDXh
今のスレの流れをみていると、感想を書き込む場合は「書斎魔神」を名乗るのが決まりになったのかと勘違いしそうだなw

それとも、盗用練習スレになったのかw

620:名無しのオプ
07/12/09 19:36:36 T+/Ahv4q
パクリがばれてあわててスレを流そうとしてるだけにしか見えないw

621:読後感 ◆VkkhTVc0Ug
07/12/12 00:26:12 Fbd4BA6T
「恐怖の谷」コナン・ドイル(新潮社)

ホームズの許にもたらされた一通の暗号文。
それは宿敵モリアティ教授の組織にいる“ディープ・スロート”
ポーロックからの物であった。暗号を解いたホームズだったが、
時既に遅く、その中で予告されていた犯罪は起きてしまっていた。
田舎の古館に轟く銃声。書斎で見付かった惨殺死体。堀に囲まれた
巨大な密室から犯人は如何にして消えたか?
館の主人が口走った「恐怖の谷」とは?

長編の中で唯一読んだことも観たことも無かった話。事件の解決と
動機の物語という「緋色の研究」と同じ構成になっている。

しかし「緋色の研究」の後半が只のサスペンス小説だったのに対して
本作の後半は捻りが加えられており、また事件の解明においても
111pでホームズが言うように、最後までだんまりを通すのではなく
推理の過程をワトスン(=読者)に提示して進められている。
これらは本作が発表された1915年にはもう開幕していた黄金時代を
意識しての変化の様に思える。一方でデビュー作と同じ二部構成に
したことはゲーム的なパズラーが勃興しつつある中で原点回帰を
唱えたのかも、とこれは考え過ぎか。

個人的には「緋色の研究」後半のサスペンスも犯人指摘シーンの
鮮やかさも大好きである。

622:読後感 ◆VkkhTVc0Ug
07/12/12 15:08:51 Fbd4BA6T
「殺意のバックラッシュ」ポーラ・ゴズリング(早川書房)

警察官ばかりを狙った連続殺人事件が発生し、ストライカー達の
捜査は、被害者達の繋がりが全く掴めずに難行する。そんな中、
同棲中の恋人に男の陰がちらつき苛立ちを深めるストライカー。
しかし彼にも心を乱される女性が現れ……。

前作における主人公と恋人の出逢いはそれはもう酷かった。
ハワード・ブラウン風に言うなら“二日酔いのバーバラ・カートランド”
てな感じで。しかし流石に4年経って頭を冷やしたのか幾分
冷静に二人の破滅的な関係を描写している様に見受けられた。
愛情以外共有物の無い二人にそれぞれ新しい異性が現れ―昔早川が
非情にもぶっちぎったジャネット・ニールという作家の作品を思わせる
展開にニラニラしながら読んだ。一応、ケリはつくんだけど、
「実はあの後……」なんてまだまだ後付けは可能だぞ牛頭!

ミステリーとしても中々良かった。前作の様な古典を意識した
象牙の塔の殺人より、本作の様なスピーディーなサスペンスに
力を発揮出来る作家だと思った。シリーズ次作も読む。

623:名無しのオプ
07/12/14 00:49:17 HjS5Jj74
「泥棒のB」 スー・グラフトン ハヤカワ

「たまには軽いのもいいけど、これってさすがに軽すぎるんじゃないの?」と
一生、読まない作家リストに入っていたんだが、ふと手にしてしまった。
主人公はご存知、キンジー・ミルホーン
失踪人探しの依頼から隠された犯罪に出くわすという
ありきたりのストーリーながらテンポよく読ませてくれる。
強烈なキャラこそ出てこないが、みんなそこそこ楽しませてくれる。
やたらと女探偵というのを売りにしたシリーズかと危惧していたが
そうでもなかったし結構楽しめた。



624:書斎魔神
07/12/15 13:43:19 TaMPCJbC
ジョエル・タウンズリー・ロジャース『赤い右手』を読んだ。
アベックを襲撃した殺人者は森に消えた・・・そして連続殺人が・・・
10年以上前に初訳され、
ミステリとして、そのあまりの反則ぶり(叙述もストーリー展開も)に驚愕した作、
あまりに見え見えの展開にしないために、あまりに無理やりな展開になってしまった
という感を強く受ける。つまり狙い過ぎたのである。
また、国書刊行会のシリーズ作品にしては、かなりエグくグロな描写も多い異色作
でもある。
(この作家は、文体、作風からは濃いキャラを前面に出したサスペンス系統の方が
向いているように思われる。実際、ピカレスク風の作も著しているようだ)
今思えば、ハーバード大卒・プリンストン大院中退な高学歴とはいえ、
単行本は数冊を刊行するにとどまったパルプ作家の手によるものだけに、
過大評価は禁物、気軽に読み飛ばすべきものだったのかとも思う。
つまり腹を立てたり、突っ込みを入れるだけ野暮っていうことである。
解説でも指摘されているとおり、時系列が錯綜する構成となっているが、
幸いにもこなれた明解な翻訳により読み難さは免れているのは幸いである。
細かい点だが、解説において、メーンキャラとなるコークスクリュー(あだ名)が、
ドクと自称していた点につき、全くコメントが無いのが気にかかった。
これも、まあ『アレ』なわけだが・・・

625:名無しのオプ
07/12/15 14:38:12 80FRuaqz
>>624
盗用元のURLを記しておいてください。よろしくお願いします。

626:名無しのオプ
07/12/15 15:18:23 FOvg2Is+
またアマゾンのピエロから盗みましたとさ

627:書斎魔神
07/12/15 18:04:37 vrDGVSbh
馬鹿野郎!!!!!!!!!!!!!!

628:書斎魔神
07/12/16 21:20:21 /wa4VffF
C・デイリー・キング『タラント氏の事件簿』を読んだ。
個々の作品の出来栄えはともかくとして、不可能犯罪の凝った状況設定が
なかなか楽しい作品集であった。
ただし、この作者、魅力的な謎の設定という点は長けているものの、
その解決部分は弱いというのが全体的な印象である。
大好評につき収録作品全話講評いってみよう!
『古写本の呪い』
NYのど真中にある博物館、呪いがかかっていると言われる古代アステカの古写本を
徹夜番という設定が面白い。
密室内からの写本消失の謎はこれしかないという意外にあっけないものでるあるのが難か。
『現れる幽霊』
ワトスン役(ジェリー・フィラン)のロマンスを中心に置いた怪談仕立ての一編。
新装家屋の幽霊談というのが異色だが、解決が御都合主義で機械的過ぎるのが難か。
『釘と鎮魂曲』
屋上のペントハウスを舞台にした凄惨な密室殺人ものである。
ガイシャ(絵のモデルである若い娘)と犯人のキャラを濃く書き込めば、
横溝風の怪奇・猟奇趣味溢れる読物になったであろうが、都会派デイリーは
あっさりと語って謎解き(筋は通っているが、小技という感あり)してゆく。
『第四の拷問』
マリー・セレスト号事件の前ふりに始まり、終盤、いきなりB級パニックホラー的
展開となるトンデモな作、まあこの意味では楽しめる作とは言える。
探偵しか知り得ない事実が後で明かされる等のアンフェアな部分もあるが、
こういう点を問題視すべき作ではなかろう。

629:書斎魔神
07/12/16 21:21:18 /wa4VffF
『首無しの恐怖』
収録作品中唯一の非不可能犯罪もの。
時代性もあって人種偏見丸出しなネタだが、
ストーリーそのものは警察小説的な犯人探索のスリルに富む異色作。
『消えたハープ』
これも不可能犯罪もの、密室から消えたハープの謎。
『・・・もののけの仕業か』というタラントの台詞等のくだけた訳には笑える。
収録作品中では最長の作品で、書き込んである分、密室状態のサスペンスを感じさせる
作だが、謎解きは『やっぱりそれか』程度のもの。
『三つ眼が通る』
タイトルから笑える。真面目に訳しているんだろうか。
この作も人種偏見あり、ストレートなトリックの短かめの作。
『最後の取引』
これはトンデモというか・・・これを書くとミステリのシリーズとしては終わるしかない。
逆に終わらせるための作とも言える。 
タラント氏は嫌味の無いジェントルな名探偵なので、
オカルト的な妙な人物におちょくられぱなしの感があるのは気の毒。

630:名無しのオプ
07/12/16 21:34:47 z0UjmpPE
>>628-629
>>625

631:読後感 ◆VkkhTVc0Ug
07/12/20 15:01:54 Dl7JUAU5
「SAS エチオピア皇帝の宝」ジェラール・ド・ヴィリエ(東京創元社)

貧乏貴族の雇われスパイ、マルコ殿下の今回の任務は独裁体制の下で
内戦状態になっているエチオピアで死んだ皇帝が隠したと言われる
莫大な黄金を捜し出しエリトリア人民解放戦線を支援すること。
マルコは現地のCIA工作員の助けを借り黄金に繋がる人物と
コンタクトを取るが独裁政権の殺し屋にかぎつけられる……。

表紙の外人は当時来日してたモデルか何か?
「実はこの人が!?」的なサプライズがあったりして。

内容はまあお馴染みのセックスドンパチセックス拷問セックス
みたいな感じで楽しめるよ。地理的に良く調べてるな、ってか
嘘かも知れんけど。
ただ、出てくる女が全員爆乳つうのはどうかと思う。一人でいい。
その方が興奮するから。

後半マルコが安らぎの象徴としてアレクサンドラ思い出すのワロタw
まあ確かに比較すりゃマシだけどさ。

632:書斎魔神
07/12/20 17:55:12 2mDgZfXQ
ジョルジュ・ランジュランの作品集「蝿」を読んだ。
たいした作品ではないが「安楽椅子探偵」という犯人探しのミステリも収録されている。
表題作は、映画「ザ・フライ」の元ネタ(忠実な映像化ではない)。
70頁強程度の短編だが、比較的忠実に映像化された
英国ハマー・プロ作品のエッセンスの全てが原作にあったのだと良くわかる。
短いながら伏線も十分が効いたスリリングなSFミステリの趣がある原作が、
文学性の面から見てもはるかに上である。
作者ランジュランは既に忘れられた作家ではあるが、ロンドン育ちのフランス人
だけあって、英国の渋さと仏国のメランコリーが巧みに融合された独自のムード
がある作風は忘れ難いものがある。
ただし、「蝿」以外の本書収録作品は、見え見えな展開が多い糞ばかりなのが残念だ。
まさに2ちゃんねらーレベルと言い得る。

633:名無しのオプ
07/12/20 18:19:40 ULUikXVy
書斎さん、ID切り替え忘れてますよ。
コロンボスレでわめいてたのは書斎さんだったんですねw

634:名無しのオプ
07/12/20 18:22:38 Yd/3Qt/9
馬鹿、ここに極まれりwwwwwwwwwwwwwww

494 名前:名無しのオプ[] 投稿日:2007/12/20(木) 14:04:58 ID:2mDgZfXQ
大学の非常勤講師だぞ、ミス住は。

497 名前:名無しのオプ[] 投稿日:2007/12/20(木) 16:01:02 ID:2mDgZfXQ
英米比較文学論と憲法学(日本国憲法)

504 名前:名無しのオプ[] 投稿日:2007/12/20(木) 17:50:50 ID:2mDgZfXQ
黙れ・・・

635:名無しのオプ
07/12/20 18:25:13 kmFQDxFO
悔しかったんですね

636:名無しのオプ
07/12/20 18:37:33 bu/6ep1u
「ジョルジュ・ランジュラン」でぐぐったら、
一番上にアマゾンの「蝿」のページがあったw

637:名無しのオプ
07/12/20 20:17:39 Gd5MtgzT
「ハエ男の恐怖(1958)」でも「ザ・フライ」でも、
英国ハマー・プロ作品なんかじゃねえぞって、
何回注意されたら判るんだ?この阿呆は。


638:名無しのオプ
07/12/20 22:22:51 ZbhOVkwt
>>637
日本公開された蝿男は、全部20世紀フォックスでしたね
親方の薄味頭の中にだけ、ハマー・プロ製の蝿男がいるのでしょうW

639:読後感 ◆VkkhTVc0Ug
07/12/21 00:20:23 a7SuE1N/
「無意識の証人」ジャンリーコ・カロフィーリオ(文藝春秋)

妻に逃げられて以来精神不安定で生きる意欲を失くしていた弁護士
グイードは少年を誘拐し殺した容疑をかけられた黒人男性の弁護を
引き受けることになる。己の抱える問題に悩みながらもグイードは
裁判に臨んでいく。

ディーヴァー絶賛の駄作。まず第一章が不要。この程度のことは
第二章に織り交ぜれば事足りる。それから本筋に関係ない観念的な
場面が所々に挿入されていて興を削ぐ。見せ場であるはずの法廷シーンも
プロとは思えぬ躍動感の無さ。長々と証人の心理状態について
話してたりしてどさまぎに自説を垂れ流してるだけみたいな印象。
読んで損した。

640:名無しのオプ
07/12/21 01:42:26 233G+REd
632についてはこちら↓

スレリンク(mog2板:53番)

641:書斎魔神 ◆AhysOwpt/w
07/12/22 16:53:49 hIphPIKf
マイクル・イネス『アララテのアプルビイ』を読んだ。
冒頭は、船上を舞台にしたミステリと思わせて、非常に予想外の展開を見せる
アプルビイ・シリーズの異色作である。
正直言うて、本格ミステリとしての面白さはゼロだが、
そもそもそれを意図していない作である。
英国は冒険小説もお家芸とする国だが、漂流、原住民の襲撃、宝探しの秘密、
スパイ、戦争の影等の伝統的な冒険小説ではおなじみの要素を盛り沢山にした作を、
極めて我流で文学趣味と機知に富んだ作風になっているとはいえ、イネスが書いていたという意外感は大きいものがある。
爽やかだが本格ミステリと異なり知性のきらめきという点では分が悪い冒険小説だが、
オクスフォード出身なプロフェッサーであるマイクルの『漏れならこう書く』という
意気込みが感じられはする。
細かい点だが、翻訳で気になったのは『リヴァイアサン』に『巨大魚。クジラという意味
もある。しばしば悪の象徴』との解説が付されているが(256頁)、
バイブルに由来するものである点にも触れておくべきであった。
読者の教養が読ませ、楽しませるという側面があるマイクル作品の場合、
こういった配慮には事欠くべきではなかろうかと思う。

642:書斎魔神 ◆AhysOwpt/w
07/12/23 21:02:31 MYHlwA5z
ロナルド・ノックス『サイロの死体』を読んだ。
著名な『陸橋殺人事件』は、謎解きミステリとは言うても癖のある変化球的作と
言い得るが、本作は怪奇、猟奇、エロ等の装飾が無いコテコテの英国本格探偵小説である。
最初は地味過ぎる設定、語りのテンポも緩く読むのが辛い面もあれど、
トリックはジョン級のものをかましてくれるゆえ、この点は十分に満足がゆくし、
謎解き部分における『手がかり索引』という手法も読者への挑戦とは異なる趣向で
面白いものがある。

643:名無しのオプ
07/12/23 21:18:30 QeAjOkl4
読むならクイーン読んで出題に回答するべきだろお前はw

644:名無しのオプ
07/12/23 23:41:10 Vl7WnzHQ
「ロナルド・ノックス」でぐぐってみたら、Wikiのページがトップにあったw

645:名無しのオプ
07/12/24 00:03:04 g15bmCsw
それは別に珍しくないが

646:書斎魔神 ◆AhysOwpt/w
07/12/24 12:05:17 jsglOLPH
ジャック・ケルアック『オン・ザ・ロード』を新訳により再読した。
(旧訳の邦題は『路上』)
青春冒険小説とでも称すべき作であり、作品全体を覆う清新さは今も健在である。
米大陸を文字どおり西(西部・西海岸)へ行ったり、東(東部・東海岸)へ行ったり・・・
いつの時代にもこの手の作ではおなじみのドラッグもセクースも
ミュージック(ビーバップ興隆の頃)も有りだが、大事件は皆無なストーリー、
ヒッチハイクとバイクという違いはあれど、
後の映画『イージー・ライダー』(69年公開)が念頭に浮かばずには置かないが、
本作の素材となった作者の米大陸放浪が40年代後半、作品の刊行が57年、
映画公開年にはジャックは鬼籍に入ってしまう。
キャプテン・アメリカたちの殺伐としたバイク放浪と比較して、ぼくとポン友デューイの
ヒッチハイクは、なんともマターリ、まだ親切とホスピタリティが存在した
古き良きアメリカを感じさせるものがある。
そして時代は下り『ヒッチャー』(85年公開)に象徴されるようなヒッチハイク恐怖の
時代へとなってまう・・・
いずれの『時代』にも戦い続ける国メリケンの戦争の影を作品上に見るのは、
ひとり私だけではなかろう。
(言うまでもなく、ロードには第2次大戦、イージーにはヴェトナム戦争、
ヒッチには冷戦終結期)

647:名無しのオプ
07/12/24 13:46:50 is6pIosM
またパクリかwww

648:名無しのオプ
07/12/24 14:10:37 XTSFZtv+
「ジャック・ケルアック」でぐぐってみたら、
トップにWikiのページが、
その次にアマゾンのページが、
あったw

649:名無しのオプ
07/12/24 14:20:38 XTSFZtv+
でもって、アマゾンのページにアクセスしてみたら、
「オン・ザ・ロード」が一番上に、
「路上」が二番目に、あったw


偶然だとしたら、ものすごいなw

650:名無しのオプ
07/12/24 17:15:45 pQOa+t1l
<いないいないバーカ>

651: ◆XjFtIkbasQ
07/12/31 20:41:12 ZI+Oep1S
ケン・フォレット『針の眼』(1996改訳、新潮文庫)【8.5点】

大戦末期、ドイツ軍劣勢を覆す情報を掴んだ冷酷なスパイ(暗号名“針”)。
ロンドンを脱出しドイツへ向かう“針”と、英国情報部との暗闘は、
嵐の孤島で決着を迎えようとする。

フォレットの出世作を読んでみた。序盤から一気読みの面白さで、
これを29歳で書いたという作者にびっくり。Dデイを背景としたスパイ物で
題材的にはそれほど独自性はないが、孤島に住む若夫婦を事件に絡ませることで
物語を奥深くしている。

“針”の人物造形やエピソードにもうちょっと厚みがほしかったし、
ラストもちょっとあっけない気もするが、名作と呼ばれているのも納得。

652:名無しのオプ
07/12/31 21:33:22 l//hlFiM
「オールダリー荘」シリーズの第三弾、ジェームズ・アンダースンの
“The Affair of the 39 Cufflinks” を読んだ。

2度の殺人事件の後、「オールダリー荘にはいにしえのジプシーの呪いがかけられている」
とまで書きたてられて、今後、ハウスパーティーは開かないと宣言するバーフォード伯爵。
しかし、大伯母の葬儀と遺言状の公開のために、ソーンダーズ家の親戚たちが集まったその晩
またもや事件が。
登場するのは、犬猿の仲の国会議員と勅選弁護士、アメリカ帰りのファッションジャーナリスト、
いたずら好きの青年、おつむの軽いブロンド娘、継母にこき使われてきた故人の孫娘等々。
おなじみウィルキンズ主任警部が、犯行現場にばらまかれた39個のカフリンクの謎や
倒れた甲冑像の謎、盗まれた歯磨きチューブの謎などに挑む。
もちろん令嬢ジェリーもウィルキンスと探偵の腕を競う。
バーフォード伯爵の怪しげな行動ははたして殺人事件のストレスゆえか。

登場人物は、被害者を除いて憎めない人ばかりだが、それぞれに秘密を抱えていて
それが明らかになっていく過程が楽しい。笑っているうちに、事態は緊迫していく。

前の作品(「切り裂かれたミンクコート事件」)から22年を経て書かれた本作だが、物語の中では
ほんの数カ月しかたっていない。
作品としては3作中一番出来がいいように思う。
とにかく楽しくて、あっという間に読み終えた。
そのうち翻訳されるだろうが、英語も難しくないので、前作が気に入った人は原書で読んでみては。
伯爵には気の毒だが、ぜひ第四弾がでてほしいものだ。

653:書斎魔神 ◆AhysOwpt/w
08/01/02 19:57:49 mLA4FooI
スラヴォミール・ラウイッツ『脱出記 シベリアからインドまで歩いた男たち』を読んだ。
副題からもわかるとおり、まあ凄まじいまでの冒険ドキュメントである。
第2次大戦中、シベリアの強制収容所から脱走した著者(『終わりに』に記されているが、
正確には語り部)と六人の仲間、途中、孤児となったポーランド人少女も加わった七人は
自由の地英国統治下インドを目指し、逃げに逃げまくる・・・
フョードルの『罪と罰』や『死の家の記録』の舞台となった北シベリアから、あの『アーロン収容所』
の舞台ビルマ(ミャンマー)の隣国にまで及ぶのだから、そのスケールと苦難の大きさが推し測れ
ようというものである。
筆者は、ハガードの冒険小説等に関して、秘境冒険小説的要素が全体の前半あるいは
3分の1程度にとどまる点につき不満を述べたことがあるが、時代を大きく下るとはいえ、
意外にもノンフィクションである本書によって十二分以上にその欲求を満たされる結果と
なったのは意外であった。
本書の場合、全23章中14章がその逃避行の経緯の記述に当てられており、
極寒のシベリア縦断、酷暑のゴビ砂漠縦断、峻険なヒマラヤ越え(このリアルな書の終盤になって
雪男目撃談が登場するのには意外感があったが、このエピがあったがため本書刊行の契機と
なったことが訳者あとがきに記されている)等々、
まさに息もつかせぬ展開の連続である。

654:書斎魔神 ◆AhysOwpt/w
08/01/02 19:58:28 mLA4FooI
また、前半も拘置所における凄惨な拷問(右の歯を叩き折られ、バランスを取ると称して
反対側の歯まで叩き折られるシーン、キシュカという立ちっ放しの独房への幽閉シーン等)、
家畜車両に押し込まれての強制所への大移動、その後のシベリア死の行進とでも称すべき
雪中シーン等迫力溢れる場面の連続であり、日本語訳で活字上下2段組あるいは
上・下巻分冊になるほど詳説しても良かったのではないかと思われるほどの重みがある
内容となっている。
(『はじめに』には『この本に書いた物語は、、いまは昔の1945年に私が片言の英語で、
最初は妻に向かって話し、その後ほかの人に話したことを、ごく短く約めたものである』
と記されている)
ただし、読んでいて疑問に感じた部分も無くはない。
・氷結したシベリアの河に落ちるシーンがあるが、ハートアタックや凍傷になってしまうのでは
ないか?
・装備無しでゴビ砂漠やヒマラヤ山脈越えというのは現実的に可能性はあるのか?
等である。

655:名無しのオプ
08/01/02 21:33:21 b9ytbZJM
パクリ感想乙

656:名無しのオプ
08/01/02 22:05:02 mqn91Wvj
さすが書斎のセレクトは一味違う。
今年も楽しみに読ませてもらいます。

657:名無しのオプ
08/01/02 22:19:08 AtTwbwOO
同感です。本当にすごいよ。新年から感激です。

658:名無しのオプ
08/01/02 22:59:31 aUGZgGOI
自分で声援乙

659:名無しのオプ
08/01/03 06:06:09 7UJ6eiSR
普通に板違いだな
よそでやれや>>653-654

660:名無しのオプ
08/01/05 19:27:29 6pPl8EC2
>>651
「針の目」が面白かったなら同じ作者の「鴉よ闇へ翔べ」もおススメ。
同じくDデイ裏話ものなんだが、いろいろな特技と経歴を持った6人の
訳ありの女たちが占領下のフランスに密かに潜入する、
という粗筋を聞くだけで「ナバロンの要塞」や「特攻大作戦」を想起して
期待に胸躍らせる人であれば読んで損はないと思う。

ちなみにフォレットは上記2作しか読んでないけど、「大聖堂」は面白いらしいね。
読むかどうかは判らないが。

661:651
08/01/05 23:47:54 M4MC3l8O
>>660
>「鴉よ闇へ翔べ」もおススメ。

あ、ちょうどそれ探してるところ
(びんぼ人なので主に古本派(ノ∀`) )。

初フォレットは『大聖堂』で、すごくおもしろかったよ。
ちょっと長いけど。

662:名無しのオプ
08/01/09 21:05:46 oeQTVhEP
大聖堂、上巻最後のメ欄が苦痛で、ここから先がどうにも読めないんです。
おもしろいと評判なので、読まないのはもったいないかとは思うんですが。

663:読後感 ◆VkkhTVc0Ug
08/01/10 17:16:44 Si/BMsYl
「警視の接吻」デボラ・クロンビー(講談社)

人生に大きな転機を迎えることになったダンカンはジェマとの間に
溝を感じる様になる。そんなとき公園で美女の他殺体が発見され、
二人は地元警察と共に捜査に当たるが、浮かんで来た容疑者の中には
ジェマの心を騒がす人物が……。

シリーズ第6作。最長かも知れないが、ミステリーとしての密度は
あまり感じなかった。前作から変化を予期させていた二人の関係を
シリーズとして見ていくのが正しい読み方なのかな。
ただジェマの酊露滅鬼がやっつけぽかったのが残念。折角長いのに。

664:読後感 ◆VkkhTVc0Ug
08/01/10 17:43:10 Si/BMsYl
「強盗こそ、われらが宿命 上・下」チャック・ホーガン(ヴィレッジブックス)

地元の仲間とつるんで強盗を繰り返していたダグは、ある時
押し入った銀行の支店長クレアにあろうことか一目惚れしてしまう。
情報収集にかこつけて彼女に近付いたダグはやがて恋人として
付き合うようになる。しかし事件を追うFBI捜査官フローリーは
ダグ達に目星を付け、少しずつ輪を狭めていく。そして彼もまた
事情聴取したクレアに好意を抱いていた。恋人と生きるため
ダグの取るべき道とは?

あけまちんこおめでたまきんことしもよろしくとりいみゆきとけこんしたい
ロマンススレで紹介されていたけどちっとも食い付きがなく、
保守的なスレだからなぁと思っていたところが読んだ上では
あそこには合わないとの結論に。
ロマンス的には二人のシーンが思ったより少ないし、ヒロインが
主人公に釣り合ってない。結局主人公の潜在的な願いの一部としての
“女性”が実体化しただけという感じ。ただミステリー的には
(メル欄)という解釈も出来んこたないかも?
他に気付いたのは主人公の立場からみた“悪人”の数が少ない
ということ。個人主義のアメ公にしちゃあ珍しい主人公。

別にお奨めはしない。


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