07/05/12 18:44:31 jBqN+uHr
圧倒されます。。恐れ入りました・・・
388:名無しのオプ
07/05/12 20:30:59 siMoIiFb
>>386
>興味がある者も多いかと思うので
なんでしょうかこの強烈な思い上がりはw
389:名無しのオプ
07/05/12 22:09:42 5c2xEi0n
心して読め!とか何で見下ろした言い方をするの?
バカなの?
390:名無しのオプ
07/05/12 22:29:07 wrIgOIn1
そりゃあ、みんなを下等なミステリしか読めない馬鹿だと思って
見下ろしてるからさ。
391:名無しのオプ
07/05/12 22:46:45 I9q85dmY
>>2
392:名無しのオプ
07/05/12 23:14:19 d12Bb7WT
必ず3つ4つレスが付くよな
この板の住人は一体いつになったらスルーを覚えるのか
こう言ったら今度は「あれはコピペだ」とかぬかしやがる
コピペだろうがオリジナルだろうが知るか
スルーをしろと言ってるんだ
いい加減成長しろ単細胞ども
393:名無しのオプ
07/05/12 23:50:51 OjoQM56L
全部書斎の自演とコピペじゃねえか
お前こそスルーしろアホ
394:名無しのオプ
07/05/13 09:39:33 0VlpFQWC
>>393
根拠あんのか?
そうやって甘やかしてることに気付け
395:名無しのオプ
07/05/13 13:52:25 SxuIY3Du
ここ、別に粗筋(紹介文)を書かなくても良いんだよね? テンプレないみたいだし。
396:名無しのオプ
07/05/13 14:15:09 9hzbBKxi
>>394
>そうやって甘やかしてることに気付け
誰を?
397:名無しのオプ
07/05/13 17:10:23 0VlpFQWC
書斎にレス付ける連中をさ
398:名無しのオプ
07/05/20 22:01:38 txDbQbrd
パソコンとインターネットとが安価で買えるようになったので、陥りやすい罠だわな。
399:名無しのオプ
07/05/20 22:56:03 qeXdvntG
アイリッシュ(と言うよりウールリッチ)の「暁の死線」読んだ。
アイリッシュにしては結構探偵物らしい細かい技がちりばめてある。
ウールリッチは後期の真っ暗闇な作品が好みなんだけど、
これは珍しく明るい印象の作品。
ちなみにこれまで読んだ中でのウールリッチの最高傑作は「幻の女」
ではなく、「喪服のランデブー」(ただしミステリーとはもはや
言えない)
400:名無しのオプ
07/05/20 23:09:23 vSnv7S4T
>>399
同じく自分もウールリッチなら一番は喪服のランデヴーだな。
これはミステリーってか、分類的にはサスペンスだったような。
401:書斎魔神 ◆qGkOQLdVas
07/05/26 22:35:39 mtsLK7Na
ジョゼフ・ウォンボー「ゴールデン・オレンジ」を読んだ。
10年以上前(96年)の刊行であるが、現在では本邦におけるウォンボー作品唯一の
入手可能なものとなってしまった。(古書を除く)
警察小説(ていうか警官小説と称した方がその内容を的確に評しているかと思う)
名作「センチュリアン」も「冷血」にも劣らない犯罪ノンフィクション・ノヴェルの
傑作「オニオン・フィールド」等が、とうに品切れなのは残念でならない。
昨年度このミス1位にマークされた警察官出身の作家ローリー・リン・ドラモンドの
「あなたに不利な証拠として」が好調な売れ行きなのであるから、時代背景が古くなったとはいえ、このジャンルの先駆者とも言うべきウォンボー作品は、古典として
もっと読める状態にあってよいはずだと思うのだが。
それはともかくとして、本作そのものの出来は芳しいものとは言えず、
本作でウォンボーという作家の評価をしてしまうのは早計に過ぎる。
警官出身というアドバンテージを活かしたビビッドな現場感覚を活かした作風が魅力の
作者だが、本作執筆時には作家専業となって久しく、また主人公が元警官という設定
リゾート性が地域が舞台となっていること等もあってか、ヒロインである有産階級の妙齢の美女の生活感の方が活き活きと描かれるという皮肉な結果となっている。
ミステリとしては、結末が曖昧な部分が多過ぎるという致命的な欠陥があり、この点の
評価も辛くならざるを得ないし、ミステリを読み慣れた者なら容易く察しがつく展開
なのも頂けないものがある。
402:書斎魔神 ◆qGkOQLdVas
07/05/26 22:39:04 mtsLK7Na
ラストの雌雄の亀の姿に込められたメタファーなどは面白くはあれど、
人物・情景描写の的確さと、
主人公ウィニーの行きつけである酒場「スプーンズ・ランディング」の常連等、
脇に至るまでの個性的な登場キャラの面白さで、なんとか退屈せずに読ませると
いったところか。
403:名無しのオプ
07/05/27 02:40:31 9GZmbZy2
>>402
ワロタ
404:読後感
07/06/01 21:32:35 2uHvTV+i
「奪回」ディック・フランシス(早川書房)
対誘拐専門のコンサルタント会社を営む主人公が競馬界に関わる
連続誘拐事件に挑む話。
「興奮」「黄金」に次いで3冊目だが後ろ2冊は余り面白くない。
長いし全体的にモタっとしてのめり込めん。
やっぱ迫害されてなんぼって感じなのかなこの人は。
405:読後感
07/06/01 21:43:07 2uHvTV+i
「吠える男」エドワード・マーストン(早川書房)
時は16世紀のロンドン。世間を騒がせた不義密通の末の殺人事件は
巧妙に偽装されたものだった!?
劇団員ニコラスはある人物から真相が綴られているという台本を
託されるが、それ以降劇団は弾圧されてしまう。果たして真犯人とは―?
初邦訳がシリーズ7作目という時点でキレかけたが中身もイマイチ。
展開にキレがない。カーの歴史ものの酷い方みたいな感じ。
前々世紀ならともかく現代の作家がこんなもん書いちゃいかんよ。
犯人もすぐ明かされるし、ロマンスもタルい。
何でガイド本で言及されてたのか……。
406:名無しのオプ
07/06/08 12:00:23 gKfI7ekY
D・カイル「革命の夜に来た男」(ハヤカワ文庫)
銀行家マロリー卿は自分の銀行から数十年に渡って送金されている謎の口座を探る
うち、ロシア革命に関する衝撃的な手記を発見した。1918年、ダイクストンという
英国の海軍士官が時の国王の密名を帯びて、革命真っ只中のロシアに潜入しニコライ
皇帝一家を救出しようというのだ。ダイクストンはレーニンやトロツキーらを説得し、
皇帝一家の幽閉先へと向かった。ダイクストンは無事任務を果たせるか・・・。
いかにも英国の銀行家、といった感じのマロリー卿が良い味を出しています。手記が
幾つにも分散して保存されており、謎を解かないと、その続きの手記を読めないと
いう趣向も上手い。手記に記されたダイクストンのロシアでの冒険も迫力十分。
革命直後の混乱ぶりなども面白く描かれている。最後の最後に待っていたオチは、
それほど意表を突いていたとは思えませんが、なるほど、そう来るか、と感心。
まあ佳作でしょう。
407:書斎魔神 ◆qGkOQLdVas
07/06/09 19:42:47 c/VOjlEy
ドナルド・E・ウェストレイク「鉤」を読んだ。
同じ文春文庫から先駆けて刊行された「斧」が面白過ぎて、
逆に今まで手を出しかねていた作。
「斧」以上の面白さは到底期待出来そうもなかったからである。
しかし、今回、おなじみ100円コーナーの出会いちゅーか、
一読したところ、さすがドナルド、やはり「斧」以上ではないものの、
なかなかの面白さであった。
舞台は出版業界、旧友である2人の作家(売れっ子と忘れられた作家)を
メーンキャラとし、交換殺人ならぬ交換条件の殺人とその後の顛末がメーンストーリー
だが、シリアスな作風ゆえ、登場キャラ(ウェインとスーザン夫婦)の心理に
非現実的なものを感じてしまうという難はあれど、内部からじょじょに壊れてゆくのは
彼らではなく…という展開がかなりサスペンスフルに描かれており、
オチもサイコ・スリラーそのもので、「語らない恐さ」とでもいったものが
溢れるものとなっている。
408:名無しのオプ
07/06/09 19:44:04 r/pG37Jg
読みたいけど人多すぎで読めない
409:書斎魔神 ◆qGkOQLdVas
07/06/10 17:41:21 8jtwqBWg
ドナルド・E・ウェストレイク「聖なる怪物」を読んだ。
「斧」と「鉤」の好評(いずれも「このミス」「文春」等の年間ミステリランキングで
高順位を獲得)により刊行された作だが、
完全にラリった感じの主人公(ハリウッドスター)の語り(これがトリックにも関連するのだが)は面白い趣向ではあるものの、途中から仕掛け(インタビュアーの正体等)が
見え見え、パズル小説ではなくサスペンス・ミステリとはいえ、
終盤には基本的にミステリの禁じ手と言われるネタの登場も感心しないものがある
前2作には遠く及ばない凡作であった。
年間のミステリランキングからは無視され、以後に文春文庫からドナルド作品の刊行が
無いのも、この内容を見ればうなずけるものがある。
折角のドナルドノンキャラ作品の翻訳であるし、こんなモノ(未訳)しか無かったの
であろうか?
作品そのものには関係しないことではあるが、解説でドナルドの映画化作品を
挙げているが、
ドートマンダー・シリーズの「ホットロック」(ピーター・イエーツ監督、ロバート・
レッドフォード主演)が落ちているのもしょうもない。
410:名無しのオプ
07/06/10 18:27:43 wXz8KsQD
,,ggllllllllllllllgg,,
,,lilillllllllllllllllllllllllllllk
,,lili[^^^ ゚゚llllllllll._
gllll゚゜ ^)llll[
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∩-ヽ、, ノ @
。゚。・珍 '"''''''''"´ ノ ヽ|ノ,
。・。゚ ゝ∪" ̄ ̄ ̄∪ ,,, 、,, ,,,
('A`) ,,, 、,, ,,, 、,, , " ,, 、、
ヽ|ノ 、、, ,, 、,, , " ,, 、、, ,,
411:名無しのオプ
07/06/10 23:20:26 r13/wHjY
>>409
土曜に三冊、日曜に一冊読破はすごいね。
412:読後感
07/06/15 19:57:04 DnITDbJ7
「魔法医師ニコラ」ガイ・ブースビー(小学館)
19世紀の中国。路頭に迷っていた青年ブルースはニコラと名乗る
奇妙な男から旅の供をする様に頼まれる。破格の報酬に動かされ
承諾したブルースだったが、ニコラの目的は不老不死の秘術を探るため
チベットにある秘密結社の総本山に潜入するというとてつもない
ものだった!
菊地秀行訳。1896年発表ということで超人造型など古さを感じさせる
ものもあるが、RPGの様に一つ一つ段階を踏んで目的地に
歩を進めて行くという構成や何度も危機に直面する展開など
読み応えがあって良い。ニコラのキャラクターも立っていると思った。
ただ、ロマンスは時代相応にベタで大人しい感じ。
PS.乱歩「黄金の怪獣」に出てくるニコラ博士の元ネタかな?
413:読後感
07/06/15 21:00:43 DnITDbJ7
「シカゴ・ブルース」フレドリック・ブラウン(東京創元社)
見習い印刷工をしている青年エド・ハンターの許に父親が路地裏で
死体となって発見されたという知らせが届く。一緒に暮らしていた
継母とその娘にまで警察の嫌疑がかかるなか、エドはサーカスで
働いていたアムおじさんと協力して犯人を探し始める。
ブラウン初長編にしてMWA賞受賞作。
「通り魔」でもそう思ったけどブラウンって都会小説の味も
割とあるよね。無論ハードボイルドとしてもなかなか。無闇に
後頭部殴られて章が変わることもないし。
シリーズたくさんあるみたいだから機会があれば読みたいな。
414:読後感
07/06/16 17:48:19 WitxVKf0
「深夜プラス1」ギャビン・ライアル(早川書房)
元レジスタンスの闘士ルイス・ケインは知り合いの弁護士からの
依頼を受け、曰く付きの人物を目的地まで送り届けることになる。
彼の命を狙う凄腕の殺し屋たちが行く先々で待ち受ける中、
ケインは首尾良く仕事を果たせるのか―。
一見客にカンパを強要するという噂が怖くて行けなかったお店の
ネーミング元となった有名な冒険小説ですが、まあまあ面白かったす。
こないだのと同じくRPG的な構成が良いね。途中でほろ苦い別れをした恋人との再会イベントも有りつつ
物語は進行していく。「どうせ死んだから言ってんだろ」
とは思わず素直に読みました。
プロットは大したことないけど、パートナーのやさぐれスナイパーとか
冷然としていてもどこか詩的な被警護者とかのキャラクターが
まあまあ楽しめたかな。
415:名無しのオプ
07/06/16 21:38:30 4auO/X83
>一見客にカンパを強要するという噂が怖くて行けなかったお店
うわ、あのお店そんな噂あったんだ。知らなかった。
当然初めて行ったときは一見だけど。
っていうかそういう世界で有名な本屋だって知らずに行った。
416:読後感
07/06/16 22:35:20 WitxVKf0
>>415
いや、噂があるのは飲み屋の方です。
417:415
07/06/17 22:07:19 p46oqpE8
Thx
そういう飲み屋もあったんだね。知らなかった。
本屋の方はあの当時でも品揃えがちょっと変わってる以外は
普通の店だった。
なんかスレにあったネタかこうと思ったけど、
最近読んだ海外物って、シドニー・シェルダンだからなあ。
418:名無しのオプ
07/06/18 10:32:16 eLy69KD/
馳星周が昔、板東齢人名でミステリー批評書いてた頃、深夜プラスワンで時々バーテンやってたと聞いたことがあるが・・・
ガセ?
419:名無しのオプ
07/06/18 14:29:24 gugLeoZD
>>418
WEB本の雑誌のインタビューで本人が言ってたと思う。
420:名無しのオプ
07/06/18 15:49:34 1RJENjE/
>>418
『ミステリを書く!』のインタビューで語ってるよ
421:418
07/06/18 16:27:21 eLy69KD/
>>419
>>420
サンクス!
ソースがはっきりしなくて、ちょっと気になってたもんで。
422:読後感
07/06/18 20:24:36 Aq1G6tuX
「さまよえる未亡人たち」エリザベス・フェラーズ(東京創元社)
リフレッシュ休暇でスコットランドの小島を訪れたロビンは、
現地で4人の中年女性と知り合う。内一人は偶然ロンドンから一緒で
何やら胡散臭い事情がありそうだった。そんな中、彼女達の一人が
自室で変死体となって発見される。ロビンはこれまた現地で知り合った
若い女性シャーロットと共に調査に乗り出すが彼女にもまた秘密が―。
250ページと短いながらもなかなか面白い。毒薬に関する謎を中心に
いくつかの推測が飛び交う。そこにロマンスが絡むわけ。
ロマンスに関しては割と淡白かも知れないがロジカルな中に
一つの伏線で真犯人が判明するという推理部分は良い。お薦めかな。
423:読後感
07/06/19 19:17:50 j/Tid1OE
「目は嘘をつく」ジェイン・スタントン・ヒッチコック(早川書房)
騙し絵画家フェイスはある時美術収集家として名高い老夫人から
自館の壁に絵を描いて欲しいと頼まれる。友人の薦めもあって
仕事を引き受けたフェイスだったが、足を踏み入れた屋敷には
かつてこの場所で殺された娘の影が漂っていた……。
何か書評やタイトルを見る限りでは凄いどんでん返しがあるのかと
思ってたら当てが外れた。やや冗長な心理サスペンスて感じ。
一応終盤で真相が明かされるのだが「あら、そう」てなもんや三度笠。
もう読まないリストに追加。
424:名無しのオプ
07/06/30 22:30:11 cjYcGQrA
「わらの女」カトリーヌ・アルレー読了
読みやすいしテンポがあって面白かった
しかし結末はどうなんだ?
日本人が書いていたらああいう結末にはしないだろうな
425:書斎魔神 ◆qGkOQLdVas
07/07/07 23:16:36 fspKnToC
E・D・ホック「サム・ホーソーンの事件簿Ⅴ」を読んだ。
カバーのイラストでは相変わらず若々しく描かれているサムだが、既に40男、
舞台となるノースモントの町の都市化が進行したこともあって、シリーズの雰囲気が
結構、変化して来ているやに思える。
また、背景となる時代の変遷もあって、初期のようなマターリ牧歌的な田園ミステリ一の
世界とはいかず、戦争(第2次世界大戦~ヨーロッパ戦線)の暗い影が散らつく作品が
多く見られる。
作者の私観もあるのか、いかにナチス憎しと言えども、ドイツ系住人に対する偏見を感じさせるような部分もあって、現代メルヘンとも言い得る謎解きミステリの世界を
堪能せんとする者には、抵抗感を持ってしまうような面もあるのは残念である。
では、大好評の全話講評行ってみよう!
「消えたロードハウスの謎」
米東部の広大さが実感されていないと、トリックも今ひとつ実感を伴わないものがあるやに思う。犯行に時代の空気が吹きまくりなホックらしからぬ、このシリーズらしからぬ作
である。
「田舎道に立つ郵便受けの謎」
メーントリックは小技にとどまり、ストーリーも強引な因縁話で落ちる。
意外や、ホックの純文学好きを感じさせる展開を楽しむべき作であろう。
ポイントとなる部分だが、「戦争と平和」ほどではないとしても、
「大地」はそんなに薄い本であろうか?
「混み合った墓地の謎」
地中の棺から真新しい死体が発見されるというジョン風の怪奇な設定だが、
初期よりもあっさりと語られてゆく。
ベテラン医師にして名探偵のサムにしては現場にいながらのうっかりが御都合主義的
で気にかかるものがある。
426:書斎魔神 ◆qGkOQLdVas
07/07/07 23:18:21 fspKnToC
「巨大ミミズクの謎」
最後の一行が文学的な締めの一編。
このシリーズは謎解き主体からじょじょに人間ドラマへの傾斜を見せてゆくが、
この事が良くわかる作である。
「奇蹟を起す水瓶の謎」
名探偵のはずのサムの注意散漫(もう年?)もあって、
謎解きに御都合主義ばかり目立つ作。
「幽霊が出るテラスの謎」
旅先であるニュー・ベッドフォード(捕鯨基地として有名だった)が舞台、
当然ようにメルヴィルねたが登場し、ホックの文学好きを確認させられる。
収録作品中で謎解きミステリとしては一番の出来、
ジョン風のバカミスっぽい仰天トリックだが、これくらいやると逆に面白いのである。
本作にも犯行動機等に諸に時代(大戦)の影響があり、締めは文学的でもある。
「知られざる扉の謎」
ミステリに多い修道院ネタ。ミステリアスな雰囲気は良いものの、
ミステリとしての出来は平板に過ぎる。
「有蓋橋の第ニの謎」
名探偵サムのデビュー作となった同じ有蓋橋を舞台にした第一の謎には及ばない出来。
解決はこれしかないものなのではあるが、巧く決まり過ぎているのである。
「案山子会議の謎」
案山子という小道具が作品中に巧く活かされ、面白い謎解きミステリに仕上がっている。
とにかく案山子に注目!
427:書斎魔神 ◆qGkOQLdVas
07/07/07 23:19:30 fspKnToC
「動物病院の謎」
動物のお医者さんアナベル・クリスティー先生登場。
密室における殺猫事件とでも称すべきネタだが、
現代にこの小技トリックを堂々と出して来るホックはある意味で恐いぐらいだ(w
「園芸道具置場の謎」
サムは医師が本業でもあるし、これも注意散漫と言われても仕方ないような面がある作だ。
一応、意外な展開ではある。
「黄色い壁紙の謎」
初期には見かけることはなかった流行りのサイコ・ミステリ風な作、
これにホック流のツイストを効かせている。
トリックは、ジョンのギディオン・シリーズ初期長編にも使用されたものであり、
本作でもサムの注意散漫ぶりが気にかかる。
「レオポルド警部の密室」
今回のボーナストラックではあるが、犯罪のプロであるレオポルドの注意散漫ぶりが
気にかかる作となっている。
428:名無しのオプ
07/07/08 01:28:37 7Sl2Rh7I
コピペするなよ
429:名無しのオプ
07/07/14 01:09:07 Tl9BmzRW
キャロル・オコンネル『クリスマスに少女は還る』
(1999、創元推理文庫)【7点】
クリスマスを間近に控えた片田舎の町で、少女二人が姿を消した。
これまでにも断続的に起こった幼女失踪事件の再現か?
15年前に双子の妹が失踪し死体で発見されていた。
その兄で現在は警官のルージュも捜査に当たることになったが・・・
これまで何度も読みかけて挫折していた本書をようやく読了。
決してつまらなくはないのだが、どうにも展開がおそくてノれなかった。
ルージュや少年少女たちが事件を通して成長していく部分は、物語的には
必要だが、事件のサスペンスやテンポを殺いでしまったようにも思う。
あるムックを読んだら「書評家泣かせ」「ちょっとでもしゃべったらネタを割ってしまう」
とあったが、どこがそうなんだろう??
ひょっとしたら自分、重要な真相を読み落としてるのかも・・
430:名無しのオプ
07/07/14 03:57:35 8vFvqebI
>>429
どこがって、だって主要登場人物の一人が…なわけじゃないですか。
で、そのことがこのお話のキモなんだから、褒めるにも褒められない
431:名無しのオプ
07/07/14 15:17:02 yYOwdvVD
「ジャッカルの日」
今頃読んでいます。古い作品だけど面白いね。
フォーサイスでいいのがあったら推薦してください。
432:429
07/07/14 17:40:39 Tl9BmzRW
>>430
>だって主要登場人物の一人が…なわけじゃないですか。
メール欄で教えて。やっぱり読み落としてたか・・orz
433:書斎魔神 ◆qGkOQLdVas
07/07/14 23:45:52 ef5V60/r
>>431
「ジャッカルの日」は、ストーリー上は正義の側にあるはずのOSSの非情さ(拷問シーン等)が
印象的、やはり大人の読物という感じである。
第2作「オデッサファイル」(ナチスねた)、第3作「戦争の犬たち」(傭兵ねた)
と刊行順に読んでいけ。
いずれも現代でも通用する興味深いねたであり、あらためてフレデリックの着眼点の良さを
感じさせるものがある。80年代後半以降の作品は今ひとつという出来になって来る。
434:名無しのオプ
07/07/15 00:20:50 bC7T6StZ
さすが書斎魔神さん、読書ガイドも堂に入ったものだね。
435:名無しのオプ
07/07/15 06:37:07 d6pRjBnT
.433
どうも、ありがとう。
436:名無しのオプ
07/07/16 00:00:07 +imwjySp
いいのかな…この流れw
437:名無しのオプ
07/07/16 01:23:04 zipcVI7x
430さんではありませんが、
>>429の後に、>>432を読んでちょっとビックリ。
読み落としちゃうのか、あれを‥。
サディー、可哀想に、浮かばれないな‥。
438:430ではないが
07/07/16 02:04:52 U5MSMw9G
>>432
メール欄
439:名無しのオプ
07/07/16 07:05:39 I1X9/f+x
「フレデリック・フォーサイスはジャッカルが一番面白くて
後はだんだんつまらなくなる。」
普通に読んだ普通の人の意見ならこうだね。
440:429
07/07/17 20:03:59 +Zaytgm9
>>437
>>438
レスどうもです。そこはさすがに気づいてました。
いやてっきり真犯人が別にいたのかと。
441:名無しのオプ
07/07/20 17:55:27 kmS6vnUc
「ダークライン」ジョン・R・ランズデール 早川書房
テキサスの田舎町に越してきてドライブインシアターを営むスタンリー家。
少年ヘンリーは裏庭で土中に埋もれた手紙入りの箱を見つけところから
大人の世界へ一歩踏み出すことになる。
「ボトムズ」と比べてもかなりミステリ色は薄めで青春小説に近い。
40手前のおっさんだけど久しく忘れてた「夏休み」を感じさせてもらったよ。
442:書斎魔神 ◆qGkOQLdVas
07/07/21 07:55:23 /NkVIy+k
今更ではあるが、ダン・ブラウン「ダ・ヴィンチ・コード」を読んだ。
社会的なダ・ヴィンチ・ブームを巻き起したベストセラーではあるが、
それゆえ、手を出しかねていた面がある作。
出来としては、期待以上でも以下でもないといったところであり、
御都合主義で安手なアクションが鼻につく感はあるが、
キリスト教を中心とした歴史・宗教に関する薀蓄(トンデモ含む)が満載であり、
ダ・ヴィンチ人気が高い日本とはいえ、ベストセラーになったのは不思議な
感はあるが、世界的に見た場合、謎解きミステリ(と同時に歴史ミステリ、
あえて本格ミステリというワードは使用しない)の現在形は、
こういった形になってゆくのであろうかという気はしている。
最早、日本のミスオタが熱狂しているような巧緻な密室や精緻なアリバイ破り等の時代
でもなかろう。
高校世界史B程度(テンプル騎士団などは本作のキーワード中のキーワードと言える)
をきちんと履修していないと、読み難く、到底、楽しんで読むことは出来得ないかと思う。
私の如き知識人層の間で、ダ・ヴィンチねたのちょっと毛色が変った作があると
話題になり、文庫化もされずにひっそりと消えていっても不思議ではない作だったのだが、
映画化の機等も利用し、「これ」を売りまくったのは、さすが角川であると言える。
443:名無しのオプ
07/07/21 10:56:27 7ep8F/CM
ジル・マゴーン「騙し絵の檻」
人間関係とか時間軸とか分かり難いのはわざとだな、と思って
きちんとメモを取ってじっくり読んだよ
18章の終わりで鼻からスパゲティ吹いた
444:読後感 ◆VkkhTVc0Ug
07/07/21 12:16:29 GqHxx0Wv
「沈黙のゲーム」グレッグ・アイルズ(講談社)
妻を亡くし幼い娘と二人、故郷に帰って来た弁護士作家ペンは
地元紙から受けたインタビューの中でかつてここで起きた
未解決の黒人殺人事件に言及してしまったことから、その事件の
解明に乗り出すことになる。ところがその過程で彼を巡る過去の
因縁が吹き出して来る―。
上下巻ながらも負担に感じることなく読めた。
筋立てとしては特に真新しいものはないが、
真相を明かして終わるのではなく、真相によって敵味方を鮮明にし、
最後の対決にもっていくという手法が目を引いた。
ただ、法廷場面がイマイチ盛り上がりに欠ける気がした。
これは弁護士作家じゃないから? 経歴知らんけど。
445:名無しのオプ
07/07/21 22:52:55 jn4ptl49
アイルズって元はFBIに籍があったんじゃなかったけ。
446:名無しのオプ
07/07/21 22:58:22 J5XJgpRd
>>444
面白そうですね
アイルズは「神の狩人」しか読んでいないので、これも読んでみます
447:名無しのオプ
07/07/22 00:03:07 qrJN4rK2
自分で知識人て言う人もめずらしいねww
448:書斎魔神 ◆qGkOQLdVas
07/07/22 09:27:48 1rNHedW3
トマス・ハーディ「日陰者ジュード」を読んだ。
ハーディの最後の小説にして代表作でもあるが、「テス」と比較すると今ひとつ
という感がある。
社会派小説(当時)としても、ダブル三角関係を描いたメロドラマとしても読める作ではあるが、時代の波に圧されてゆくヒロインに焦点を絞って書き切った
「テス」と比較して、メーンキャラがタイトルに冠された石工ジュード、その最初の妻であり農民上がりの酌婦アラベラ、
ジュードの従兄妹であり後に恋人となるスー・ブライドヘッド、
スーの夫である年輩の教師フィロットソンと主要人物が、それぞれにかなりのボリューム
を物語に占めており、(実際、主人公ジュードが脇に配され、あるいは、殆ど登場しない章
が相当数存する)、ストーリーに変化をもたらす効果は上げているものの、
語りが散漫になっている面は否めないものがある。
449:書斎魔神 ◆qGkOQLdVas
07/07/22 09:30:17 1rNHedW3
また、テーマの面でも教会・結婚・大学という21世紀となった
現代にも通じる社会制度問題(非キリスト教徒である我々にも後2者の問題は切実な問題として迫って来るものではあるが)を
全て取り上げてしまったため、各問題に関する掘り下げがそれぞれに浅くならざるを得なかったきらいがあるのが惜しまれる。
なお、「ミステリ的読み」としては、スーのキャラ分析の興味に尽きる。
彼女のキャラそのものが、まさに「ミステリ」なのだが、それは安っぽい謎の女の類ではなくして、
正に人間存在の根源に関わるものなのだと言える。
作品中に書かれざる、明示されざる「ミステリ」を読み解くこと、
さてミスオタにこれが出来る否かだな(w
450:あぼーん
あぼーん
あぼーん
451:名無しのオプ
07/07/27 10:51:28 bne64hn6
『殺人症候群』/リチャード・ニーリィ を読んだ
国産ミステリ読んでる人はすぐにトリックわかっちゃうね
ただ最後の2,3行の意味はわからなかった
主人公がアレ切っちゃうのはトリックと何か関係あるのか?
452:書斎魔神 ◆qGkOQLdVas
07/07/28 20:11:40 3VA4mKZg
ポール・アルテ「狂人の部屋」を読んだ。
絨毯の謎の濡れ、本邦のタクシー怪談を想起させるようなネタだが、
この作者にしては地味な感がある謎の提出ではある。
後半に入り新たな事件が発生、不可能趣味が炸裂して来る。
ただし、訳者あとがきにあるアルテ最高傑作というのは言い過ぎ、
とにかく死者甦りネタの真相がお粗末過ぎるのである。
また、真相は検死でわからないという前提で話を進めているようだが、
(その旨の記述もあり)、現代法医学の書を参照すると疑問である。
それとも英国あるいは作者の母国であるフランスの検死制度は、
少し前に話題となった本邦の検死制度以上にザルなんであろうか。
全体的にはジョンの悪しき影響というかツンデレなラブロマンスが、
物語を退屈、かつ、テンポを悪くしているのが頂けないものがある。
アルテの魅力は先人ジョン以上のストイックさ、簡潔さ等であったというのに。
453:名無しのオプ
07/07/30 20:50:45 EATLI7qJ
リチャード・ノース・パタースン『子供の眼』(上下)
(2000→2004、新潮文庫)【8.5点】
弁護士テリは駄目夫リッチーとの離婚を決意し、娘の監護権を争う。
ボスである弁護士クリスを頼り親しい関係となるテリーザだが、旅行中に
夫リッチーが死体で発見された。自殺か殺人か、真相は深い闇の中・・・・
『ラスコの死角』『罪の段階』に続く弁護士クリス・パジェットもの。
できれば『罪の段階』は読んでいたほうが良い。リーガルサスペンス+
家族ドラマというありきたりの設定だが、クリスが何やら怪しい行動を
とるのでどこに着地するか予断を許さない。文庫上下巻本だが、一気読み。
とくに手に汗握る法廷シーンは圧巻。前作よりもおもしろい。
テリとキャロラインと女精神科医のキャラが一緒だとか、終わり方がくどいとか
欠点もあるが、傑作の名に恥じない。とりあえず、リッチーは死んでザマミロ。
454:名無しのオプ
07/08/01 18:49:15 sDOAx0AG
トニー・ケンリックの「スカイジャック」(1972)を読んだ。
既に読んだつもりになっていたが、実は今回が初読だった。
(昔買ったけれども、そのまま積読状態でした。)
ジャンルは、ユーモア・ハードボイルドになるらしい。
360人の乗客を乗せたジャンボジェット機が突然
レーダーから消えた。
さらに、2500万ドルのダイヤモンドを要求する手紙が舞い込む。
普通なら、FBI捜査陣 vs 犯人グループ、の図式になると思うのだが、
ここでは、開店休業中のしがない弁護士元夫婦のカップルが主人公。
笑いあり、サスペンスあり、冒険ありの絶妙の一品でした。
文庫版のカバーに
「─そして、最後には、あっと驚く結末が…」
とあるのに、納得www
455:読後感 ◆VkkhTVc0Ug
07/08/02 12:17:38 1MMbj1mV
「エジプト十字架の秘密」エラリー・クイーン(早川書房)
父と地方へ出かけたエラリイは奇妙な殺人事件に遭遇する。
道路の突き当たりにある標識に首無し死体が結びつけられていたのだ。
検死審問には参加したもののさしたる行動は起こせないまま
帰途に着いたエラリイだったが、数ヶ月後別の場所で再び
首無し死体が発見される! 果たして二つの事件の関連は!?
瀬戸川猛資も絶賛の国名シリーズ白眉と呼び声高い本作ですが、
それほどとは思えず。前作「ギリシャ棺の秘密」の持つ重厚かつ
濃密な構成には及ばない。犯人の見当も付きやすいし。
一番不満なのは(メル欄)。特に(メル欄2)。
気に入った箇所は二度目の事件におけるロジック。これはやり過ぎると
ノックスみたいにわざとらしくなりがちだけど良い案配だったかと思う。
456:書斎魔神 ◆qGkOQLdVas
07/08/04 16:32:07 4keRLVJ6
久々にH・R・ハガード「洞窟の女王」を読んだ。
初読の時は、アフリカが舞台ということもあって秘境冒険小説を期待して
読んだところ、怪奇冒険小説と称した方がふさわしい内容に、
少し外された感じがしたものであった。
純然たる冒険は、黒人の顔をした奇怪な岩、ライオンとワニの死闘等、
トンデモなエピが散りばめられた前半の川上り探検のくだりと
終盤にある生命の炎の洞窟への旅の部分とを併せても、
全体の3分の1も無いのではないか。
むしろ、謎の洞窟に君臨する女王アッシャと主人公たちとの交流、
これを彩る怪奇、かなりえぐいエログロに相当な頁数が割かれている。
ミイラの焚き火、全裸で炎に身を投じる女王等々、書かれた時代を考慮すると、
大久保康雄先生の抑制された上品な訳文で読んでも、かなり過激的である。
(ただし、古い翻訳であるため差別用語は満載。これも今では「いけない刺激」
となって読む者に迫る)
現代の洗練された冒険小説と比較すれば、古臭ささは否めないのは仕方がないが、
ある意味で人生の達人とでも称すべき、絶世の美女、女王アッシャの唯物論を
思わせる人生語り、神秘的な女王という言葉から想起するイメージからは
想起出来ない多弁ぶりは、予想を裏切ると共に、本作における最大の読ませどころ
ともなっている。
そして、アッシャは超人的な存在ではなく、意外や、女性共通の賢さ、狡さ、可愛さ等も
あるキャラとして描かれているのが非常に面白く、この辺は今は見当たらなくなって
しまった完全大人向きのファンタジーという感がある。
457:名無しのオプ
07/08/04 19:16:43 q68cUUom
読後感と書斎では、はっきり差があるな。感想文と論考の差と言うべきか。
458:名無しのオプ
07/08/04 19:18:14 q68cUUom
読後感と書斎では、はっきり差があるな。感想文と論考の差と言うべきか。
459:名無しのオプ
07/08/04 19:19:25 v+IoMWZM
論考(笑)
460:読後感 ◆VkkhTVc0Ug
07/08/08 01:29:04 0SqmHmPY
「凶運を語る女 ムルマンスク、2017年」ドナルド・ジェイムズ(扶桑社)
内乱が終息してから2年。妻と共に暮らしていた警官コンスタンチンは
とある占い師から、妻の影に蠍の様な男がいると言われ、動揺する。
そしてその後夫婦で行ったパーティーの会場で妻は姿を消してしまう。
必死に妻の行方を追うコンスタンチンだが―。
前作を読んだのはもう何年も前だけど読後の印象は強烈で、
ここまできっちりした小説があったのか、と思った。ところが
続編があるという。これ以上は蛇足ではないかと読まないでいた。
が、観念して読んだ。まず妻捜しというのが「芸がない引きだ」と
思った。妻の描写が少ないのも気になった。彼女は前作にも
出ているわけで今更淡白にして見せたってちぐはぐなだけ。
この違和感は真相が明かされた後も変わらず。何故こんな味気ない
話を書いたのかと首を捻った。
しかも中盤で読書意欲がガタ落ちする出来事があり読殺するのが
手間だった。やっぱ前作で止めとくべきだったかも。
追伸:(メル欄)が放置されてるのはわざと含みを持たせてるのか?
461:読後感 ◆VkkhTVc0Ug
07/08/09 17:56:17 VglKgLbm
「狂人の部屋」ポール・アルテ(早川書房)
屋敷に代々伝わる開かずの部屋。ある日封印を破った当主はその部屋の
窓から転落死を遂げ、程なくそこへ入った妻も何故か白眼を剥いて
失神してしまう。そして暖炉の側の絨毯は濡れていた。
開かずの部屋に伝わる忌まわしい言い伝えの通りに……。
さらに次々と的中する恐るべき予言の謎も相まって事件は混迷するが―。
今回は密室ではなく、肝となる様なトリックもない。
プロットで見せるタイプの話。展開の妙でなかなか読ませるが、
カー作品でよく指摘される弱点(クリスティにも言えるが)がそのまま
本作の弱点になっておりそれがとても残念。
ただ、ある重大な事実が明かされないことについての理由付けは
良かったと思う。
でもあまり本格が根付かなかったフランスで今アルテやコナンが
人気なのも不思議な話だ。
462:書斎魔神 ◆qGkOQLdVas
07/08/18 12:04:51 HAwtwyui
マルキ・ド・サド「ソドムの百二十日」を読んだ。
序文+4部構成だが、2~4部は草稿の段階に過ぎず邦訳頁数でも100頁強に過ぎない。
未完という点を考慮すれば、他作と比較するのはいかがなものかとは思うが、
稀代のピカレスク、究極のクライムノベルと言い得る「悪徳の栄え」には遠く及ばない
という感がある。
本作がスイス山中の館というクローズドサークルにおける有閑階級の性的な狂宴を描いた
ものなのに対して、美女ジュリエット(このネーミングにも作者の皮肉と悪意を感じ
させるものがある)の欧州大陸を舞台にした悪徳の遍歴を描くという舞台設定の差が
ストーリーの起伏に大きく影響し、これが即、エンタメとしての面白さの差となって
反映していると思われる。
463:名無しのオプ
07/08/19 19:49:53 wKTo8EV2
ケン・フォレット『ハンマー・オブ・エデン』
(2000→2004、小学館文庫)【8点】
州知事に対し「人為的に地震を起こす」という脅迫を行った“プリースト”ら。
「エデンの鉄槌」。ヒッピー・コミュニティの存続を賭け、かれらメンバーは、
地震を起こすことに成功。しかしFBIらの捜査は着実に身辺に及んでくる・・・
「地震」を武器にするという突飛なテロ集団とFBIとの対決が焦点で、
矢野さんの翻訳がテンポよく物語を読ませる。細かいことを言わなければ、
一気読みの楽しい読書が出来る。
だがFBIが知力の限りを尽くしてヒッピーを追い詰めるというよりは、
25年間森の中にこもっていたヒッピーのリーダーの軽率な行動により
勝手に自滅してしまうという点が、ちょっと残念。
464:書斎魔神 ◆qGkOQLdVas
07/08/25 17:59:54 xSiSc9Cf
スティーヴン・ハンター「極大射程」を読んだ。
翻訳刊行当時は、このミス、文春等で高く評価された作ではあるが、
今読むと、本作に対する高評価はイコールミスオタのローレベルを実証するものだと
言われても致し方ないものがあると思うほどの「つまらなさ」であった。
ベトナム戦争で輝かしい戦績を上げた伝説的なスナイパーと
暗い過去を持つ不器用だが真面目なFBI捜査官の2人を主人公にし、
敵役にCIAと攣るんだ軍人グループ、性犯罪歴がある天才的な心理学者、
主人公2人に絡むスナイパーの戦友(戦死)の美人妻とFBIの美人若手職員が
ヒロイン役として配される。
ここまで書けばわかるとおり、展開に強引な御都合主義が多い漫画ちっくというか
劇画的な作であり、映画「ダイハード」あたりを喜んで見ているような厨房好みの作
とも言い得る。
特に女性陣が犯罪者として追われている主人公たちに全く恐怖を感じておらず、
協力的でさえあるのは、あまりに現実感を欠くものがあり、
読んでいてうんざりした。これぞハリウッドB級テーストとでも評したいものではあるが、
近年映画化されたのは御存知のとおり。
ミステリ的には、ダイイング・メッセージねた(「ROM DO」)は、わかり難いもの
であり、終盤のリーガル・サスペンス的展開で判明する主人公が仕掛けた「トリック」は、
軽い短編に使用する程度のネタに過ぎない等、魅力は乏しい。
ミステリ関係のランキングでは異常なまでに高く評価されながらも、
当初から文庫での刊行、一般では殆ど話題にならなかった等の点に本作の真の評価を
見る気がする。
465:名無しのオプ
07/08/25 20:54:14 dV1gJlBX
____
/∵∴∵∴\
/∵∴∵∴∵∴\
/∵∴∴,(・)(・)∴|
|∵∵/ ○ \|
|∵ / 三 | 三 | / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
|∵ | __|__ | < うるせー馬鹿!
\| \_/ / \_____
\____/ヽ __ _____
/ >、__,r‐ツ./ヽ´-‐ ' "´r",.-、, \
_.. -‐''フ|フヽr-‐ ''''フ./´ /(_.人 ヽ._ ヽ
. ‐ '7 く/|〉-rへ. / ./ l ゝ. \ /
/ /|/ L / | ,( \ ノハ
466:名無しのオプ
07/08/25 21:07:10 aA3CGWBJ
今日は週末にしては忙しかったので、読んだ字は「うるせー馬鹿!」だけだった。
成る程そのとおりかとも思ったが、余りの内容の薄さに辟易した。
467:名無しのオプ
07/08/25 21:52:15 X8qvmFy4
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/ /|/ L / | ,( \ ノハ
468:名無しのオプ
07/08/27 08:45:51 aqxzaCql
>>464
>特に女性陣が犯罪者として追われている主人公たちに全く恐怖を感じておらず、
協力的でさえあるのは、あまりに現実感を欠くものがあり、
現実の女を知らないね。
刑務所の連続殺人犯にラブレターを書く女もいるのを知らないの?
女は「悪い男」が好きなものなんだよ。
469:書斎魔神 ◆qGkOQLdVas
07/09/01 16:39:22 OR4vzIyb
ジョゼフ・ウォンボー「ハリウッド警察25時」を読んだ。
大ヴェテラン、ジョゼフのなんとポケミス初登場(既刊も全て早川だが、
ハヤカワNV、文庫、ハードカバーで刊行されている)、久々の翻訳新刊である。
今また、この警察小説のマエストロの新作が翻訳されるに至ったのは、
このミス1位等輝いた警察小説(というか婦警小説)
ローリーの「あなたに不利な証拠として」が好評だったゆえであろう。
あとがきでも指摘されているとおり、エドほど軽くないジョゼフ(作品)の
ユーモア含みの独自のハードタッチの魅力は健在、多彩な登場キャラ(時代性ゆえか
女性警官がメインで何人も登場する)もそれなりに立ってはいるものの、
本作と同傾向の「センチュリアン」(ジョゼフのデビュー作)と比較すると、
軽く創りものめいた感が否めない(特に終盤の警官大集合的展開はB級映画、
安手の刑事ドラマ風で頂けないものがある)のが残念である。
取材対象には事欠かないのであろうが、作者が現場から離れて久しい(40年近く)
ためか、肌感覚による臨場感が比較にならないのである。
また、「センチュリアン」が3人の新人警官をメーンとした警察サイドの視点で一貫
していたのに対して、犯罪者サイドの視点にも多くの頁が割かれているのが大きな
相異と言えるが、これは小説としての興を惹く効果がある反面、
ドキュメンタルな迫力を殺ぐ構成となってしまっている。
ただし、ボリューム感はあるものの、過去のジョゼフ作品群と比較して会話文が
多く読み易いのは利点か。
「刑事コロンボ」でも有名なLA市警だが、相次ぐ不祥事により連邦の監視下
にあり、これでは名探偵物語の舞台足り得なくなってしまったのはわかる気がする。
同じメガシティであっても、NYとLAの状況(地形、人工動態等)の違いによる
警察捜査の異なりに関するコメントなども興味深く、作中に散りばめられた
この辺の現場の薀蓄はジョゼフ作品らしい面白さではあった。
470:名無しのオプ
07/09/01 16:55:03 ZEXj2KQn
ひ・まじんww
471:名無しのオプ
07/09/02 22:45:33 SA+xZi/f
Donald E. WestlakeのWATCH YOUR BACK!読みました。
まあ感想といってもこのシリーズは全部面白いと思ってるので当てにはならないかもしれませんが。
酒しか出さないO.J. Bar & Grillの常連達の法螺話から始まるのはいつもと同じ。
ところが今回は療養帰りの故買屋アーニーからぼろい仕事の話が来て、さあ集まるぞというところでO.J.売却の危機、
またもや本来の仕事に加えて厄介事が降りかかってくるという話。
ドートマンダーとおなじみの中年オヤジたちに加えて、高校を卒業したばかりの新入り、
アーニーよりひどい性格の金持ち、O.J.のオーナーも登場します。
話の展開自体はいつもどおりの
儲け話
↓
ドートマンダー参加、プランは完璧
↓
邪魔が入って仕事が増える
↓
全部解決して仕事に戻る
↓
あわや逮捕
↓
報酬減少
のパターンで、安心して読めました。
細かい笑いも健在。個人的にはO.J.乗っ取りを企むギャングの親子がFuckを連呼するのがツボでした。
472:名無しのオプ
07/09/03 00:28:45 j/YaQjr6
書斎魔神とやらの文章が、飛び抜けて(笑)くだらない、
他人の書評を写してるだけなのが、丸見え。
473:名無しのオプ
07/09/03 21:44:26 SUsKpLCL
>>468 書斎魔神は、50歳の童貞男ということですね。
474:名無しのオプ
07/09/04 11:47:09 43PNXPer
>>472
そうか?
書斎魔神の書評は正鵠を得ているものばかりだと思うが。
そのまま出版社に持っていけば、一流の批評として評価されるだろう。
それを2ちゃんでロハで読めるんだから、むしろありがたいと思うべきでは
475:名無しのオプ
07/09/04 12:12:58 rp+at5Uw
>>474
泡沫ライターでも、書斎の、品格も、ウィットも、知性も、論理性も感じさせない、
だらだら駄文よりは、はるかにまし、これじゃあ泡沫プロにすらなれないわけだ、
くねってるだけの書斎は、アマチュアですらない、
彼は、きちんとした作品も評論集も、書籍として販売したことがないのだから。
2ちゃんねらーが、ネット上で話したり、感想を言い合ったりするのは、
かまわない、そうゆう前提で作られた、コミュニケーションの場なのだから。
しかし、書斎は、自分はプロの作家だと主張し、私達、2ちゃんねらーに対し
キメ台詞の「愚民諸君!覚悟したまえ!」等の暴言を吐く男である、
(吉村 昭スレのスレッド数の多いほうを見てください)
それだけ、自分の優越性を主張するなら、もう2ちゃんに来ないで欲しい、
ここで、口調を変えよう!
私たちは、貴方に言わせると、愚民だそうなので、優秀な魔神さんとは、
会話が成り立たないでしょう、啓蒙して頂かなくても結構です、
自分らで、啓蒙し合います、貴方は、一刻も早く、自費出版ではない、
一流の書籍会社から、出版して下さい、私たちは、それを読んで、
あなたと言う人間のプロフェッショナル性を判断します、
早く、きちんとした、書籍を出版して下さい、それがプロの知識人・作家・評論家を
自認する貴方に我々が、求める事です、
御自慢の支持者の皆さんに取材の助っ人をたのむぐらいは、いいんじゃないですか?
とにかく、推理小説でも、スリラー(冒険小説)でも、ポリティカル・フィクションでも、
軍事サスペンスでも、ホラーでも、SFでも、評論集でも自分の名で、
出版して下さい、泡沫ライターとしての参加は、いやなんでしょ、
それまでは、2ちゃんにこないで結構です、
私達は自分達でやっていけますので、おせっかいは、やめてください
476:名無しのオプ
07/09/04 12:36:23 6CnleLYs
>>475
西村京太郎乙
477:名無しのオプ
07/09/04 13:11:25 rp+at5Uw
>>476
トオンキイの作者と呼んでくれ!
478:名無しのオプ
07/09/05 08:06:40 kJ4thqTH
過去ログ見ずに言うけど、
書斎魔神て人のコピペやパクリや文体の稚拙さ云々よりも、
新刊紹介スレの「1と仲間達」の空気がキモイよ。
あそこは1の専スレなのか?
あっちからここに来た奴って実は多いんじゃないか?
479:名無しのオプ
07/09/05 08:31:39 2yk/WwTj
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|
| 次でボケて!!! |
|________|
∧∧ ||
( ゚д゚)||
/ づΦ
480:名無しのオプ
07/09/05 09:53:33 sybDRc+1
このスレも「書斎魔神と仲間達」
スベった
481:読後感 ◆VkkhTVc0Ug
07/09/05 12:56:39 6u9q5XYV
「くたばれ健康法!」アラン・グリーン(東京創元社)
5000人の信者を抱える健康体操のカリスマがホテルの一室で射殺された。
だが奇妙なことに弾丸は仰向けになった死体の背中から
撃ち込まれており、しかもその上に着ていたパジャマには
弾丸の痕がなかったのだ。犯人は一体どのようにして撃ったのか?
しかし「ボディを見てから驚け!」って酷い邦題だよなぁ。
付けた奴もGOサイン出した奴も頭大丈夫かしら。
バウちゃんがカーの某作と並んでユーモア本格の代表作だと
言ってたらしいが、どこが? キャラは全然経ってないし
ドタバタもないし至ってフツーの、というかむしろ無味乾燥な本格って
感じなんだがな。と、思ってたら終盤にとって付けたような
ドタバタ騒ぎが出てくる。しかし事件となーんの関わりもない
ただの騒動ってだけ。
まあ殺人のトリック自体はユニークではあるんだけど、その周囲に
不備が目立つ。(メル欄)とか(メル欄)とか。
トリック的にはマイルストーンかも知れないが読んで楽しい本じゃない。
482:名無しのオプ
07/09/06 00:21:31 1TtUC9PD
この、読後感 ◆VkkhTVc0Ug 氏は、書斎魔神の新しいペンネームか?
ぶっ壊れた文章はそっくりなのだが?
483:名無しのオプ
07/09/06 01:16:25 Rw7PngV8
とりあえずageでマルチまでして訊くことじゃないな
読後感が“新しいペンネーム”かどうかなんてスレ見りゃ
簡単に判ることだし
484:名無しのオプ
07/09/06 01:28:17 ZiS09dqz
まあユーモアセンスは書斎と同じレベルだけどな
485:名無しのオプ
07/09/06 01:34:31 5K47B/+j
『タルタロスの審問人』面白かった!!
初めて小説読んだけど夢中で最後まで読んでしまった!!
486:ミステリ6-2
07/09/06 10:50:04 PzTZSbXn
2
487:名無しのオプ
07/09/06 17:19:52 PzTZSbXn
>>484 サンキュー
488:名無しのオプ
07/09/08 04:49:58 AuMV7/P4
ホームページ! ホームページ!
アドレス!アドレス!
教えて!教えて!教えて!!!!!!!!!!!!書斎さんw
489:名無しのオプ
07/09/08 08:22:55 hzyKPK0e
>>484
最上級のほめ言葉だね。
490:名無しのオプ
07/09/08 17:32:46 f0qkLd4R
>>489
489←481
めくらがめくらを導くと、溝に落ちる
491:名無しのオプ
07/09/12 18:28:36 4ElP10EP
//
ヘ,(◎◎)y'^ 極大射程を読んだ・・
、 _L_;二;_.j_ , \\
 ̄ ト、~Y~,/| ̄
,|yΛ=スイ|、
' | | !;∀Y i| `
|イYト〉イY.|
レYy'`vレ|
Vy V'
ヨコハマクズウンチクゼミ
492:名無しのオプ
07/09/13 00:09:00 o7SILb8t
//
ヘ,(◎◎)y'^ 書斎叩きにも同様の・・
、 _L_;二;_.j_ , \\
 ̄ ト、~Y~,/| ̄
,|yΛ=スイ|、
' | | !;∀Y i| `
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ヨコハマクズウンチクゼミ
493:読後感 ◆VkkhTVc0Ug
07/09/14 16:02:00 wBIQh/GA
「この男危険につき」ピーター・チェイニー(論創社)
大金持ちのフーテン令嬢を追ってアメリカからイギリスに
やって来たおれ、レミーはロンドンで厄介な奴に捕まっちまった。
そいつはマフィアの大物で令嬢を誘拐する片棒を担げと言ってきた。
脅されたおれは奴の計画に一枚噛むことにしたんだが……。
時折入るB級ハードボイルドがいいアクセントになってると思うね。
本格だけの叢書なんて堅苦しくっていけねえ。
全体的に文章が雑で如何にも書き飛ばした観があるのがまた
B級ぽくて良いw
主人公は目的のためなら殺人含む暴力も辞さない男なのもマル。
それから後半にはどんでん返しがあって驚いた。
フランスで人気だったらしい。あの国は本格もハードボイルドも
かなり需要はあるのにあまり自給出来てない珍しい国だね。
494:読後感 ◆VkkhTVc0Ug
07/09/14 16:26:46 wBIQh/GA
「善意の殺人」リチャード・ハル(原書房)
嫌われ者の富豪が列車内で死に、使用していたかぎ煙草入れから
青酸カリが検出された。同じ村に住む者は誰もが被害者を嫌っており、
その中から特に怪しい行動を取っていると思われた者が逮捕される。
そして裁判が始まった―。
既訳の2作を読んで「芸域の狭い作家」とややディスっていましたが、
新しくこの叢書に入れるぐらいだから今までとは違う良作なのだろうと
期待をして読みました。
内容は法廷劇と事件の捜査とのカットバックで進行するというもので、
被告の名は終盤まで明かされません。よって被告の正体、裁判の行方、
事件の真相と3つの謎がキモとなるかなと思ったのですが、
はっきり言って不発気味。被告の正体が判る場面が効果的ではないし、
裁判の真相自体も弱いです。
まあ、先行2作に比べると多少頑張ったねとは言えますけど、
評価が劇的に改まるには至らず。解説みたいに技巧派呼ばわりするのは
抵抗がありますなあ。
495:名無しのオプ
07/09/14 17:11:49 zPGQDNi3
大した感想だ
496:名無しのオプ
07/09/15 11:44:16 Zy7wFhX9
「猿きたりなば」エリザベス・フェラーズ
古本屋でよく見るんでなんとなく買ってみたんだが、予想外の当り。
文章も面白いし読みやすい。ストーリーの運びもキャラクターも好み。
ただ推理小説としては……
497:書斎魔神 ◆qGkOQLdVas
07/09/15 11:52:32 moZivBgC
H・R・ハガード「ソロモン王の洞窟」を読んだ。
ハガードを一躍人気作家足らしめた作だが、エンタメとしては神秘的な美貌の女王が
強烈な存在感を示す「洞窟の女王」と比較して色気不足(魔女ガグールは不気味、かつ、
ユーモラスであり強烈な印象を残すが、このキャラはアランも記しているとおり問題外、黒人美女ファゥラタも登場するが出番は少なく印象は薄い。
そもそも第1章で語り手であるアランが若い女の子は登場しない物語だと語っている)
のうえ、ボリューム感も劣り、読み応えは今ひとつである。
しかし、小男だが射撃の名手、金銭面で抜かりなく、はったりも効き、
意外にヘタレな面もある語り手の冒険家アラン・クォーターメンは人間臭い魅力に富み、こういうキャラを中心に持って来るあたりが、ファンタジックでありながらも
「大人の読物」という感がある。
キャラだけ見た場合には、後の現代冒険小説の主人公(マクリーン、バグリイ等)は
清廉過ぎるヒーローと化し、面白みを失ってしまうのである。
「洞窟…」でも秘境冒険小説と言えるのは、実質3分の1程度であったが、
本作も同様な展開であり、象狩り、酷熱の砂漠横断や峻険な山岳(シヴァの乳房)登頂を
経てククアナ国到着後の中盤以降は、主人公たちが王位を巡る内紛に巻き込まれてゆく
時代劇風戦争冒険小説へと変貌してゆくが、今読んでも凄惨な迫力に富む戦闘シーンは、「洞窟…」にはないものではある。
本作は、ジュブナイルも存在したが、大久保訳で見る限り、差別的表現(土人、きちがい等々の用語、原住民の未開さを強調する描写等)、残酷描写(象狩り、魔女の人狩りの儀式、
そして激しい戦闘シーン等)等が連発、これを抜いて成立し得ないような物語なのだが、
果してどう構成したのか興を惹かれるものがある。
498:名無しのオプ
07/09/15 19:52:47 Q+sFId5y
「暗い鏡の中に」ヘレン・マクロイ
幻の一冊として名高いミステリ…
うーん…しかし、残念ながら定価以上の価値はないかと…
解決編を読んでも「本当にそんなこと可能なのか?」と疑問ばかりが先に立つ。
古本相場だと5000円前後らしいけど、
その値段で買ってたら憤死するデキ
499:名無しのオプ
07/09/16 00:03:19 f2SQuDd3
ヘレン・マクロイ て人気ある(あった?)のか・・・。
「一人で歩く女」ちゅうのをタイトルに騙されて買った。
途中で飽きた。読み終えるまで船から下りられないのか?
500:読後感 ◆VkkhTVc0Ug
07/09/19 13:21:55 i39Qpub3
「反射」ディック・フランシス(早川書房)
しがない騎手フィリップはある時絶縁状態の祖母に呼び出され
行方不明となっている異父妹の捜索を頼まれる。そんな折り
知り合いのカメラマンが死に、彼の家に強盗が入る事件が発生。
偶々遺品を譲り受けたフィリップにも何者かの魔の手が……。
4冊目だけど絶対タイトルから内容を連想できなくなるな。
主人公の設定が気に入り、読み安かった。写真に纏わる暗号も
興味深い。キャラクターも多面体で好印象。
でも(メル欄)が解らなかった。
アベレージヒッターではあるかも知れないがもてはやされ過ぎな気も。
501:読後感 ◆VkkhTVc0Ug
07/09/19 13:44:45 i39Qpub3
「消された時間」ビル・S・バリンジャー(早川書房)
喉を切られ裸で歩道に倒れていた男。一命を取り止めたものの、
自分が誰なのかも判らない記憶喪失。文字通り自分探しの旅に出る。
それと並行して語られるもう一つのストーリー。歩道で喉を切られた
死体が発見され刑事達が事件を追う。同じ場所で同じ―。
二つのストーリーは
どう交わるのか?
こないだのハル以上にディスってる作家です。よく「叙述トリックの
名手」みたいな触れ込みで紹介されたり(折原一も言ってた)するのは
ものっそい違和感があります。全作合わせても「アクロイド殺し」に
遠く及ばないでしょう。こんなもんただの(メル欄)―しかも
破綻してる―で「叙述トリック」なんて呼ぶことすら
おこがましいです。
問題 上の粗筋から考えられる最もしょぼい真相を考えてください。
考えましたか? 考えましたね? はい正解! 読む価値なし!
502:名無しのオプ
07/09/20 02:10:03 NNoAirPp
E・S・ガードナーの「緋の接吻」を読んだ。
レスター・リースもの2編、ペリイ・メイスンもの2編の短編集。
有名作家だけど、恥ずかしながら初読。期待を裏切らずかなりおもしろかった。
レスター・リースは、警察の手におえない難事件を独自に解決し、犯人が不正に儲けた金やお宝を掠め取る怪盗。
警察もそれには気づいてるが尻尾をおさえられず彼を逮捕できない。
マヌケな刑事部長がリースの先手を取ったとぬか喜びしたところで
見事に切り抜ける痛快さと小気味良いユーモアに笑ってしまう。
話のメインはそこなんだろうけど、前フリの難事件の謎解きもしっかりしてる。
ペリイ・メイスンは弁護士。法廷ものかと思いきやそうでもなかった。
1編は種明かしの場が法廷に移っただけ。もう1編は裁判すら起きない。
表題作の「緋の接吻」は、ちょっと凝ったプロットだったが、何か物足りないのは先にリースの方を読んでしまったからか…
ペリイ・メイスンが作者の代表的な探偵らしいけど、笑いもありなレスター・リースにハマっちまってます。
あと、文章が軽妙で海外物とは思えないほどグングン読ませるのが良い。まだ読んだこと無い人オススメ。
503:書斎魔神 ◆qGkOQLdVas
07/09/22 14:41:38 Ic8sUadm
ダシール・ハメット「コンチネンタル・オプの事件簿」を読んだ。
本書の訳者でもある小鷹信光氏編による本邦オリジナル作品集。
おれは(オプ風に(w )ハメットの短編も読んではいたが、
創元の稲葉明雄訳によるものであり、長編も創元で親しんでいたため、
小鷹訳のハメットを読むのは本書が初、90年代の新訳だが小気味良い訳文は健在だ。
オプ初登場作品「放火罪および…」、異色短篇として銘打たれている
「ジェフリー・メインの死」、オプ最後の事件となる「死の会社」の3編は出来の差は
あれど、一応、謎解きミステリしているのだが、
連作「ターク通りの家」と「銀色の目の女」、中篇連作「血の報酬」(第1部「でぶの大女」
第2部「小柄な老人」)は、大乱歩が引いてしまったのがわかる原初ハードボイルドの典型、
(連作と「血の・・」の第1部と第2部の終盤の繋ぎの展開が同様なパターン、
メーンの敵役キャラの逃亡になっているのは、初出が雑誌掲載ということもあって、
読者の興を惹くためと思われだ)
内容的には、ハードボイルド・ミステリというよりは完全に探偵が出て来るノワールと
化している感がある。
これらの作を読むと、ハメットの後継はレイモンドでもロスマクでもなく、
ゴアズやスタークでもなく、エルロイなのではないかという説に同感せざるを得ないもの
がある。(この点は、長編の場合も「マルタの鷹」「ガラスの鍵」を読んだ後に「血の収穫」を読んだ場合の同様な感ありか)
いずれにしろ、萌えアニメ画のような新書を耽溺しているアホなミスオタの覚醒剤代わりに突き付けて読ませたい書とは言い得る。
504:名無しのオプ
07/09/22 17:01:31 AugPDczH
そうですね、こなたたんが脳内彼女のミス住さんには強烈かもしれませんね、
ハメットスレの69の台詞の原典は、何だかわかります?w
505:名無しのオプ
07/09/22 20:05:20 AugPDczH
まあ70に、答えが書いてあるので、
どんな馬鹿でも、わかりますがねw
506:書斎魔神 ◆qGkOQLdVas
07/09/23 10:59:09 6GgopRoo
小鷹氏の「私のハードボイルド」を読んだ余韻抜け切らず、
書斎からジェイムズ・クラムリー「酔いどれの誇り」文庫版を抜き出し、久々の再読。
正直言うて、この作品の良さは刊行当時は今ひとつわからず読了した記憶がある。
主人公の探偵ミロドラゴヴィッチを
当時のHMC顧問ミスターX氏が「汚れた街を行く孤高の騎士ならぬ、
汚れた街を行く汚れた男の中の男」と妙な賛辞をしたのが懐かしく思い出される。
ストーリーは、舞台が米西部の中規模な街ということもあって、派手な展開は無く、
ミロを筆頭とした酔いどれキャラ(?)を中心に、ひとりの青年の失踪事件を発端にして地味に人間ドラマが繰り広げられてゆき、ロスマク的な人間悲劇の結末を迎える。
(実際、「さむけ」を意識したような終章の対決(?)シーンである)
70年代ハードボイルド・ミステリの代表作のひとつである点は間違いなく、
それなりの読み応えはあり、ミロをはじめ魅力的なキャラが複数登場するものの、
今読むと、ミステリとして謎解きの伏線が無く、御都合主義の展開に走り過ぎているの
が気にかかる。
「当時」だからこそ「高評価」された作であり、「古典」というには弱い作というのが
現在時点における妥当な評価かと思う。
507:名無しのオプ
07/09/23 12:01:36 wW64cLBg
>>506
チャンドラーの短編のオススメは「待ってる」だっけ?
508:名無しのオプ
07/09/23 14:05:35 zuvnb0Qy
>>506
ハメットスレの69の台詞の原典は、何だかわかります?w
まあ70に、答えが書いてあるので、
どんな馬鹿でも、わかりますがねw
509:名無しのオプ
07/09/23 14:07:20 zuvnb0Qy
ミスターX氏 だって! ゲラゲラ
510:名無しのオプ
07/09/23 15:09:29 v6FHL5Jo
ミスターX … ハート泥棒か?
511:名無しのオプ
07/09/23 15:39:52 UzZBvEDV
>>503
作家名の表記はラストネームに統一しろよ。
それすら出来ないという時点で、まともに論考として取り上げられるわけがないんだがw
まともな媒体に発表したことがないのがバレバレだなw
512:名無しのオプ
07/09/23 17:03:24 LNis0pIJ
まあ、らき☆すたの泉こなたが、俺の脳内妻だ~っ!と叫んでる書斎さんですから、
まともな文章を書くのは無理だと思われます。
(親方のポエムを読みたい人は、吉村 昭 で、2ちゃん検索して下さい
驚異の世界が、待っていますw)
513:名無しのオプ
07/09/23 17:07:16 LNis0pIJ
あと、読後感 ◆VkkhTVc0Ug うざい、書斎と同レベル、ネタバレやめろ、
誰も読んでない、ひっこめ!
514:書斎魔神 ◆qGkOQLdVas
07/09/23 17:16:06 7DzvL4XB
ジョゼフ・ウォンボー「ブルー・ナイト」を読んだ。
タイトルは「青い夜」ではなく、当時のLA市警の制服のカラーから想起した
「青い騎士」の意。警察小説ならぬ警官小説のマエストロであるウォンボーが
「センチュリアン」に次いで著した作だが、前作と同様に現在では入手難となっている
のが惜しまれる。
本作の主人公は、勤続20年、早期退職を間近に控えたベテラン警官(巡査)
バンパー・モーガン、このバンパーの退職予定日前(正確には退職前の休暇に入る前)
3日間の行状を描いたものである。
彼氏は、喩えではなく、まさに「汚れた街をゆく孤高の男(騎士?)」なのだが、
管内では滅多に自腹を切って飯を食ったことがないという現物支給(?)
が身についたひとりの警官でもある。
(大食漢であるバンパーの食事風景(日本料理、アラビア料理、メキシコ料理等様々)には詳細な描写がなされており、文字どおり食指が動くものがあり、
本筋には関係無いものの読み所のひとつと言える)
515:書斎魔神 ◆qGkOQLdVas
07/09/23 17:27:14 7DzvL4XB
「センチュリアン」の新人警官たちなら眉をひそめるかもしれぬが、
バンパーはたかり体質が身についた悪徳警官ではない。
むしろ、多くの街の住民からは頼りにされ、親しまれてさえいるし、
身銭を切って情報屋を操り、犯罪摘発にいそしむような仕事熱心な警官という面が
あるのだ。
さすがに警官出身の著者だけあって、このあたりのキャラが綺麗事に走らずリアルに
活写されている。
ただし、パトロール警官バンパーの日常(単独行)を描く内容のため、
複数主人公の前作「センチュリアン」のような視点の広がりは欠き、
ロス暴動のような大きなクライマックスとなる見せ場は存在しない点は物足りない
ところか。
また、原書の責めに帰すべきものではないが、わりと古い翻訳作品ゆえ、訳文や注に疑問を残す面が目につくのは難。
例えば、オーバー・イージー・エッグを「卵の半熟フライ」と訳すのはいかがなものか?
516:名無しのオプ
07/09/23 21:16:01 LNis0pIJ
はいはい、よかったね
517:名無しのオプ
07/09/23 21:21:42 yFAquFhz
>>512
吉村昭で検索して読みました。
こちらがずっと面白いですね。
何よりも生き生きと書いてます。
ジジイの加齢臭プンプンする馬公など問題外です。
518:名無しのオプ
07/09/23 22:07:32 LNis0pIJ
>>517
親方ウオッチャーの輪をひろめましょうw
519:名無しのオプ
07/09/23 22:23:14 hcT/oHoX
わざわざそんなことをしなくても、目につくでしょw
520:名無しのオプ
07/09/24 01:36:19 ChtJnsxH
それもそうだね、でも、吉村 昭スレ(ふたつあるので注意)の
親方のブログ(?)&ポエムは、必見ですよw
大爆笑
521:名無しのオプ
07/09/24 02:23:21 ChtJnsxH
こんな事書いてますw
97 :ミステリ板住人:2007/08/31(金) 23:04:39
明日は女と食事する予定だ。
その後はお決まりの"まぐわい"であろう。
俺様にはこなたタンという婚約者がいるが
男の心情と股間は別物である。
しかし、こなたタンを裏切りたくない。
そこで一計を案じた。
俺様直筆でこなたタンお面を作って、女に被せてエッチ。
俺様が抱いてる女はこなたタン!決して君を裏切った訳ではない。
この計画を食事の最中に切り出そうかと思う。
明日は頑張るぞ。
愚民諸君、心しておけ!
522:名無しのオプ
07/09/24 02:39:12 SveJfEPk
もういい加減気違いの話は他所でやってくれないか
523:名無しのオプ
07/09/24 03:08:26 ChtJnsxH
粘着してるオッサンに言ってくれ
524:名無しのオプ
07/09/24 11:16:45 vRmJTlkw
>>523
アンタも馬同様スレ違いなんだよ
空気嫁
525:名無しのオプ
07/09/25 17:23:14 5ZgFo96I
異次元宇宙生物・書斎魔神でおま
526:名無しのオプ
07/09/27 13:15:51 Jq8IOH9P
147 :書斎魔神 ◆qGkOQLdVas :2007/09/26(水) 22:05:44 ID:loWIESfZ
評価という問題で思い出すのは、清張先生のキャノン機関に関する記述。
これは過大評価とする声が多い。
清張説に従えば「ミッション・インパサブル」まがいの凄い謀略機関なのだがw
148 :名無しのオプ:2007/09/26(水) 22:12:00 ID:a9L6xwK7
>>147
あーあ、またお得意のw
149 :名無しのオプ:2007/09/26(水) 22:30:59 ID:lZ76rrUG
ミッション:インポッシブル Mission:Impossible (スパイ大作戦)ですよ
書斎のだんな
527:名無しのオプ
07/09/27 18:45:29 LpXWg250
「ナインスゲート」読了。
映画を先に見てしまい、大した期待もせずに読んだが、なかなか歯応えがあった。
でも、三銃士とデュマに関する知識は前提条件として必要かな。
それがないと、「ミレディー」「ロシュフォール」などの概念が理解しにくいだろうし。
蘊蓄だらけで展開が遅いこともあり、万人にはおすすめできない。
まだ未読だけど、「ダンテ・クラブ」もこんな感じなのかな?
528:名無しのオプ
07/09/28 15:06:48 ugJs7288
uraaaaaa!
,,,,,,,,,,,,
[|,,,★,,|,]
ミ゚Д゚,,彡
┯==∩=⊂ン~ )ニヌ
 ̄ ̄ ̄ i==|=[]j
/_/ヽ___i
し' \)
シベリア自警団
529:書斎魔神
07/09/29 19:07:31 Tr2C5Wpj
ヘンリー・ライダー・ハガード「二人の女王」を読んだ。
「漏れだけのアラン・クォーターメン、キター!」とアホな冒険小説オタの如く叫び
たくなるような一編ではある。(原題はそのものズバリ「アラン・クォーターメン」だ)
さほど期待しないで読んだら意外な面白さであった。
創元推理文庫では、「洞窟の女王」の続編が「女王の復活」、そして「ソロモン王の洞窟」
の続編がこの「二人の女王」である。
(余談ながら、二人の女王の白い方=ニレプタのおっぱいポロリの表紙にそそられて、
思わず本書を手に取ったアホな冒険小説オタもいるのでないか(w )
おなじみベテラン探検家(狩猟家か)のアラン、親友のヘンリー卿、グッド元海軍大佐の
3人が英国での安穏とした暮らしに厭き(アランの場合は最愛の子息を失ったということもある)、当時の暗黒大陸アフリカの奥地に存すると言われる幻の白人国を目指して
冒険の旅に出る。
「ソロモン王…」の場合と異なり、行方不明の肉親探しや宝探しという現実的動機が
絡まず、『冒険のための冒険』という、冒険小説の原典のような創りとなっているものの、
著者の文明社会に対する辛辣な見解が随所に見て取ることが出来る作でもある。
(この点は序の部分から顕著)
530:書斎魔神
07/09/29 19:10:35 Tr2C5Wpj
19世紀の作家にしては、キャラ立ちさせるのが巧いハガードだが、
女っ気が殆ど無かった前作「ソロモン…」と比較して、美貌の2人の女王(姉妹)が
対照的なキャラとして存在感を示しているが、メーンキャラの3人と2人の女王にも
増して強烈な印象を残すのが、ズル族の老戦士ウンスロポガースだ。
戦争大好き、戦闘用斧を自在に操る殺人マシーン、
どこか憎めないところもあるとはいえ、敵役とするのが妥当なキャラだが、
あえてアランたちのサイドに置いて超人的活躍(文字どおり)をさせたのは、
物語の興趣を増す意味では成功している。
(途中から一行に加わるおとぼけのフランス人シェフ、アルフォンスも
作者のフランス人観を見るようでいて面白い。捨てキャラかと思いきや、彼氏が意外に
物語のキーマンとなる展開も面白い)
洞窟やソロモンと同様に、実質的に秘境冒険小説と言い得るのは中盤までであり、
後半は美貌の二人の女王にヘンリー卿が絡んだ色恋沙汰に端を発する戦争小説的展開へと発展してゆく。
戦闘シーンのグロ過ぎるほどの詳細な描写は、戦国時代を舞台にした時代小説好きにも
受けそうな感じである。
531:書斎魔神
07/09/29 23:37:18 yuVYUs0h
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532:書斎魔神
07/09/29 23:42:44 yuVYUs0h
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533:書斎魔神 ◆AhysOwpt/w
07/09/30 17:39:04 CeeH83xj
ジョゼフ・ウォンボー「クワイヤボーイズ」を読んだ。
ウォンボーの第3作、現職警察官を辞し作家専業となって初作品でもあった。
前2作(「センチュリアン」「ブルーナイト」)とは、がらっとタッチが変わった
オフビートとでも称すべき異色作となっている。
ロス市警のとち狂った警官たちが織り成す集団ドラマ、しかも捜査よりも
聖歌隊(これがタイトルの「クワイヤボーイズ」)練習と称した公演での御乱行等に
相当の筆が割かれている。
彼に比較すれば、87分署の刑事連は超優等生、「センチュリアン」のロイら3人の
新人警官は模範生、「ブルーナイト」のバンパーは超真面目人間に見えてしまう
ハチャメチャぶり、しかし、戦争や少年課勤務による重いトラウマを抱えた警官
(いずれも白人、彼らが終盤の物語キーマンになって来るし、冒頭には重要な
伏線となる部分もある)もおり、(反面、一般には差別される者に区分される黒人や日系の警官は非常に図太くたくましい感じで描かれているのが面白い)
全編にスラング満載のダーティジョークが散りばめられ、警官たちの公私渡るドタバタが描かれるものの、笑いの要素は少なく、読後も暗い印象が残ってしまう。
ウォンボーはやはり前2作のようなシリアス路線が性に合うのであろう。
本国での売れ行きは悪くなく、映画化もされたにもかかわらず、以後、本作のような
タッチの作は書かれなくなってしまう。
(そして本邦では、早川書房がウォンボーは日本では売れないと判断するきっかけに
なった作のように思う。日本でも劇場公開された映画の原作でありながら、
本作は文庫化もされなかったのだ)
クワイヤボーイズの一味は残存者がいるので、カタルシスを感じさせるような続編を
期待したくもあったのだが、この点は残念であった。
534:名無しのオプ
07/09/30 21:16:48 95bD/551
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535:名無しのオプ
07/10/01 19:09:28 5ik4/y8V
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536:書斎摩神 ◆eZBM9E4bOU
07/10/01 19:17:02 jANNWvhY
A・H・Z・カー「誰でもない男の裁判」を読む。
このミス6位、文春5位にランクインした作品集だが、
全体を通しての感想は「甘ったれるな!」、この一言に尽きるかと思う。
作者は同じカーでも、カレッジ中退の米国版司法崩れ、売文業以外にはまともな職歴が無い
J・Dとは大違いのシカゴ大学学士号、コロンビア大学修士号を有し、
大統領経済学顧問まで務めた経済界では大成功したビジネスマンである。
しかし、この程度のものを書いているようではミステリという分野では駄目ぽ。
昨年の「歌うダイアモンド」「ヨットクラブ」にしても、一昨年の「壜の中の手記」
にしても、宝島社も文春も晶文社の海外作家の短編集に評価が甘過ぎる。
これでは、業界内のごっつあん相撲とか思われてしまうぞ。
537:名無しのオプ
07/10/02 17:36:02 /9/oqSAv
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538:名無しのオプ
07/10/02 17:39:20 /9/oqSAv
書「オーバー・イージー・エッグを「卵の半熟フライ」と訳すのはいかがなものか? 」
Q「じゃあ君ならどう訳す?」
書「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
539:書斎魔神 ◆AhysOwpt/w
07/10/06 20:21:24 h6RGAOu4
ジョゼフ・ウォンボー「デルタ・スター刑事」を読んだ。
ウォンボーの標準作といった程度の作。
前半はこの作者の作品ではおなじみのキャラ立ちした警官たちが行状が
おもしろおかしく綴られるウォンボー節全開だが、
後半は、登場人物のひとりである殺人課刑事マリオをメーンとした娼婦転落死事件を
発端とする謎解きミステリとなってゆくが、
カルテックへの潜入捜査等、創りものめいた展開が目につき、謎解きそのものも
平板で面白いものではない(元々、パズラーというタイプの作家ではないから仕方ない面
もあるが)
警官物語に徹した従来の作から、
一捻り、新機軸を狙って「謎解きミステリしてみました」感がある作だが、
やはり柄にも無いことはするべきではなく、この試みは失敗に終わっている。
また、この部分に筆を割いたため、
小柄ながら元気印の婦警ドリーと相棒ののっぽのディルフォード、
死体大好きなへんてこ殺人課刑事チップとメロディ等のいつのまにかフェードアウト、
あるいは完全に脇に回ってしまい印象薄となっているのが非常に残念だ。
「クワイヤボーイズ」や「ハリウッド警察25時」の如く、集団ドラマに徹していれば
登場キャラを納まるべき位置に納めることも可能だったのではないかと思う。
(むしろ、ウォンボーがこの手の処理が巧い作家である)
540:名無しのオプ
07/10/06 21:43:51 1AhfUgdE
↑
アドレスフリチン
541:名無しのオプ
07/10/07 15:49:17 eY6me883
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上、 \, ,/ ,エ
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iキ ,;;´ ;lllllllllllllii、 iF
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!キ、._ ,=ゞiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiii!! __fサ
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,._Ξミミミミミヾ巛彡////iii_
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if! |l lヾヾシヾミミミ川|ii//三iリ `キi
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;iナ,サ |l l l リリ川川川川|爪ミミiiリ キi キi
iナ ;サ |l l リリリリ川川川川l爪ミミilリ キi キi
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;メ'´ !彡ノリリリリリゞミミシ `ヘ、
;メ ヾリリリリノ巛ゞシ `ヘ、
;メ ``十≡=十´ `ヘ、
542:書斎魔神 ◆AhysOwpt/w
07/10/07 21:05:06 dvFWqYD7
ダシール・ハメット「影なき男」を読んだ。
小鷹信光氏による新訳にて再読。
翻訳書においては作者と訳者の相性(文体等の嗜好性)が重要なことはあらためて
言うまでもないが、やはりハメットの訳はこの人に限るという感を強くした。
内容的には、いささか強引な面はあれど、意外に謎解きに重点が置かれているのが、
ハードボイルド・ミステリとはいえ「古典」らしいとは言える。
そして、このハメット作品中ではスマートな作風にもかかわらず、
横溝正史風のドロドロねた(「悪魔が来りて笛を吹く」を想起)まであるのは、
怪奇探偵ハードボイルド・ミステリとでも称すべき「デイン家の呪」の作者らしい
と言えよう。
本作の探偵役ニック・チャールズに関しては、訳者みずから担当したあとがき(ネタばれ気味なのが気にかかるが)で、サム・スペードの成れの果て、引退したオプと評されて
いるが、「プレイバック」後のマーロウ、そして朝から酒を手離さないアル中気味のニックには70年代の病的な後継たちの先駆けを見ることも可能であろう。
さらには、ニックの妻であり相棒でもある若妻ノラの精神面のタフさは、
後の女性私立探偵ものの走りとも読み得る。
なにはともあれ、あとがきの最後にもあるとおり、ハメット作品にしては洒脱な作には
ややアンマッチな喩えかもしれぬが、スルメのように噛み続けると味が出て来る作という
評は極めて的を射たものと言い得る。
最後に、類型的・保守的な登場人物が多かった当時の本格ミステリを揶揄するかの如き、女性キャラたちのダーティな喋りも読ませどころであるが、
「サノバビッチ」は「下種野郎」の訳でOKとしても、「ボールズ」は「悪態」の意で
コンテクスト的にはOKだとしても、「キンタマ野郎」のニュアンスを活かして
欲しかった気もしている。
543:支持者
07/10/07 21:10:28 BXKh4kZi
誰か書斎さんにレスをしてくれ!
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544:名無しのオプ
07/10/09 20:11:58 1yYrh97/
なんなんだよこのスレは!!
書斎もその安置も支持者も出てけ!!
見てるだけで気分が悪くなる!!
マイクル・イネス「ある詩人への挽歌」を読んだけど、
感想書きこむのやめた
545:名無しのオプ
07/10/10 00:01:37 1yYrh97/
「公園はおれのもの」
感想書きこもうと思ったが荒れてるのでやめる
546: ◆XjFtIkbasQ
07/10/10 00:42:11 CYFoV/FC
ミネット・ウォルターズ『蛇の形』(創元推理文庫、2004)【6.5点】
ある雨の夜、近所の鼻つまみ者の黒人女性アン・バッツが路上で息絶えた。
彼女の死を看取ったミセス・ラニラは、警察の「事故死」発表に疑問を
抱き、20年後に独自の捜査を開始する。バッツの死の真相は?
主人公の捜査パートに、検視報告書やEメールが挿入される構成だが、
あまり効果があがっていないような気がする。登場人物がみな
「嫌な人間」であり、ネコ虐待の描写も読みにくさに拍車をかける。
世評は高いようなのだけれど、個人的に合わないミステリーだった。
読者の誰もが抱くであろう「ある疑問」はラストで氷解し、それが実に
ぐっとくるのだが、それまでの道行きがつらかったのが正直な感想。
547:名無しのオプ
07/10/12 04:46:44 nSke4W2L
840 名前:ミステリ板住人 :03/08/31 19:58 ID:XwSn+BQ5
仕事を辞めて無職になった直後は非常に居心地がいいのだが、
やがて無職であることに焦りを覚えはじめ、禁断症状に近い
苦しみが押し寄せてくる。毎日同じことの繰り返し、
家族の目も怖い、何にも無いことにまで気を使うようになってしまう…
全く無関係の板に延々とゴミ屑を撒き散らして
正常なコミュニケーションを妨害するこういうダニをいつになったら駆除するのかね? > 管理者
お仕事御苦労様です。御迷惑をおかけしてすいません。了解しますた。
スレを入れる気持ち良さ、これは射精と同じものがあり病みつきになってしまったです。
もしかしたら、ぼくは病気なのかもれないですがきっとそうです。
スレの人も削除人さんもぼくの話しを聞いてくれませんか
ぼくはだめんぼ、だめおくん ありゃあれいてん とっちゃった そして共に語るにゃ(w
846 名前:ミステリ板住人 :03/08/31 20:15 ID:XwSn+BQ5
スーパーのバイトは慣れるまでが大変だぞ。
私も裏事情板にスレが立つ某大手スーパーで働いたことが
あったが、疲労と忍耐の3年間だった。
65 名前:ミステリ板住人 :03/09/07 01:05 ID:3bJhnVU1
今後の人生についてナンニモ考えたことの無いDQNがw
ここの連中に多い傾向だが、今後の人生について考え過ぎるだけ
お前たちも、何かに向かって必死になってみろよ。
今のお前たちは、県内随一の馬鹿の高校を卒業したやつよりも下だぞ。
予備校に行って、10ヶ月集中して勉強すれば、有名大学には入れる。
まして、私立文科系は3科目ないしは2科目である。
俺様のフィアンセこなたタンに見せたら感動のあまり泣き出しそうだな。
「サイコーだよ~、ありがとう、ありがとう、こんないいものを見せてくれて~」
「わかるか、こなたタンもわかってくれるのか!」
泣きながら、抱き合う俺様とこなたタンの姿が目に浮かぶ
こんな糞スレでリーダー気取ってる場合じゃないかな。
愚民諸君、心しておけ!
548:書斎魔神 ◆AhysOwpt/w
07/10/13 14:30:49 Q+v3vek5
「デイン家の呪」再読。
初読時にはなんとも思わなんだが、今読むと翻訳が古い感を強く抱いた。
エルの「Yの悲劇」に触発されたかのような呪われた血統ネタがメーンという
「影なき男」の評で言及したとおり、怪奇探偵ハードボイルドミステリとでも
称すべき異色作ということもあるが、
クラシックな本格ミステリ調であり、原初ハードボイルドであるハメット作品らしい
荒々しさを欠くのである。
ハメットスレでも指摘されているとおり、そろそろ新訳を期待したいところである。
ハメット長編5作中では、第3部で失速する感があり、解決そのものは強引に過ぎる点が目につくとはいえ、
最も謎解き色が濃いものであり、毎月のように粗製濫造されるお手軽過ぎる新書ミステリの類の追従を許すものではない。
各人、心して読め!
549:名無しのオプ
07/10/13 16:55:11 nCsNHWEo
ヲマエモナ~
550:ミステリ板住人
07/10/14 00:14:39 FpYrhv5r
幼女!幼女!!幼女~!!!
白倉Pが俺様のためにキャスティングしてくれたのだろう。
これからも感謝しながら鑑賞しよう。
551:名無しのオプ
07/10/15 16:41:11 gjK6TUhy
「バニー・レークは行方不明」イヴリンパイパー
あまり自信ないんだけど、これ翻訳がへたくそな気がする。
552:書斎魔神 ◆AhysOwpt/w
07/10/20 13:28:51 7kZ4aNO6
ジャック・リッチー「クライム・マシン」を読んだ。
2006年度このミス海外部門1位作品だが、
これが1位になるイヤーとは、
当時の本誌主筆ミスターXの「不作なり」の一言が極めて納得がゆくものがある。
勿論、悪い作品集ではなくベスト10の下位(8位、9位あたり)にランクイン
したのであれば、文句無いほどの出来ではあるのだが、やはりこれの1位は無かった
のではないか。
表題作などは、J・DやE・D(解説によれば彼氏はこの作者を高く評価していたとのこと)
の読者なら、それなりに面白く読めるやもしれぬが、いかんせん主人公がプロの
ヒットマンにしては注意力に欠け間抜け過ぎるという感を否めない。
本作を見ると、スーパーナチュラルは書かない作家かと思いきや、
カルトムービー「ウイッカーマン」を想起させるような「縛り首の木」のような作も
収録されていたりして、バラェティに富んではいるものの、この作者の持ち味とはいえ、全体としてあまりに軽過ぎるという感がある。
553:書斎魔神 ◆AhysOwpt/w
07/10/21 14:25:28 WHjSIcqO
マイケル・イネス「アプルビイの事件簿」を読んだ。
論理で読ませるエル風の作あり、奇抜なトリックが売りのジョン風の作ありで
結構楽しめるシャーロック・ホームズのライヴァルシリーズのひとつとして刊行された
本邦オリジナルの短編集である。
解説でも触れられているが、一部には退屈冗長な作風という評もあるこの作者の作だが、
本作品集を見る限りでは、中・短編に関してはこの懸念は不要と言い得る。
では、大好評につき収録作品全話講評逝ってみよう!
「死者の靴」
タクシー乗場の偶然性が気にかかるが、怪奇性を排した論理的作風の一編。
まあ、そこそこに楽しめる作ではある。
「ハンカチーフの悲劇」
「オセロ」ねたを巧く活かした教養人好みの作。
小品ながらハンカチ絡みの謎解きも巧く決まっている。
「家霊の所業」
ジョンならいらぬロマンスを導入して通俗にしてまったかもしれぬ名家の廃屋敷を
舞台にした怪奇性高い作。なかなかムーディで読み応えあり。
「本物のモートン」
裏焼きねたを巧く活かした好SS。
「テープの謎」
これは推理に無理有り過ぎな作か。スパイ小説まがいの展開も不調和で頂けない。
554:書斎魔神 ◆AhysOwpt/w
07/10/21 14:30:08 WHjSIcqO
「ヘリテージ卿の肖像画」
後半のアクションが白ける一編。謎解きミステリとしての見るべき点がほとんど無いのが
致命的な作。
「ロンバート卿の蔵書」
アイデアが面白いSS。創りが実に巧い。
「罠」
探偵しか知り得ない手がかりがポイントというアンフェアな一編。
この作者らしいハムレットねたも十分に活かされていない。
「終わりの終わり」
論理で読ませるかと思いきや、ジョン風のトンデモトリックが炸裂する一編。
飄々としながらもシニカルな結末も良し。
これも根がヤンキーのジョンなら通俗ロマンス仕立てにしてしまったような作だが、
さすがにイネスは渋く決めてくれる。
555:読後感 ◆VkkhTVc0Ug
07/10/23 18:32:52 8jpNXrRZ
「モンキー・パズル」ポーラ・ゴズリング(早川書房)
大学教授が殺され舌を切り取られるという殺人事件が発生。
病み上がりのストライカー警部補が捜査に当たるが、次に英文学部長が
耳を切り取られてしまい―。
アヒルが逃げる話だけ書いとけば良いと思う。どこが本格だっつうの。
推理もトリックもねーし、ふーんて感じで進んで逮捕されるだけ。
ろくに伏線が張ってないから何の感慨もないし。
それともう一つ、作者の持ち味であろうロマンスなんだけど、
こ れ は ひ ど い 。
ハーレクイン読者でも失笑すると思うわ。普通に犯罪だしね。
ただそんな本作にゴールド・ダガーを上げちゃうのが
毛唐のダメな所。誤審の次に。
556:読後感 ◆VkkhTVc0Ug
07/10/23 18:34:32 8jpNXrRZ
「チムニーズ館の秘密」アガサ・クリスティ(早川書房)
アフリカでガイドをしていた青年アンソニーは旧友の誘いに応じて
二つの仕事を引き受ける。一つはさる政治家の回顧録をロンドンの
出版社に届けること、もう一つはある女性に伝言をすることであった。
しかし、彼女の家を訪ねたアンソニーは思いもかけない事態に遭遇する。
単純に比較は出来ないかも知れないが続けて読むと差が如実。
冒頭からハートをがっちりキャッチ。ページを繰るのが楽しみで喃。
三国の探偵達に怪盗の陰もチラつく等様々な要素が絡まり合って
一本に集束する様は流石女王様だとオモタ。
しかしその濃い内容故に映像化するとダイジェストじみて来るという……。
でも、どうしたらアイリーンがバンドルになるのだらう。
557:読後感 ◆VkkhTVc0Ug
07/10/23 18:43:07 8jpNXrRZ
「赤の女」ポーラ・ゴズリング(早川書房)
窓際に追いやられている中年領事館員チャールズの元に
殺人容疑で逮捕された英国人のフォローをする任務が回って来る。
強盗に入った男が殺されたという事件だったが容疑者は犯行を否認、
しかし被害者の息子は以前容疑者と共犯で詐欺を行なっており、
有罪宣告を受け護送中に事故死するという過去の経緯があった。
チャールズは容疑者の息子の元妻と一緒に行動を起こし始めるが……。
こうやってサスペンスを書けばそこそこ行けるんですよ。本格なんて
分不相応な物に手を出そうとするから良くなかったんですね。
謎とロマンスと活劇がわりかし良く絡まってて手堅く読める味でした。
こないだのはこれより新しいってのにあの体たらくで、
これが男なら離婚したのかと思う所だけどスケさんだし、ただの手抜きか。
558:名無しのオプ
07/10/23 19:11:29 RYi34+JD
>556
どの本か忘れたんですが、クリスティの舞台らしきところを巡る本の中で、
バンドルには「ひっぱる」とかって意味があるそうで、
そこから勢いがよい云々って渾名になったとかって
かいてあったんですが、本当なのか不明です
559:読後感 ◆VkkhTVc0Ug
07/10/23 19:14:18 8jpNXrRZ
「弓弦城殺人事件」カーター・ディクスン(早川書房)
海沿いに佇む古城を二人の学者が訪れた夜、凶事は起こった。
城の主人が甲冑の展示室で奇怪な死体となって発見されたのだ。
隣室にいた学者の証言によると被害者が入室して以来死体が
見つかるまで誰も部屋には入っていないという。
一体彼はどのようにして殺されたのか?
これ最初読んでて「うわ、バレバレじゃねーか」と思ったんですが
外れました(笑)。伏線もあからさまに張ってあったりしたのに
見抜けなかった馬鹿さに(^^)/▽☆▽\(^^)
おかしな点もありますがミステリーとしてはなかなかでした。
ただ小説としては全く面白くないです。ストーリーなんて何もないし
キャラクターも全然立ってません。そら一作で切られますわ。
お陰で読みにくうて。思うにこの頃カーは離婚(ry
560:読後感 ◆VkkhTVc0Ug
07/10/23 19:16:09 8jpNXrRZ
>>558
成程。スペルは関係なかいのですね。情報どうも。
561:読後感 ◆VkkhTVc0Ug
07/10/24 16:21:10 TTyEBCSP
「もうひとりのぼくの殺人」クレイグ・ライス(新樹社)
目覚めたとき、ぼくは列車の中にいた。何故ここにいるのだろう?
ぼくにはそれまでの記憶がなかった。ポケットには見知らぬ男の
名前が記された名刺と手紙が入っていた。傍らには新聞が置いてあった。
開いてみると殺人事件の記事があり、犯人の写真に写っている男は
僕だった。……
短編「うぶな心がはりさける」以来。マローン物はある偏見が原因で
読む気がしないのよね~。で・も! これはスルリと入れた。
探偵役が影薄いしね。
誰も自分を知らないという話や自分とそっくりの男に入れ替わられる話は
今までに読んだことあるけど、自分が別人になってしまうというのは……
あ、最近の国内物であったな、ひとつ。でも古典では寡聞にして
覚えがないや。閑話休題。
こういうの好き。突端の奇想は抜群。ただ、大き過ぎるはったりは
どうしても話を解りやすくしてしまうため、どんでん返しの楽しみは薄い。
前作もいつか読むかいのう。
そういや金田一少年で似たカラクリの物があったやに思うが
当時未訳だったし流石にこれはパクっちゃいまい。
562:読後感 ◆VkkhTVc0Ug
07/10/24 16:22:57 TTyEBCSP
「聖女の遺骨求む」エリス・ピーターズ(社会思想社)
時は12世紀。イングランドはシュリーズベリ修道院の副修道院長
ロバートは修道院に権威を持たせるため、奉るべき聖人の遺骨を
探していた。そんな中、若き修道士コロンバヌスが夢で聖人の啓示を
得たと宣言。驚喜したロバートは早速一団を従え遺骨を掘り出しに
向かうが―。
初カドフェル。ファルコの方が良かった。比較したらめ?
何かね、プロットはミステリーなんだけどロジックがよちよち
歩きじゃ話になりませんよ(byアーノルド)。だから解明が強引で
ガッカリする。ロマンスもやる気なしのやっつけ仕事。
後、セリフとセリフの間に発言者を示す文章が入るという文体に
違和感があ~る~♪
563:読後感 ◆VkkhTVc0Ug
07/10/24 16:26:35 TTyEBCSP
「殺人者と恐喝者」カーター・ディクスン(原書房)
催眠術実験の最中、被験者の女性が夫を殺害してしまう事件が発生した。
偽物のナイフがいつの間にか本物と摺り替っていたのだ。
しかも被害者には殺人を犯したらしい気配があり恐喝を受けていた
という……。
やられたなあ。てっきりアイツだと思ってたのに……。
伏線も通ってるし見事な赤い鰊だ。
これは読んでもいいカア。ただ、トリックはかなり無理無理。
564:名無しのオプ
07/10/24 18:08:09 CSPodH2H
>>562
カドフェルにロジック求めてもなあ
「遺骨」は第1作なので例のライバルはまだ登場してないし
ロマンス求めるのなら「死体が多すぎる」以後だし
ファルコは最初から本格を標榜してないから比べても意味ないし
565:名無しのオプ
07/10/25 00:09:24 MAdeN1PC
カドフェルよりファルコを先に読んだ人がいるのに
驚いた。自分はカドフェルの新刊をわくわくして待ち望んで
いた老人だが。
566:書斎魔神 ◆AhysOwpt/w
07/10/27 11:41:55 afQ8lDN7
クレイトン・ロースン「虚空から現れた死」を読んだ。
不可能犯罪ものの中編2作を収録。
探偵はクレイトン作品でおなじみのマーリニではなく、同じくマジシャンではあるが、
伊達男ドン・ディアボロである。
ディアボロの弟子の中国人青年、マジック助手の双子の美人姉妹をはじめとして
個性的なメンツが多く登場し、マーリニもの以上に軽快で華やかなアメリカン・ミステリの世界が展開され、
(こういった作風という点では、クレイトンは親友だった英国かぶれなジョンよりも
エル(初期)に近いものがあるのだ)
ディアボロの助手の名がチャン。チャンダラ・マンチュー、
俳優向けホテル<ドルリー・レーン>、ホームズ&ワトスン社の金庫等々、
ミステリファンの微笑を誘うようなお遊びも散りばめられている。
だが、内容面ではマジックはタネを明かしされると興醒めというケースが多いが、
マジシャンを本業とするクレイトン作品の読後感にもこれと共通するものがあるのが
残念ではある。
なお、直接ストーリーに関係はしないものの、主語がディアボロであったり、
ニック(ディアボロの愛称)とあったりと不統一となっており、
非常に読み難くなっている部分がある、こういった点は厳重にチェックして欲しいもの
である。