07/07/14 17:40:39 Tl9BmzRW
>>430
>だって主要登場人物の一人が…なわけじゃないですか。
メール欄で教えて。やっぱり読み落としてたか・・orz
433:書斎魔神 ◆qGkOQLdVas
07/07/14 23:45:52 ef5V60/r
>>431
「ジャッカルの日」は、ストーリー上は正義の側にあるはずのOSSの非情さ(拷問シーン等)が
印象的、やはり大人の読物という感じである。
第2作「オデッサファイル」(ナチスねた)、第3作「戦争の犬たち」(傭兵ねた)
と刊行順に読んでいけ。
いずれも現代でも通用する興味深いねたであり、あらためてフレデリックの着眼点の良さを
感じさせるものがある。80年代後半以降の作品は今ひとつという出来になって来る。
434:名無しのオプ
07/07/15 00:20:50 bC7T6StZ
さすが書斎魔神さん、読書ガイドも堂に入ったものだね。
435:名無しのオプ
07/07/15 06:37:07 d6pRjBnT
.433
どうも、ありがとう。
436:名無しのオプ
07/07/16 00:00:07 +imwjySp
いいのかな…この流れw
437:名無しのオプ
07/07/16 01:23:04 zipcVI7x
430さんではありませんが、
>>429の後に、>>432を読んでちょっとビックリ。
読み落としちゃうのか、あれを‥。
サディー、可哀想に、浮かばれないな‥。
438:430ではないが
07/07/16 02:04:52 U5MSMw9G
>>432
メール欄
439:名無しのオプ
07/07/16 07:05:39 I1X9/f+x
「フレデリック・フォーサイスはジャッカルが一番面白くて
後はだんだんつまらなくなる。」
普通に読んだ普通の人の意見ならこうだね。
440:429
07/07/17 20:03:59 +Zaytgm9
>>437
>>438
レスどうもです。そこはさすがに気づいてました。
いやてっきり真犯人が別にいたのかと。
441:名無しのオプ
07/07/20 17:55:27 kmS6vnUc
「ダークライン」ジョン・R・ランズデール 早川書房
テキサスの田舎町に越してきてドライブインシアターを営むスタンリー家。
少年ヘンリーは裏庭で土中に埋もれた手紙入りの箱を見つけところから
大人の世界へ一歩踏み出すことになる。
「ボトムズ」と比べてもかなりミステリ色は薄めで青春小説に近い。
40手前のおっさんだけど久しく忘れてた「夏休み」を感じさせてもらったよ。
442:書斎魔神 ◆qGkOQLdVas
07/07/21 07:55:23 /NkVIy+k
今更ではあるが、ダン・ブラウン「ダ・ヴィンチ・コード」を読んだ。
社会的なダ・ヴィンチ・ブームを巻き起したベストセラーではあるが、
それゆえ、手を出しかねていた面がある作。
出来としては、期待以上でも以下でもないといったところであり、
御都合主義で安手なアクションが鼻につく感はあるが、
キリスト教を中心とした歴史・宗教に関する薀蓄(トンデモ含む)が満載であり、
ダ・ヴィンチ人気が高い日本とはいえ、ベストセラーになったのは不思議な
感はあるが、世界的に見た場合、謎解きミステリ(と同時に歴史ミステリ、
あえて本格ミステリというワードは使用しない)の現在形は、
こういった形になってゆくのであろうかという気はしている。
最早、日本のミスオタが熱狂しているような巧緻な密室や精緻なアリバイ破り等の時代
でもなかろう。
高校世界史B程度(テンプル騎士団などは本作のキーワード中のキーワードと言える)
をきちんと履修していないと、読み難く、到底、楽しんで読むことは出来得ないかと思う。
私の如き知識人層の間で、ダ・ヴィンチねたのちょっと毛色が変った作があると
話題になり、文庫化もされずにひっそりと消えていっても不思議ではない作だったのだが、
映画化の機等も利用し、「これ」を売りまくったのは、さすが角川であると言える。
443:名無しのオプ
07/07/21 10:56:27 7ep8F/CM
ジル・マゴーン「騙し絵の檻」
人間関係とか時間軸とか分かり難いのはわざとだな、と思って
きちんとメモを取ってじっくり読んだよ
18章の終わりで鼻からスパゲティ吹いた
444:読後感 ◆VkkhTVc0Ug
07/07/21 12:16:29 GqHxx0Wv
「沈黙のゲーム」グレッグ・アイルズ(講談社)
妻を亡くし幼い娘と二人、故郷に帰って来た弁護士作家ペンは
地元紙から受けたインタビューの中でかつてここで起きた
未解決の黒人殺人事件に言及してしまったことから、その事件の
解明に乗り出すことになる。ところがその過程で彼を巡る過去の
因縁が吹き出して来る―。
上下巻ながらも負担に感じることなく読めた。
筋立てとしては特に真新しいものはないが、
真相を明かして終わるのではなく、真相によって敵味方を鮮明にし、
最後の対決にもっていくという手法が目を引いた。
ただ、法廷場面がイマイチ盛り上がりに欠ける気がした。
これは弁護士作家じゃないから? 経歴知らんけど。
445:名無しのオプ
07/07/21 22:52:55 jn4ptl49
アイルズって元はFBIに籍があったんじゃなかったけ。
446:名無しのオプ
07/07/21 22:58:22 J5XJgpRd
>>444
面白そうですね
アイルズは「神の狩人」しか読んでいないので、これも読んでみます
447:名無しのオプ
07/07/22 00:03:07 qrJN4rK2
自分で知識人て言う人もめずらしいねww
448:書斎魔神 ◆qGkOQLdVas
07/07/22 09:27:48 1rNHedW3
トマス・ハーディ「日陰者ジュード」を読んだ。
ハーディの最後の小説にして代表作でもあるが、「テス」と比較すると今ひとつ
という感がある。
社会派小説(当時)としても、ダブル三角関係を描いたメロドラマとしても読める作ではあるが、時代の波に圧されてゆくヒロインに焦点を絞って書き切った
「テス」と比較して、メーンキャラがタイトルに冠された石工ジュード、その最初の妻であり農民上がりの酌婦アラベラ、
ジュードの従兄妹であり後に恋人となるスー・ブライドヘッド、
スーの夫である年輩の教師フィロットソンと主要人物が、それぞれにかなりのボリューム
を物語に占めており、(実際、主人公ジュードが脇に配され、あるいは、殆ど登場しない章
が相当数存する)、ストーリーに変化をもたらす効果は上げているものの、
語りが散漫になっている面は否めないものがある。
449:書斎魔神 ◆qGkOQLdVas
07/07/22 09:30:17 1rNHedW3
また、テーマの面でも教会・結婚・大学という21世紀となった
現代にも通じる社会制度問題(非キリスト教徒である我々にも後2者の問題は切実な問題として迫って来るものではあるが)を
全て取り上げてしまったため、各問題に関する掘り下げがそれぞれに浅くならざるを得なかったきらいがあるのが惜しまれる。
なお、「ミステリ的読み」としては、スーのキャラ分析の興味に尽きる。
彼女のキャラそのものが、まさに「ミステリ」なのだが、それは安っぽい謎の女の類ではなくして、
正に人間存在の根源に関わるものなのだと言える。
作品中に書かれざる、明示されざる「ミステリ」を読み解くこと、
さてミスオタにこれが出来る否かだな(w
450:あぼーん
あぼーん
あぼーん
451:名無しのオプ
07/07/27 10:51:28 bne64hn6
『殺人症候群』/リチャード・ニーリィ を読んだ
国産ミステリ読んでる人はすぐにトリックわかっちゃうね
ただ最後の2,3行の意味はわからなかった
主人公がアレ切っちゃうのはトリックと何か関係あるのか?
452:書斎魔神 ◆qGkOQLdVas
07/07/28 20:11:40 3VA4mKZg
ポール・アルテ「狂人の部屋」を読んだ。
絨毯の謎の濡れ、本邦のタクシー怪談を想起させるようなネタだが、
この作者にしては地味な感がある謎の提出ではある。
後半に入り新たな事件が発生、不可能趣味が炸裂して来る。
ただし、訳者あとがきにあるアルテ最高傑作というのは言い過ぎ、
とにかく死者甦りネタの真相がお粗末過ぎるのである。
また、真相は検死でわからないという前提で話を進めているようだが、
(その旨の記述もあり)、現代法医学の書を参照すると疑問である。
それとも英国あるいは作者の母国であるフランスの検死制度は、
少し前に話題となった本邦の検死制度以上にザルなんであろうか。
全体的にはジョンの悪しき影響というかツンデレなラブロマンスが、
物語を退屈、かつ、テンポを悪くしているのが頂けないものがある。
アルテの魅力は先人ジョン以上のストイックさ、簡潔さ等であったというのに。
453:名無しのオプ
07/07/30 20:50:45 EATLI7qJ
リチャード・ノース・パタースン『子供の眼』(上下)
(2000→2004、新潮文庫)【8.5点】
弁護士テリは駄目夫リッチーとの離婚を決意し、娘の監護権を争う。
ボスである弁護士クリスを頼り親しい関係となるテリーザだが、旅行中に
夫リッチーが死体で発見された。自殺か殺人か、真相は深い闇の中・・・・
『ラスコの死角』『罪の段階』に続く弁護士クリス・パジェットもの。
できれば『罪の段階』は読んでいたほうが良い。リーガルサスペンス+
家族ドラマというありきたりの設定だが、クリスが何やら怪しい行動を
とるのでどこに着地するか予断を許さない。文庫上下巻本だが、一気読み。
とくに手に汗握る法廷シーンは圧巻。前作よりもおもしろい。
テリとキャロラインと女精神科医のキャラが一緒だとか、終わり方がくどいとか
欠点もあるが、傑作の名に恥じない。とりあえず、リッチーは死んでザマミロ。
454:名無しのオプ
07/08/01 18:49:15 sDOAx0AG
トニー・ケンリックの「スカイジャック」(1972)を読んだ。
既に読んだつもりになっていたが、実は今回が初読だった。
(昔買ったけれども、そのまま積読状態でした。)
ジャンルは、ユーモア・ハードボイルドになるらしい。
360人の乗客を乗せたジャンボジェット機が突然
レーダーから消えた。
さらに、2500万ドルのダイヤモンドを要求する手紙が舞い込む。
普通なら、FBI捜査陣 vs 犯人グループ、の図式になると思うのだが、
ここでは、開店休業中のしがない弁護士元夫婦のカップルが主人公。
笑いあり、サスペンスあり、冒険ありの絶妙の一品でした。
文庫版のカバーに
「─そして、最後には、あっと驚く結末が…」
とあるのに、納得www
455:読後感 ◆VkkhTVc0Ug
07/08/02 12:17:38 1MMbj1mV
「エジプト十字架の秘密」エラリー・クイーン(早川書房)
父と地方へ出かけたエラリイは奇妙な殺人事件に遭遇する。
道路の突き当たりにある標識に首無し死体が結びつけられていたのだ。
検死審問には参加したもののさしたる行動は起こせないまま
帰途に着いたエラリイだったが、数ヶ月後別の場所で再び
首無し死体が発見される! 果たして二つの事件の関連は!?
瀬戸川猛資も絶賛の国名シリーズ白眉と呼び声高い本作ですが、
それほどとは思えず。前作「ギリシャ棺の秘密」の持つ重厚かつ
濃密な構成には及ばない。犯人の見当も付きやすいし。
一番不満なのは(メル欄)。特に(メル欄2)。
気に入った箇所は二度目の事件におけるロジック。これはやり過ぎると
ノックスみたいにわざとらしくなりがちだけど良い案配だったかと思う。
456:書斎魔神 ◆qGkOQLdVas
07/08/04 16:32:07 4keRLVJ6
久々にH・R・ハガード「洞窟の女王」を読んだ。
初読の時は、アフリカが舞台ということもあって秘境冒険小説を期待して
読んだところ、怪奇冒険小説と称した方がふさわしい内容に、
少し外された感じがしたものであった。
純然たる冒険は、黒人の顔をした奇怪な岩、ライオンとワニの死闘等、
トンデモなエピが散りばめられた前半の川上り探検のくだりと
終盤にある生命の炎の洞窟への旅の部分とを併せても、
全体の3分の1も無いのではないか。
むしろ、謎の洞窟に君臨する女王アッシャと主人公たちとの交流、
これを彩る怪奇、かなりえぐいエログロに相当な頁数が割かれている。
ミイラの焚き火、全裸で炎に身を投じる女王等々、書かれた時代を考慮すると、
大久保康雄先生の抑制された上品な訳文で読んでも、かなり過激的である。
(ただし、古い翻訳であるため差別用語は満載。これも今では「いけない刺激」
となって読む者に迫る)
現代の洗練された冒険小説と比較すれば、古臭ささは否めないのは仕方がないが、
ある意味で人生の達人とでも称すべき、絶世の美女、女王アッシャの唯物論を
思わせる人生語り、神秘的な女王という言葉から想起するイメージからは
想起出来ない多弁ぶりは、予想を裏切ると共に、本作における最大の読ませどころ
ともなっている。
そして、アッシャは超人的な存在ではなく、意外や、女性共通の賢さ、狡さ、可愛さ等も
あるキャラとして描かれているのが非常に面白く、この辺は今は見当たらなくなって
しまった完全大人向きのファンタジーという感がある。
457:名無しのオプ
07/08/04 19:16:43 q68cUUom
読後感と書斎では、はっきり差があるな。感想文と論考の差と言うべきか。
458:名無しのオプ
07/08/04 19:18:14 q68cUUom
読後感と書斎では、はっきり差があるな。感想文と論考の差と言うべきか。
459:名無しのオプ
07/08/04 19:19:25 v+IoMWZM
論考(笑)
460:読後感 ◆VkkhTVc0Ug
07/08/08 01:29:04 0SqmHmPY
「凶運を語る女 ムルマンスク、2017年」ドナルド・ジェイムズ(扶桑社)
内乱が終息してから2年。妻と共に暮らしていた警官コンスタンチンは
とある占い師から、妻の影に蠍の様な男がいると言われ、動揺する。
そしてその後夫婦で行ったパーティーの会場で妻は姿を消してしまう。
必死に妻の行方を追うコンスタンチンだが―。
前作を読んだのはもう何年も前だけど読後の印象は強烈で、
ここまできっちりした小説があったのか、と思った。ところが
続編があるという。これ以上は蛇足ではないかと読まないでいた。
が、観念して読んだ。まず妻捜しというのが「芸がない引きだ」と
思った。妻の描写が少ないのも気になった。彼女は前作にも
出ているわけで今更淡白にして見せたってちぐはぐなだけ。
この違和感は真相が明かされた後も変わらず。何故こんな味気ない
話を書いたのかと首を捻った。
しかも中盤で読書意欲がガタ落ちする出来事があり読殺するのが
手間だった。やっぱ前作で止めとくべきだったかも。
追伸:(メル欄)が放置されてるのはわざと含みを持たせてるのか?
461:読後感 ◆VkkhTVc0Ug
07/08/09 17:56:17 VglKgLbm
「狂人の部屋」ポール・アルテ(早川書房)
屋敷に代々伝わる開かずの部屋。ある日封印を破った当主はその部屋の
窓から転落死を遂げ、程なくそこへ入った妻も何故か白眼を剥いて
失神してしまう。そして暖炉の側の絨毯は濡れていた。
開かずの部屋に伝わる忌まわしい言い伝えの通りに……。
さらに次々と的中する恐るべき予言の謎も相まって事件は混迷するが―。
今回は密室ではなく、肝となる様なトリックもない。
プロットで見せるタイプの話。展開の妙でなかなか読ませるが、
カー作品でよく指摘される弱点(クリスティにも言えるが)がそのまま
本作の弱点になっておりそれがとても残念。
ただ、ある重大な事実が明かされないことについての理由付けは
良かったと思う。
でもあまり本格が根付かなかったフランスで今アルテやコナンが
人気なのも不思議な話だ。
462:書斎魔神 ◆qGkOQLdVas
07/08/18 12:04:51 HAwtwyui
マルキ・ド・サド「ソドムの百二十日」を読んだ。
序文+4部構成だが、2~4部は草稿の段階に過ぎず邦訳頁数でも100頁強に過ぎない。
未完という点を考慮すれば、他作と比較するのはいかがなものかとは思うが、
稀代のピカレスク、究極のクライムノベルと言い得る「悪徳の栄え」には遠く及ばない
という感がある。
本作がスイス山中の館というクローズドサークルにおける有閑階級の性的な狂宴を描いた
ものなのに対して、美女ジュリエット(このネーミングにも作者の皮肉と悪意を感じ
させるものがある)の欧州大陸を舞台にした悪徳の遍歴を描くという舞台設定の差が
ストーリーの起伏に大きく影響し、これが即、エンタメとしての面白さの差となって
反映していると思われる。
463:名無しのオプ
07/08/19 19:49:53 wKTo8EV2
ケン・フォレット『ハンマー・オブ・エデン』
(2000→2004、小学館文庫)【8点】
州知事に対し「人為的に地震を起こす」という脅迫を行った“プリースト”ら。
「エデンの鉄槌」。ヒッピー・コミュニティの存続を賭け、かれらメンバーは、
地震を起こすことに成功。しかしFBIらの捜査は着実に身辺に及んでくる・・・
「地震」を武器にするという突飛なテロ集団とFBIとの対決が焦点で、
矢野さんの翻訳がテンポよく物語を読ませる。細かいことを言わなければ、
一気読みの楽しい読書が出来る。
だがFBIが知力の限りを尽くしてヒッピーを追い詰めるというよりは、
25年間森の中にこもっていたヒッピーのリーダーの軽率な行動により
勝手に自滅してしまうという点が、ちょっと残念。
464:書斎魔神 ◆qGkOQLdVas
07/08/25 17:59:54 xSiSc9Cf
スティーヴン・ハンター「極大射程」を読んだ。
翻訳刊行当時は、このミス、文春等で高く評価された作ではあるが、
今読むと、本作に対する高評価はイコールミスオタのローレベルを実証するものだと
言われても致し方ないものがあると思うほどの「つまらなさ」であった。
ベトナム戦争で輝かしい戦績を上げた伝説的なスナイパーと
暗い過去を持つ不器用だが真面目なFBI捜査官の2人を主人公にし、
敵役にCIAと攣るんだ軍人グループ、性犯罪歴がある天才的な心理学者、
主人公2人に絡むスナイパーの戦友(戦死)の美人妻とFBIの美人若手職員が
ヒロイン役として配される。
ここまで書けばわかるとおり、展開に強引な御都合主義が多い漫画ちっくというか
劇画的な作であり、映画「ダイハード」あたりを喜んで見ているような厨房好みの作
とも言い得る。
特に女性陣が犯罪者として追われている主人公たちに全く恐怖を感じておらず、
協力的でさえあるのは、あまりに現実感を欠くものがあり、
読んでいてうんざりした。これぞハリウッドB級テーストとでも評したいものではあるが、
近年映画化されたのは御存知のとおり。
ミステリ的には、ダイイング・メッセージねた(「ROM DO」)は、わかり難いもの
であり、終盤のリーガル・サスペンス的展開で判明する主人公が仕掛けた「トリック」は、
軽い短編に使用する程度のネタに過ぎない等、魅力は乏しい。
ミステリ関係のランキングでは異常なまでに高く評価されながらも、
当初から文庫での刊行、一般では殆ど話題にならなかった等の点に本作の真の評価を
見る気がする。
465:名無しのオプ
07/08/25 20:54:14 dV1gJlBX
____
/∵∴∵∴\
/∵∴∵∴∵∴\
/∵∴∴,(・)(・)∴|
|∵∵/ ○ \|
|∵ / 三 | 三 | / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
|∵ | __|__ | < うるせー馬鹿!
\| \_/ / \_____
\____/ヽ __ _____
/ >、__,r‐ツ./ヽ´-‐ ' "´r",.-、, \
_.. -‐''フ|フヽr-‐ ''''フ./´ /(_.人 ヽ._ ヽ
. ‐ '7 く/|〉-rへ. / ./ l ゝ. \ /
/ /|/ L / | ,( \ ノハ
466:名無しのオプ
07/08/25 21:07:10 aA3CGWBJ
今日は週末にしては忙しかったので、読んだ字は「うるせー馬鹿!」だけだった。
成る程そのとおりかとも思ったが、余りの内容の薄さに辟易した。
467:名無しのオプ
07/08/25 21:52:15 X8qvmFy4
____
/∵∴∵∴\
/∵∴∵∴∵∴\
/∵∴∴,(・)(・)∴|
|∵∵/ ○ \|
|∵ / 三 | 三 | / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
|∵ | __|__ | < うるせー馬鹿!
\| \_/ / \_____
\____/ヽ __ _____
/ >、__,r‐ツ./ヽ´-‐ ' "´r",.-、, \
_.. -‐''フ|フヽr-‐ ''''フ./´ /(_.人 ヽ._ ヽ
. ‐ '7 く/|〉-rへ. / ./ l ゝ. \ /
/ /|/ L / | ,( \ ノハ
468:名無しのオプ
07/08/27 08:45:51 aqxzaCql
>>464
>特に女性陣が犯罪者として追われている主人公たちに全く恐怖を感じておらず、
協力的でさえあるのは、あまりに現実感を欠くものがあり、
現実の女を知らないね。
刑務所の連続殺人犯にラブレターを書く女もいるのを知らないの?
女は「悪い男」が好きなものなんだよ。
469:書斎魔神 ◆qGkOQLdVas
07/09/01 16:39:22 OR4vzIyb
ジョゼフ・ウォンボー「ハリウッド警察25時」を読んだ。
大ヴェテラン、ジョゼフのなんとポケミス初登場(既刊も全て早川だが、
ハヤカワNV、文庫、ハードカバーで刊行されている)、久々の翻訳新刊である。
今また、この警察小説のマエストロの新作が翻訳されるに至ったのは、
このミス1位等輝いた警察小説(というか婦警小説)
ローリーの「あなたに不利な証拠として」が好評だったゆえであろう。
あとがきでも指摘されているとおり、エドほど軽くないジョゼフ(作品)の
ユーモア含みの独自のハードタッチの魅力は健在、多彩な登場キャラ(時代性ゆえか
女性警官がメインで何人も登場する)もそれなりに立ってはいるものの、
本作と同傾向の「センチュリアン」(ジョゼフのデビュー作)と比較すると、
軽く創りものめいた感が否めない(特に終盤の警官大集合的展開はB級映画、
安手の刑事ドラマ風で頂けないものがある)のが残念である。
取材対象には事欠かないのであろうが、作者が現場から離れて久しい(40年近く)
ためか、肌感覚による臨場感が比較にならないのである。
また、「センチュリアン」が3人の新人警官をメーンとした警察サイドの視点で一貫
していたのに対して、犯罪者サイドの視点にも多くの頁が割かれているのが大きな
相異と言えるが、これは小説としての興を惹く効果がある反面、
ドキュメンタルな迫力を殺ぐ構成となってしまっている。
ただし、ボリューム感はあるものの、過去のジョゼフ作品群と比較して会話文が
多く読み易いのは利点か。
「刑事コロンボ」でも有名なLA市警だが、相次ぐ不祥事により連邦の監視下
にあり、これでは名探偵物語の舞台足り得なくなってしまったのはわかる気がする。
同じメガシティであっても、NYとLAの状況(地形、人工動態等)の違いによる
警察捜査の異なりに関するコメントなども興味深く、作中に散りばめられた
この辺の現場の薀蓄はジョゼフ作品らしい面白さではあった。
470:名無しのオプ
07/09/01 16:55:03 ZEXj2KQn
ひ・まじんww
471:名無しのオプ
07/09/02 22:45:33 SA+xZi/f
Donald E. WestlakeのWATCH YOUR BACK!読みました。
まあ感想といってもこのシリーズは全部面白いと思ってるので当てにはならないかもしれませんが。
酒しか出さないO.J. Bar & Grillの常連達の法螺話から始まるのはいつもと同じ。
ところが今回は療養帰りの故買屋アーニーからぼろい仕事の話が来て、さあ集まるぞというところでO.J.売却の危機、
またもや本来の仕事に加えて厄介事が降りかかってくるという話。
ドートマンダーとおなじみの中年オヤジたちに加えて、高校を卒業したばかりの新入り、
アーニーよりひどい性格の金持ち、O.J.のオーナーも登場します。
話の展開自体はいつもどおりの
儲け話
↓
ドートマンダー参加、プランは完璧
↓
邪魔が入って仕事が増える
↓
全部解決して仕事に戻る
↓
あわや逮捕
↓
報酬減少
のパターンで、安心して読めました。
細かい笑いも健在。個人的にはO.J.乗っ取りを企むギャングの親子がFuckを連呼するのがツボでした。
472:名無しのオプ
07/09/03 00:28:45 j/YaQjr6
書斎魔神とやらの文章が、飛び抜けて(笑)くだらない、
他人の書評を写してるだけなのが、丸見え。
473:名無しのオプ
07/09/03 21:44:26 SUsKpLCL
>>468 書斎魔神は、50歳の童貞男ということですね。
474:名無しのオプ
07/09/04 11:47:09 43PNXPer
>>472
そうか?
書斎魔神の書評は正鵠を得ているものばかりだと思うが。
そのまま出版社に持っていけば、一流の批評として評価されるだろう。
それを2ちゃんでロハで読めるんだから、むしろありがたいと思うべきでは
475:名無しのオプ
07/09/04 12:12:58 rp+at5Uw
>>474
泡沫ライターでも、書斎の、品格も、ウィットも、知性も、論理性も感じさせない、
だらだら駄文よりは、はるかにまし、これじゃあ泡沫プロにすらなれないわけだ、
くねってるだけの書斎は、アマチュアですらない、
彼は、きちんとした作品も評論集も、書籍として販売したことがないのだから。
2ちゃんねらーが、ネット上で話したり、感想を言い合ったりするのは、
かまわない、そうゆう前提で作られた、コミュニケーションの場なのだから。
しかし、書斎は、自分はプロの作家だと主張し、私達、2ちゃんねらーに対し
キメ台詞の「愚民諸君!覚悟したまえ!」等の暴言を吐く男である、
(吉村 昭スレのスレッド数の多いほうを見てください)
それだけ、自分の優越性を主張するなら、もう2ちゃんに来ないで欲しい、
ここで、口調を変えよう!
私たちは、貴方に言わせると、愚民だそうなので、優秀な魔神さんとは、
会話が成り立たないでしょう、啓蒙して頂かなくても結構です、
自分らで、啓蒙し合います、貴方は、一刻も早く、自費出版ではない、
一流の書籍会社から、出版して下さい、私たちは、それを読んで、
あなたと言う人間のプロフェッショナル性を判断します、
早く、きちんとした、書籍を出版して下さい、それがプロの知識人・作家・評論家を
自認する貴方に我々が、求める事です、
御自慢の支持者の皆さんに取材の助っ人をたのむぐらいは、いいんじゃないですか?
とにかく、推理小説でも、スリラー(冒険小説)でも、ポリティカル・フィクションでも、
軍事サスペンスでも、ホラーでも、SFでも、評論集でも自分の名で、
出版して下さい、泡沫ライターとしての参加は、いやなんでしょ、
それまでは、2ちゃんにこないで結構です、
私達は自分達でやっていけますので、おせっかいは、やめてください
476:名無しのオプ
07/09/04 12:36:23 6CnleLYs
>>475
西村京太郎乙
477:名無しのオプ
07/09/04 13:11:25 rp+at5Uw
>>476
トオンキイの作者と呼んでくれ!
478:名無しのオプ
07/09/05 08:06:40 kJ4thqTH
過去ログ見ずに言うけど、
書斎魔神て人のコピペやパクリや文体の稚拙さ云々よりも、
新刊紹介スレの「1と仲間達」の空気がキモイよ。
あそこは1の専スレなのか?
あっちからここに来た奴って実は多いんじゃないか?
479:名無しのオプ
07/09/05 08:31:39 2yk/WwTj
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|
| 次でボケて!!! |
|________|
∧∧ ||
( ゚д゚)||
/ づΦ
480:名無しのオプ
07/09/05 09:53:33 sybDRc+1
このスレも「書斎魔神と仲間達」
スベった
481:読後感 ◆VkkhTVc0Ug
07/09/05 12:56:39 6u9q5XYV
「くたばれ健康法!」アラン・グリーン(東京創元社)
5000人の信者を抱える健康体操のカリスマがホテルの一室で射殺された。
だが奇妙なことに弾丸は仰向けになった死体の背中から
撃ち込まれており、しかもその上に着ていたパジャマには
弾丸の痕がなかったのだ。犯人は一体どのようにして撃ったのか?
しかし「ボディを見てから驚け!」って酷い邦題だよなぁ。
付けた奴もGOサイン出した奴も頭大丈夫かしら。
バウちゃんがカーの某作と並んでユーモア本格の代表作だと
言ってたらしいが、どこが? キャラは全然経ってないし
ドタバタもないし至ってフツーの、というかむしろ無味乾燥な本格って
感じなんだがな。と、思ってたら終盤にとって付けたような
ドタバタ騒ぎが出てくる。しかし事件となーんの関わりもない
ただの騒動ってだけ。
まあ殺人のトリック自体はユニークではあるんだけど、その周囲に
不備が目立つ。(メル欄)とか(メル欄)とか。
トリック的にはマイルストーンかも知れないが読んで楽しい本じゃない。
482:名無しのオプ
07/09/06 00:21:31 1TtUC9PD
この、読後感 ◆VkkhTVc0Ug 氏は、書斎魔神の新しいペンネームか?
ぶっ壊れた文章はそっくりなのだが?
483:名無しのオプ
07/09/06 01:16:25 Rw7PngV8
とりあえずageでマルチまでして訊くことじゃないな
読後感が“新しいペンネーム”かどうかなんてスレ見りゃ
簡単に判ることだし
484:名無しのオプ
07/09/06 01:28:17 ZiS09dqz
まあユーモアセンスは書斎と同じレベルだけどな
485:名無しのオプ
07/09/06 01:34:31 5K47B/+j
『タルタロスの審問人』面白かった!!
初めて小説読んだけど夢中で最後まで読んでしまった!!
486:ミステリ6-2
07/09/06 10:50:04 PzTZSbXn
2
487:名無しのオプ
07/09/06 17:19:52 PzTZSbXn
>>484 サンキュー
488:名無しのオプ
07/09/08 04:49:58 AuMV7/P4
ホームページ! ホームページ!
アドレス!アドレス!
教えて!教えて!教えて!!!!!!!!!!!!書斎さんw
489:名無しのオプ
07/09/08 08:22:55 hzyKPK0e
>>484
最上級のほめ言葉だね。
490:名無しのオプ
07/09/08 17:32:46 f0qkLd4R
>>489
489←481
めくらがめくらを導くと、溝に落ちる
491:名無しのオプ
07/09/12 18:28:36 4ElP10EP
//
ヘ,(◎◎)y'^ 極大射程を読んだ・・
、 _L_;二;_.j_ , \\
 ̄ ト、~Y~,/| ̄
,|yΛ=スイ|、
' | | !;∀Y i| `
|イYト〉イY.|
レYy'`vレ|
Vy V'
ヨコハマクズウンチクゼミ
492:名無しのオプ
07/09/13 00:09:00 o7SILb8t
//
ヘ,(◎◎)y'^ 書斎叩きにも同様の・・
、 _L_;二;_.j_ , \\
 ̄ ト、~Y~,/| ̄
,|yΛ=スイ|、
' | | !;∀Y i| `
|イYト〉イY.|
レYy'`vレ|
Vy V'
ヨコハマクズウンチクゼミ
493:読後感 ◆VkkhTVc0Ug
07/09/14 16:02:00 wBIQh/GA
「この男危険につき」ピーター・チェイニー(論創社)
大金持ちのフーテン令嬢を追ってアメリカからイギリスに
やって来たおれ、レミーはロンドンで厄介な奴に捕まっちまった。
そいつはマフィアの大物で令嬢を誘拐する片棒を担げと言ってきた。
脅されたおれは奴の計画に一枚噛むことにしたんだが……。
時折入るB級ハードボイルドがいいアクセントになってると思うね。
本格だけの叢書なんて堅苦しくっていけねえ。
全体的に文章が雑で如何にも書き飛ばした観があるのがまた
B級ぽくて良いw
主人公は目的のためなら殺人含む暴力も辞さない男なのもマル。
それから後半にはどんでん返しがあって驚いた。
フランスで人気だったらしい。あの国は本格もハードボイルドも
かなり需要はあるのにあまり自給出来てない珍しい国だね。
494:読後感 ◆VkkhTVc0Ug
07/09/14 16:26:46 wBIQh/GA
「善意の殺人」リチャード・ハル(原書房)
嫌われ者の富豪が列車内で死に、使用していたかぎ煙草入れから
青酸カリが検出された。同じ村に住む者は誰もが被害者を嫌っており、
その中から特に怪しい行動を取っていると思われた者が逮捕される。
そして裁判が始まった―。
既訳の2作を読んで「芸域の狭い作家」とややディスっていましたが、
新しくこの叢書に入れるぐらいだから今までとは違う良作なのだろうと
期待をして読みました。
内容は法廷劇と事件の捜査とのカットバックで進行するというもので、
被告の名は終盤まで明かされません。よって被告の正体、裁判の行方、
事件の真相と3つの謎がキモとなるかなと思ったのですが、
はっきり言って不発気味。被告の正体が判る場面が効果的ではないし、
裁判の真相自体も弱いです。
まあ、先行2作に比べると多少頑張ったねとは言えますけど、
評価が劇的に改まるには至らず。解説みたいに技巧派呼ばわりするのは
抵抗がありますなあ。
495:名無しのオプ
07/09/14 17:11:49 zPGQDNi3
大した感想だ
496:名無しのオプ
07/09/15 11:44:16 Zy7wFhX9
「猿きたりなば」エリザベス・フェラーズ
古本屋でよく見るんでなんとなく買ってみたんだが、予想外の当り。
文章も面白いし読みやすい。ストーリーの運びもキャラクターも好み。
ただ推理小説としては……
497:書斎魔神 ◆qGkOQLdVas
07/09/15 11:52:32 moZivBgC
H・R・ハガード「ソロモン王の洞窟」を読んだ。
ハガードを一躍人気作家足らしめた作だが、エンタメとしては神秘的な美貌の女王が
強烈な存在感を示す「洞窟の女王」と比較して色気不足(魔女ガグールは不気味、かつ、
ユーモラスであり強烈な印象を残すが、このキャラはアランも記しているとおり問題外、黒人美女ファゥラタも登場するが出番は少なく印象は薄い。
そもそも第1章で語り手であるアランが若い女の子は登場しない物語だと語っている)
のうえ、ボリューム感も劣り、読み応えは今ひとつである。
しかし、小男だが射撃の名手、金銭面で抜かりなく、はったりも効き、
意外にヘタレな面もある語り手の冒険家アラン・クォーターメンは人間臭い魅力に富み、こういうキャラを中心に持って来るあたりが、ファンタジックでありながらも
「大人の読物」という感がある。
キャラだけ見た場合には、後の現代冒険小説の主人公(マクリーン、バグリイ等)は
清廉過ぎるヒーローと化し、面白みを失ってしまうのである。
「洞窟…」でも秘境冒険小説と言えるのは、実質3分の1程度であったが、
本作も同様な展開であり、象狩り、酷熱の砂漠横断や峻険な山岳(シヴァの乳房)登頂を
経てククアナ国到着後の中盤以降は、主人公たちが王位を巡る内紛に巻き込まれてゆく
時代劇風戦争冒険小説へと変貌してゆくが、今読んでも凄惨な迫力に富む戦闘シーンは、「洞窟…」にはないものではある。
本作は、ジュブナイルも存在したが、大久保訳で見る限り、差別的表現(土人、きちがい等々の用語、原住民の未開さを強調する描写等)、残酷描写(象狩り、魔女の人狩りの儀式、
そして激しい戦闘シーン等)等が連発、これを抜いて成立し得ないような物語なのだが、
果してどう構成したのか興を惹かれるものがある。
498:名無しのオプ
07/09/15 19:52:47 Q+sFId5y
「暗い鏡の中に」ヘレン・マクロイ
幻の一冊として名高いミステリ…
うーん…しかし、残念ながら定価以上の価値はないかと…
解決編を読んでも「本当にそんなこと可能なのか?」と疑問ばかりが先に立つ。
古本相場だと5000円前後らしいけど、
その値段で買ってたら憤死するデキ
499:名無しのオプ
07/09/16 00:03:19 f2SQuDd3
ヘレン・マクロイ て人気ある(あった?)のか・・・。
「一人で歩く女」ちゅうのをタイトルに騙されて買った。
途中で飽きた。読み終えるまで船から下りられないのか?
500:読後感 ◆VkkhTVc0Ug
07/09/19 13:21:55 i39Qpub3
「反射」ディック・フランシス(早川書房)
しがない騎手フィリップはある時絶縁状態の祖母に呼び出され
行方不明となっている異父妹の捜索を頼まれる。そんな折り
知り合いのカメラマンが死に、彼の家に強盗が入る事件が発生。
偶々遺品を譲り受けたフィリップにも何者かの魔の手が……。
4冊目だけど絶対タイトルから内容を連想できなくなるな。
主人公の設定が気に入り、読み安かった。写真に纏わる暗号も
興味深い。キャラクターも多面体で好印象。
でも(メル欄)が解らなかった。
アベレージヒッターではあるかも知れないがもてはやされ過ぎな気も。
501:読後感 ◆VkkhTVc0Ug
07/09/19 13:44:45 i39Qpub3
「消された時間」ビル・S・バリンジャー(早川書房)
喉を切られ裸で歩道に倒れていた男。一命を取り止めたものの、
自分が誰なのかも判らない記憶喪失。文字通り自分探しの旅に出る。
それと並行して語られるもう一つのストーリー。歩道で喉を切られた
死体が発見され刑事達が事件を追う。同じ場所で同じ―。
二つのストーリーは
どう交わるのか?
こないだのハル以上にディスってる作家です。よく「叙述トリックの
名手」みたいな触れ込みで紹介されたり(折原一も言ってた)するのは
ものっそい違和感があります。全作合わせても「アクロイド殺し」に
遠く及ばないでしょう。こんなもんただの(メル欄)―しかも
破綻してる―で「叙述トリック」なんて呼ぶことすら
おこがましいです。
問題 上の粗筋から考えられる最もしょぼい真相を考えてください。
考えましたか? 考えましたね? はい正解! 読む価値なし!
502:名無しのオプ
07/09/20 02:10:03 NNoAirPp
E・S・ガードナーの「緋の接吻」を読んだ。
レスター・リースもの2編、ペリイ・メイスンもの2編の短編集。
有名作家だけど、恥ずかしながら初読。期待を裏切らずかなりおもしろかった。
レスター・リースは、警察の手におえない難事件を独自に解決し、犯人が不正に儲けた金やお宝を掠め取る怪盗。
警察もそれには気づいてるが尻尾をおさえられず彼を逮捕できない。
マヌケな刑事部長がリースの先手を取ったとぬか喜びしたところで
見事に切り抜ける痛快さと小気味良いユーモアに笑ってしまう。
話のメインはそこなんだろうけど、前フリの難事件の謎解きもしっかりしてる。
ペリイ・メイスンは弁護士。法廷ものかと思いきやそうでもなかった。
1編は種明かしの場が法廷に移っただけ。もう1編は裁判すら起きない。
表題作の「緋の接吻」は、ちょっと凝ったプロットだったが、何か物足りないのは先にリースの方を読んでしまったからか…
ペリイ・メイスンが作者の代表的な探偵らしいけど、笑いもありなレスター・リースにハマっちまってます。
あと、文章が軽妙で海外物とは思えないほどグングン読ませるのが良い。まだ読んだこと無い人オススメ。
503:書斎魔神 ◆qGkOQLdVas
07/09/22 14:41:38 Ic8sUadm
ダシール・ハメット「コンチネンタル・オプの事件簿」を読んだ。
本書の訳者でもある小鷹信光氏編による本邦オリジナル作品集。
おれは(オプ風に(w )ハメットの短編も読んではいたが、
創元の稲葉明雄訳によるものであり、長編も創元で親しんでいたため、
小鷹訳のハメットを読むのは本書が初、90年代の新訳だが小気味良い訳文は健在だ。
オプ初登場作品「放火罪および…」、異色短篇として銘打たれている
「ジェフリー・メインの死」、オプ最後の事件となる「死の会社」の3編は出来の差は
あれど、一応、謎解きミステリしているのだが、
連作「ターク通りの家」と「銀色の目の女」、中篇連作「血の報酬」(第1部「でぶの大女」
第2部「小柄な老人」)は、大乱歩が引いてしまったのがわかる原初ハードボイルドの典型、
(連作と「血の・・」の第1部と第2部の終盤の繋ぎの展開が同様なパターン、
メーンの敵役キャラの逃亡になっているのは、初出が雑誌掲載ということもあって、
読者の興を惹くためと思われだ)
内容的には、ハードボイルド・ミステリというよりは完全に探偵が出て来るノワールと
化している感がある。
これらの作を読むと、ハメットの後継はレイモンドでもロスマクでもなく、
ゴアズやスタークでもなく、エルロイなのではないかという説に同感せざるを得ないもの
がある。(この点は、長編の場合も「マルタの鷹」「ガラスの鍵」を読んだ後に「血の収穫」を読んだ場合の同様な感ありか)
いずれにしろ、萌えアニメ画のような新書を耽溺しているアホなミスオタの覚醒剤代わりに突き付けて読ませたい書とは言い得る。
504:名無しのオプ
07/09/22 17:01:31 AugPDczH
そうですね、こなたたんが脳内彼女のミス住さんには強烈かもしれませんね、
ハメットスレの69の台詞の原典は、何だかわかります?w
505:名無しのオプ
07/09/22 20:05:20 AugPDczH
まあ70に、答えが書いてあるので、
どんな馬鹿でも、わかりますがねw
506:書斎魔神 ◆qGkOQLdVas
07/09/23 10:59:09 6GgopRoo
小鷹氏の「私のハードボイルド」を読んだ余韻抜け切らず、
書斎からジェイムズ・クラムリー「酔いどれの誇り」文庫版を抜き出し、久々の再読。
正直言うて、この作品の良さは刊行当時は今ひとつわからず読了した記憶がある。
主人公の探偵ミロドラゴヴィッチを
当時のHMC顧問ミスターX氏が「汚れた街を行く孤高の騎士ならぬ、
汚れた街を行く汚れた男の中の男」と妙な賛辞をしたのが懐かしく思い出される。
ストーリーは、舞台が米西部の中規模な街ということもあって、派手な展開は無く、
ミロを筆頭とした酔いどれキャラ(?)を中心に、ひとりの青年の失踪事件を発端にして地味に人間ドラマが繰り広げられてゆき、ロスマク的な人間悲劇の結末を迎える。
(実際、「さむけ」を意識したような終章の対決(?)シーンである)
70年代ハードボイルド・ミステリの代表作のひとつである点は間違いなく、
それなりの読み応えはあり、ミロをはじめ魅力的なキャラが複数登場するものの、
今読むと、ミステリとして謎解きの伏線が無く、御都合主義の展開に走り過ぎているの
が気にかかる。
「当時」だからこそ「高評価」された作であり、「古典」というには弱い作というのが
現在時点における妥当な評価かと思う。
507:名無しのオプ
07/09/23 12:01:36 wW64cLBg
>>506
チャンドラーの短編のオススメは「待ってる」だっけ?
508:名無しのオプ
07/09/23 14:05:35 zuvnb0Qy
>>506
ハメットスレの69の台詞の原典は、何だかわかります?w
まあ70に、答えが書いてあるので、
どんな馬鹿でも、わかりますがねw
509:名無しのオプ
07/09/23 14:07:20 zuvnb0Qy
ミスターX氏 だって! ゲラゲラ
510:名無しのオプ
07/09/23 15:09:29 v6FHL5Jo
ミスターX … ハート泥棒か?
511:名無しのオプ
07/09/23 15:39:52 UzZBvEDV
>>503
作家名の表記はラストネームに統一しろよ。
それすら出来ないという時点で、まともに論考として取り上げられるわけがないんだがw
まともな媒体に発表したことがないのがバレバレだなw
512:名無しのオプ
07/09/23 17:03:24 LNis0pIJ
まあ、らき☆すたの泉こなたが、俺の脳内妻だ~っ!と叫んでる書斎さんですから、
まともな文章を書くのは無理だと思われます。
(親方のポエムを読みたい人は、吉村 昭 で、2ちゃん検索して下さい
驚異の世界が、待っていますw)
513:名無しのオプ
07/09/23 17:07:16 LNis0pIJ
あと、読後感 ◆VkkhTVc0Ug うざい、書斎と同レベル、ネタバレやめろ、
誰も読んでない、ひっこめ!
514:書斎魔神 ◆qGkOQLdVas
07/09/23 17:16:06 7DzvL4XB
ジョゼフ・ウォンボー「ブルー・ナイト」を読んだ。
タイトルは「青い夜」ではなく、当時のLA市警の制服のカラーから想起した
「青い騎士」の意。警察小説ならぬ警官小説のマエストロであるウォンボーが
「センチュリアン」に次いで著した作だが、前作と同様に現在では入手難となっている
のが惜しまれる。
本作の主人公は、勤続20年、早期退職を間近に控えたベテラン警官(巡査)
バンパー・モーガン、このバンパーの退職予定日前(正確には退職前の休暇に入る前)
3日間の行状を描いたものである。
彼氏は、喩えではなく、まさに「汚れた街をゆく孤高の男(騎士?)」なのだが、
管内では滅多に自腹を切って飯を食ったことがないという現物支給(?)
が身についたひとりの警官でもある。
(大食漢であるバンパーの食事風景(日本料理、アラビア料理、メキシコ料理等様々)には詳細な描写がなされており、文字どおり食指が動くものがあり、
本筋には関係無いものの読み所のひとつと言える)
515:書斎魔神 ◆qGkOQLdVas
07/09/23 17:27:14 7DzvL4XB
「センチュリアン」の新人警官たちなら眉をひそめるかもしれぬが、
バンパーはたかり体質が身についた悪徳警官ではない。
むしろ、多くの街の住民からは頼りにされ、親しまれてさえいるし、
身銭を切って情報屋を操り、犯罪摘発にいそしむような仕事熱心な警官という面が
あるのだ。
さすがに警官出身の著者だけあって、このあたりのキャラが綺麗事に走らずリアルに
活写されている。
ただし、パトロール警官バンパーの日常(単独行)を描く内容のため、
複数主人公の前作「センチュリアン」のような視点の広がりは欠き、
ロス暴動のような大きなクライマックスとなる見せ場は存在しない点は物足りない
ところか。
また、原書の責めに帰すべきものではないが、わりと古い翻訳作品ゆえ、訳文や注に疑問を残す面が目につくのは難。
例えば、オーバー・イージー・エッグを「卵の半熟フライ」と訳すのはいかがなものか?
516:名無しのオプ
07/09/23 21:16:01 LNis0pIJ
はいはい、よかったね
517:名無しのオプ
07/09/23 21:21:42 yFAquFhz
>>512
吉村昭で検索して読みました。
こちらがずっと面白いですね。
何よりも生き生きと書いてます。
ジジイの加齢臭プンプンする馬公など問題外です。
518:名無しのオプ
07/09/23 22:07:32 LNis0pIJ
>>517
親方ウオッチャーの輪をひろめましょうw
519:名無しのオプ
07/09/23 22:23:14 hcT/oHoX
わざわざそんなことをしなくても、目につくでしょw
520:名無しのオプ
07/09/24 01:36:19 ChtJnsxH
それもそうだね、でも、吉村 昭スレ(ふたつあるので注意)の
親方のブログ(?)&ポエムは、必見ですよw
大爆笑
521:名無しのオプ
07/09/24 02:23:21 ChtJnsxH
こんな事書いてますw
97 :ミステリ板住人:2007/08/31(金) 23:04:39
明日は女と食事する予定だ。
その後はお決まりの"まぐわい"であろう。
俺様にはこなたタンという婚約者がいるが
男の心情と股間は別物である。
しかし、こなたタンを裏切りたくない。
そこで一計を案じた。
俺様直筆でこなたタンお面を作って、女に被せてエッチ。
俺様が抱いてる女はこなたタン!決して君を裏切った訳ではない。
この計画を食事の最中に切り出そうかと思う。
明日は頑張るぞ。
愚民諸君、心しておけ!
522:名無しのオプ
07/09/24 02:39:12 SveJfEPk
もういい加減気違いの話は他所でやってくれないか
523:名無しのオプ
07/09/24 03:08:26 ChtJnsxH
粘着してるオッサンに言ってくれ
524:名無しのオプ
07/09/24 11:16:45 vRmJTlkw
>>523
アンタも馬同様スレ違いなんだよ
空気嫁
525:名無しのオプ
07/09/25 17:23:14 5ZgFo96I
異次元宇宙生物・書斎魔神でおま
526:名無しのオプ
07/09/27 13:15:51 Jq8IOH9P
147 :書斎魔神 ◆qGkOQLdVas :2007/09/26(水) 22:05:44 ID:loWIESfZ
評価という問題で思い出すのは、清張先生のキャノン機関に関する記述。
これは過大評価とする声が多い。
清張説に従えば「ミッション・インパサブル」まがいの凄い謀略機関なのだがw
148 :名無しのオプ:2007/09/26(水) 22:12:00 ID:a9L6xwK7
>>147
あーあ、またお得意のw
149 :名無しのオプ:2007/09/26(水) 22:30:59 ID:lZ76rrUG
ミッション:インポッシブル Mission:Impossible (スパイ大作戦)ですよ
書斎のだんな
527:名無しのオプ
07/09/27 18:45:29 LpXWg250
「ナインスゲート」読了。
映画を先に見てしまい、大した期待もせずに読んだが、なかなか歯応えがあった。
でも、三銃士とデュマに関する知識は前提条件として必要かな。
それがないと、「ミレディー」「ロシュフォール」などの概念が理解しにくいだろうし。
蘊蓄だらけで展開が遅いこともあり、万人にはおすすめできない。
まだ未読だけど、「ダンテ・クラブ」もこんな感じなのかな?
528:名無しのオプ
07/09/28 15:06:48 ugJs7288
uraaaaaa!
,,,,,,,,,,,,
[|,,,★,,|,]
ミ゚Д゚,,彡
┯==∩=⊂ン~ )ニヌ
 ̄ ̄ ̄ i==|=[]j
/_/ヽ___i
し' \)
シベリア自警団
529:書斎魔神
07/09/29 19:07:31 Tr2C5Wpj
ヘンリー・ライダー・ハガード「二人の女王」を読んだ。
「漏れだけのアラン・クォーターメン、キター!」とアホな冒険小説オタの如く叫び
たくなるような一編ではある。(原題はそのものズバリ「アラン・クォーターメン」だ)
さほど期待しないで読んだら意外な面白さであった。
創元推理文庫では、「洞窟の女王」の続編が「女王の復活」、そして「ソロモン王の洞窟」
の続編がこの「二人の女王」である。
(余談ながら、二人の女王の白い方=ニレプタのおっぱいポロリの表紙にそそられて、
思わず本書を手に取ったアホな冒険小説オタもいるのでないか(w )
おなじみベテラン探検家(狩猟家か)のアラン、親友のヘンリー卿、グッド元海軍大佐の
3人が英国での安穏とした暮らしに厭き(アランの場合は最愛の子息を失ったということもある)、当時の暗黒大陸アフリカの奥地に存すると言われる幻の白人国を目指して
冒険の旅に出る。
「ソロモン王…」の場合と異なり、行方不明の肉親探しや宝探しという現実的動機が
絡まず、『冒険のための冒険』という、冒険小説の原典のような創りとなっているものの、
著者の文明社会に対する辛辣な見解が随所に見て取ることが出来る作でもある。
(この点は序の部分から顕著)
530:書斎魔神
07/09/29 19:10:35 Tr2C5Wpj
19世紀の作家にしては、キャラ立ちさせるのが巧いハガードだが、
女っ気が殆ど無かった前作「ソロモン…」と比較して、美貌の2人の女王(姉妹)が
対照的なキャラとして存在感を示しているが、メーンキャラの3人と2人の女王にも
増して強烈な印象を残すのが、ズル族の老戦士ウンスロポガースだ。
戦争大好き、戦闘用斧を自在に操る殺人マシーン、
どこか憎めないところもあるとはいえ、敵役とするのが妥当なキャラだが、
あえてアランたちのサイドに置いて超人的活躍(文字どおり)をさせたのは、
物語の興趣を増す意味では成功している。
(途中から一行に加わるおとぼけのフランス人シェフ、アルフォンスも
作者のフランス人観を見るようでいて面白い。捨てキャラかと思いきや、彼氏が意外に
物語のキーマンとなる展開も面白い)
洞窟やソロモンと同様に、実質的に秘境冒険小説と言い得るのは中盤までであり、
後半は美貌の二人の女王にヘンリー卿が絡んだ色恋沙汰に端を発する戦争小説的展開へと発展してゆく。
戦闘シーンのグロ過ぎるほどの詳細な描写は、戦国時代を舞台にした時代小説好きにも
受けそうな感じである。
531:書斎魔神
07/09/29 23:37:18 yuVYUs0h
゙'. ,ト `i、 `i、 .、″
| .,.:/"" ゙‐,. ` /
` .,-''ヽ"` ヽ,,,、 !
、,、‐'゙l‐、 .丿 : ':、
、/ヽヽ‐ヽ、;,,,,,,,,,-.ッ:''` .,"-、
,r"ツぃ丶 `````` ../ `i、
,.イ:、ヽ/ー`-、-ヽヽヽ、-´ .l゙`-、
_,,l゙-:ヽ,;、、 、、丶 ゙i、,,、
,<_ l_ヽ冫`'`-、;,,,、、、、.............,,,,、.-`": │ `i、
、、::|、、、ヽ,、、. ```: : : ``` 、.、'` .|丶、
.l","ヽ、,"、,"'、ぃ、、,、、、、.、、、.、、、_、.,,.ヽ´ l゙ ゙).._
,、':゙l:、、`:ヽ、`:、 : `"```¬―'''"`゙^` : ..、丶 .l゙ `ヽ
,i´.、ヽ".、".、"'ヽヽ;,:、........、 、、...,,,、-‘` 、‐ |゙゙:‐,
,.-l,i´.、".`ヽ,,,.".` `゙゙'"`'-ー"``"``r-ー`'": _.‐′ 丿 ,!
j".、'ヽ,".、".、"`''`ー、._、、、 、._,、..-‐:'''′ .、,:" 丿
゙l,"`"`''ヽヽ"`"` ```゙'''"ヽ∠、、、、ぃ-`''''": ` 、._./` ._/`
`'i`ヽヽヽ`''ーi、、、: : 、.,-‐'` 、/`
``ヽン'`"` : `~``―ヽ::,,,,,,,,,,.....................,,,,.ー'``^ ,、‐'"`
`"'゙―-、,,,,..、、 : ..,、ー'"'`
: `‘"`―---------‐ヽ``"''''''""
532:書斎魔神
07/09/29 23:42:44 yuVYUs0h
゙'. ,ト `i、 `i、 .、″
| .,.:/"" ゙‐,. ` /
` .,-''ヽ"` ヽ,,,、 !
、,、‐'゙l‐、 .丿 : ':、
、/ヽヽ‐ヽ、;,,,,,,,,,-.ッ:''` .,"-、
,r"ツぃ丶 `````` ../ `i、
,.イ:、ヽ/ー`-、-ヽヽヽ、-´ .l゙`-、
_,,l゙-:ヽ,;、、 、、丶 ゙i、,,、
,<_ l_ヽ冫`'`-、;,,,、、、、.............,,,,、.-`": │ `i、
、、::|、、、ヽ,、、. ```: : : ``` 、.、'` .|丶、
.l","ヽ、,"、,"'、ぃ、、,、、、、.、、、.、、、_、.,,.ヽ´ l゙ ゙).._
,、':゙l:、、`:ヽ、`:、 : `"```¬―'''"`゙^` : ..、丶 .l゙ `ヽ
,i´.、ヽ".、".、"'ヽヽ;,:、........、 、、...,,,、-‘` 、‐ |゙゙:‐,
,.-l,i´.、".`ヽ,,,.".` `゙゙'"`'-ー"``"``r-ー`'": _.‐′ 丿 ,!
j".、'ヽ,".、".、"`''`ー、._、、、 、._,、..-‐:'''′ .、,:" 丿
゙l,"`"`''ヽヽ"`"` ```゙'''"ヽ∠、、、、ぃ-`''''": ` 、._./` ._/`
`'i`ヽヽヽ`''ーi、、、: : 、.,-‐'` 、/`
``ヽン'`"` : `~``―ヽ::,,,,,,,,,,.....................,,,,.ー'``^ ,、‐'"`
`"'゙―-、,,,,..、、 : ..,、ー'"'`
: `‘"`―---------‐ヽ``"''''''""
533:書斎魔神 ◆AhysOwpt/w
07/09/30 17:39:04 CeeH83xj
ジョゼフ・ウォンボー「クワイヤボーイズ」を読んだ。
ウォンボーの第3作、現職警察官を辞し作家専業となって初作品でもあった。
前2作(「センチュリアン」「ブルーナイト」)とは、がらっとタッチが変わった
オフビートとでも称すべき異色作となっている。
ロス市警のとち狂った警官たちが織り成す集団ドラマ、しかも捜査よりも
聖歌隊(これがタイトルの「クワイヤボーイズ」)練習と称した公演での御乱行等に
相当の筆が割かれている。
彼に比較すれば、87分署の刑事連は超優等生、「センチュリアン」のロイら3人の
新人警官は模範生、「ブルーナイト」のバンパーは超真面目人間に見えてしまう
ハチャメチャぶり、しかし、戦争や少年課勤務による重いトラウマを抱えた警官
(いずれも白人、彼らが終盤の物語キーマンになって来るし、冒頭には重要な
伏線となる部分もある)もおり、(反面、一般には差別される者に区分される黒人や日系の警官は非常に図太くたくましい感じで描かれているのが面白い)
全編にスラング満載のダーティジョークが散りばめられ、警官たちの公私渡るドタバタが描かれるものの、笑いの要素は少なく、読後も暗い印象が残ってしまう。
ウォンボーはやはり前2作のようなシリアス路線が性に合うのであろう。
本国での売れ行きは悪くなく、映画化もされたにもかかわらず、以後、本作のような
タッチの作は書かれなくなってしまう。
(そして本邦では、早川書房がウォンボーは日本では売れないと判断するきっかけに
なった作のように思う。日本でも劇場公開された映画の原作でありながら、
本作は文庫化もされなかったのだ)
クワイヤボーイズの一味は残存者がいるので、カタルシスを感じさせるような続編を
期待したくもあったのだが、この点は残念であった。
534:名無しのオプ
07/09/30 21:16:48 95bD/551
゙'. ,ト `i、 `i、 .、″
| .,.:/"" ゙‐,. ` /
` .,-''ヽ"` ヽ,,,、 !
、,、‐'゙l‐、 .丿 : ':、
、/ヽヽ‐ヽ、;,,,,,,,,,-.ッ:''` .,"-、
,r"ツぃ丶 `````` ../ `i、
,.イ:、ヽ/ー`-、-ヽヽヽ、-´ .l゙`-、
_,,l゙-:ヽ,;、、 、、丶 ゙i、,,、
,<_ l_ヽ冫`'`-、;,,,、、、、.............,,,,、.-`": │ `i、
、、::|、、、ヽ,、、. ```: : : ``` 、.、'` .|丶、
.l","ヽ、,"、,"'、ぃ、、,、、、、.、、、.、、、_、.,,.ヽ´ l゙ ゙).._
,、':゙l:、、`:ヽ、`:、 : `"```¬―'''"`゙^` : ..、丶 .l゙ `ヽ
,i´.、ヽ".、".、"'ヽヽ;,:、........、 、、...,,,、-‘` 、‐ |゙゙:‐,
,.-l,i´.、".`ヽ,,,.".` `゙゙'"`'-ー"``"``r-ー`'": _.‐′ 丿 ,!
j".、'ヽ,".、".、"`''`ー、._、、、 、._,、..-‐:'''′ .、,:" 丿
゙l,"`"`''ヽヽ"`"` ```゙'''"ヽ∠、、、、ぃ-`''''": ` 、._./` ._/`
`'i`ヽヽヽ`''ーi、、、: : 、.,-‐'` 、/`
``ヽン'`"` : `~``―ヽ::,,,,,,,,,,.....................,,,,.ー'``^ ,、‐'"`
`"'゙―-、,,,,..、、 : ..,、ー'"'`
: `‘"`―---------‐ヽ``"''''''""
535:名無しのオプ
07/10/01 19:09:28 5ik4/y8V
゙'. ,ト `i、 `i、 .、″
| .,.:/"" ゙‐,. ` /
` .,-''ヽ"` ヽ,,,、 !
、,、‐'゙l‐、 .丿 : ':、
、/ヽヽ‐ヽ、;,,,,,,,,,-.ッ:''` .,"-、
,r"ツぃ丶 `````` ../ `i、
,.イ:、ヽ/ー`-、-ヽヽヽ、-´ .l゙`-、
_,,l゙-:ヽ,;、、 、、丶 ゙i、,,、
,<_ l_ヽ冫`'`-、;,,,、、、、.............,,,,、.-`": │ `i、
、、::|、、、ヽ,、、. ```: : : ``` 、.、'` .|丶、
.l","ヽ、,"、,"'、ぃ、、,、、、、.、、、.、、、_、.,,.ヽ´ l゙ ゙).._
,、':゙l:、、`:ヽ、`:、 : `"```¬―'''"`゙^` : ..、丶 .l゙ `ヽ
,i´.、ヽ".、".、"'ヽヽ;,:、........、 、、...,,,、-‘` 、‐ |゙゙:‐,
,.-l,i´.、".`ヽ,,,.".` `゙゙'"`'-ー"``"``r-ー`'": _.‐′ 丿 ,!
j".、'ヽ,".、".、"`''`ー、._、、、 、._,、..-‐:'''′ .、,:" 丿
゙l,"`"`''ヽヽ"`"` ```゙'''"ヽ∠、、、、ぃ-`''''": ` 、._./` ._/`
`'i`ヽヽヽ`''ーi、、、: : 、.,-‐'` 、/`
``ヽン'`"` : `~``―ヽ::,,,,,,,,,,.....................,,,,.ー'``^ ,、‐'"`
`"'゙―-、,,,,..、、 : ..,、ー'"'`
: `‘"`―---------‐ヽ``"''''''""
536:書斎摩神 ◆eZBM9E4bOU
07/10/01 19:17:02 jANNWvhY
A・H・Z・カー「誰でもない男の裁判」を読む。
このミス6位、文春5位にランクインした作品集だが、
全体を通しての感想は「甘ったれるな!」、この一言に尽きるかと思う。
作者は同じカーでも、カレッジ中退の米国版司法崩れ、売文業以外にはまともな職歴が無い
J・Dとは大違いのシカゴ大学学士号、コロンビア大学修士号を有し、
大統領経済学顧問まで務めた経済界では大成功したビジネスマンである。
しかし、この程度のものを書いているようではミステリという分野では駄目ぽ。
昨年の「歌うダイアモンド」「ヨットクラブ」にしても、一昨年の「壜の中の手記」
にしても、宝島社も文春も晶文社の海外作家の短編集に評価が甘過ぎる。
これでは、業界内のごっつあん相撲とか思われてしまうぞ。
537:名無しのオプ
07/10/02 17:36:02 /9/oqSAv
゙'. ,ト `i、 `i、 .、″
| .,.:/"" ゙‐,. ` /
` .,-''ヽ"` ヽ,,,、 !
、,、‐'゙l‐、 .丿 : ':、
、/ヽヽ‐ヽ、;,,,,,,,,,-.ッ:''` .,"-、
,r"ツぃ丶 `````` ../ `i、
,.イ:、ヽ/ー`-、-ヽヽヽ、-´ .l゙`-、
_,,l゙-:ヽ,;、、 、、丶 ゙i、,,、
,<_ l_ヽ冫`'`-、;,,,、、、、.............,,,,、.-`": │ `i、
、、::|、、、ヽ,、、. ```: : : ``` 、.、'` .|丶、
.l","ヽ、,"、,"'、ぃ、、,、、、、.、、、.、、、_、.,,.ヽ´ l゙ ゙).._
,、':゙l:、、`:ヽ、`:、 : `"```¬―'''"`゙^` : ..、丶 .l゙ `ヽ
,i´.、ヽ".、".、"'ヽヽ;,:、........、 、、...,,,、-‘` 、‐ |゙゙:‐,
,.-l,i´.、".`ヽ,,,.".` `゙゙'"`'-ー"``"``r-ー`'": _.‐′ 丿 ,!
j".、'ヽ,".、".、"`''`ー、._、、、 、._,、..-‐:'''′ .、,:" 丿
゙l,"`"`''ヽヽ"`"` ```゙'''"ヽ∠、、、、ぃ-`''''": ` 、._./` ._/`
`'i`ヽヽヽ`''ーi、、、: : 、.,-‐'` 、/`
``ヽン'`"` : `~``―ヽ::,,,,,,,,,,.....................,,,,.ー'``^ ,、‐'"`
`"'゙―-、,,,,..、、 : ..,、ー'"'`
: `‘"`―---------‐ヽ``"''''''""
538:名無しのオプ
07/10/02 17:39:20 /9/oqSAv
書「オーバー・イージー・エッグを「卵の半熟フライ」と訳すのはいかがなものか? 」
Q「じゃあ君ならどう訳す?」
書「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
539:書斎魔神 ◆AhysOwpt/w
07/10/06 20:21:24 h6RGAOu4
ジョゼフ・ウォンボー「デルタ・スター刑事」を読んだ。
ウォンボーの標準作といった程度の作。
前半はこの作者の作品ではおなじみのキャラ立ちした警官たちが行状が
おもしろおかしく綴られるウォンボー節全開だが、
後半は、登場人物のひとりである殺人課刑事マリオをメーンとした娼婦転落死事件を
発端とする謎解きミステリとなってゆくが、
カルテックへの潜入捜査等、創りものめいた展開が目につき、謎解きそのものも
平板で面白いものではない(元々、パズラーというタイプの作家ではないから仕方ない面
もあるが)
警官物語に徹した従来の作から、
一捻り、新機軸を狙って「謎解きミステリしてみました」感がある作だが、
やはり柄にも無いことはするべきではなく、この試みは失敗に終わっている。
また、この部分に筆を割いたため、
小柄ながら元気印の婦警ドリーと相棒ののっぽのディルフォード、
死体大好きなへんてこ殺人課刑事チップとメロディ等のいつのまにかフェードアウト、
あるいは完全に脇に回ってしまい印象薄となっているのが非常に残念だ。
「クワイヤボーイズ」や「ハリウッド警察25時」の如く、集団ドラマに徹していれば
登場キャラを納まるべき位置に納めることも可能だったのではないかと思う。
(むしろ、ウォンボーがこの手の処理が巧い作家である)
540:名無しのオプ
07/10/06 21:43:51 1AhfUgdE
↑
アドレスフリチン
541:名無しのオプ
07/10/07 15:49:17 eY6me883
\ /
\ /
\ ./
\ ./
\ /
\ ./
\ /
上、 \, ,/ ,エ
`,ヾ ,;;iiiiiiiiiii;、 _ノソ´
iキ ,;;´ ;lllllllllllllii、 iF
iキ' ,;´ ,;;llllllllllllllllllllii、 ナf
!キ、._ ,=ゞiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiii!! __fサ
`ヾ=;三ミミミミヾ仄彡彡ミミヾ=`´
,._Ξミミミミミヾ巛彡////iii_
;if≡|ヾヾヾミミミミヾヾ、//巛iiリ≡キi
if! |l lヾヾシヾミミミ川|ii//三iリ `キi
,if ,f=|l l lヾリリリリリ川川|爪ミミiリ=t、キi
;iナ,サ |l l l リリ川川川川|爪ミミiiリ キi キi
iナ ;サ |l l リリリリ川川川川l爪ミミilリ キi キi
iサ ;サ, |リ リリ川川川川川l爪ミミiリ ,キi キi
iサ ;サ, | リ彡彡川川川川|爪ミミiリ ,キi :キ、
,i厂 iサ, |彡彡彡彡ノ|川川|爪ミミリ ,キi `ヘ、
,√ ;サ, |彡彡彡彡ノ川川|ゞミミミリ ,キi `ヾ
´ ;サ, |彡彡彡彡川川リゞミミリ ,キi
;サ, |彡彡彡彡リリリミミミシ ,キi
,;#, |彡彡ノリリリリミミミシ ,キi
;メ'´ !彡ノリリリリリゞミミシ `ヘ、
;メ ヾリリリリノ巛ゞシ `ヘ、
;メ ``十≡=十´ `ヘ、
542:書斎魔神 ◆AhysOwpt/w
07/10/07 21:05:06 dvFWqYD7
ダシール・ハメット「影なき男」を読んだ。
小鷹信光氏による新訳にて再読。
翻訳書においては作者と訳者の相性(文体等の嗜好性)が重要なことはあらためて
言うまでもないが、やはりハメットの訳はこの人に限るという感を強くした。
内容的には、いささか強引な面はあれど、意外に謎解きに重点が置かれているのが、
ハードボイルド・ミステリとはいえ「古典」らしいとは言える。
そして、このハメット作品中ではスマートな作風にもかかわらず、
横溝正史風のドロドロねた(「悪魔が来りて笛を吹く」を想起)まであるのは、
怪奇探偵ハードボイルド・ミステリとでも称すべき「デイン家の呪」の作者らしい
と言えよう。
本作の探偵役ニック・チャールズに関しては、訳者みずから担当したあとがき(ネタばれ気味なのが気にかかるが)で、サム・スペードの成れの果て、引退したオプと評されて
いるが、「プレイバック」後のマーロウ、そして朝から酒を手離さないアル中気味のニックには70年代の病的な後継たちの先駆けを見ることも可能であろう。
さらには、ニックの妻であり相棒でもある若妻ノラの精神面のタフさは、
後の女性私立探偵ものの走りとも読み得る。
なにはともあれ、あとがきの最後にもあるとおり、ハメット作品にしては洒脱な作には
ややアンマッチな喩えかもしれぬが、スルメのように噛み続けると味が出て来る作という
評は極めて的を射たものと言い得る。
最後に、類型的・保守的な登場人物が多かった当時の本格ミステリを揶揄するかの如き、女性キャラたちのダーティな喋りも読ませどころであるが、
「サノバビッチ」は「下種野郎」の訳でOKとしても、「ボールズ」は「悪態」の意で
コンテクスト的にはOKだとしても、「キンタマ野郎」のニュアンスを活かして
欲しかった気もしている。
543:支持者
07/10/07 21:10:28 BXKh4kZi
誰か書斎さんにレスをしてくれ!
\ /
\ /
\ ./
\ ./
\ /
\ ./
\ /
上、 \, ,/ ,エ
`,ヾ ,;;iiiiiiiiiii;、 _ノソ´
iキ ,;;´ ;lllllllllllllii、 iF
iキ' ,;´ ,;;llllllllllllllllllllii、 ナf
!キ、._ ,=ゞiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiii!! __fサ
`ヾ=;三ミミミミヾ仄彡彡ミミヾ=`´
,._Ξミミミミミヾ巛彡////iii_
;if≡|ヾヾヾミミミミヾヾ、//巛iiリ≡キi
if! |l lヾヾシヾミミミ川|ii//三iリ `キi
,if ,f=|l l lヾリリリリリ川川|爪ミミiリ=t、キi
;iナ,サ |l l l リリ川川川川|爪ミミiiリ キi キi
iナ ;サ |l l リリリリ川川川川l爪ミミilリ キi キi
iサ ;サ, |リ リリ川川川川川l爪ミミiリ ,キi キi
iサ ;サ, | リ彡彡川川川川|爪ミミiリ ,キi :キ、
,i厂 iサ, |彡彡彡彡ノ|川川|爪ミミリ ,キi `ヘ、
,√ ;サ, |彡彡彡彡ノ川川|ゞミミミリ ,キi `ヾ
´ ;サ, |彡彡彡彡川川リゞミミリ ,キi
;サ, |彡彡彡彡リリリミミミシ ,キi
,;#, |彡彡ノリリリリミミミシ ,キi
;メ'´ !彡ノリリリリリゞミミシ `ヘ、
;メ ヾリリリリノ巛ゞシ `ヘ、
;メ ``十≡=十´ `ヘ、
544:名無しのオプ
07/10/09 20:11:58 1yYrh97/
なんなんだよこのスレは!!
書斎もその安置も支持者も出てけ!!
見てるだけで気分が悪くなる!!
マイクル・イネス「ある詩人への挽歌」を読んだけど、
感想書きこむのやめた
545:名無しのオプ
07/10/10 00:01:37 1yYrh97/
「公園はおれのもの」
感想書きこもうと思ったが荒れてるのでやめる
546: ◆XjFtIkbasQ
07/10/10 00:42:11 CYFoV/FC
ミネット・ウォルターズ『蛇の形』(創元推理文庫、2004)【6.5点】
ある雨の夜、近所の鼻つまみ者の黒人女性アン・バッツが路上で息絶えた。
彼女の死を看取ったミセス・ラニラは、警察の「事故死」発表に疑問を
抱き、20年後に独自の捜査を開始する。バッツの死の真相は?
主人公の捜査パートに、検視報告書やEメールが挿入される構成だが、
あまり効果があがっていないような気がする。登場人物がみな
「嫌な人間」であり、ネコ虐待の描写も読みにくさに拍車をかける。
世評は高いようなのだけれど、個人的に合わないミステリーだった。
読者の誰もが抱くであろう「ある疑問」はラストで氷解し、それが実に
ぐっとくるのだが、それまでの道行きがつらかったのが正直な感想。
547:名無しのオプ
07/10/12 04:46:44 nSke4W2L
840 名前:ミステリ板住人 :03/08/31 19:58 ID:XwSn+BQ5
仕事を辞めて無職になった直後は非常に居心地がいいのだが、
やがて無職であることに焦りを覚えはじめ、禁断症状に近い
苦しみが押し寄せてくる。毎日同じことの繰り返し、
家族の目も怖い、何にも無いことにまで気を使うようになってしまう…
全く無関係の板に延々とゴミ屑を撒き散らして
正常なコミュニケーションを妨害するこういうダニをいつになったら駆除するのかね? > 管理者
お仕事御苦労様です。御迷惑をおかけしてすいません。了解しますた。
スレを入れる気持ち良さ、これは射精と同じものがあり病みつきになってしまったです。
もしかしたら、ぼくは病気なのかもれないですがきっとそうです。
スレの人も削除人さんもぼくの話しを聞いてくれませんか
ぼくはだめんぼ、だめおくん ありゃあれいてん とっちゃった そして共に語るにゃ(w
846 名前:ミステリ板住人 :03/08/31 20:15 ID:XwSn+BQ5
スーパーのバイトは慣れるまでが大変だぞ。
私も裏事情板にスレが立つ某大手スーパーで働いたことが
あったが、疲労と忍耐の3年間だった。
65 名前:ミステリ板住人 :03/09/07 01:05 ID:3bJhnVU1
今後の人生についてナンニモ考えたことの無いDQNがw
ここの連中に多い傾向だが、今後の人生について考え過ぎるだけ
お前たちも、何かに向かって必死になってみろよ。
今のお前たちは、県内随一の馬鹿の高校を卒業したやつよりも下だぞ。
予備校に行って、10ヶ月集中して勉強すれば、有名大学には入れる。
まして、私立文科系は3科目ないしは2科目である。
俺様のフィアンセこなたタンに見せたら感動のあまり泣き出しそうだな。
「サイコーだよ~、ありがとう、ありがとう、こんないいものを見せてくれて~」
「わかるか、こなたタンもわかってくれるのか!」
泣きながら、抱き合う俺様とこなたタンの姿が目に浮かぶ
こんな糞スレでリーダー気取ってる場合じゃないかな。
愚民諸君、心しておけ!
548:書斎魔神 ◆AhysOwpt/w
07/10/13 14:30:49 Q+v3vek5
「デイン家の呪」再読。
初読時にはなんとも思わなんだが、今読むと翻訳が古い感を強く抱いた。
エルの「Yの悲劇」に触発されたかのような呪われた血統ネタがメーンという
「影なき男」の評で言及したとおり、怪奇探偵ハードボイルドミステリとでも
称すべき異色作ということもあるが、
クラシックな本格ミステリ調であり、原初ハードボイルドであるハメット作品らしい
荒々しさを欠くのである。
ハメットスレでも指摘されているとおり、そろそろ新訳を期待したいところである。
ハメット長編5作中では、第3部で失速する感があり、解決そのものは強引に過ぎる点が目につくとはいえ、
最も謎解き色が濃いものであり、毎月のように粗製濫造されるお手軽過ぎる新書ミステリの類の追従を許すものではない。
各人、心して読め!
549:名無しのオプ
07/10/13 16:55:11 nCsNHWEo
ヲマエモナ~
550:ミステリ板住人
07/10/14 00:14:39 FpYrhv5r
幼女!幼女!!幼女~!!!
白倉Pが俺様のためにキャスティングしてくれたのだろう。
これからも感謝しながら鑑賞しよう。
551:名無しのオプ
07/10/15 16:41:11 gjK6TUhy
「バニー・レークは行方不明」イヴリンパイパー
あまり自信ないんだけど、これ翻訳がへたくそな気がする。
552:書斎魔神 ◆AhysOwpt/w
07/10/20 13:28:51 7kZ4aNO6
ジャック・リッチー「クライム・マシン」を読んだ。
2006年度このミス海外部門1位作品だが、
これが1位になるイヤーとは、
当時の本誌主筆ミスターXの「不作なり」の一言が極めて納得がゆくものがある。
勿論、悪い作品集ではなくベスト10の下位(8位、9位あたり)にランクイン
したのであれば、文句無いほどの出来ではあるのだが、やはりこれの1位は無かった
のではないか。
表題作などは、J・DやE・D(解説によれば彼氏はこの作者を高く評価していたとのこと)
の読者なら、それなりに面白く読めるやもしれぬが、いかんせん主人公がプロの
ヒットマンにしては注意力に欠け間抜け過ぎるという感を否めない。
本作を見ると、スーパーナチュラルは書かない作家かと思いきや、
カルトムービー「ウイッカーマン」を想起させるような「縛り首の木」のような作も
収録されていたりして、バラェティに富んではいるものの、この作者の持ち味とはいえ、全体としてあまりに軽過ぎるという感がある。
553:書斎魔神 ◆AhysOwpt/w
07/10/21 14:25:28 WHjSIcqO
マイケル・イネス「アプルビイの事件簿」を読んだ。
論理で読ませるエル風の作あり、奇抜なトリックが売りのジョン風の作ありで
結構楽しめるシャーロック・ホームズのライヴァルシリーズのひとつとして刊行された
本邦オリジナルの短編集である。
解説でも触れられているが、一部には退屈冗長な作風という評もあるこの作者の作だが、
本作品集を見る限りでは、中・短編に関してはこの懸念は不要と言い得る。
では、大好評につき収録作品全話講評逝ってみよう!
「死者の靴」
タクシー乗場の偶然性が気にかかるが、怪奇性を排した論理的作風の一編。
まあ、そこそこに楽しめる作ではある。
「ハンカチーフの悲劇」
「オセロ」ねたを巧く活かした教養人好みの作。
小品ながらハンカチ絡みの謎解きも巧く決まっている。
「家霊の所業」
ジョンならいらぬロマンスを導入して通俗にしてまったかもしれぬ名家の廃屋敷を
舞台にした怪奇性高い作。なかなかムーディで読み応えあり。
「本物のモートン」
裏焼きねたを巧く活かした好SS。
「テープの謎」
これは推理に無理有り過ぎな作か。スパイ小説まがいの展開も不調和で頂けない。
554:書斎魔神 ◆AhysOwpt/w
07/10/21 14:30:08 WHjSIcqO
「ヘリテージ卿の肖像画」
後半のアクションが白ける一編。謎解きミステリとしての見るべき点がほとんど無いのが
致命的な作。
「ロンバート卿の蔵書」
アイデアが面白いSS。創りが実に巧い。
「罠」
探偵しか知り得ない手がかりがポイントというアンフェアな一編。
この作者らしいハムレットねたも十分に活かされていない。
「終わりの終わり」
論理で読ませるかと思いきや、ジョン風のトンデモトリックが炸裂する一編。
飄々としながらもシニカルな結末も良し。
これも根がヤンキーのジョンなら通俗ロマンス仕立てにしてしまったような作だが、
さすがにイネスは渋く決めてくれる。
555:読後感 ◆VkkhTVc0Ug
07/10/23 18:32:52 8jpNXrRZ
「モンキー・パズル」ポーラ・ゴズリング(早川書房)
大学教授が殺され舌を切り取られるという殺人事件が発生。
病み上がりのストライカー警部補が捜査に当たるが、次に英文学部長が
耳を切り取られてしまい―。
アヒルが逃げる話だけ書いとけば良いと思う。どこが本格だっつうの。
推理もトリックもねーし、ふーんて感じで進んで逮捕されるだけ。
ろくに伏線が張ってないから何の感慨もないし。
それともう一つ、作者の持ち味であろうロマンスなんだけど、
こ れ は ひ ど い 。
ハーレクイン読者でも失笑すると思うわ。普通に犯罪だしね。
ただそんな本作にゴールド・ダガーを上げちゃうのが
毛唐のダメな所。誤審の次に。
556:読後感 ◆VkkhTVc0Ug
07/10/23 18:34:32 8jpNXrRZ
「チムニーズ館の秘密」アガサ・クリスティ(早川書房)
アフリカでガイドをしていた青年アンソニーは旧友の誘いに応じて
二つの仕事を引き受ける。一つはさる政治家の回顧録をロンドンの
出版社に届けること、もう一つはある女性に伝言をすることであった。
しかし、彼女の家を訪ねたアンソニーは思いもかけない事態に遭遇する。
単純に比較は出来ないかも知れないが続けて読むと差が如実。
冒頭からハートをがっちりキャッチ。ページを繰るのが楽しみで喃。
三国の探偵達に怪盗の陰もチラつく等様々な要素が絡まり合って
一本に集束する様は流石女王様だとオモタ。
しかしその濃い内容故に映像化するとダイジェストじみて来るという……。
でも、どうしたらアイリーンがバンドルになるのだらう。
557:読後感 ◆VkkhTVc0Ug
07/10/23 18:43:07 8jpNXrRZ
「赤の女」ポーラ・ゴズリング(早川書房)
窓際に追いやられている中年領事館員チャールズの元に
殺人容疑で逮捕された英国人のフォローをする任務が回って来る。
強盗に入った男が殺されたという事件だったが容疑者は犯行を否認、
しかし被害者の息子は以前容疑者と共犯で詐欺を行なっており、
有罪宣告を受け護送中に事故死するという過去の経緯があった。
チャールズは容疑者の息子の元妻と一緒に行動を起こし始めるが……。
こうやってサスペンスを書けばそこそこ行けるんですよ。本格なんて
分不相応な物に手を出そうとするから良くなかったんですね。
謎とロマンスと活劇がわりかし良く絡まってて手堅く読める味でした。
こないだのはこれより新しいってのにあの体たらくで、
これが男なら離婚したのかと思う所だけどスケさんだし、ただの手抜きか。
558:名無しのオプ
07/10/23 19:11:29 RYi34+JD
>556
どの本か忘れたんですが、クリスティの舞台らしきところを巡る本の中で、
バンドルには「ひっぱる」とかって意味があるそうで、
そこから勢いがよい云々って渾名になったとかって
かいてあったんですが、本当なのか不明です
559:読後感 ◆VkkhTVc0Ug
07/10/23 19:14:18 8jpNXrRZ
「弓弦城殺人事件」カーター・ディクスン(早川書房)
海沿いに佇む古城を二人の学者が訪れた夜、凶事は起こった。
城の主人が甲冑の展示室で奇怪な死体となって発見されたのだ。
隣室にいた学者の証言によると被害者が入室して以来死体が
見つかるまで誰も部屋には入っていないという。
一体彼はどのようにして殺されたのか?
これ最初読んでて「うわ、バレバレじゃねーか」と思ったんですが
外れました(笑)。伏線もあからさまに張ってあったりしたのに
見抜けなかった馬鹿さに(^^)/▽☆▽\(^^)
おかしな点もありますがミステリーとしてはなかなかでした。
ただ小説としては全く面白くないです。ストーリーなんて何もないし
キャラクターも全然立ってません。そら一作で切られますわ。
お陰で読みにくうて。思うにこの頃カーは離婚(ry
560:読後感 ◆VkkhTVc0Ug
07/10/23 19:16:09 8jpNXrRZ
>>558
成程。スペルは関係なかいのですね。情報どうも。
561:読後感 ◆VkkhTVc0Ug
07/10/24 16:21:10 TTyEBCSP
「もうひとりのぼくの殺人」クレイグ・ライス(新樹社)
目覚めたとき、ぼくは列車の中にいた。何故ここにいるのだろう?
ぼくにはそれまでの記憶がなかった。ポケットには見知らぬ男の
名前が記された名刺と手紙が入っていた。傍らには新聞が置いてあった。
開いてみると殺人事件の記事があり、犯人の写真に写っている男は
僕だった。……
短編「うぶな心がはりさける」以来。マローン物はある偏見が原因で
読む気がしないのよね~。で・も! これはスルリと入れた。
探偵役が影薄いしね。
誰も自分を知らないという話や自分とそっくりの男に入れ替わられる話は
今までに読んだことあるけど、自分が別人になってしまうというのは……
あ、最近の国内物であったな、ひとつ。でも古典では寡聞にして
覚えがないや。閑話休題。
こういうの好き。突端の奇想は抜群。ただ、大き過ぎるはったりは
どうしても話を解りやすくしてしまうため、どんでん返しの楽しみは薄い。
前作もいつか読むかいのう。
そういや金田一少年で似たカラクリの物があったやに思うが
当時未訳だったし流石にこれはパクっちゃいまい。
562:読後感 ◆VkkhTVc0Ug
07/10/24 16:22:57 TTyEBCSP
「聖女の遺骨求む」エリス・ピーターズ(社会思想社)
時は12世紀。イングランドはシュリーズベリ修道院の副修道院長
ロバートは修道院に権威を持たせるため、奉るべき聖人の遺骨を
探していた。そんな中、若き修道士コロンバヌスが夢で聖人の啓示を
得たと宣言。驚喜したロバートは早速一団を従え遺骨を掘り出しに
向かうが―。
初カドフェル。ファルコの方が良かった。比較したらめ?
何かね、プロットはミステリーなんだけどロジックがよちよち
歩きじゃ話になりませんよ(byアーノルド)。だから解明が強引で
ガッカリする。ロマンスもやる気なしのやっつけ仕事。
後、セリフとセリフの間に発言者を示す文章が入るという文体に
違和感があ~る~♪
563:読後感 ◆VkkhTVc0Ug
07/10/24 16:26:35 TTyEBCSP
「殺人者と恐喝者」カーター・ディクスン(原書房)
催眠術実験の最中、被験者の女性が夫を殺害してしまう事件が発生した。
偽物のナイフがいつの間にか本物と摺り替っていたのだ。
しかも被害者には殺人を犯したらしい気配があり恐喝を受けていた
という……。
やられたなあ。てっきりアイツだと思ってたのに……。
伏線も通ってるし見事な赤い鰊だ。
これは読んでもいいカア。ただ、トリックはかなり無理無理。
564:名無しのオプ
07/10/24 18:08:09 CSPodH2H
>>562
カドフェルにロジック求めてもなあ
「遺骨」は第1作なので例のライバルはまだ登場してないし
ロマンス求めるのなら「死体が多すぎる」以後だし
ファルコは最初から本格を標榜してないから比べても意味ないし
565:名無しのオプ
07/10/25 00:09:24 MAdeN1PC
カドフェルよりファルコを先に読んだ人がいるのに
驚いた。自分はカドフェルの新刊をわくわくして待ち望んで
いた老人だが。
566:書斎魔神 ◆AhysOwpt/w
07/10/27 11:41:55 afQ8lDN7
クレイトン・ロースン「虚空から現れた死」を読んだ。
不可能犯罪ものの中編2作を収録。
探偵はクレイトン作品でおなじみのマーリニではなく、同じくマジシャンではあるが、
伊達男ドン・ディアボロである。
ディアボロの弟子の中国人青年、マジック助手の双子の美人姉妹をはじめとして
個性的なメンツが多く登場し、マーリニもの以上に軽快で華やかなアメリカン・ミステリの世界が展開され、
(こういった作風という点では、クレイトンは親友だった英国かぶれなジョンよりも
エル(初期)に近いものがあるのだ)
ディアボロの助手の名がチャン。チャンダラ・マンチュー、
俳優向けホテル<ドルリー・レーン>、ホームズ&ワトスン社の金庫等々、
ミステリファンの微笑を誘うようなお遊びも散りばめられている。
だが、内容面ではマジックはタネを明かしされると興醒めというケースが多いが、
マジシャンを本業とするクレイトン作品の読後感にもこれと共通するものがあるのが
残念ではある。
なお、直接ストーリーに関係はしないものの、主語がディアボロであったり、
ニック(ディアボロの愛称)とあったりと不統一となっており、
非常に読み難くなっている部分がある、こういった点は厳重にチェックして欲しいもの
である。
567:名無しのオプ
07/10/27 18:52:37 A7ZxE5sP
書斎と比べて読後感の無駄な駄文のことよ。
568:名無しのオプ
07/10/27 19:02:35 bg6BdO9O
コテハン叩きはルール違反だと言う一方でコテ叩きをする卑怯な書斎w
569:読後感 ◆VkkhTVc0Ug
07/11/05 00:50:14 fhm0q7TN
「本番台本」ギャビン・ライアル(早川書房)
かつて朝鮮で華々しい活躍をしたが今は中南米でしがないパイロットを
しているカー。ある時彼は映画ロケの一行に雇われる。しかし、
飛行中突然軍用機に襲われたの始め様々な危険に見舞われる。
カーは自分の周りで何が起こっているのか探ろうとするが―。
こないだの真下正義で「深夜プラス1」の名前が出ましたね。
その「深夜プラス1」がオーソドックスなプロットだったのに対し
本作は飛行機という専門分野を扱ったもので、プラス中々事件が
起こらないのでナンダカナァと思いながら読んでいましたが
話が動き始めてからはこっちも入り込めました。
正直水準作という感じだけれどまあ読んでみても……。
570:読後感 ◆VkkhTVc0Ug
07/11/05 00:51:41 fhm0q7TN
「ダイアルAを回せ」ジャック・リッチー(河出書房新社)
第3短編集。流石にプロットのパターンが何となく掴めて来るけど、
作風が好きなので楽しく読めた。アームスカトロングに通じるものが
あると思うんだよね。
いっち好きは「いまから十分間」かな。次は「殺人はいかが?」。
ヒッチコックが目を付けるのも解るような気がする。
後、「三階のクローゼット」は「のぞき魔バッド・ロナルド」を連想した。
それからターンバックルものも良い軽ミスで○。しかしカーデュラモのは
イマイチ設定を活かせてない印象。
571:読後感 ◆VkkhTVc0Ug
07/11/08 12:42:36 z8PmX/EO
「象は忘れない」アガサ・クリスティ(早川書房)
探偵作家のミセズ・オリヴァはパーティーで知り合った老婦人から
ある過去の事件についての調査を頼まれる。それは夫婦の心中と
判断されたもので、現場には二人の死体と一挺の拳銃が残されていた。
どちらが先に撃ったのか、それがミセズ・オリヴァの名付け子の
結婚を左右する問題らしいのだが……。
80を超えて書かれた作品で実質的にはポアロ最後の事件だそう。
以前「ブレイディング・コレクション」を読んだ時、本格度の低さに
作者の老齢を感じたことがあったけど、これも同じで他の部分は
ともかくプロット自体は極めて単純で恐らく全盛期のクリスティなら
短編の場合でももう一捻りはしたはず。「物狂い」とかを許せる人なら
どうぞ。
572:読後感 ◆VkkhTVc0Ug
07/11/09 01:09:42 cndN/CWB
「虚空から現れた死」クレイトン・ロースン(原書房)
中編2作収録。
「過去からよみがえった死」
死後の世界から舞い降りたコウモリ男が殺人を繰り返すというような話。
はっきり言って期待外れ。これでもかってぐらい荒唐無稽な演出は
好きな方なのだがトリックがやっつけに過ぎる。泡坂読んで出直せ。
「見えない死」
特殊装置によって透明になった男が人を殺したり美術品を盗んだりする
というような話。
こっちは良かった。トリックも相対的に言って納得の行くものだし
伏線も見事。
しかしまーた登場人物表が無い。
573:読後感 ◆VkkhTVc0Ug
07/11/09 17:32:24 cndN/CWB
「これが密室だ!」ロバート・エイディー+森英俊(新樹社)
海外の密室アンソロジーと言えば、「密室殺人傑作選」
「密室殺人コレクション」「密室大集合」(未読)ぐらいしか
知らないが他にあれば教えを乞う。
本格系ばかりではなくサスペンス作家の作品も入ってるのが嬉しい。
ただこれ中には「どこが密室だ!」というようなものも結構あるし、
単行本未収録というコンセプトのせいで出来も粒揃いとは言い難い。
良いと思ったのは
「見えないアクロバットの謎」(エドワード・D・ホック)
空中ぶらんこ乗りが実演の最中に消失するというもの。単純で巧い。
「死は八時半に訪れる」(クリストファー・セント・ジョン・スプリッグ)
殺人予告を受けた大臣が十重二十重に警戒される中、
ジャストに殺されるという飛び切りの不可能犯罪ミステリ。
これもシンプルイズベストで良い。
「ささやく影」(ジョン・ディクスン・カー)
青年が見えない男から狙われるというラジオドラマ。巧くまとめている。
「危険なタリスマン」(C・デイリー・キング)はタラントの復活と
期待したがダメな方だった。
574:書斎魔神 ◆AhysOwpt/w
07/11/10 17:04:48 IjTaK5jq
シリル・ヘアー『英国風の殺人』を読んだ。
クローズド・サークルものにして法律ネタ(上院ネタ)という異色作。
派手なトリックは無いものの、関係者一同に会した場での名探偵による謎解きシーン等も
あり、英国探偵小説らしい落ち着いた雰囲気が魅力な作である。
戯曲を小説化したもののせいか、描写がやや薄味なのが残念、
舞台となるカントリー・ハウスの情景、そこに集う登場人物をじっくりと書き込めば
非常に重厚なミステリ足り得たであろうと思われるのが惜しまれる。
575:書斎魔神 ◆AhysOwpt/w
07/11/11 16:50:37 jBcSaRMq
『P・G・ウッドハウス選集Ⅰ ジーヴスの事件簿』を読んだ。
刊行当時はこのミス等にもランキングされた作品集であるが、厳密にはミステリとは
言い難い作も多く含む英国国民文学的位置付けにあるシリーズである。
訳文が上品かつ軽妙にして読み易く、落語的面白さに富む。
時代性もあって御都合主義的展開が目立つものの、本シリーズの場合は目くじら立てずに
ゆったりと雰囲気を味わうべきものなのであろう。
しかし、ジーヴスという男、痛み入ります、とか言いながら、実に食えない男である(w
576:名無しのオプ
07/11/11 19:14:50 0Gi1LYXt
在日韓国・朝鮮人対象の“住民税減額措置”を利用し、伊賀市の前総務部長が1800万円着服か…三重
17 名前:名無しさん@八周年[] 投稿日:2007/11/11(日) 11:31:58 ID:b287LWMGO
減額の方がよほど問題だよ!
おかしいでしょ。
これ、日本人が差別されてる。
107 名前:名無しさん@八周年[] 投稿日:2007/11/11(日) 11:41:31 ID:iGQrDZNb0
>関係者によると、減額措置は、昭和30年代から40年代にかけ、
>旧上野市(現伊賀市)と地元の在日本大韓民国民団(民団)や
>在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)との交渉で始まったとみられ、
>納付額を半減するなどしていた。
黒幕は総連と民団。
たぶん全国でやってるぞこれ。
19 名前:名無しさん@八周年[sage] 投稿日:2007/11/11(日) 11:32:13 ID:WWwiKLKH0
在日特権は事実だったんだ…
URLリンク(blog.livedoor.jp)
在日様は減税されて、日本人は増税って・・・・。
明らかに日本人差別・・・・。
577:名無しのオプ
07/11/11 23:40:14 TC1TfD/2
『幼き子らよ、我がもとへ 上・下』ピーター・トレメイン
創元推理文庫
モアン王国内の修道院で、隣国ラーハンの尊者ダカーン
が殺される。複雑な領土問題がからみ、タラの大集会での
裁判で、モアン王国側に責任のないことを示さないと、
モアンとラーハンの間に戦争がおきかねない。そのうえ、
王国内では疫病がはやり、国王が死の床についている。
モアン王国最大の危機を救うため、修道女フィデルマが故郷に
呼び戻され、真相究明にあたる。
本当におもしろかった。一気に読めました。
大集会までの解決というタイムリミットによる緊迫感、いつ感染する
かわからない疫病への恐怖、戦争や疫病で親を失った子供たちを襲う
さらなる悲劇とそれに対するフィデルマの激しい怒り。
前作よりフィデルマの人間味が増し、怒りによる失敗もします。
大集会での、モアン、ラーハン両国関係者を前にした推理披露は、
往年の本格推理の名探偵そのもの。
久しぶりに、超人的な名探偵の活躍を、堪能しました。
578:読後感 ◆VkkhTVc0Ug
07/11/14 02:31:41 1hE5yvgM
「レイトン・コートの謎」アントニイ・バークリー(国書刊行会)
資産家のスタンワース氏が自邸の書斎で射殺体となって発見された。
被害者の客の一人であった作家シェリンガムは殺人とみて
親友アレックと共に事件解決を目指すのだが……。
出た端からがっつくんじゃなく一通り出揃った処でゆるゆると
発表順に読んでいくというのが賢者の読み方です。スレは立てたけどw
読んでみれば真っ当な本格ミステリという印象でした。主人公は
天才でも凡人でもない言わば秀才型探偵といった風で特に違和感は
ありません。プロットはそう複雑ではないのですが、犯人は
終盤になるまで気付きませんでした。これは風邪のせいです、はい。
あと(メル欄)が気になりました。
本作だけではまだ独創性を感じなかったので
これからどう伸びていくのか楽しみです。
579:名無しのオプ
07/11/14 12:12:10 JYe7QJf8
エラリー・クイーン「シャム双子の謎」
山火事に閉じ込められた山頂に立つ一軒の館で起こる連続殺人事件。
炎の脅威が迫り緊張しているのか、いつもより頭のキレが悪いエラリー。
親父のクイーン警視も失態を犯す。
山火事が強烈な緊迫感を演出し、論理ゲームが売りの従来のシリーズとは一線を画すドラマがある。
580:読後感 ◆VkkhTVc0Ug
07/11/15 16:10:11 IJKukyak
「雷鳴の中でも」ジョン・ディクスン・カー(早川書房)
中年画家ブライアンは知人の富豪から令嬢の説得を頼まれる。
彼女が誘いをかけられた女優に殺人容疑をかけられた過去があった
からだったが、ブライアンは失敗し令嬢は誘いに応じてしまう。
そしてそのせいで彼女は殺人事件に巻き込まれることに……。
本作はある不可能状況が設定されているのだが、種明かしが余りにも
強引に過ぎ(バカミスとかじゃなく)、トリックの考案を放棄している
のかとすら思えてしまった。ただプロットは中々良く出来ていたと思う。
581:書斎魔神
07/11/17 22:08:14 sa5qlxNN
デレック・スミス『悪魔を呼び起こせ』を読んだ。
幻の密室ものであり、国書刊行会により翻訳の陽の目を見たものの、
内容的には期待外れの感が強く、今は忘れ去られた感がある作で、
(本書の解説者は本作を高く評価しているが、
解説中に記された『不可能の解体、不思議の消滅とともに、作品の魅力もまた消え
失せてしまう場合』が多い密室ものの例外とは成り得ていない)
長く本邦未訳であった密室ものということであれば『魔の淵』方がまだその
トンデモぶりが楽しめる分だけ良い気がする。
とは言うても、曰く因縁つきの先祖の死の言い伝えが絡む謎の密室殺人、
これに続く派出所における第2の密室殺人とジョンまがいの怪奇探偵小説
(ただし、本作はジョンであればロマンス成就のハッピー・エンディングであったろう)
を意図した構成は、ミスオタなら見逃せないところではあろう。
ミスオタな素人作家の手になるものだけあって、名探偵が女に惚れっぽいイケメン、
ヒロイン(ガイシャのフィアンセ)がこの時代背景であればビッチと言われても仕方ない
『話がわかる』タイプ、ギディオンとヘンリーをミキシングしたような楽しい爺
(ヒロインの叔父)等々、同人誌風のキャラ構成が馬鹿馬鹿しくも楽しくはある。
それゆえにと言うか、理詰めを意図し過ぎて、突っ込み所も多く、
地味過ぎに終わった謎解きは今ひとつ物足りなさがあり、
ジョン作品(例えば『曲った蝶番』や『プレーグコートの殺人』等の如き)のような
ある種突き抜けたようなトンデモ感が欲しかったところだ。
582:名無しのオプ
07/11/17 22:26:04 x6cJwYjW
カッツェンバックの、精神分析医読みました。
上下巻とも厚くて疲れたけれど
良かった。
でもあれは、サスペンスなのかな。
ある日突然医師の前に不可解な手紙が。
14日間以内に自殺しないと、おまえの親戚を殺す。
そこで医師は、逃げたり名前を変えたり
そういったことで過去の自分と向き合っていく。
読み応えありました。
583:書斎魔神
07/11/18 21:35:45 2s1YAiVL
レオ・ブルース『三人の名探偵のための事件』を読んだ。
真田啓介氏(注 真田幸村ではない(w )の解説に詳しいが、
密室トリック、多重解決、アントニイ風の名探偵パロディと探偵小説論等、
盛り沢山の本格ミステリで、最終的な解決(=真相)も面白く、かなり堪能出来る。
しかも300頁程度とコンパクトに纏まって読み易いのも良し。
作品内容を離れた意外性ということでは、作者がこのような洒落っ気がある遊び心が
あるものを書く作者は、著名なプライベート・スクールからオクスブリッジ卒の
インテリ上流階級の紳士かと思いきや、転校、転職を繰り返したDQNなプロファイルの
持ち主であることである。
584:名無しのオプ
07/11/19 20:35:03 15n06iKH
>>583
魔神さん、英国でオックスブリッジに進学する贅沢な私立学校は
「パブリック・スクール」ですよ。イートンやラグビー、ハローなど。
585:名無しのオプ
07/11/20 03:23:50 I0sk+pvT
>>583
調べたらレオ・ブルース(Rupert Croft-Cooke)はパブリック・スクールの
トーンブリッジとウェリントンカレッジで教育を受けたインテリみたいだよ。
ジャーナリストをしたり、古書店を経営したり、ラジオの心理学に関するシリーズ番組
に出演したり、兵士になったり、確かに職業は転々としているけど、DQNとは対極だろ。
586:名無しのオプ
07/11/20 06:10:32 Ys+kHhg9
自演がウザいなあ・・・
587:名無しのオプ
07/11/20 14:24:34 cz+LHEZR
コージーミステリーなんだけどクッキングママシリーズ読みました。
怒涛のように話がすすんでいく中で
ややヒステリックなバツ一ママの気持ちや
ドタバタとした登場人物たち、イライラしたティーンエイジャー
その人たちの気持ちの描写や会話、話の流れ方、
とにかく読んでいるだけでどっと疲れる。
シリーズものだから仕方がないけど死体発見もワンパターン
唯一の魅力は落ち着いている警官のトムとレシピ、食事の描写
とにかく読んでいてすごく疲れるのでシリーズ揃えたのに捨てようか迷い中
588:名無しのオプ
07/11/21 00:31:19 zxeKPekF
■■■書斎ミス住警報発令中■■■
書斎は現在、全ての書き込みに対して
挑発的なレスを返してくる模様です。
ミス住の目的は、皆さんの感情を弄び、
板を機能不全に陥れて自己満足に浸る事にあります。
書斎の煽りに乗ってはいけません。
ミス住にマトモな返答を期待してはいけません。
■ただひたすらに無視し続けて下さい■
ひとりでも反応すれば、書斎は大喜びで更に挑発してきます。
煽り耐性の無い方は、当分の間書き込みを控えて下さい。
ミス住撃退には、皆さんのチームワークが、何よりも大切です。
ご協力よろしくお願い致します。
★★★基本に戻ろう★★★
★ 書斎は、放置されるのが一番キライ!
→ ウザイと思ったらそのまま放置!
★ 放置されたミス住は寂しくなって、煽りや自作自演であなたのレスを誘います!
→ 釣られてレスしたらその時点であなたの負け!
★ 反撃は書斎の滋養にして栄養であり、ミス住が最も喜ぶことです!
→ 書斎にエサを与えないで下さい
★そんなミス住を見かけたら、
→ 同情と哀れみの気持ちを込めて華麗に放置スルーしてあげましょう。
589:書斎魔神
07/11/23 08:48:20 9tsGmues
ジョン・スラディック『見えないグリーン』を読んだ。
エゲレスを舞台にしながらもメリケンの作家の手になるもののせいか、
テーストはライトなアメリカン・ミステリ、やや軽過ぎる感も受けるが、
逆に凄惨な連続不可能殺人のヘビーなムードを巧く中和する効果を上げているとも
言い得る。
第1の殺人はまさにジョン張りなトンデモトリックが炸裂して楽しめるオチだが、
第2の殺人はあまりに偶然性に頼った御都合主義が目立ち感心しない。
第3の殺人はS・Sやエル風の論理的な推理が展開されるが、
プロの殺し屋でもないのに必殺の一撃というのが、やや弱い(『悲鳴を上げないか』)感
がある。
しかし、全体を通じてはコンパクトに纏まった予想外に楽しめる作であり、
特に密室オタには必読である。なお、解説はマエストロ鮎(注 浜崎ではない(w )
が担当、相当に高い評価をしている。
590:書斎魔神
07/11/24 10:42:45 Ay2RLgCU
私の紹介によりこのスレでもおなじみになったH・R・ハガードだが、
『女王の復活』を読んだ。傑作『洞窟の女王』の続編(と言うても刊行は18年後とある)、
ゲットするのに苦労した一編なのだが、かなり不満が残る作であった。
例えば、チベットを舞台にしながらも秘境冒険小説としての内容は前半のみ、
全体の4分の1程度となっており、後は転生が絡んだ時空を超えた三角関係が
メーンストーリーとなってゆく。
この辺は読者の嗜好も関係はするだろうが、初期の大冒険ものを期待していると、
外れという感が強い。
加藤夏希風のイラストが付されたヒロイン、アシュリの語りも前作と比較すると、
柔らか過ぎて、やや切れ味を欠くものがあり、
恋をして生まれ変わり(まさに字義どおりだが)キャラが柔らかくなったのか。
591:名無しのオプ
07/11/24 11:19:21 ObDr/b+Z
スレリンク(books板:583番)
【コテ禁止】小説の匠 吉村昭5【コテ禁止】
583 :ミステリ板住人:2007/11/23(金) 20:31:22
オレも包茎だけど、カミサン喜んでむいてるよ。
むくだけむいてカリくびもって
シコシコしてくれる。単に皮が多少長いだけのこと、何の変わりもない。
ふろっ一緒に入って股開いてむいて洗わせてるよ。
オレも股を開かせてオマンコ
洗ってやってるけどね。初めはお互い恥ずかしかったけど、
いまはかみさんから
股を開いて要求するよ。
愚民諸君、心しておけ!
いや親方がカントン包茎だっていうのは、オレらみんな知ってるからさぁw
592:読後感 ◆VkkhTVc0Ug
07/11/27 12:42:12 70I2mceS
「嘘は刻む」エリザベス・フェラーズ(長崎出版)
旧友グレースに会うためイギリスの田舎町にやって来たエマリーは
そこで殺人事件に遭遇する。目撃者の証言によると当日被害者宅には
赤い服の女と茶色い服の女が訪ねていたと言う。エマリーはその片方が
グレースではないかと疑い、彼女のために事件を調査し始める。
検証シーンも結構ありミステリとしてはマル。だがストーリーがいまさん。
それにでっかいハッタリがあったりしてマイナス。あとなげーし。
593:読後感 ◆VkkhTVc0Ug
07/11/27 12:58:50 70I2mceS
「海中密輸ルートを探れ」クライブ・カッスラー(新潮社)
エーゲ海にある米軍基地が突如襲撃を受ける。襲ったのは
第一次世界大戦で使用されていたドイツ戦闘機。SOSを受け
救援に向かったピット少佐は首尾良く敵を撃退させるが
これは大事件の幕開けに過ぎなかった……。
シリーズ第一作。新規開拓に着手するも最初はダーク・ピットの暴力性に
やや引く。何もしてない女を力一杯殴るとかどんだけDQNやねん。
中盤まではストーリーもシンプルで可愛いもんだと思っていたが、
そこからややツイストしてちょっと眉を上げた。
ま、次には繋がったな。
594:名無しのオプ
07/11/27 20:16:38 OjYl079P
ピーター・トレメイン『蜘蛛の巣 上・下』 創元推理文庫
主役のフィデルマは王の妹で美人で法律家で修道女で馬も格闘術も達人並という完璧超人
ホームズやヴァンスや御手洗と違って性格もまともという凄さ
古代アイルランドが舞台なのだが、作者はその道ではかなりの権威らしい学者だそうで、
その時代へのわかりやすい偏見まみれのイメージを崩しまくる社会制度と法律が密に描かれていて
そういう部分では大変面白かったし、ローマ教会に同化されていく中での宗教論争が折り込んであってそのあたりも興味深い
ミステリとしては及第点止まりという感じだが、それを補って充分な作品ではあった
ただ訳者が巻末の註でシリーズのネタバレをしまくっているのはどうだろう
595:読後感 ◆VkkhTVc0Ug
07/11/30 14:15:51 hLdUEwsz
「探偵術教えます」パーシヴァル・ワイルド(晶文社)
通信教育で探偵講座を受けている運転手モーランが一人前気取りで
犯罪事件を解決しようとする連作短編集。
「悪党どものお楽しみ」と本作でユーモアミステリーの書き手として
達者なのは良く判ったが、それが制約になって話がワンパターンに
なってしまっている面も無きにしもあらぬ態にて候。
ここらで正当派の本格長編らしきミステリー・ウィークエンドを読みたい。
一番は「P・モーランと消えたダイアモンド」かな。
ネタバレ天国かも知れないが。
596:書斎魔神
07/12/01 15:02:11 8zQbFAKw
J・D・カー『囁く影』を読んだ。
定期的なジョン作品再読を怠らない俺ではあるが、出来栄えが芳しくないものが多い
せいもあって、ギディオン・シリーズ中期から後期にかけての地味めの作などは
どうも縁遠くなるものである。
本作はカーオタにはわりと評判が良い密室犯罪ものであるが、
訳者のノートと題されたあとがきにある、『・・・この作品の特に堅牢で緻密な構成は、
フェル博士登場の一連の作品の中でもずばぬけていると思われるが、どうだろう』
というヨイショに対しては、『それは違うだろう』としか言いようがない。
あとがきには、本作の手がかりの呈示の仕方を評価した部分もあるが、
トリックに関連した服装の件ひとつ見ても、これに気付けというのは無理というもので
あるし、第1の殺人トリック(密室)はあまりに老人というガイシャのキャラを
考慮すれば説得力が無さ過ぎ、ふと映画『ディアハンター』を想起させる第2の事件の
トリックの方が、まだ面白みがあるやに思う。
また、中期以降のジョンには珍しく吸血鬼ねたというオカルティズムを
導入しているが、初期のようなコテコテの怪奇色を施すわけでもなく、
あっさりと流されているのも、怪奇探偵小説好きとしては物足りないし、
ヒロインのフェイがハモンドに雇用される経緯その後の展開等、
いかに創り物を意図した謎解きミステリとはいえ、『小説』として無理が有り過ぎる感が
ある。そもそも、バーバラというキャラは不要だったのではないか?
意外性を持ったのは、ラストがジョン作品らしい恋愛成就のハッピー・エンディング
と思いきや、ビッチ(意外にもジョンは同情的)ねたを貫徹した点か。